ガンダムビルドダイバーズ:BR   作:レイメイミナ

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今回は公式からお出しされたあの黒いアーマーのことはなかったことにしてお読みください
あれは公式が勝手に言ってるだけだから()


第42話「BUILD DiVERS」feet.A, M, K

「お楽しみだったみたいだな」

「できねーからちげーから!!」

 

 カスミが集合場所に来たのですぐからかってやると、面白いくらいわかりやすく反応してきた。こいつ容易いな。

 

「ほら、商売敵が来るぞ」

「いや視聴者層が違う」

「この前SNSで視聴者とられたって愚痴ってなかった?」

「うるせぇカグラ」

「たやすっ」

 

 カグラ共々遊んでいると、ワープポイントから5人の人影がやってくる。

 1人は白いローブを纏った青年、ヒロト。次に派手なノースリーブ、カザミ。獣を模した身体的特徴を持つ少年、パルウィーズ。黒髪ロングのELダイバー、メイ。そして巫女服に身を包んだ女性、ヒナタ。

 フォース『BUiLD DIVERS』のメンバーだ。

 

「よぉ! 俺はカザミ、人呼んでジャスティスナイ──ってお前、あのときの配信邪魔したやつ!?」

「あ、肘ががら空きの人」

「なに、面識あるの? というかビリーヴ何その覚え方」

 

 最初に反応を示したのはビリーヴだった。肘ががら空きって横腹に置いてるからか? レイメイのツッコミ通り本当にどういう覚え方だよ。

 

「ビルドリバイバルの押し付けられたリーダー、カスミです。ビルドダイバーズの面々で間違いないですか」

「カスミさん、怨念が滲み出てるのです」

「怨念がここにおんねん?」

「今年クソ寒い理由お前だろ」

 

 カグラの寒すぎるギャグにツッコミを入れながら、イチカ──サモネの方を見る。全員を見渡して興味深そうにメモ機能で何か書き込んでいる。俺がハロの時は何気なくやってたけど傍から見りゃあれ手足もないのにどうやってんだろうか。普通にやってるとしか言えない、これがGBN脅威のメカニズムってやつなのか。

 

「久しぶりだな、カスミ」

「え? 知り合いなのです?」

「そうなのか、メイ」

「マギーの経営する店で少し話し合う関係だったんだ。最近は来なくなったが」

「いや、メイの来る頻度も下がっただろ。初めてのフォースで浮かれてるってマギーが言ってたぞ」

「…………そうなのか?」

「そういうことでいいよもう……」

 

 オカマバーねぇ、別に興味も無いし行かなかったがまさかカスミにもそういう間柄のやつがいたとは。

 

「有志連合戦以来ですね、レイメイさん!」

「今回は敵同士ですけどね」

「はい、負けませんよ!」

「こっちこそ。生まれ変わったシルヴィーの力を侮るなかれ!」

「……お前がビリーヴか」

「そうだよ、えっと……メイ?」

「ああ。お前と同じELダイバーだが、私の方が2歳年上だ。是非私のことはお姉ちゃんと呼んで欲しい」

「え、えっと」

「は? 流石のELダイバーでもそれは許されませんが?」

「…………あっちは平和だな」

「メイさん、いつになく楽しそうだ…………」

 

 かくして、ビルドダイバーズとのフラッグ戦が幕を開けた。

 

────────────────────

 

 作戦は単純、俺がカザミというタンクを引き受ける以外は自由に動いて各個撃破。個人個人の戦略レベルが高いからとのこと。カザミのイージスパラディンは堅牢な装甲と機動力、ほぼ飾りの装飾に特に意味の無いショットランサーで俺が引き受けるには持ってこいの相手だ。

 

「というわけで頼んだぞアノマロ、カザミを徹底的にマークしててくれ」

「もしかしてカスミさん、カザミさんと名前被ってるのに人気抜かれたからって僻んでるのです?」

「ちちち違いますけど!!?」

「御しやすいのです…………」

「あたしからも頼むぞアノマロ、可愛い可愛いサモネちゃんが見てんだからな!」

「うるせー勝手にイチャついてろ」

 

 ルールはフラッグ戦、互いのリスポーン地点となる仮説基地を破壊した方の勝利。仮説基地の耐久値がレッドゾーンでない限り、機体は破壊されても1分のインターバルで復活できる仕様だ。

 開始まで残り、10秒。

 

(…………今は仕事を忘れろ、それか第3次の鬱憤を晴らすように奴らを叩き潰せ)

 

 自分に言い聞かせながら、バトル開始と共にブーストをかける。

 

