スキルツリーがバグった【俺ら】の現地事情   作:神薙改式

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 前話から今回の話の間にまとめサイトにて霊視ニキが公式に生還してた事が決まって喜んでいる作者ですが、今話に於いても丁度良い話だった為ちょっと引用させてもらいます。

 恨みを燃やし続けるには燃料がいるとの事ですが、嫁達が居るのに今現在も過激派メシアンに対して恨みを燃やしてるブーストニキ、その恨みの源泉が何かというと『毎朝母親の遺影に向かって手を合わせている父親の背中を見ているから』です。

 因みに母親の葬式が済んでから父親は毎朝欠かさず拝んでいますし、ブーストニキも毎朝それを見ています、そしてその度に恨みに燃料が投下されている訳なんですね、めっちゃ重いですこの家族。


第六十八話 因果成立

「…なんだ?」

 

 電脳拠点の深夜、最近各大型異界のアクマ達の見苦しい妨害によるストレスで尖っていた神経に、過去最大級の苛立ちが走り目が醒める。

 

「この感覚…聖書関連? にしては悪意は無さそうだが…あぁチクショウ駄目だ…苛立ちでマトモに思考が回らねぇ…」

 

 普段から上がる事はありはしても下がること無いメシア教に対するヘイトの影響で、メシア教関連の上位存在が現れただけで暴力的な思考に染まる脳内、普段ならば嫁達の存在が近くに居る為抑えられるソレが、自分一人しかいないという状況にアッサリと箍が外れる。*1

 

 その結果ブーストニキの住居兼アイテムショップの周りは、権能の影響が漏れ出る様な形で物騒な変質をしていき、意味も無いのにまるで要塞の様に変化していった。

 

「何処だ? 何処に居やがる…?」

 

 幸いブーストニキの電脳拠点での普段住まい兼アイテムショップは、他の滞在者達の住まいからはある程度離されているのだが、それによって周りにバレないのをいい事に、ブーストニキは怨敵が何処に現れたのか気配を探り出す。

 

 尚、この電脳拠点のメイン管理者である式神霊夢には普通に筒抜けである為、後程シバかれる事は確定している模様…。

 

「…夢の中かッ!? 『睡眠の秘石』!!」

 

 敵が何処に居るのか直感で察し、即座にアイテムを使い無理矢理眠りに着くブーストニキ…判断が早いし行動も早いが、普通こんな事したって意味が無い事を当の本人さえ反射で行っている始末…。

 

 しかし反射で行なっているという事は、身体が勝手に動く身体反射でもない限り、何かしら有効な手がある事を経験から悟っているという事でもあり、これに該当するブーストニキの行動結果はある種当然なものと言えた。

 

「死ねよや◼️◼️◼️◼️ッ!!」

「ぁあっぶないっ!! どちら様ァッ!?」

「ちぃっ、外したっ!!」

 

 丁度某四文字の一化身である分霊の鳩が、粗方やる夫さんに説明し終わったタイミングで登場したブーストニキは、間髪入れずに鉈を創り出して胸糞悪い気配の元へと振り下ろす。

 

 幸い幾ら弱い分霊といえども強大な存在である鳩は、本当のギリギリ(羽の先っちょが切れる程度)で回避する事に成功し、取り敢えずいきなりスプラッタになる事だけは回避出来た。

 

「ファッ!? ペルソナ背負ったブーストニキがいきなり出てきたお!?」

「うわぉ、彼自分のペルソナ出しながら寝る事で他人の夢に潜り込んだってのかい?」

「そんな対デスサーティーンでの花京院みたいな真似出来る訳が「あ? やる夫さんの夢の中だったか? 花京院作戦成功だな」…あったおね…」

 

 ※こんな事言ってるけど嘘です、反射で動いた結果です。

 

 しかしここでブーストニキ気付く、ここで暴れたらいとも簡単にやる夫さんがペルソナ系の被害を受けるのでは? と…。

 

