ガンダムビルドダイバーズ:BR   作:レイメイミナ

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シン・仮面ライダー面白かったです
みんな見ろ


第11話「骸の騎士」feet.R

「はぁ…………」

 

 うんざりしていた。

 

「あちょ、ビリーヴ見てるって……」

「まだ足りない」

 

 そう、うんざりしていたのだ。私達を凝視するこの2人は。

 

「他所でやってくれ……」

 

 すみません! この子場所選んでくれないんです!

 私は今、ビリーヴに手首をがっちりホールドされた上でソファに押し倒され、ひたすらにキスを落とされている。

 口や手の甲、頬に額では済まされない。何処ぞのピンクさんがキスマークとかいうのを教えてくれたせいで首元に沢山吸い付かれている。仕様上出来ないのでご立腹、その皺寄せに倍の量キスされる究極の悪循環。

 いやね? 愛されてるなーって感じるからいいんだよ。でも少しは加減というか、場を弁えて欲しい。せめてシルヴィーのドックでやろうよ。さっきから2人の視線がハイマットフルバースト(?)なんですけど。

 

「なぁカスミ、連戦ミッション行こうぜ」

「あー、うん。いいね、偶には」

 

 ほらぁ気まずくなってるじゃん! 主にカスミが! アノマロが気遣って出ていこうとしてるじゃん!

 そうしてカスミとアノマロが席を外そうとした瞬間、突然コネコを連れたカグラが入ってきた。

 

「皆の衆、フォースフェスに行くぞー!!」

「おー! なのです!」

「ふぉーすふぇす?」

「「「…………は?」」」

 

 は?

 

────────────────────

 

 フォースフェスとは、フォースを組んだ者達だけが参加出来る祭典である。内容は様々で、レースや格闘技、クイズ大会など、例を上げたらキリがない。

 今回のフォースフェスのお題目は、「ハロウィン」だそうだ。

 

「ハッピー、ハロウィーン!!」

「うぃーん」

「んー」

 

 ということで、私達はガンダムシリーズのキャラクターの仮装をして参加している。

 コネコは『起動戦士ガンダムSEED』におけるザフトの白軍服、カグラはティターンズの軍服。まぁコネコが敵陣営であることを除けば自分のガンプラに準じている感じだろう。

 

「それ、もしかしてお揃いコーデなのです?」

「うん、そうだよ」

「ビリーヴが着るなら私も、ってことで」

「へぇ〜、ビリーヴ先輩に白い方を着せるとは中々、なのです」

「う、うるさいなぁ」

 

 それで、私達が着たコスチュームは、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』におけるアスティカシア学園の制服だ。私が普通の制服で、ビリーヴはホルダー用の白い制服。まぁこれがどういう意味かはガノタの方々にはわかるだろう。

 

「フォォォイエ、フォォォイエ! カポォ、ラブラブカポォ…………!」

 

 後ろでのたうち回ってる変な人はスルーの方向で行こう。

 

「で、カスミとアノマロはどこ行ってるの」

「そういえば……どこにいるのです?」

「あぁ、アイツらね」

 

 のたうち回っていた人が突然口を開いた。

 その体勢やめろ、私達まで同類だと思われる。

 

「アノマロはデイリー消化するとか言ってミッション潜ったよ。カスミは、クイズ大会があるって焼きそば啜りながら向かってった」

「え…………」

 

 あいつ、自由人過ぎるだろ!!

 

────────────────────

 

「問題! 鉄血のオルフェンズ作中においてエイハブリアクターの製造を独占しているのは──」

「ハイ! ギャラルホルン!」

「──ですが! エイハブリアクターを使用しているテイワズ系の機体は一体どこから調達しているでしょうか!」

 

 鉄血のオルフェンズに関連する問題、これに対し金髪の青年はボタンを押し素早く答えた。

 

「ハイっ、カスミ選手!」

「ギャラルホルンから強奪、または厄祭戦の残骸から回収」

「正解ッ!」

 

 その答えは見事に正解。他の選手は「クッソ〜!」「またこいつか……」などと悔しがっている。

 何してんだよホント、ねぇこれツッコんだ方がいい? ダメ?

