ガンダムビルドダイバーズ:BR   作:レイメイミナ

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今回も前回同様いつもより短いです
こういうの続いてるけどキリのいいところで切るとどうしてもこうなってしまう……


第60話「最終決戦④─ひとりの痛み─」feet.B

 スタルの動きは速い。それに、スタルのガンプラはライフルが強力だ。

 でも、それはわたしのネクサスにも言える。相性は互角、だけど、わたしにはキョウヤやみんなと特訓した分と、レイメイとの思い出がある。

 

『ッ、ちょこまかとッ!』

「ッ…………!」

 

 スタルが放つライフルの一撃を、シールドで防ぐ。反撃のようにこちらもチャージ仕切ったライフルで迎撃。避けられるが、ガンビットを置いて回避した先を狙う。

 でも、これも防がれる。

 

「そんなっ!?」

『浅はかなッ、猿真似がァ!!』

 

 左手にビームサーベルを持って突き刺そうと接近してくる。咄嗟に4基のガンビットを集めて、バリアを形成。スタルの攻撃を防ぐ。

 …………手が、震えている。意思があるようでない、そんなスタルのガンプラの目付きに圧倒されてしまう。

 

『怖いか? 震えているのがわかる』

「ッ……」

『これがガンプラバトルだ。迫り来る敵、朽ちていく機体、その計り知れない恐怖に襲われながらも、それすらも闘争心に変換する戦士の楽園!! お前は文字通り、飛んで火に入る虫ということだッ!!』

 

 スタルはわたしの形成したバリアに向かって、至近距離からライフルを撃つ。拡散した光が散ってわたしの視界を奪う。

 

「うわああっ!!」

 

 目を瞑ったその直後に、ネクサスの腹部にスタイン・シュバルツの蹴りが炸裂する。その衝撃に飛ばされたわたしは。チカチカとした視界の中で、ライフルの銃口をこちらへと向けているスタイン・シュバルツの姿が微かに見えた。

 

『さらばだ、ELダイバーッ!!!』

 

(レイメイ、助けて…………)

 

 曖昧な視界の先に、レイメイの姿を幻想せる。手で追いかけて、その手も、服の端も掴めなくて、ただ空を切る。ただひたすらに助けを求める。

 

 スタルが放つビームが、別方向からのビームで相殺される。その激しい光と音でぼんやりとした意識が復活した。

 

『貴様は……』

「私の教え子を傷付けるのはやめてもらおうか、スタル」

「…………レイメイ、じゃない。キョウヤ……?」

 

 白と紺に、Aの文字。ガンダムTRYAGEマグナム。

 GBNのチャンピオン、クジョウ・キョウヤが駆け付けてきていた。

 

『教え子だと? 片腹痛いな。データの集合体が教えを乞うなど……!』

「その考えを捨て、二度とこの世界に踏み入るな。でなければ僕が相手になる」

『フッ、受けて立とうじゃないか』

 

 お互いがライフルを向け、放ったビームでお互いのライフルを破壊する。

 キョウヤはビームソードを、スタルはビームアックスを取り出してぶつかり合う。チリチリと火花が散り、2機を照らす。

 

(割り込めない…………!)

 

「何度でも問う。なぜこんなことをする!」

『理想と現実の齟齬、それを直すのは人間の性だ』

「GBNに夢を見ている者は大勢いる! 何故それを壊そうとするのかを聞いているんだ!」

『甘い! 愚か者に解らせようというのだッ、私はァ!!』

 

 スタルがマグナムのビームソードを弾き、蹴り飛ばしてから離脱する。キョウヤはすぐに復帰し、追いかけるようにファンネルをスタイン・シュバルツに向かって飛ばす。

 

『GBNなど、ただの虚構! 所詮は古く利益の見込めないものを捨て、流行り物に媚びを売った、それだけのことォ!! 夢を売り、金を頂戴する……そんな巫山戯た遊戯に取り憑かれた金の亡者の道具!! そんなものをガンプラバトルと認めるものかァッ!!』

「皆の想いはGPDからGBNへと引き継がれている! このGBNは、リク君のようにガンプラを愛する者達が愛する世界! それを壊させはしない!!」

 

 スタルは四方から飛んでくるを華麗に避け続け、すれ違いざまにファンネルを蹴る。

 

「ハアアアアァァッ!!!」

 

 右横から飛んでくるTRYAGEマグナムを見て、ビームサーベルで対抗する”素振り”をしてから、シールド裏のグレネードランチャーを撃ち出す。

 

「はっ、キョウヤ!!」

「ッ、ぐああああっ!!」

 

 顔面に直撃した弾が強い光を出し、キョウヤは声を上げて苦しみ出す。

 

『偽りの栄光はここまでだ! キスギ・キョウヤァァッ!!!』

 

