ガンダムビルドダイバーズ:BR   作:レイメイミナ

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先に言っておきます。
今回やたらと悪役ムーブかましてるこの銀髪の兄ちゃんは味方です。もう一度言います。味方です。


第59話「最終決戦③─救う手立てについて─」feet.A

 先陣に切り込んだ俺は、フォースの奴らより先に敵の本丸を叩いていた。

 

『ハハハハハッ!! 撃て撃てェッ!!』

 

 全身バラバラになって全方位から攻撃してくる機体、ターンX。なんか今まで見てきたやつと違って着膨れしているが、こいつの相手は厄介だ。

 ビームを剣で消し去り、シェキナーのビームをぶちかます。避けられたが、照射で振り切る。

 別方向からのさっきのより高火力の一撃が飛んでくる。シールドで受け切り、使い物にならなくなった盾を本体である頭部に投げつける。これもまた回避される。

 

『当てられるかよ! 一般ダイバーごときがァッ!』

 

 飛ばしている四肢を集め、人型に集約する。そして、背部から取り出したライフルとバズーカをこちら向け、撃ってくる。

 そんなものはさっさと避け、ビームサーベルを持って接近する。

 

『無駄無駄ァ!』

 

 近付いてまずは相手の武器を両方とも破壊する。が、本体がサーベルの間合いに入る直前に相手の脚部が分離、砲門をこちらに向けてくる。仕方なく後退して、ビームを回避。するとターンXが巨大な爪を持って接近してくる。

 

『有志連合になァ!! 勝ち目なんかァ! あるわきゃねぇだろォォッ!!!』

 

 爪が赤熱を帯び、攻撃態勢に入る。四肢は全て繋がっていて分離するつもりもないと思ったため、サーベルを投げて直接本体に当てようとした。

 だがその直前に、横から2機の影が突っ込んできて、ターンXを丸ごと破壊した。

 

「ッ!」

 

 突っ込んできた機体は、乳白色とライトブルーを基調とした機体、シャフリヤールのセラヴィーガンダムシェヘラザード。ランキングはともかく知名度は高い機体だった。

 

「まさか、これ程とは……。だがキミのガンプラは、泣いているよ…………」

『……黙って、やられてください』

 

 機体はもう1機の機体によって両腕を切断され胸部をメイスで砕かれており、間を置かずして爆散した。

 残ったのは、歪な黒いガンダムのみ。

 

「随分頑張ってんな」

『うるさいです。あなたも、倒します』

「そりゃ勝手だが、ンなもん振り回されたらたまったもんじゃねぇ」

『………………』

 

 拠点内部から宙域に出て、大剣とメイスでぶつかり合う。パワーは完全に、あちらが上か。

 力を緩め、わざと弾き返される。追撃を狙って振り上げる右腕に接近し、回り込み大剣で右腕を殴りつける。

 

『ッ……!?』

 

 ヒカリが衝撃でメイスを離す。メイスを蹴って遠ざけ、その勢いのままに取り付く。

 HADESを起動し、装甲の隙間にビームガンを放とうとするが、パワーで負け引き剥がされる。

 ヒカリは、サイドのスラスターユニットから2対の太刀を取り出す。

 

「この際だから言っておくぞ、ヒカリ。そっち側(マスダイバー)にいれば自分は断罪されるなんて考えは捨てろ」

『いいえ! もうこれしかありません……! もう、何もわからない…………だから!!』

「このガキ…………」

 

 ビームサーベルを取り出し、展開。

 滑空砲の砲弾を焼き切り突撃、太刀と鍔迫り合いになる。

 バルカンでツインアイを狙い、視界を奪おうとするが、フェイクデカールによる耐久強化で効果は全く無い。この線は無しか。なら…………。

 サーベルを仕舞い、すぐに離脱。空振りした太刀を見ながら、ビームガンからサーベルを発生させ、背後に回って肩の付け根に刃を通す。

 

『後ろを!?』

「ッ…………!! 素で硬ぇなァッ!!」

 

 正面から来るテイルブレードを避け、攻撃を中断して追ってくるテイルブレードから逃げる。

 要塞の外壁に着地し、立て続けに迫ってくるテイルブレードを回避。それらを杭にして突撃してくるバルバトスにピストルとビームガンを撃って目をくらませる。熱と光で視界を奪い、その隙に背後に回り、シェキナーの4連装ミサイルとガトリングを喰らわせる。

 

『ああああッ!!』

 

 ダメージと衝撃が大きく、外壁にめり込むバルバトス。俺はそいつに覆い被さるようにして、その頭を掴んで外壁に押し付ける。

 

『うぐっ……!』

「ゴミの掃き溜めにいる癖に何故気付かない? 何故馬鹿げた希望を見出そうとしてる? 人間っつーのは、テメーが考えてる程甘っちょろくもねぇし賢くもねぇんだよ」

『それ、でも……あの人達は……!』

「お前とあいつらじゃあ根本の”価値観”が違う。ガンプラはお前が自殺するための縄か? 違ぇだろ? ただの自己満足を得るためのストレスの捌け口だ。今その役割を放棄してここにいるのはお前だ!」

『違う!!』

 

 ヒカリが叫んだ直後に場を離れ、テイルブレードを避ける。ピストルを取り出してビームサーベルを展開しようとした、その瞬間……。

 

「ッ、ビーム!?」

 

 そのピストルがテイルブレードの放つビームによって破壊された。

 オルフェンズ系のガンダムは、通常の機体2機分の出力を持っているとされる。つまり、今のビームはそのバカ出力から繰り出される荷電粒子砲…………よく作り込んでやがる。

 バルバトスが起き上がり、旋回して接近してくる。スラスターの出力を上げ、相手を消耗させる。

 元より、俺がこいつを倒す必要は無い。

 

