まぁめちゃくちゃお盛んですが(苦手な方注意)
「あぁぁー! できねぇぇぇ!!!」
「どうしてこんな構造にしようって言ったんですかぁ〜!!」
自分で言うのもなんだけど、あたしはビルドリバイバルという括りの中では1番やる気がないタイプの人間だと思う。
まぁそりゃ? あたしだってガノタの端くれ(というかただの水星の百合に釣られた姫女子)ですし? ガンプラぐらい嗜んでおりますけれども。にしたってウーンドウォートとペーネロペーを組み合わせようだなんて無茶をやろうというのは無理すぎる。あたしの運命の相手もこれには流石にぐったりしていた。
目の前には見るも無残な姿となっているペーネロペーと、ロクに手がつけられていないウーンドウォート本体。そしてここは小泉家のリビング。
「…………お前ら、片付けろよ」
「片付けてほしいんだったら手伝ってくれない?」
「なんでだよ」
アマネもこの酷すぎる状況を前に引いている。まぁ当然、あたしだって引いてる。
「お兄様♡手伝って♡」
「嫌だよめんどくせぇ」
「義妹が困ってんのにその言い草はなんだぁ!」
クソ小舅ムーブしやがってこのバカ兄貴!
「お兄ちゃん、流石に私たちじゃこの量は……」
「知らん。テメーらでどうにかしろ」
そう言ってアマネは2階に上がっていった。なんのために来たんだあいつ。
「…………えぇと、これどうしましょう……」
「とりあえず片付けようにも、このサイズじゃどこに置くのって話だもんねー……」
あたし達がつまづいている最大の理由、それはあまりにも酷いサイズ差である。
調べてみるとウーンドウォートの全高は資料によってバラつきがあるものの大体18mで、ペーネロペーの全高はなんと32m。ざっと14mとガンダムF91一個分のサイズ差があるのだ。そんなもの同士をミキシングをしようにもアレジャナイコレジャナイと延々とサイズ差と戦うことになるのは必至。
じゃあなんでやろうとか言ったのこの馬鹿はって話なんだけど、まぁ単純にこれ考案したのが酒飲んでる時だったってだけです。つまるところ深夜テンション、本当にバカなの?
「…………カグラさん、もうペーネロペー使うのやめません?」
「えー? もうこんなになっちゃってるよ?」
「直せない範疇ではありませんよ。軸切ってませんし、ここだって結局は後はめ加工したぐらいじゃないですか。今からでもミキシングする機体を変えた方が間に合うと思います」
「うんうん確かに、イチカちゃんに賛成。でもなぁ……」
朧気な酔ってる時の記憶を掘り返してみると、ペーネロペーを選んだ理由は絶対的な攻撃力と機動性を併せ持つ機体だったから。あたしの機体は他のと比べて特徴がない。いやあると言えばあるんだけど、他と比べて圧倒的に弱い。
闇に堕ちるつもりはないし、あたし1人ちょっと強くなった程度でどうこう変わるとは思わないけど、せっかくの最終戦だし強くなりたかった。機体を改造しようとした理由はそんなもの。
イチカちゃんを付き合わせちゃって申し訳ないと思うけど、今のあたし達はこれまでの微妙な期間を埋めるための時間が必要だ。それに、イチカちゃんは進んで手伝いをしてくれた。本当に愛いやつめ、よしよししたい。
「でも…………なんですか?」
「あたしはクロートみたいな馬鹿げた理想を実現する能力も、ましてやアマネみたいな圧倒的な実力も持ち合わせてないけどさ、それでも2人の幼馴染なんだよ。それに、イチカちゃんにカッコいいところ見せたい」
卑下している訳ではない。あたしは2人とは違う強さを持っていることを今は知っている。でも、そういうことじゃない。
本当に、愛は人を馬鹿にしてしまう。
この子と一緒にGBNがしたい、カッコいいって思って欲しい、そんな思いだけで変に気が引き締まってしまう。
「だから、まぁ、強くなりたいわけなんですよ。流石にペーネロペーはミステイク過ぎたけどね、ハハハ……」
「は、はあ…………」