 

「マジで何してんのこいつ」

「興味出ちゃったんだろうね、こういうのに」

「あれくらい、私だって答えられるのです!」

 

 そして何張り合ってんだこいつは。これが場酔いというやつか、絶対違う。

 

「エイハブリアクター?」

「一部のガンプラに搭載されてるやつ。シルヴィーでいうところのGNドライブみたいなやつだよ」

「へぇ」

「で、引き戻さなくていいの?」

「いいよいいよ、そのうち終わる」

 

 カグラは子慣れてるなぁ、流石は幼馴染と言ったところか。にしても就職してても関係続くって相当仲良いんだな。あの3人。

 

────────────────────

 

「気は済んだ?」

「うん。次の焼きそばを探そう」

「焼きそば、好きなのです?」

「祭りといえば焼きそばだよ」

 

 それで結局、日が暮れるまでクイズ大会やってトータル数で優勝。クイズ内容もやたらめったらマニアックで難しかったのに優勝とは凄いなカスミ。

 

「焼きそば? っていうの、わかんないけど食べてみたい」

「うん、買ったげる」

 

 そして私の恋人は可愛い。お持ち帰りしたい。いや待て、私って後見人だから公式にお持ち帰りできる立場なのでは?

 

「よしよし、レイメイちゃんがいかがわしいことする前に焼きそば買って次の場所行くか」

「はぁ!? そんなこと考えてないし!」

「はいはいGBNはエッチなことするゲームじゃないですからねー」

「しません!」

 

 まったく、こいつは配慮というものが出来ないのだろうか。いや、ただ私達の空気を吸って悶えたいだけだな。全く搾取しやがって。

 

「あ、私用事があるから先に行っといてー。ステージの方ね」

「……? わかったのです」

「カグラ、用事って?」

「トォップスィークレットなので言えませーん」

「言い方ウザッ」

 

 用事ってなんだ。まぁどうせくだらないことだろうけど。

 

 カグラの指示通り焼きそばを人数分買ってステージの方までやって来た。空いてる席に3人揃って座る。

 

「どう、ビリーヴ? 美味しい?」

「うん!」

 

 あぁ〜、ビリーヴが可愛いんじゃあ〜。

 

「レイメイ先輩」

 

 焼きそばを口いっぱいに入れては可愛らしく咀嚼するビリーヴを見ていると、コネコから声をかけられた。

 

「何?」

「私の見間違いじゃなければ、ポスターにミスコンって書いてあった気がするのです……」

「え」

 

 ミスコン? は? ビリーヴ差し置いてGBN内で1番可愛いダイバー決めるの? ふざけんなよ。

 ……あぁそうか。もしビリーヴが参加したら結果が目に見えてるからか。そうかそうか、不参加で殿堂入りとは流石私の恋人、世界で1番可愛い私のビリーヴだ。

 

「バカップルの波動を感じるのです」

「違うよ、バカップルじゃないよ。例えバカップルだとしてもバカップルという名の相思相愛だよ」

「バカップルなのです……」

 

 やがてライトアップされるステージ。中央には奇抜な格好で髭を生やした眼帯の男性が立っている。改めて見てもこのおっさん属性強すぎだろ。

 

「お待たせ致しました! さぁ今回も最高の男性ダイバーを決めるミスターコンテスト、略してミスコンを開催致します!!」

「は?」

「え?」

「ん?」

 

 ミスター、コンテスト?

 え、そっち?

 

「あ、ミスコンって男の方……」

「うおおおお!! なのです!!」

 

 あんたは盛り上がるのね……。

 

 それでまぁ期待外れというかなんというかのミスコンは順調に進み、次々に小綺麗な男性がステージに立ってはアピールしている。

 

「よっ」

「遅くなっちった〜」

「何しに行ってたの?」

「焼きそばもう冷めてるよ」

 

 遅れてやってきたカスミとカグラに対し、何をしていたのかビリーヴが問いかける。

 

「まま、すぐにわかるから」

「はぁ…………」

 

 すぐにわかるって、どういう事だ。ここに来てる唯一の男性ダイバーはカスミしかいないし、そのカスミは冷めた焼きそばを頬張っている。一口でかいなこいつ。

 

「さぁ続きましては今回初参加! アノマロカリスさんです!」

「「はい?」」

 

 え、アノマロカリス? それ多分なんだけどうちのフォースメンバーじゃ…………。

 

「これまでのスーツや部隊服から一新! ガンダムOO第2シーズンのティエリア・アーデのドレスを着ているようです!」

「「「誰?」」」

 

 出てきたのは、赤いドレスに身を包み、灰色の長い髪を下ろした長身女性。一見男か女かわからないんだけど……え、何? ほんとに何?

