霊能は機械神系と新しい感じのイメージなのに、ブーストニキはよく無くなった様々なモノに想いを馳せる懐古厨です(笑)
終末になりある程度時間が経過した事で、各地が程度の差はあれど現状を受け入れ、落ち着きを見せ始めてそれなりの時が経った現在。
ブーストニキの頑張りによって丹後半島支部は『山梨に比べたら戦力では劣るが、マトモ具合で言えば世界一安心出来る場所』という評価を受ける様になり、ブーストニキの政策で『非覚醒者でも可能な作物の生産や動植物の養殖』に『非覚醒者への覚醒支援』や『二十歳を成人とする迄の子育て支援』等の終末後に置いては手厚過ぎる援助が行われている為、世界中から移住希望者が殺到する夢の国と化していた。*1
因みに…夢の国とは言われているものの踏み入れる為の入国審査は、前提条件として整理券を持って結界前でサバイバル──とは言っても結界周りもかなり整備されている上、ちょくちょく支部から雇われた警備*2が回って治安維持はしている為、そこら辺のシェルターより大分治安は上──か、審査の面で優遇されるガイア連合のガチャと過酷であり、入国希望者が例え黒札であっても素行の悪い者であれば入れる事は無く、逆に非覚醒者であっても人間性がマトモならアッサリと入国を許可されたりする。
尚、例外は穏健派と言いながら暴動を引き起こす過激派が潜んでいたり、穏健派であってもダメな方に声が大きかったりするメシア教の連中であり、そういった手合いかどうかを見定める為に下手すれば年単位で見定められる事となるメシアンである。
さて、そんな感じでこの終末で最も平穏な丹後半島支部ではあるが、終末前に比べれば劣るものの、衣食住が揃い娯楽も用意*3されており、そうなれば次に何が必要かと言えば『心の安寧』だろうとブーストニキは考えていた。
終末突入時に鳩によって滅茶苦茶にされた終末前の日本のデータ、消し飛んだ筈のそれを必死こいて復元し、アクマが沸かない様細心の注意を払って作り上げた電脳空間に再現して観光地として解放。
当然の事ながら人っこ一人いやしないし、何とか安全性を確保した為に一部ぬいぐるみが金属めいた強度をしていたりする等、後程改善出来るとは言え不足はあれど、それらのダメな要素を全てどうでも良く感じさせる程の光景がそこにはあった。
アクマだらけの日常で、明日どころか日々の生活すらままならない中、何者にも脅かされる事なく、無常に過ぎ去ってしまった筈の過去への憧憬、そこに再び足を踏み入れる事が出来るという奇跡。
「まぁ、ショタオジ招待した時は『ふーん』って感想だけで、その後は二人して粗探しとそれの修正に集中してたんだけどな」
「この景色見てそれは人の心案件なのでは?」
ダルニキやその他山梨から増援に来てもらった電脳異界対応チーム*4と一緒に未実装地域のデバッグなう…なるべく問題がないか調べておかないと、いざって時に面倒な事になりかねないからね。
「なんでも前世も今世も碌に外に出られなかったから、そういった憧憬が分からないんだってさ」
「人の心が無いというよりも闇深案件だったでござる…」
まぁ今世に関しては、俺達黒札が色々無茶押し付けてるのも一因なんだがな。
あの時多少なれどもケツ蹴り上げてやれば良かったのに…せめて限定的に未来がどうなるのか見せてやれば、今みたいに終末になっても碌な事しない馬鹿が少しは減ったんじゃないのだろうか?