『私はもう、希望を求めません。偏った理想を追って破滅することも。でももう私には道がない…………だから、こうでもしないと私は進めないんです!!』

「馬鹿が! ンなことしか考えらんねぇからこのザマなんだろうがッ!!」

 

 バルバトスに取り付き、左肩に手の爪を食い込ませる。テイルブレードによって掴んでいる右腕を串刺しにされるが、誘爆する前にその左肩を引きちぎる。

 これで関節は丸出し、左腕毎持っていければよかったが背に腹は変えられない。

 バルバトスを離れ、複雑に連携するテイルブレードを避けながらシェキナーを投げ付ける。切り裂かれる前に左腕のビームガンでエネルギーパックを撃ち、爆発させる。

 

『くッ……!』

 

 左腕はテイルブレードのビームに被弾し、爆発。両腕を失った俺にはもう”これ”しかない。

 

「あいつらでどうにかなるか、ならないか……こればっかりは完全に賭けだな」

『え……?』

 

 両腕を失ったまま、バルバトスに突撃する。

 

『…………ッ、まさか……!?』

 

リミッターを外した推力で抵抗を振り切り、拠点の外壁に突っ込む。

 そして、自爆スイッチを押して、自爆する。

 

『Control lost』の文字が写るゴーグルを外し、現実空間へと目を向ける。目の前にはパソコンを操作しているイチカ。大学のレポートでもやっていたのか。

 

「お兄ちゃん、お疲れ様」

「……俺にはカウンセリングとか無理だな」

「あの子のこと?」

「ああ」

 

 流石に名前は言ってないが、中学生のマスダイバーがスタルにヤバい状態にさせられていることは伝えてある。

 

「カグラさんの大変さを少しは思い知った?」

「なんであいつ?」

「学校の先生だからかな」

「関係あるか?」

「あるんじゃない?」

「適当だな」

「好きなだけかも」

「それだろ」

 

 スマホを起動して、コネコの父親……コナミグループのボスに電話をかける。

 

『もしもし……探偵くんかい?』

「はい。…………そういう呼び方やめてくれません?」

『ハッハッハ、すまないね。霧雨くんのご友人と聞くから、つい気が緩んでしまう』

「はあ…………、まぁいいですけど。で、本題なんですけど」

『あぁ、そうだった。それで? 妻は一体どんなことを……?』

「真っ黒ですよ。叩けば出てくる埃ぐらいには。まぁこういうこと言うのは主人である貴方に失礼だと思いますが」

『そうか……。ちょっと、受け入れるのに時間が欲しい。詳しいことは後日聞くよ。これでも、妻のことは心の底から愛していたからね』

「人間ってのはあらゆるものに表と裏を作り出すものです。貴方を愛していた奥さんも、上辺のものじゃなくて本物だったと思いますよ」

『ああ、そうだね。そう思っていいんだね』

「…………では、また後日余裕がある日に」

『頼むよ。それじゃ』

 

 電話を切ると、イチカがなんか複雑な顔をしていた。

 

「……なんだよ」

「いや、やっぱりお兄ちゃんが敬語使ってるの変だなって」

「どういう意味だゴラ」

 

 なんにせよ、俺の活躍はここまでだ。あとはあいつらに賭けるだけ。

 賭けは嫌いだ。母親(あのおんな)を思い出す。でも、あいつらになら賽を投げてもいいと思った。それは、ビリーヴの言葉に影響されたのかそれとも…………。

 これ以上考えるのは無粋な気がした。らしくない言い方だが、飯綱ヒカリを救える可能性を持っているのは現状、あの2人しかいない。後から出会ったやつが全てを変えるかもしれないし、一生闇を背負ったままお先真っ暗の人生を過ごすかもしれない。

 それでも、今はあいつらに託してみたい。

 二度と俺達のような人間を生み出さない、いつか言った言葉のままに生きてみることにした。

 

「…………負けたら承知しねぇぞ」

「ん、なんか言った?」

「ああ、疲れたってな」

「ふふ、本当にお疲れ。お兄ちゃん」

 




次回はスタルVSビリーヴ、因縁の戦いは一体……!
あの、やたらキャラが強かったリバースターンXのモブは一体なんだったんだろうか…………

機体解説ver.4

RX-81SR スカルライダー(改)
クロートが作り上げたスカルライダーをイチカが改修したガンプラ。
大まかな相違点は予備のビームサーベルが1本に減り、サイドアーマーのもう一方がシェキナー用のエンジンユニットになったことと、ジャイアント・ガトリングが複合型特殊兵装シェキナーへと変更されたこと、両腕の内蔵ビームガンがボックスタイプのビームサーベルとの兼用になったことの3点のみ。
他にも関節部の補強や武装の細かな調整等、クロートやカグラ、使用するアマネの監修の元様々な点に手が加えられている。

特殊システム
・HADES:ペイルライダー系に搭載されているシステム。戦闘能力の底上げやスペックの向上などにより一定期間ニュータイプをも凌駕するような状態となる。このスカルライダーはシステムのリミッターが一切なされていないため、オーバーヒートするまで敵を倒し続けるキリングマシーンと化す。

武装
・60mm頭部バルカン砲
・ビームピストル/ビームザンバー×2
・ビームサーベル
・ビームガン/ビームサーベル×2
・バスターソード
・複合型特殊兵装シェキナー
・シールド
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