 キョウヤが、やられてる。

 あの最強のチャンピオンが、苦戦している。

 今、ここにいるのはわたしだけ。

 レイメイだったら、うん。わたし達だったら、今、絶対に助ける。

 ネクサスをライフルを、スタイン・シュバルツに向かって放つ。スタルはすぐに反応し、旋回してシールドで受け止めるが、シールドを真っ黒に染め上げている塗装は禿げて、鼠色の下地が露になっていた。

 

『…………何?』

「レイメイの…………みんなの夢を、想いを、好きだって気持ちを、否定するな」

 

 ガンビットを展開する。幾何学模様を描く青い光が、ネクサスにも宿る。全身のシェルユニットが青い光を発し、わたし達は、この世界を支配しているかのような全能感に満たされる。

 

『スコア・シックス…………』

「わたしは、あなたを許さない。わたしのこと何も知らなくても、これだけは覚えていて」

 

 ガンビットをスタルに向けて飛ばす。腕を、脚を、頭を狙う。スタルには避けられるけど、わたしの狙いはガンビットで倒すことじゃない。

 キョウヤが目を開ける。その瞬間、鬼神の如き気迫がスタルを襲う。

 

「やってくれたな……!!」

『化け物め……!!』

 

 TRYAGEマグナムのビームソードを、傷だらけのシールドで防ぐ。裏にビームアックスを展開することで、シールドが斬られても対抗される。

 だから、その神経を削ぐ。

 ガンビットをネクサスに集結させて、機動力を強化。ビームサーベルを取り出して、スタイン・シュバルツの右側に斬りかかる。

 

『ッ!』

 

 右手のビームサーベルで防がれる。でも、これで両手を塞いだ。この状態なら身動きは取れない。

 

「これなら、いける…………!」

『…………それはどうかな?』

「なにっ────ぐうっ!!」

「キョウヤ!?」

 

 突然、黒い機体がTRYAGEマグナムに突っ込んでくる。そのまま衝突して、キョウヤ諸共弾き飛ばす。

 航空機の形をした機体は変形し、黒いガンプラへと変化する。

 

「あれは、僕のAGE-2マグナム!?」

『貴様への手向けだ。そいつと戯れていろ!』

 

 スタイン・シュバルツの視線がこちらに向く。肩がすくむような思いをして、無意識のうちに右腕にシールドを形成してビームアックスの攻撃を防ぐ。

 

『ヒャハハハハハッ!!!』

 

 パワーで押し負け、推力のままに岩石へと叩き付けられる。

 ELダイバーは、GBNが生まれた地であり故郷。だから、普通のダイバーよりもダメージのフィードバックが強く、ほぼリアルと変わらないらしい。

 ネクサスが叩き付けられる衝撃で、視界が大きく揺れる。

 

「うぐ、ぁ…………、ッ……!」

 

 頭を抑えながらスタルを目で追うと、スタイン・シュバルツは遥か上空へと飛び上がっていた。そして、その機体の頭上から降りてきたのは、黒く巨大なガンプラ。

 

『懺悔しろ、私に楯突いたことを。そして跪け! 我がブラック・ネオジオングの前にッ!!!』

 

 ブラック・ネオジオングの背後に、金色のリングが発生する。そしてハッチから、大量の”何か”が射出される。その”何か”はブラック・ネオジオングの周囲を囲み、そこからさらに各地へと分散していく。

 

「一体何をするつもりだ!」

『見ていればわかる。チャンピオン、あんたの無敗記録はここで潰える』

「なんだと……?」

 

 ブラック・ネオジオングが、赤く禍々しいオーラを纏う。

 次の瞬間、強烈な耳鳴りと共に黒い波動が宙域を駆け巡る。

 

「ああああああああぁぁぁぁぁッッ!!!」

 

 割れるような痛みが思考を支配し、何も考えることができない。

 

 涙が溢れてくる。

 レイメイが、いない。

 レイメイに会いたい。それなのに、痛みが邪魔で何もできない。

 

 痛い。痛い。会いたい、レイメイ。どこにいるの? わからない。わたしは、わたしは何もできない。から、助けてほしいのに、どこにもいなくて、寂しい。辛い。苦しい。

 

 レイメイ。レイメイ、たすけて。

 わたしを、たすけて。

 ネクサスを、たすけて。

 

「あ……れ」

 

 ネクサスの声が、聞こえない。

 さっきはあんなに聞こえたのに、ひとことも、なにも聞こえない。

 なん、で? なんで、聞こえないの? わからない。知りたい。痛い。痛いのじゃま。なくなってよ。助けてよ、ねぇ。レイメイ!

 

「レイ、メイ──」

 




次回、カスミとカグラの新機体が火を吹く!
ビリレメは健康に良いのは証明されていますが、またビリ虐も健康に良いとされています
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