『イージスパラディン!! 華麗に出げ──」

「オラァッ!!」

『うおおおおっっ!!?』

 

 同時に飛び出したイージスパラディン目掛けてシールドをぶん投げる。

 

「お兄ちゃん、完全にチンピラのそれだ…………」

『ちょ、ちょまっ』

「待つかよ!」

 

 イージスパラディンは投げられた盾を自らの盾で弾き、続く俺のザンバーに対してもビームランスとシールドで防ぐ。だがこれで両腕は取った。

 

『聞いてねぇよ! いきなりランカー相手なんて!!』

「弱音吐く暇があったら弾いてみろよジャスティスナイト!! お前がチンタラしてると味方がやられるぞ!」

『畜生っ、パワーすげぇッ……!!』

 俺がこいつとじゃれ合ってる合間に他のやつが相手をする。それがこの『首根っこ掴み作戦』の大まかな内容だ。ひでぇネーミング。

 とはいえ、こいつの盾に俺のザンバーが防がれてるのは事実。こいつも相当のパワーを持ってる。

 

「使うか、”HADES”」

 

 スカルライダーに搭載されている機能、HADESを起動。システムの起動音と共に怪物の呻き声のようなダクトの悲鳴が木霊する。

 

『しかもHADES!?』

「さぁ聖騎士、この黙示録の落ち武者が相手してやるよ! かかって来い!!」

 

────────────────────

 

 アノマロがタンクを引き受け、他が各自撃破というあまりにも雑すぎる作戦が開始されてから数秒。空に飛ぶのはパルくんことヴァルキランダーが少し怖いけどまぁそれだけならなんとかなるだろう。そんな風に思っていた時期が、あたしにもありました。

 

「……おわっ!?」

『コアチェンジ、ドッキングゴー!』

 

 下から襲いかかってきたのはG-3カラーのコアガンダムII、ヒナタちゃん。どうやらお友達の機体を真似たらしいけど、カプ厨のあたしには何か思うところがあるわけで。

 コアガンダムはアースアーマーを身に纏い、ライフルを撃ってあたしのバイカスタムの左側サブアームに穴を開ける。あたしは慌ててそれを捨てるが、逆に推進力を失って不安定になり、そのまま墜落していった。

 

「いてて、まさか最初にエンカるのがあたしだとは……」

『ふっふっふ、射撃は得意なんです。ヒロトからも太鼓判もらいました』

 

 ヒロトくんの機体を真似て、そのヒロトくんに太鼓判をもらっている…………ほほう、へぇ。

 これは煽りがいがあるかな?

 

「調子に乗ってると痛い目見るよお嬢さん。特にあたし達の場合は言葉の重みが違うよ?」

『言ってくれますね……』

 

 アースリィは左腕にビームサーベルを持ってあたしに突貫する。あたしは残ったサブアームのビームサーベルを展開して上から切り付けようとするが、その攻撃はシールドによって伏せがれる。負けじとコンポジットブースターを構えると同時にアースリィの銃口もあたしの機体に向けられ、双方身動きが取れない状態に。

 

(う、動けない…………!)

 

 とか思ってんだろうなー。安心しな、あたしもだ。

 これをどうにかする方法は1つ、使えない腕ではなく使える口を使おう。

 

「…………君さ」

『はい?』

「ヒロトくんのこと好きなの?」

『……………………えっ!?』

「ハイあたしの勝ち!!」

 

 動揺とともに訪れた隙を狙ってコクピットを撃ち抜き、撃破。乙女の純情を弄ぶようで胸が痛むけど、仕方がない。

 

「うんうん致し方無し。悲しいけどこれ、フォース戦なのよね」

 

いやー、みんなを差し置いて早速白星取ってしまった。これであいつらにマウント取れるな!

 

────────────────────

 

『ヒナタがやられた!?』

「何余所見してんだ!」

『クソッ、こいつどうにかしないと!』

 

 足止めとしての役割はどうにかなってる。が…………。

 

『フォロー入ります!』

『おおパル! 頼もしいぜ!』

「こンのっ…………!」

 

 そりゃこんなこったろうとは思ったよ!