…ああいった連中は他の転生者を信じないから、例え未来を見せても信じずに同じ様になってた?*5 それはそう…。
ついでに言ったらああいう連中は家族仲も終わってる上、他所の家族についてもクソみたいな悪口しか言わず、他の黒札からも嫌われている…というか基本存在を忘れられており、時折掲示板で騒ぎ出す荒らしの様に捉えられているのだとか。
唯一安心(?)出来るのは、こんなご時世にもなって尚現実を見れない奴が多い為、自分が居るシェルターから出れる様な強さが無い点だな…でもそいつと一緒のシェルターに居る人が可哀想何だよなぁ…。*6
「というか、下手したら今後の新世代と言える子供達は、この景色見ても何も感じない可能性だってあるんだよなぁ…」
「それこそショタオジみたいな理由で理解出来ないって事でござるか? 何とも世知辛いでつなぁ…」
知っていて失われた事を理解してるからこそ、この景色に染み入るモノがある訳なんだし、それを知らない世代からすれば別段概念による誘導等欠片もしていないこの場所は『アクマの出ない安全地帯、ヨシ!!』という酷くあっさりした感想で終わるんだろうな…。
「まぁ、そもそもこれ作ってる一番の理由は、俺がこういった景色を忘れたくないからなんだけどな」
「おうふ、いきなりぶっちゃけましたなw」
「それにほら、個人的にはこういった過去を偲べる所って、連合…というかショタオジに賭けてた黒札にこそあった方が良いと思うんだよな」
「と、言いますと?」
「折角頑張って終末乗り越えれたのに、その対価が魔界落ちした世界ってのは…ちと理不尽に思わないか?」
言ってしまえば『マトモに連合へと貢献出来なかった俺からの、せめてもの贈り物』といった所である…終末後にも終末前の生活水準を維持する事を目標としていたガイア連合ではあるが、例えそれらを確保出来ていたとしても、長命者にお決まりなパターンとして、こういった過去に想いを馳せられる開放的な場所がなければ、いつかは心が蝕まれかねないと思うんだよな。
まぁ、別に件の当人達は各々で何かしら満足する趣味とか見つけていそうな感じだから、本当に大体が俺の趣味でしかないんだけどな。
「ブーストニキ…」
「…ニヤついてこっち見る位なら、早く作業の方を進めやがれ」
「男のツンデレはあまり需要無いd「オルァッ!!」へぶぅっ!?」
ダルニキが馬鹿な事を言い出したので、盛大に殴り飛ばしてやった。
流石にレベル差が有り過ぎるので手加減はしてやったものの、不用意な発言に対する罰にはそれ相応の痛みを持って償ってもらう。
「馬鹿な事言ってないで作業に戻れ」
「ちょっとちょっと、このさいかわミクたんのお顔が傷付いたらどうするのさ!?」
「俺がガワで判断せず男女平等に扱うタイプだってのはダルニキも知ってるだろうが…後、今はダルニキが操作してるんだから俺はそういう風に扱っただけで、キッチリと跡が残らない程度の加減はしてあるわ馬鹿タレ」
尚、本気で打ち抜けば拳が顔面を貫通していたと思われるので、実際かなり加減はしてあるのだ。
ダルニキもそこら辺は分かっているのか、ぶーぶーと文句を垂れながらも大人しく作業に戻っていった…決してこれが握り拳を構えたのを見て逃げたのではない()
その後はひたすら問題無いか精査しつつ、不安な部分があれば逐次対応していく単純作業、元々あった土地を参考にしている点や、山梨で電脳異界開発に結構深く関わっていたのが功を奏した感じだな。
…そういえば最初ショタオジに株分けしてもらってた異界管理機能、何時の間にかすっかり定着してたなぁ…。
過去の世界を再現した電脳異界、アクマどころか人だって一緒に訪れた人以外おらず、食べ物や電気なんかも持ち込まないといけない(インフラはオプションで追加可能)空っぽの世界ですが、その分凄まじくノスタルジックな雰囲気を漂わせているという、丹後半島支部で最も人気の高い観光名所となっております。
因みにお値段は基本料金として一日利用100マッカの、電波さえ通じているなら何処からでも入場可能という仕組みである為、気が付けば緊急脱出装置扱いされる事に…。
生命の危機から抜け出せた安堵とノスタルジックな雰囲気に当てられて、身も心もズタボロのまま泣き出してしまう人が続出し、最悪そのまま自殺しようとする人もチラホラ…やめてくれよ(震え声)