なんだかんだ色々作品書いてきたけど、ぐだぐたやりながらも書き切ったのはこれが初めてですなぁ…漸く一端の物書き名乗れる気がしますわ…。
…え? 書き方下手くそだし他のヤツ書き切ってから始めろや? ご尤もです申し訳ない。
そんな訳で一応の最終話、お楽しみいただければ幸いです。
鳩による最早自作自演としか言えない復活を遂げた後、丹後半島支部に非常電源用に置いておいた独立分身式神を起点に山梨支部とのターミナル回路を復旧させつつ、分身に嫁や支部員への説明を任せながら本体の俺は鳩による修正の影響で起きた変化の検査と、押し付けられた【加護】の引っ剥がし方についての模索を行う事にした。
「スキル方面はどんな感じだった、フェイスレスニキ?」
「ブーストニキが言ってた通り【軍勢変生】はかなり規模が縮小された【コーチング】*1へと変化してしまっているね」
「ぐうぅ…デメリットが無いのは有難いが、それ以上に単体仕様になっているのが痛過ぎるぞクソッタレ」
これはなんとかして対象を増やせる様にしないと、将来的に他の組織のトップ層だけしか強化出来なくなってしまう…一頭政治は先鋭化し易いから将来的にはお先真っ暗になりそうで不安なんだがなぁ…。
多分分身なんかを駆使すればどうにか出来るかもだし、マルチタスクの訓練量増やして使役出来る分身の数増やすか…。
ってか無造作にばら撒けなくなったから、COMPで流してた『ブーストタイム』が強制終了させられたじゃん!? マジで何やってくれてるんだよクソ鳩ォ!?
…いや、そちらについても大事な事だが、今はそれよりも優先する事があるな…。
「…で、ある意味これが一番重要なんだが…例の【加護】についてはどんな感じだ?」
「あ〜…どうしようもなく無理だねこりゃ、魂の修繕に【加護】が繋ぎとして使われてる上に、もう既に魂と【加護】が癒着してるから、多分ショタオジレベルじゃないとどうしようもないレベルだよ」
「ヴェアアアァ…マジかよぉ…」
黒札の中ではかなり魂関係に強い筈のフェイスレスニキから、結論として『自分ではどうしようもない』と言い渡された俺は、意気消沈するまま隣の机にだらける様に伏せると、そんな俺の様子を見てフェイスレスニキは意外なものを見たとでも言いたそうな顔をする。
「あん? どうかしたのか?」
「いや何、今迄のブーストニキなら憎っくきメシア教の元凶とも言える四文字からのやらかしに、凭れ掛かってる机を叩き割る位には怒り狂うと思ってたから、そんな風に丸くなってるのが意外でね」
「……………ってない」
「うん?」
フェイスレスニキの疑問に対して返事をしたつもりだったのだが、つい声が小さくなってしまった。
「丸くなんかなってないぞ…」
「でも今までだったらブチ切れやってなかった?」
「どうにも【加護】とやらによってメシアンに対する怒りを抱いたとしても、冷や水浴びせられるかの様に一気に抑制されてな…。
正直言って強制的に感情をフラットに戻されるの滅茶苦茶気持ち悪いから、一層の事なるべく無関心でいるようにしているだけなんだわ…」
「…それヤバくない?」
俺からの答えに顔を引き攣らせて冷や汗を流すフェイスレスニキ。
「多分鳩のヤツ、俺がこのままブチ切れた状態で丹後半島支部に戻っても、俺が確実に穏健派に対して冷え切った対応を取るだろうから、ショタオジを連れ戻すまでの時間で頭を冷やさせるつもりなんだろうさ」
「…何というか人死にはしてないけれども、流石はメシアンのトップといった感じだねぇ…」
「いやいや、人死にだったら実質俺が死んでただろう?」
「おお、確かに言われてみればそうだったたね、これは失敬!!」
『HAHAHAHAHA!! …はぁ』
俺のブラックジョークに二人して笑うが、どうしようもない現実からの現実逃避による空元気であり、はっきり言って今ここの空間を第三者が見たらドン引き必須だろうな。
「取り敢えず、なっちまったもんはしょうがないし、これからクソ程忙しくなる事が確定しちまってるから、丹後半島支部に戻って終末による各設備の被害状況と復旧作業頑張ってくる…」
「やれやれ、相変わらずブーストニキは私達と同じ黒札だとは思えない程勤勉だねぇ…本当に死んでしまう直前だったんだし、今日一日位ゆっくり休んでいっても良いんじゃないかい?」
