デルタプラス、ウィンダム、ウィングガンダムゼロカスタム(私はこっち派)。
飛べる機体がウジャウジャと。中にはダブルオークアンタもいるし、対話はどうしたんだ対話は。
「じゃ、まずはどいつから倒そうか」
「じゃあ、あの大きいの持ってるあのガンプラにして?」
「大きいの……あぁ、ヴァーチェね」
丁度いい。火力勝負と行こうじゃないか。
クロービット2基をライフルに接続、ガンダムエアリアルさながらの高威力モードに変更。流石にGNバズーカの太陽炉直列には勝てないが、その重装甲を貫通する威力は、ある!
『な、俺かよっ──』
「よし、まず1機!」
「一発で倒しちゃった」
へへーん、どうだ。凄いだろ。
他の連中も頑張ってくれてるし、引き続き──
「うわああっ!!」
「きゃあっ!」
突然機体背部で爆発が起きる。ミサイルが直撃したみたいで、機体出力が20%低下のアラートが鳴る。
『後方不注意だよ、お嬢ちゃん』
「なっ、
「何あのガンプラ……」
そうか、飛べるなら当然こいつもいるか!
『アナハイム最強のガンダムに、GBN最強の力。まさに鬼に金棒だと思わないかい?』
「GBN最強……?」
「ぅあっ……!」
Ξガンダムのブレイクデカール発動と同時にビリーヴが頭を抱え、苦しそうに悶える。
「ビリーヴ!!」
「あぐっ、ああ……!」
『ほらほらどうしたッ!!』
「ぐッ、うわあっ!!」
ビリーヴを介抱しようとしたその隙を相手は逃さず、大出力のビームサーベルで斬りつけてくる。咄嗟にサブアームを展開してGNビームサーベルで受けたが弾かれ、後ろに後退する。
「はぁ、はぁ……まって。今、すぐっ……だから、まって……!」
最悪だ、恋人がこんなに苦しんでるのに、何も出来ないなんて。
シルヴィーの高濃度粒子を圧縮したビームを放つも、強化されたクスィーのビームバリアには効力を成さない。
「なっ……! だったらもう、スコアを上げてあいつの残りのファンネルを奪うしか……!」
「れい、めい……」
内側から爆発させてパワーダウンしたところをドカンと……! これならなんとか──
「んっ!」
「むぐっ!?」
スコアを上げる為にパネルを操作しようとした傍、何故かいきなりビリーヴに口を塞がれた。
「んんっ、はぁ……」
「ちょ、ビリーヴ……! こんな時に盛らないで……」
ま、まさか。もしかして…………悲鳴の苦しみを私とのキスで上書きしようとしてる? え待ってそれは可愛すぎる。でもこの可愛さは……!
今はちょっと、危険過ぎるかなぁ……。
『さぁ、おさらばだよ!!』
クスィーのビームライフルのチャージが完了する。これは流石に、私でも詰み。
でもまぁ1回くらいは撃墜されても心中って考えれば………………ダメだ、ELダイバーってアバターのHP無くなったら死ぬんだった!!
「ちょ、ビリー──」
「はあああぁぁッ!!」
『なっ、何ッ!?』
クスィーのライフルから放たれたビームを、突然誰かが受け止める。
あれは、あの機体は。
「っ、白い、ガンプラ…………?」
「ダブルオースカイ、メビウス……!」
ダブルオースカイメビウス、誰もがそう呼ぶ双翼の白いガンプラ。
第二次有志連合戦の英雄、フォース『BUILD DIVERS』のリーダー、リクが乗る機体……!
「リっくん! やっぱりこれって……!」
「うん、なんでまたブレイクデカールが……」
『ゴチャゴチャと……!!』
ダブルオースカイと同時に、ビルドダイバーズのユッキーが駆るジェガンベースの火力向上仕様、ジェガンブラストマスターも現着。その後ろには、SDのユニコーンガンダムをベースにしたアヤメのRX-零丸が待機している。
「大丈夫ですか!?」
「あっ、はい大丈夫です……」
「下がってて、ここはオレ達が!」
あーなんだこの安心感。なんか全部何とかしてくれそう感がすげぇ。
「れ、レイメイ! あのガンプラは!? 知りたい!」
「おぉ久々の知りたい症候群が……えっと、あれはダブルオースカイメビウス。私の、憧れのガンプラ」
「ふーん……」
「な、なにっ」
実際、私がシルヴィーのベースにOO系の機体を選んだのもダブルオースカイが理由の一つだったりする。
…………んだけど、ビリーヴさんはそれが不服だったらしくわかりやすく拗ねてる。嫉妬してくれるのはいいんだけど、私の憧れの機体に不満の目を向けるのは、ちょっとアレです。
「……で、あの赤いのがジェガンブラストマスターで、その奥にいるのがRX-零丸…………です」
「シルヴィーとどっちが強い?」
「さ、さぁ直接会ったのもこれが初めてだし……今は味方だから。助けてくれたし」
「へぇー……」
感嘆するようにビリーヴは息を漏らす。よし、ご機嫌取りは出来た。
「どうしてブレイクデカールを……それはGBNを破壊する力なんですよ!?」
『知らないねぇ。アタシはただ、勝ちたいだけなんだよ!!』
「カプセル忍法、槍変化の術!」
『ぐッ……!!』
クスィーがダブルオースカイへ突撃するのを、カプセルから現れた槍状のSDガンプラが阻止する。
『チッ、あーもう! ちょこまかと!』
「あ、わっ私も手伝います!」
「ありがとう、助かるよ!」
よし私も加勢……ってちょっとビリーヴ近い!