 やる夫さんはとっても耐性が貧弱であり、それはやる夫さんの内面世界である夢の中も同じと考えて良し、その為此処で武器振るって下手に地面にぶつけるような事をすれば、一緒でやる夫さんは大ダメージを受けかねないのである。

 

「おのれ…貧弱だけども俺達連合にとっての重要人物であるやる夫さんを盾にするとは小癪なヤツめ…」

「ねぇ、なんでサラッとヤッルの事ディスったの?」

「でもやる夫さんミタマ強化して来たのに、この前強化受けてないない夫君からの張り手一発で沈んでたんでしょ? …少なくとも彼よりもレベルが遥かに上で、突出している『運』以外の全ステータスが黒札の平均ど真ん中、って調べが出てる俺の一撃が下手にそこらの床に直撃したら…やる夫さん耐えられる?」

 

 尚、運命力的なものはペルソナが変貌するレベルの変化が起きた影響で一般黒札レベルに落ちており、最終的なレベルは俺の平均的な黒札よりも旺盛な戦闘意欲の影響の結果、梃入れがなければマジで黒札の平均より上程度に収まるのではないのかと予測されてる模様。

 

 これ以上強くなりたいのであれば、後は戦術や戦闘スタイルを練り上げる事で何処まで高みに登れるかだが、この個人的に微妙な情報の結果、終末後に一波乱起きる事になるのは別の話。

 

「…く、食いしばりスキルでなら一回位は…」

「アレが俺程度の一撃で仕留められる程度の雑魚だったら、この世界に一神教なんて蔓延ってないんすわ…」

「序でに言ったら僕は基本戦闘力が無い方だけど、この分霊で出来る攻撃なんて遠距離に飛ばす魔法ばかりだから、この子に上手く掻き消されない限りどう足掻いてもやる夫くんの夢の世界にダメージが行っちゃう事になっちゃうよねぇ〜」

 

 序でに言えば俺の戦闘スタイルなのだが、ステータスが運以外突出した点が無い都合上、トドメを刺す時や初手で倒せる相手じゃ無い場合、様々なタイミングで攻性アイテムを使用し、連続して攻め立てる事で相手を崩して更に攻め立てる様にしている為、食いしばりとかの耐久スキル持ちと滅法相性が良かったりするので…うん。

 

「やっぱり俺が此処で暴れたらやる夫さんに深刻な被害が出かねんか…千載一遇のチャンスだというのに、なんとも口惜しい事だ…」

「ねぇ、この子なんでこんなに父さんの事憎んでるの?」

「あ〜…メシア教の過激派がブーストニキの地元で迂闊に霊装起動させちゃったせいで大型の異界が出来てしまい、その異界から溢れたアクマにお母さんを殺されちゃったのが切っ掛けらしいです」

「それ僕あんまり関係無くない?」

「テメェが組織ちゃんと管理出来てたら問題無かったんだよクソボケがぁっ!!」連続斬り(周辺被害出ない様手加減あり)

「ウッヒャァッ!!?!」ライドウ式前転回避

 

 クソがッ!! 鳩のくせしてライドウ式前転回避で物理透過して避けやがる!!

 

「いや待って待って、少なくとも僕はここ数十年殆ど人間界や天使達に干渉してないんだけど!?」

「あ゛?」

「え?」

 

 こいつ今なんつった?

 

 一旦手を止めてクソの話を要約すれば、人間が自立出来たから次は天使達にも自立を促そうと一部の大天使に声掛けした以外の干渉を辞めた結果、何故か天使達が大暴走し始めて現状に至ったのだとか…。

 

「…つまりは結局の所テメェがちゃんと見守っておいて、手羽先共が暴走しそうな時に止めに入ってば良かっただけの話じゃねぇかぁっ!!」振りかぶり

「二度ある事は三度あるぅ!!」回避モーション

「いいや三度目の正直だァッ!!」新スキル習得:燕返し*2

「あっ…」critical‼︎×3

 