 

「今回の参加者の中では唯一の女装ということですが、選んだ決め手はなんでしょうか?」

「決め手も何も着させられただけっすよ」

 

 そうキレ気味且つ食い気味に放つ彼?の目線は、明らかにこっちに向けられていた。

 

「あの、あれは?」

「ハロってのはシステム上は衣装だからね、ああいうことも出来るんです!」

 

 ああ、私以外にもこいつの玩具はいたのか。可哀想に、今度何か奢ってやろう。

 

「アノマロ先輩って、脱ぐと凄いのですね!」

「言い方ぁ!」

「実際リアルでも脱ぐとすご──」

「そういうこと言わんでいいから!」

 

 全く、なんでGBNで女装した廃ゲーマーを見なくちゃいけないんだ。いや似合ってるけども。

 そうじゃない。そういうのはビリーヴにとって良くないのだ。なんとなく。

 

「さぁ、参加者はこれで全員! どの方が最高に美しいか、皆さん投票を──」

 

 閃光がステージを襲った。それは、あまりにも一瞬の出来事で。

 巻き込まれたNPDが消滅するのを目視して、初めてその状況を理解したのだ。

 

「なっ!?」

「ちょちょ、えぇ!?」

 

 全員が後ろを振り返る。そこにいたのは、ミラージュコロイドと呼ばれるシステムで姿を隠すMS、ブリッツガンダム。

 

「ブリッツガンダム……どうしてなのです!?」

『ハハハハ!! こんなくだらねぇイベントぶっ壊してやるぜぇ!!』

 

 なるほど、偶にいる『ガンダムは戦争モノなのに変なことしてんじゃねぇ』系の厄介ダイバーか!

 

「あっ……、焼きそば落ちた」

「今それいいから!」

 

 カスミが圧倒的に的外れなことを言ってるのを流しながら、辺りの状況を見る。ステージにいる参加者は避難してるか自分達のフォースと合流している。

 

 あれ、アノマロがいない。

 

「えっ、アノマロ!?」

 

 いつの間にか、アノマロカリスは私達の横を走り去っていった。そして自分のダイバールックをいつものハロに置き換えた後、目一杯飛んでから自分の機体を出現させた。

 

「灰色のペイルライダー……?」

「”スカルライダー”。アノマロ用にオレが作ったガンプラだ」

「スカル、ライダー…………」

 

 スカルライダーは一目散にブリッツの方に突っ込み、その高い推力を活かしてステージから突き放した。

 

「邪魔したのはどうもサンキュー、でもマナー違反は良くないなぁ」

『嫌ならなんで俺らの邪魔すんだよ!!』

 

 スカルライダーとブリッツガンダム。対峙するとわかるが、明らかにブリッツの方が大きい気がする。

 

「…………なんかデカくね!?」

「MGなんだよ! お前のスカルライダーよりざっと7mぐらいあっちの方がデカい!」

 

 えっカスミ、それ今計算したの? 早っ。

 

「じゃあ、アノマロ先輩は自分よりも二周りも大きい機体を押し返したってことなのです!?」

「攻撃と機動力特化の強襲仕様だから出力高いのよ」

 

 スカルライダーの背中に見えるのは、あの機体の全長程もある巨大な剣と、大型のガトリング。それ背負った状態のまま、その上重力下であの推力って、バケモンでしょ。

 

「なんせオレの最高傑作だしな。アレに肉薄出来るのは、今のところオレとチャンプぐらいしか知らない」

 

 うわぁ、出たよチャンピオン。名前出すだけで寒気がする。

 

「あのガンプラ、他とは違う感じがする」

「違う感じ?」

「えーっと、なんて言うのかな…………その、戦うのが好き? みたいな」

「なるほど戦闘狂ってやつね」

 

 2機のMSは互いに距離を取りながら、間合いを取って攻め時を見定めている。どうやらあっちも1枚岩ではないらしい。

 

『チビが、捻り潰してやるッ!!』

 

 そう言ってブリッツがショットランサーを構えた瞬間、スカルライダーはブリッツの間合いから消えた。

 否、後ろに立っていた。そして、ブリッツの胴体は真っ二つに割れていたのだった。

 