「あの、ビリーヴちょっと離れてくれないかな……操縦しづらくて」
「………………これ終わったら私の言うこと全部聞いてよ」
「はい、全部聞きます」
まぁどうせされることなんてわかりきってるけど。とはいえ一旦、一旦は戦える状態に持っていけた。一時はどうなるかと思った、ビリーヴの控えめながらしっかりとある胸を少しだけ楽しんでしまった自分がいる。
「ユッキー、アヤメ。あとえーっと……」
「あ、レイメイです」
「レイメイさん。作戦があるんだけど……」
相手には聞こえないよう、私とリクで余剰に粒子を散布して擬似GNステルスフィールドを作り、リクが作戦を伝える。
「わかったよリっくん!」
「ええ、それで行きましょう」
「任務了解です。あと…………リクさんってユッキーさんからリっくんって呼ばれてるんですね」
「あ、まぁリアルからの仲だから……」
というわけで、作戦決行!
「行くわよ、レイメイ!」
「はい!」
まず私とアヤメで撹乱。相手の武装を出来るだけ削り、後方からユッキーが射撃で援護。
『さっきは随分と話し込んでたみたいだねぇ?』
「だからどうしたと言うの」
『くふふっ、そういうのを正面から叩き壊すのがアタシの生き甲斐なんだよォ!!』
「性格悪いけど……こういうゲームやるなら正解なんだろうね。でも!」
「ボク達は全力で抗うよ!」
クロービットを大きいものに変え、ビームソードへと変更。これなら相手のバ火力サーベルにも対抗できる。相手に突っ込み、ビーム同士の鍔迫り合いを行いながら、こちらの合間合間を練ってユッキーがビームを叩き込む。
「火炎風魔手裏剣!」
『そんなのが効く程、こいつはヤワじゃない!』
「ええそうみたい……でも、私達も貴女に負ける程ヤワじゃないわ!」
アヤメの零丸がSD形態からリアル形態へと移行、赤いサイコフレームが発光し、ライフルが刀と合体し巨大な斬馬刀になる。
『なっ、なんだいそのカラクリ!』
「あれ、なんか細くなった?」
「大きくなったんだよビリーヴ」
『まぁいい、そんなのお構い無しさ!!』
クスィーの全身の砲門が開き、ファンネルミサイルが発射される。標的は無論私達。でもファンネルなら……!
「ファンネルなら、奪える!」
「全部返品させてもらうよ、パーメットスコア4!」
シルヴィーのスコア4はNT-D。零丸の持つ『忍闘-道』と同様のシステム、というか元ネタ。これプラスサイコフレームの合わせ技で、ファンネルを奪う!
「貴女もNT-Dを……!」
「サイコフレームは多い方がいい。それに、奪えなかった鬱憤もあります」
「鬱憤?」
「そう。なら、一緒にやるわよ!」
機体と共に手をかざし、相手の操っている糸を絡め取るように…………よし、取った!
「忍法、機雷口寄せの術!」
『な、なんでミサイルが向かってくる!?』
「それ絶対やっつけですよね!」
「でも航路は開けた! マイクロウェーブは受信出来ないけどそれ以外なら……! セミブラスト!!」
奪ったファンネルミサイルを直撃させ相手の視界を奪った隙に、ユッキーのブラストマスターが肩部、フロントアーマー、サイドアーマーのビーム砲をまとめて掃射。脚部のGNキャノンとサテライトキャノンを使っていないのでセミブラストとのこと。
『ハッ、そんな攻撃当たらないよ!』
「ぐッ!」
「うわあっ!!」
そんな攻撃当たるかとばかりにその巨体を素早く動かし回避、そのままこちらを殴り飛ばし、ついでにビームライフルをブラストマスターの肩部ビーム砲に当てて誘爆。そのまま2機揃って墜落していく。
『アハハッ、まずは2人落とし──』
「この瞬間を待っていたんだ!」
『ッ!?』
しかし私達は所詮囮、本丸は別にいる。私達があまりにも目障りで存在を忘れていたであろう相手、ダブルオースカイメビウスが真っ直ぐ6門の銃口を構えていた。
「トランザムインフィニティ……フル出力! ハイマットフルバースト!!」
ダブルオースカイの機体表面が赤く染まり、スカイドライブユニットから巨大な光の翼が展開。それによる莫大な粒子をドライブに直結したビーム砲に流し込み、手持ちのライフルと合わせ同時に放たれる。GN粒子によるビームは収束する特徴があり、その通りに巨大なビームとしてクスィーに襲いかかった。
「よし…………やった……!」
「………………いや、まだよ!!」
『ダメージは酷いけど、なんとか耐え切った……。凄いよこの力…………!』
「そんな、ハイマットフルバーストでも倒せないなんて…………」
『くふふっ、アハハハハッ!!』