 俺は鍔迫り合いを中断して後退、弾かれたシールドを持って上空のエクスヴァルキランダーに投げ付ける。流石にブーメランとは慣性が違うので右腕部のブレードに容易く弾かれたが…………。

 

『後ろっ…………!』

「ところがぎっちょん。横だ」

『えっ……うわあっ!!』

 

 前を塞ぎ後ろを警戒させた一瞬の隙に、カスミのビームスマートガンが機体を貫いた。最初からカバーに入った機体をカスミが撃ち落とす作戦だったのだ。

 

「しっぽ引き摺り作戦のが良かったかな」

「まずネーミングセンスを磨くところから始めろ」

「おふざけに決まってんだろ」

 

 完全に舐めてかかってんなこいつ…………。

 

(レイメイは前衛に突き進んで…………あっ)

 

 カグラ同様、一足先に前に行っていたレイメイのシルヴィーツヴァイが高出力のビームに貫かれていた。

 あのビームを撃ったのは恐らくヒロト、ユーラヴェンガンダムだ。多分ガンビットが貼るGNフィールドの隙を突かれたのだろう。

 

「あのバカ初陣台無しじゃねぇか! カスミィ! お前の盾ならあれどうにかなるだろヒロト落としてこい!」

「すまん、今無理になった」

「はぁ!?」

 

 草木に紛れていたメイ、ウォドムポッド+がカスミに襲いかかってきていた。

 

『手合わせ願おうか。カスミ』

「お前か……」

 

 カスミは面倒くさがりながらもビームサーベルを構え、臨戦態勢へ。

 俺もイージスパラディンの方へ向く。

 

(こいつのHADESはリミッターが無い。ダクトが死んでオーバーヒートするまでどこまで行けるか…………)

 

 振り向くと、イージスパラディンが臨戦態勢で待ち構えていた。頭部は王冠を模したパーツが起き上がり、シールドと連結したショットランサーを軸にビームで巨大なランスを生み出している。

 

『イージスパラディン、キングモード!! 喰らえ、ジャスティスグランドスピアー!!』

「なげぇしほぼライトニングラ…………チッ、しゃーねぇ。来い!」

 

 HADESによってビームザンバーのリミッターが外され、基部が焼き切れんばかりの出力のビーム刃が形成される。出力的には無理だが、スケープゴートぐらいには…………!

 

『行っけぇぇぇぇッ!!!』

 

 そして、2機の刃は正面から激突した。

 

────────────────────

 

 ウォドムポッドから繰り出されるミサイルをビームキャノンで迎撃し、次いで発射されたビームをIフィールドで防ぐ。

 迫り来るモビルドールメイの猛攻に対応しながら。

 

「一人二役は反則だろ!」

『捌けているお前も大概だ!』

 

 メイのハンドガンから繰り出される弾幕を、可動範囲に無理のないレベルで展開したビームトンファーで切り捨て捌く。某ベータテスターさんもやっていたことだが相当神経が磨り減るなこれ。

 メイがタッチパネルを取り出し操作、それに呼応するかのようにウォドムポッドが動き出す。

 

「このまま質量で押し返すつもりかよ!」

『今だ、ヒロト!!』

「なっ……! クソッ、させるか!!」

 

 ウォドムポッドを素早く蹴り落とし、シールドファンネルを2枚重ねにして横からの狙撃を防ぐ。あれ? なんかデジャヴ…………。

 

「いやそれよりも射線がわかっ…………いない!?」

『コアチェンジ、ウラヌスtoハデス!』

 

 上空を見遣ると、空高く上昇したコアガンダムIIがウラヌスアーマーを脱ぎ捨て、次々に小豆色のアーマーを装着している姿を確認した。あれは確か最近作られたハデスアーマー、機体名はハーデインガンダム。

 

『リフレクタービット展開!』

「ありゃ不味い…………!」

 

 移動砲台も兼ねた防御兵装、リフレクタービットが10枚、ハーデインガンダムを囲むように展開される。

 あれは敵の攻撃を吸収しそのまま返すカウンターに特化したアーマー、本体に備えられた分も合わせたビームの雨がオレ目掛けて降り注ぐ。

 

「合計20門のビーム攻撃ッ!?」

 

 慌ててNT-Dを起動、サイコフィールドで下手な火力のビームは弾いて、被弾覚悟で行くしかない! 一応ルシファーの装甲は鏡面塗装によるビームコーティング仕様にはなってるけど、だとしてもあの両肩のハモニカ砲は洒落にならねぇ! でも行くしかねぇんだ、何故なら退路はメイが塞いでいるから。畜生!!