「…………」
「…………」
はーやばい。マジやばい。
空気最悪なんだけど。
「……とりあえず、新しいガンプラ探します?」
「だね……」
お金は貯金してる分とイチカちゃんのバイト代込みで結構ある。
あたし達は手を繋いでガンダムベースへと向かった。
────────────────────
で、帰宅。
道中普通にデートしたり、ガンプラ選んだり、ちょーっと恋人らしいことしたり…………で気まずさをなんとか誤魔化すことができた。冬は寒いから容易にくっつけるのが嬉しい。
「で、これは…………」
「うーん、へへへ」
作業場はリビングからイチカちゃんの部屋へと移動した。流石に客人の身で好き勝手するのはよくないので、イチカちゃんのプライベートにあたしとの時間を組み込む。
そして、そのイチカちゃんの部屋にポツンと置かれたでっかい箱。
「えっと………………11、イレブンガンダム?」
「
「あー……、映画の予告で見たことあります。すっごい暗かったアレ」
「確かに暗かったねあれは……」
「それで、結局大きい箱じゃないですか」
「いやいや! こっちの方がペーネロペーより小さいから! 4mくらいだけど…………」
イチカちゃんからすごいジト目で見られる。そういう視線もイイけど今は胸にグサッと刺さる。
だって第5世代MSっていう圧倒的『暴』でもなければあいつらに肉薄できないって。クロートは写真送られてきたけどなんかすっげぇ挙動してるし、アマネは多分部屋でフ○ムの死にゲーやって探偵脳からゲーマー脳に切り替えてるはず。負けてられないのである。
「そもそも思ったんですけど……まず根本からしてウーンドウォートとペーネロペーじゃ体格差からミキシングが難しいじゃないですか」
「うん」
「そしてクスィーもその体格差は広い…………つまりカグラさんの考えるコンセプトにウーンドウォート自体がそぐわないんじゃないですか?」
「…………………………………………なるほど」
「随分間を置きましたね。『その発想はなかった』ってことですか」
「い、イヤー? ソナコトアリマセンヨー?」
「…………カグラさんって、本当に危なっかしいですよね」
「アハハ、すいません……」
「私がついてないと心配です」
「だよねー……………………ん?」
今、なんかとんでもないことを口走っていたような……。
「イチカちゃん今なんて?」
「………………聞こえてないならいいです」
「あーんもう拗ねないでよー!」
イチカちゃんに抱き着く。聞こえてないか聞こえてたかで言えば聞こえてたけど、もう一度言って欲しいのでここはあえてこうしておく。
「……ずっと一緒がいいって…………言ったんですよ」
抱き締められながら小さくそう言うイチカちゃんは、めちゃくちゃ可愛かった。
そのままイチカちゃんを押し倒す。
「わっ!?」
「イチカちゃんさぁ……、あんまりそういうこと言ってるとこうなるよ?」
「ちょ、まって、せめて電気消して──」
彼女が言い切る前に口を塞いで、彼女の服の中に手をかけた。
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『……もしもし、カグラ?』
「あーでたでた。もしもし」
まぁそんな、ガンダムバルバトスルプスレクス(隠語)の後、あたしはクロートへと電話をかけた。
「…………した後に他の人に電話かけられるの複雑なんですけど」
「ごめんねぇ……あーごめんこっちの話」
『なんか息荒くね?』
「気のせい気のせい」
『あと今イチカちゃんの声聞こえた気がするんだけど』
「気のせい気のせい」
『『した』とかなんとか聞こえたんだけど、2人ってこんな昼過ぎぐらいの時間帯でもおっぱじめるような仲なの?』
「気のせい気の……」
電話を切られた。
なんじゃ、こんなドスケベ女と話す口はないってか。あたし悪くないからな? あーやって煽るイチカちゃんがいけないんだからな?