「この機体、”相当作り込まれている”わ。その証拠に胴体は劇場版の白では無く、原作版の青に塗装されている」
「だったらじゃあ…………尚更どうしてブレイクデカールなんて!」
リクはきっと、さっきのクスィーのパイロットの言葉を思い出している。『ただ勝ちたいだけ』だという言葉を。でもこのΞガンダムの作り込みなら充分勝てるし、それにわざわざ白い胴体を青く塗装するほどガンプラが好きなはず。なのに、どうして…………と。
『うるさいねぇ……。やっぱり周りのお零れで強くなったアンタらにはわからないだろうさ、”限界を感じた者の辛さ”が』
「え……?」
『そりゃアンタらだって頑張って、努力して強い連中を研究してるのはわかってるさ。でもね……たったそれだけで強くなれることに妬いちまうのさ、人間っていうのは!!』
クスィーのパイロットのその切実な言葉に2人はただ言葉を失う。
ダブルオースカイは粒子残量がギリギリでパワーダウンを起こしたビームサーベルしか使えない。零丸もリアル形態の活動限界が迫っている。Ξガンダムは自身に残された唯一の武装であるビームサーベルを持ち、2機相手に構える。
一見ピンチなこの状況。だがしかし、身構えている時に死神は来ないものだ。逆に言えば…………。
『ッ、かはッ……!!』
「ッ!?」
「あれは……!」
逆に言えば、身構えず傲慢でいる者ほど、死神の格好の的なのだ。
クスィーの背部を4基のビットが刺し貫く。そしてその背後にいるのは、トランザムを起動したガンダムシルヴィー。
『なっ、あ、アンタ…………味方の作戦を、囮に……!!』
「敵を騙すにはまず味方から。例え憧れの人達であっても、あなたのような”
「れ、レイメイ…………」
きっとこの時ビリーヴは私に対して畏怖を感じていたと思う。怖がらせちゃったなら申し訳ないな。でも、私はこの人を許せない。自分の私利私欲の為にGBNを壊そうとしたこの人が絶対に許せないんだ。
だって、この世界が消えたらビリーヴとはずっと会えないし、ビリーヴは永遠にデータの海に閉じ込められ、一生出られない。そんなの絶対に…………嫌だから。
クロービットを引き抜き、敵のバックパックにライフルのビームを放つ。元々ギリギリだった機体は急所を攻撃された事で限界を迎え、完全に爆破、データの海に還る。
(このままアイツも消えればいい)
そんな黒い思いには、蓋をして。
私は笑顔でビリーヴの手を取る。
「やったよ、ビリーヴ」
「っ…………、うん」
私の顔を見たビリーヴは、さっきからの変わり様から最初は呆気に取られたが、すぐにいつもの優しい笑顔になり、私の手を握った。
きっと私は、ELダイバーという未だ全容の見えない存在に四苦八苦するだろうし、恐怖も感じるだろう。それは多分、ビリーヴも同じ。
だとしても私達は、その苦悩も全て合わせて愛にしてしまうのだろう。きっと私達の愛は、何にも負けることはない。
次回、復活したブレイクデカールの行方は…………。
原作キャラってどう扱うか困るね
キャラ解説
リク/ミカミ・リク(初出:『ガンダムビルドダイバーズ』)
かつて第二次有志連合戦でELダイバーをGBNに滞在させるために戦ったフォース、『BUILD DIVERS』のリーダー。
明るい好青年で、誰とでも仲良くなれる圧倒的コミュ強。人脈にも太く、マギーを始めチャンピオンとも親しい関係を築いている。
最初のELダイバー、サラの後見人だが周りからは「付き合っているのでは?」と疑われており、中には直接伺った命しr……勇敢な者もいる。なお、決して脈がない訳では無い模様。
ユッキー/ヒダカ・ユキオ(初出:『ガンダムビルドダイバーズ』)
フォース『BUILD DIVERS』のメンバーで、リクとはリアルからの仲。
超がつく程のガンダムオタクで、知りえない情報など無いレベル。そのため他のメンバーが知らない機体と鉢合わせた時の情報通としての役割を確立している。
最近はリクとサラの関係性に熱心なダイバーを遠ざける半ばセコムやSPのようなこともやっている。
アヤメ/フジサワ・アヤ(初出:『ガンダムビルドダイバーズ』)
フォース『BUILD DIVERS』のメンバー。痒いところに手が届く担当。
一見馴れ合うことを嫌う一匹狼のようだが、実のところSDガンダムやプチッガイを始めかなりの可愛いモノ好き。要はツンデレ。
バトルでは仲間との連携やサポート、時には高い攻撃力を発揮するまさしく痒いところに手が届く人材であり、ビルドダイバーズにとって無くてはならない存在である。