「カグラ」
「およよ? ビリーヴちゃんどした〜?」
ある日のこと。みんながミッションに行ってる中、わたし達はフォースネストでお留守番していた。
「恋人同士って、キス以外に何をするのかよくわかんない」
「キス以外…………わー、凄い直線的」
「レイメイに直接聞くのはなんか、恥ずかしいし……。お願い、教えて」
こういう暇な時間は、お散歩したりフォースネストで寝てみたり。こんな風に色んな人から色んなことを教えてもらったりもする。
恋人らしいことをできるだけ多く知ってレイメイを出し抜く。レイメイはわたしにいいようにされてる時すごく可愛くなるから。
「恋人同士ねぇ、私の経験から、最初はお互いの手の指と指を絡めて握るとかどう?」
「わかった。今度やってみる」
「あとはやっぱりハグだね! こう、お互いを抱き締めてお互いのBIGLOVE……を確かめる、みたいな?」
「なるほど……」
「と来たら極めつけはやはりセ…………ではなくデート!」
「でーと?」
少しオーバーなジェスチャーと共にカグラが色んなことを教えてくれる。セ…………っていうのはなんかよく聞き取れなかったけど、デートの方が気になるからいいや。
「一緒に遊んだり散歩したり、そうやって自分の日常に恋人という存在を刻み付ける! 恋人、カップルはみんなやってる定番中の定番よ!」
「へぇ……」
「そしてゆくゆくは夜に2人きりであんなことやそんなことを──」
バンッ!
突然の大きな音と共に扉が開かれ、勢いよくレイメイが入ってきた。
「カ〜グ〜ラ〜…………!!」
「ヒュッ」
「お前ー!! またビリーヴによからぬこと教えやがってぇ!!」
「ちょ、ばっ、誤解! 誤解です! 私そんなえっちなこととか1つも教えてませんよ!」
「言ってる時点で認めてんだよな? それは」
「ちがうって!?」
レイメイは怒ったかと思えば笑って、でもその笑顔は一切笑っていない。どころかより怒ってるようにさえ感じる。それに対しカグラは終始焦ったり怯えたりと忙しそうだ。
「今日という今日は地平線の彼方まで引きずり回して──」
「レイメイ、まずは落ち着こう?」
怒り心頭……というやつなレイメイをわたしが優しくなだめる。レイメイは微妙な顔でこちらに振り向いた。
「わたし、カグラに恋人同士ですることを聞いてただけだよ」
「いやそれは、私に聞けばいいじゃん」
「だって恥ずかしいもん……」
「え、その返答は可愛すぎ……」
「と、とにかく! だからその、カグラのことは責めないでほしい。わたしは色んなこと知れて助かってる」
「…………うーん」
私の説得に対し、レイメイは顎に指を当てて考え込む。何か考えるときにやる人いるけど、あれどんな意味なんだろう。
「……肝心なものは私が教えるから。お前が教えたら容赦しない。コロス」
「はい、存じております…………」
ということで、和解したらしい。
「じゃあ、レイメイ。デートしよう」
「…………はい?」
「ミッション終わって暇なんでしょ? わたしと一緒に、色んなところ回ろう」
「い、いいけど(ホントはビリーヴが心配で他の3人に無茶言って抜けただけなんだけどな……)」
よし、誘えた。
どこ回ろうかな。レイメイが一緒にいるし、前のコスプレみたいに服選んでもらえるかも。じゃああのお店いっぱい並んでるところとか。あぁ、1人で出かけるのと、恋人とデートするのじゃ、こんなに違うんだ。恋人って、すごい。
「それで、何するの?」
「散歩。あと買い物」
「……あ、私が払うんですね」
「ううん、わたしもレイメイに何か奢りたい」
「え、ホント? でもビリーヴお金持ってるの?」
「ミッションをこなした報酬の一部をもらってるよ。パーツとかは使えないからみんなに渡してるけど」
「そっか。じゃあ、ありがたく」
「うん」
廊下を歩きながらそんな他愛もない話をするこの時間。なんてことないはずなのに、これ以上ないような幸せを感じている。
「ねぇ、レイメイ」
「ん? どうし──ってわっ!」
立ち止まって、レイメイを正面から抱き締めてみる。レイメイは驚いたような反応をしたけど、慣れたようにわたしを受け止める。たくさんキスしてきた成果かな。
「ど、どうしたの?」
「……えへへ、あったかい」
「それは、どうも」
「ぽかぽかする」
「う、うん」
「レイメイ、だいすき」
「私も好き。ビリーヴのこと大好きだよ」
お互いの愛を確かめ合ってから離れる。案の定、耳まで真っ赤にしたレイメイが私を見つめている。
あ、目が逸れた。ダメだよ。今はわたしだけ見てて。
「レイメイ、可愛い」
「っ……、い、いい気になるなよ。私だって……」
「だって?」
「わ、私だって! …………その、ビリーヴのこと可愛いって思ってるし」
あぁもう、そういうところが可愛いんだって。
「そっか。それは、すごく嬉しいな」
「ッ!?」
レイメイの可愛さに引き寄せられるように、レイメイの頬にキスを落とす。もう何度もしてるけど、こういう状況のキスは多分、特別な意味がある。
「な、なななななっ!?」
「ふふっ、口にすると思った?」
「え……あ、あ……ぇ……!?」
キスしたところからじんわりと赤くなって、紅潮した顔はとても可愛い。わたしは多分、レイメイのこういうところも、戦っている時も、全部。レイメイの全部が好きなんだと思う。
いつの間にかこんなに大きくなっていた想いは実って、それを手放す気も、必要も無い。
きっといつかレイメイがわたしを出し抜く日が来るはず。あぁ、それまで楽しみだな。それまでだけじゃなく、それからも。
「レイメイ! 手、繋いで行こっ!」
「え?」
「いいから!」
「あちょ、これ恋人繋ぎ……!?」
レイメイの手と自分の手の指同士を絡め、固く強く繋ぎ合わせる。焦りから来る手汗が、その熱が、わたしに伝わっていく。
今日はきっと、いや絶対にいい日になる。この世界に絶対があるとすれば、それは今だ。
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一方その頃、ラフレシアと対峙していたビルドリバイバルのカスミ、コネコ、アノマロカリスら3人は、オールレンジに対応出来るレイメイのガンダムシルヴィーが居なくなったことで苦戦を強いられていた。
「「あのバカ遅ェェェェッッ!!!」」
「どうせまたイチャついてるのです……」
その後、デートから帰ってきたレイメイは3人にこっぴどく怒られたとさ。
めでたしめでたし。
「なんか今日、私いいようにされてるだけじゃないっ!?」
みんなは約束を重複させないようにしよう!
chapter.1完結!この段階で一番好きなキャラクターは?
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レイメイ/アカツキノ ミナ
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ビリーヴ
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コネコ/コナミ ネコ
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カスミ
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カグラ
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アノマロカリス