 

「Gセルフのリフレクターなら、マグナム一発で沈むだろ!」

 

 ダメ元でマグナムを一発リフレクターにぶち当てる。吸収できる許容量を大幅に超えたメガ粒子が周りのビット2枚を巻き込んで爆発。一気に3枚も落とせた。

 

『ぐッ、メイ!!』

『わかっている!!』

「やばっ!?」

 

 ウォドムポッドに乗り込んだメイが上空に飛んでオレを狙ってくる。しかし、更にその上空から1つの影がウォドムポッドを蹴り落とした。

 

「ッ、コネコ!?」

 

 今は頼もしいけど、なんか様子がおかしい。尋常じゃないくらい力んだ一撃だった。そのままウォドムポッドを追いかけるように降り立ち、ストライカーに懸架されたグランドスラム2本を引き抜いた。

 

「オマエ、カスミさんと随分親しく話してたのです。一体なんなのです? 返答次第では、その中身ごと切り刻むのです……!」

『…………ただの友人だが』

「今の間はなんなのですッッ!!!」

 

 ホント、マジで何?

 ビルドダイバーズは早速2機がやられ、こちらビルドリバイバルもレイメイというエースを早々に失った。

 戦いは、混沌の渦中へと迷い込んだみたいだ。

 




いやぁまさか公式から「冥王星はハデスじゃなくてプルートだろ」ってツッコミが来るとは思いませんでした

キャラ&機体解説ver.3

カザミ/トリマチ・カザミ(初出:『ガンダムビルドダイバーズRE:RISE』)
フォース『BUILD DiVERS』のリーダー、タンク担当。
G-tuberとして人気が爆発してからは、その個性的なキャラクターと師キャプテン・ジオンへの憧れから愛されキャラ、苦労人キャラとしてその人気を持続させている。
エルドラではマイヤとの関係をヒナタに揶揄される時もあるが本人は無自覚らしい。
使用機体はイージスナイトに聖騎士風の装飾を施した『ガンダムイージスパラディン』。元々はイージスナイトの強化仕様だったが、ビームランス以外の差異があまりにもなかったのでゴテゴテの装飾で誤魔化した背景がある。

メイ(初出:『ガンダムビルドダイバーズRE:RISE』)
フォース『BUILD DiVERS』のメンバー、突っ込む担当。
ダイバーの戦闘意欲から生まれたELダイバーであり、戦闘経験は豊富。とはいえ感情表現が苦手なのは相変わらずで、持ち前の天然属性もまた健在。ヒナタからは密かにライバル意識を向けられているが、当の本人は全く知らない様子。
使用機体はウォドムモチーフの爆撃・格闘用MS、『ウォドムポッド+』。中身のモビルドールメイは変わらずだが、ウォドムポッドは操作方法が有線のコントローラーから無線のタッチパネルにグレードアップしている。

ヒナタ/ムカイ・ヒナタ(初出:『ガンダムビルドダイバーズRE:RISE』)
フォース『BUILD DiVERS』のメンバー、ヒロイン担当。
フォース内では新参だがヒロトの幼馴染ということで、他のメンバーに対してもいつも通りに接している。また店長からのお願いでバイト先のG-CAFEの宣伝もしていたりしているなど、人柄の良さは健在。無意識にヒロトに対する知識でマウントをとりがちで、その影響かヒロトと親しいメイに対してライバル心を燃やしている。
使用機体はヒロトの機体を真似たG-3カラーの『コアガンダムII』。弓神事に抜擢された経験から射撃の腕はヒロトやメイも一目置くレベル。コアディフェンサーはヒロトとは形状が異なり、コアフライヤーとは違うあるギミックが隠されている。

PFF-X7II/P9 ハーデインガンダム
ヒナタの射撃の腕を活かすため、ヒロトと合同で制作したヒナタのアーマー。及びそれをコアガンダムIIに装着した形態。
かつては太陽系9番目の惑星であった冥王星がモチーフとなり、カラーリングもそれに合った小豆色。
コアスプレーガンと左手用ビームカービンの2丁持ちのスタイルで、両肩部にはガンダムXディバイダーのハモニカ砲を半分にした『ツインハモニカ砲』をそれぞれ1基マウントしている。さらにバックパックには小型のビームガンを内蔵したGセルフの10枚のリフレクタービットを搭載しており、使用時はGセルフ同様周囲に展開する。これにより相手の攻撃を吸収して撃ち返すカウンター性能に特化した機体となり、今までのコアガンダムでは出来なかった戦法も可能となった。

特殊システム
・プラネッツシステム:コアガンダムに搭載されているオリジナルシステム。対応するアーマーとドッキングすることであらゆる環境下での戦闘が可能になり、性能は落ちるが部分的に別々のアーマーを換装するリミテッドチェンジも可能。本人をして「限界はない」と言わしめるほどの性能を持っている。

武装
・バルカン2門
・コアスプレーガン
・ビームカービン
・ツインハモニカ砲×2
・リフレクタービット×10
・ビームサーベル×2
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