 鳩の姿をした高位分霊に真向斬りが頭部、左一文字斬りが頸を、逆袈裟斬りが胴体の三箇所に直撃する、三方向から同時に斬られた高位分霊は腐っても高位分霊だからなのか、三つの斬撃により分割される事無く弾き出される様に真っ直ぐ吹き飛ばされていく。

 

「ッシャオラァ!! どんなもんじゃい!!」

「ちょぉ!? マジで叩き込んじゃったお!?」

「ちょっとお父さん大丈夫!?」

「あ、当たらないと思って油断してた…クッソ痛い…」

 

 情け無い声をしながらもフラフラ起き上がる鳩、やはりというかなんというかその矮躯とも言える身体には別段切り傷がある訳でも無く、恐らく話し方からして『箪笥の角に小指をぶつけた』程度の感覚なのだろう…うん、それだけでも結構ザマァで良いな。

 

「でもまぁ、今回については流石にこれ以上やる夫くんの邪魔するのはやめてよね?」

「うん? やる夫さんの邪魔ってどういう事だ?」

「君にも関係ある事だから言っておくけど、終末直前のゴタゴタしているタイミングでペルソナ問題の元凶達が乗り込んでくるから、それに備えてある程度やる夫くんにはペルソナに目覚めておいてもらおうと思ってね」

 

 …軽く話してるけどかなり大事なのでは? ショタオジでも予見出来てない事をサラッと知ってる前提で話してる辺り、やっぱクソッタレであっても四文字って事なのかよ…。

 

「………つまり此処に居たら完全にやる夫さんの邪魔にしかならないって事かよ…」

「だって君その調子だと僕が何か言う度にキレ散らかしかねないでしょ?」

「それはそう、全面的にそう…くそぅ…諦めるしかないのかよ…やる夫さん、夢から醒めたら取り敢えず霊夢に診てもらうように手配はしておくからな? 下手に『ナニカサレタヨウダ』ってなってたら溜まったもんじゃないからな」

「あ、うん…分かったお」

 

 そうと決まれば嫌なヤツと一緒になんか居たくない為、即座にパトラストーンを使って眠りから目覚める事にして、やる夫さんの夢の中から離脱するのだった。

 

 

 

 ──ブーストニキの自室にて──

 

「…夢から戻って来た、か…夢の内容はちゃんと覚えているな…うん? 誰か来たか?」

 

 ベッドで目を覚ましたブーストニキは、自身がやる夫さんの夢の中で何をやっていたのかを反復していると、自室に誰かが転移してくる気配を感じていた

 

 ──最も、この電脳異界に於いて個人のプライベートに転移なんて事が出来るのは、緊急時を除いて管理権限を持っている者しか不可能な為、誰が来たのかなんて分かり切っているのだが。

 

「ブーストニキ…ちょ〜っと説明してもらいたいんだけど良いかしら〜?」

「…な、なんで霊夢はそんなにブチ切れて…あ゛!?」

 

 ブーストニキ、此処でようやくアイテムショップ兼自宅を魔改造した事を把握する…南無。

 

 

 

 ──ブーストニキが立ち去った後のやる夫の夢にて──

 

「ふぅ、別段そこまで大きなダメージは無かったけど、彼には後で採算を取らせてもらおうかな」

「うん? 何か言いましたか?」

「なんでもないよー」

(なんか父さんロクデモナイ事考えてそうだなぁ…)

*1
溜まってる…ってやつなのかなって?…ソダネー(目逸らし)

*2
敵一体に回避率無視で高クリティカルの斬撃属性中ダメージ三回攻撃




 因みに現在ブーストニキのレベルは55そこら…こんなんで戦闘が得意でない高位分霊+油断していたとはいえよく鳩(恐らく70とか80そこら)に一撃(実際は三発)当てる事が出来たな…(自分で書いてて言うかそれ?)

 因みに鳩の方もやる夫さんに悪印象持たれない様、ブーストニキに反撃する気は一切無かったのも無事だった要因ですね…やる夫さんに悪印象持たれる=ショタオジにも悪印象倍ドンなので、今後のやろうとしている事に支障が出兼ねませんでしたからね…それはそれとして不穏な最後。
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