取り敢えず復旧作業には然程問題無いと判断して帰ろうとする俺に対し、フェイスレスニキは怪我から立ち上がったばかりなのだから、ゆっくり休んでいけば良いじゃないかとサボロー*2みたいな事を言ってきた。
「…確かに何時もよりダメージがデカかったからなのか、身体中に倦怠感は残ってるし、丹後半島支部にはヘラクレニキ筆頭に戦える黒札や、カリおっさんニキやモニカネキ*3みたいな俺には全く分からん政治についても、どうにか出来る様な黒札にも常駐してもらっている」
「だったらここでしっかり休んでる方が良くない?」
「そんな軽いノリで後回しにしてた結果、俺はガキの頃に母さんを喪う羽目になったんだよ」
幾らブナ林異界から出てくる数が多いからといっても、出てくる奴等なんて精々がレベル1のスライムやそれにも満たないナニカしかいないのだ、非覚醒者にとっては脅威であろうとも、当時覚醒したばかりの俺でも休み無く殺し回る事が出来る程度の雑魚ばかりなのである。
しかも当時の俺が軽い修行で済まさずちゃんと鍛えてさえいれば、恐らくブナ林異界に即座に乗り込んでレベリングを兼ねた異界の抑制も出来た筈なので、あの日の惨劇は俺にとっては完全に俺自身の怠慢でしかないのである。
「…そうか、そりゃあ悪い事聞いちゃってたねぇ…本当に済まない」
「別にフェイスレスニキが悪意を持って言ってきた訳じゃないのは分かってるし、俺もそうだけど誰だって過去の後悔なんて話したくないだろ?
だから教えられてなかったから知らなかっただけであって、フェイスレスニキは欠片たりとも悪くなんかないさ」
「そうかい、ありがとうね」
自分の失言を赦した俺に対して礼を言ってくるフェイスレスニキ。
この人は態と胡散臭い雰囲気を醸し出していたりはするが、その根っこの部分は普通に善良な人であり、そんな人にこうやって後ろめたさを感じさせてしまうのは個人的にもむず痒いものがある。
「それに今まで俺は電脳異界で時間流が加速された拠点にいた訳だからな、現地民の嫁達を護る為とはいえ長期間も離れ離れだったんだぜ?
直ぐに逢いに行きたいと思うのは至極当然の事だろう?」
「…ふっ、はっはははっ!!
そういえば君は中々有名なハーレム持ちの愛妻家だったね、確かにそれなら直ぐ帰ろうとするのも納得だ。
分かった、事務方に対しては私が報告しておくから、君は直ぐに帰って奥方達を安心させてきなさい」
俺の戯けてる様で大分大きな割合を占めるぶっちゃけ話対してフェイスレスニキは愉快そうに笑うと、俺に対して早く帰る様促しながら今回の診察結果を書く作業に移った、どうやら話はこれでおわりらしい。
「悪いな…感謝するよフェイスレスニキ。
一通り支部周りが落ち着いたら今度は休暇にでも来てくれればもてなしてもらうよ」
「それはそれは…楽しみにさせてもらおうか」
立ち上がりながら別れを告げれば、向こうも診察書に向かいながらも手を振って答えてくれた。
そのまま深夜の病棟廊下を、何処からか聞こえる無事に終末を迎えた事に対する慰労会によるどんちゃん騒ぎをBGMに、真っ直ぐに最も近くに設置してあるターミナルへと向かって行く。
ターミナルに向かい慣れた手つきで操作を行い行き先を決め、誰にも見送られる事も無いまま光に包まれ静かに消える。
次に目を開ければ最早懐かしくも感じる我が家と、先に分身によって帰還する旨を伝えられていた愛しい人達、部屋に繋がる廊下からは此方で暮らしている黒札達の姿も見える。
「おう、なんか滅茶苦茶心配掛けてたみたいで済まなかったな…ただいまだ」
と、いう訳で…これにて拙作『スキルツリーがバグった【俺ら】の現地事情』完結で御座います、一年間と数時間オーバー付き合って頂き誠にありがとう御座いました(深々)
…それにしても最終話がヒロインでもある嫁達と一緒ではなく、殆ど医者との会話で終わった作品とかこれ位なんじゃねぇの? 何やってんだコイツ?(呆れ)
取り敢えずブーストニキはなんとか終末を迎えて家族の元へと帰還する事に成功し、これからは富国強兵というかもっと地元を豊かにする為頑張っていく事でしょう…日本神とか鳩からの【加護】なんかに関する問題もありますからね…。
そこら辺に関してはまた後日談という事で投稿するつもりではありますので、宜しければゆっくりお待ちして下さい。
それでは…本当にこれまで付き合って頂き、誠にありがとう御座いました。