謎の釈明を心の中で終え、改めて電話する。
「あー、もしもし? とりあえず要件だけ話すんだけど……ウーンドウォート関連でなんかでっかいのってある?」
『でっかいの? うーん、インレとか? 今からあんなん作るのは無理だと思うんだが』
「インレ、とは」
『でかいユニットとでかいユニットくっつけたら超でかい最強ガンダムの完成的なノリで作られたバカの世界チャンピオンみたいな機体。フルスクラッチした本物のバカもいるけど、流石にキットはない。出る可能性もあるけどな』
イチカちゃんがスマホで調べたものをあたしに見せてくれる。なんだか言語化しづらいけど、とにかく馬鹿でかいことはわかった。
とりあえず調べてくれたお礼に頭を撫でると、表情が緩まって嬉しそうにしている。
「あー……こんな感じね。ありがとイチカちゃん」
「んふー、ふふふ」
『やっぱいんじゃねぇか』
「いいでしょ別に恋人なんですから。それより他のないの? 流石にインレサイズはブラック教職務めにはキツいよ?」
『はあ…………イブ用だろ? だったらインレのコアになってるハイゼンスレイIIとかいいんじゃねぇの?』
「なんか急に適当になったな……。ハイゼンスレイ? II?」
『決戦用つーか、ティターンズ版ZZみたいなもん。TR-6ベースに作ったもんはハイゼンスレイIIって呼ばれてる』
「そっかー。キットは?」
『あるけど受注生産限定のレア品。中古は即プレ値だし、転売品は論外』
「ちょうだい」
『オレが持ってる前提で言うなよ』
「あるだろ積みが」
『あるけど……』
「あるんじゃん」
『あるけどやらん』
「えぇ〜? 親友からの一生のお願いだよ〜」
『とっとけ嫁に。第一今の機体でも充分戦力にはなると思うけど』
「気が済まんのよそれじゃあ。どうせならイチカちゃんと一緒に今以上に強い最強なガンダム作りたい」
「なるなる…………」
少し考え込むように沈黙が訪れる。その間あたしは、臨戦態勢のイチカちゃんからの猛烈な甘え攻撃を全力で耐えながら待っていた。
色々言いたいことはあるけど、首筋とか撫でられるとゾクッて来るから今だけちょっと控えてほしい。
『…………わかった。5000円で手を打とう』
「転売じゃないですかヤダー」
『自分から言っといてお前……。ほぼ定価と変わんないから。4840円とか端数めんどいだろ』
「まぁ確かにそれはそ──んぁっ、ちょ、イチカちゃ……!」
『ってわけで明日持ってくからじゃあな』
ブチッと切られる。その直後にイチカちゃんによって押し倒された。
最後のクロートの声が心底呆れ返っていたことを気にする間もなく、あたしの身体はイチカちゃんで満たされた。
────────────────────
ということで後日、本当に自宅にクロートが来てハイゼンスレイIIを届けに来てくれた。すっごい微妙な顔をしながら。
ひとまずイチカちゃんを呼んで一緒に作ろう。そしてプランから立て直してからイチャイチャしよう。うん、それがいい。
「パーツ数多いし腰痛むなら無理しないでいいぞ」
「うるせぇ!!!!」
次回は2人のあーんな声やそーんな声を無視しまくって○ー○ー○コアやってたアマネさんの話やります
キャラ解説ver.4
カグラ/水無月カグラ
フォース『ビルドリバイバル』のメンバー。
おちゃらけたような性格で、一見すれば明るくポジティブ。恋人であるイチカとも少しくっつきすぎなぐらいには良好な関係を保っている。
かつては両親を失い、イチカが記憶喪失になったことで2度の絶望を経験したが、現在はフォースメンバーの甲斐あって完全に回復している。
日常的にアニメの台詞を起用するレベルのアニオタで、しかも本人の性分から学校でも生徒との距離が近い。恋愛相談を受け持つことも。
アノマロカリス/小泉アマネ
フォース『ビルドリバイバル』のメンバー。
カグラとは打って代わり、高圧的で気性が荒い狂犬のような性格。だがその実は誰よりも親友を想う情に厚い男である。
「2人の最高傑作であるイチカを親不孝者にする」という両親への復讐のためイチカを目覚めさせることを承諾した。その結果記憶喪失となりカグラとの関係修復に5年を費やしたので本人は若干不完全燃焼気味だが、最終的には憑き物が取れたような状態で羽を伸ばしている。
極度のゲーマーでGBNでのランクはオーガをも凌ぐSSSランク。本人曰く、「マギーとかいうオカマより強い」とのこと。
サモネ/小泉イチカ
アマネの妹でカグラの恋人。
かつては両親から付けられた鎖を外しきれずにいたが、記憶喪失となったことでまるまる消失。目覚めてからずっと想いを寄せていたカグラと結ばれてからは我が夜の春を謳歌している。
3人がGBNを楽しんでいる様子からガンプラに興味を持ち、兄からのネトゲマナー講座を受けてGBNをプレイすることを楽しみにしている。
ちなみにカグラへの愛をサイズで表すならギガトン級であり、カグラもまた同レベルある。
chapter.3完結!この段階で一番好きなキャラクターは?
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レイメイ/紅月ミナ
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ビリーヴ
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コネコ/小南ネコ
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カスミ/霧雨クロート
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カグラ/水無月カグラ
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アノマロカリス/小泉アマネ
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サモネ/小泉イチカ
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ヒカリ/飯綱ヒカリ