「素組みのMGに、アイツとスカルライダーが負けるわけが無い」

「あぁ、二度と冷める真似すんな」

 

 バッテリーを丸ごと両断されたブリッツは爆発四散、一瞬にして倒された。

 

「あ、あっという間に、終わったのです……」

「すごい、アノマロカリスすぐに勝っちゃった」

「あれがカスミの最高傑作……」

 

 前に聞いたことがある。アノマロカリスは別にビルダーでは無く、ただの廃ゲーマーであると。

 最強の機体であそこまで詰めた。その結果があのスカルライダーというわけだ。

 

「さて、運営が来たらさっさと帰るか──」

『ククク、”コイツ”が無けりゃ瞬殺だったぜ…………』

「ッ!!」

 

 な、なんで!?

 こいつ、爆発して撃破判定食らったはずなのに…………なんで無傷で残ってんの……?

 

「うぐ……!」

「ビリーヴ!?」

「なんか、音が痛い……」

「え……?」

「悲鳴、みたいな感じで、聞こえる」

 

 悲鳴……? ガンプラから…………?

 

「なぁオイ、あれ……」

「嘘だろ、完全に無くなったんじゃ……」

「なんだよあれ……!?」

 

 急に周囲のざわめきが強くなった。

 あれは、あのブリッツに刻まれているあのマークは…………!?

 

「ブレイク、デカール…………?」

 

 それは、絶滅したはずの力。当時多くのダイバーが少しの罪悪感と共に常用していた力。それは、ある悲しみを背負った人間が作り、今はその悲しみを越えELダイバーを助ける為に使われている力。

 

 ブレイクデカール。今はビルドデカールと呼ばれるそれが、今私達の前に立ちはだかっていた。

 

「チッ、起き上がりチートかよ…………!」

 




次回は大混戦、スカルライダーの実力とは──!?

設定&機体解説

RX-80SR スカルライダー
カスミがアノマロカリスの為に制作した、ペイルライダーのカスタムガンプラ。
頭部には元のロッドアンテナに加え、ブレードアンテナを4本追加。またツインアイへの被弾防止のためスリットが詰められており、ペイルライダー・キャバルリーに似た面立ちとなっている。
機体のマニピュレーターは格闘用に大型化、先端を鋭利且つ頑丈に仕上げ、機体全体は都市迷彩を思わせたグレー系に統一されている。その結果見た目がスケルトンに似ていることが名前の由来。(本人からは「スケルトンって雑魚じゃねぇか」と不評)
メイン武装は射程を詰めた小型のビームライフルに高出力サーベルを兼用させたビーム・ザンバー。(本人からは「馬鹿じゃねぇのとか思ったけど割と使いやすい」と好評)
背部にはレアアロイ製の超大型バスターソードと、120mm大型ガトリング砲を装備。高威力のビームと実弾で、あらゆる機体に対して優位に立てる。
シールドはペイルライダー地上戦仕様のものをそのまま使用しているが、しょっちゅう囮として投げられるのでシールドとして使われたことはほとんど無い。

特殊システム
・HADES:
『起動戦士ガンダム 外伝 ミッシングリンク』に登場するシステム。GBNではEXAMシステムと同様の強化システムとして扱われる。パイロット本人がリミッターを自由に設定できるので、状況に合わせて臨機応変に出力を調整出来る。

武装
・ビーム・ザンバー×2(脚部ハードポイントにマウント)
・ビームサーベル×2(サイドアーマーに接続)
・超大型バスターソード(バックパックに懸架)
・120mm大型ガトリング砲(バックパックに懸架)
・スパイクシールド


ブレイクデカール(初出:『ガンダムビルドダイバーズ』)
3年前まで流行していた違法ツール。使用した機体はスペックが絶大な程に向上し、後期型にもなると自動修復機能も追加される凶悪な代物だが、その痕跡を隠蔽するシステムが備わっており、検閲には困難を極めた。
第一次有志連合戦にて元凶のシバ・ツカサが倒され、更にブレイクデカールが原因で起きた様々なクラックエラー、バグを修復するパッチが開発されてからは使用者は激減し、ブレイクデカール及びその使用者による被害は完全に消滅した。
現在、このブレイクデカールは改良されたビルドデカールとして、ELダイバーのサルベージに用いられている。
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