ガンダムビルドダイバーズ:BR   作:レイメイミナ

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冒頭でボコボコにされちゃう(ネタバレ)ので、AGE-2マグナム(コピー)の説明をしときます
この機体は一応SVバージョンなんですが、FXプロージョンは解析し切れず未実装です。あとチャンプの機体そのままなので全く使えず、フェイクデカールを事実上のリミッターとして機能させることでなんとか動かしてます
最後に、ダークハウンドカラーです


第65話「最終決戦⑨─その手と手を取り合って─」feet.B

 白い輝きを放つ幾何学模様がフィールド全体を支配する。

 その光景を見て、クジョウ・キョウヤは安堵した。

 

『どういうことだ、フェイクデカールが機能してねぇ!』

「どうやら成功したみたいだ」

『は!?』

「君の命運はこれまでという、ことだ」

 

 彼は少なからず感じていた、罪悪感というものを。マスダイバーの暴挙を止める最大の一手、アンチドートの散布を、生まれて間もないような少女に任せてよかったのか…………先程まで、彼にはそのような考えが何度も顔を出していた。

 だが、その不安は杞憂に終わった。現に今、目の前にいる自身の機体を真似た者は、頼みの綱であるフェイクデカールを失い、焦りを見せている。

 

「機体への負荷もない、身体も軽い、これで心置き無く戦うことができる」

『ッ……! ち、調子に乗るなよ!? チャンピオンだからって!!』

 

 黒いAGE-2マグナムが、6機のファンネルをクジョウ・キョウヤへと差し向ける。だが、それらは瞬く間に破壊された。TRYバード形態となった、TRYAGEマグナムによって。

 

『なっ……!?』

「僕もまた、1人のビルダーだ。自分の作品を汚され、怒りを燃やさないわけが無いだろう」

 

『Get leady, TRYAGE SYSTEM』

 

 TRYAGEマグナムの必殺技を示す画面が立ち上がり、クジョウ・キョウヤの目の前に3枚のカードが出現する。彼はその中の1枚を手に取り、目の前にかざす。

 

『AGE-FX』

『IGNITION!!!』

 

 手に持っているトライホルダーフレームに、カードの絵柄が出現。そのエネルギーを上空へと打ち上げ、帰ってくる雷を、その機体本体で受け止める。

 

「ッ、ハアアアアァァァッ!!!!」

『な、なんだ……!?』

 

 自身の受けた莫大なエネルギーを制御下に置いたTRYAGEマグナムは、その全身が青い光を発していた。そして、ファンネルの接続部や腕部、胴体、腰部、脚部のスラスター全てから無数のビームサーベルが発生する。

 

『FXバーストだと……』

「今こそ原点に立ち返り、君を討とう。AGE-2マグナム」

 

 FXバーストに至ったTRYAGEマグナムは、目にも止まらぬ速さで駆け抜ける。その速さは音速を超え、AGE-2マグナムの搭乗者は認識することも出来ず、左腕を切り落とされていた。

 

『ッ……!? ……クッソォォォ!!』

 

 青い残像を残しながら駆け抜けるTRYAGEマグナムに向かって、ハイパードッズライフルを連射する。しかし、認識すらも出来ないのだから、当たるわけがない。

 みるみるうちに再び接近され、今度は右腕も切り落とされる。加えてその全身から迸るパワーによる体当たりを喰らい、とてつもない力と速度に圧倒されながら要塞の外壁に、激突…………そして突入し、貫通した。

 AGE-2マグナムは、全身がビームサーベルに刺され蜂の巣のようになっていた。しかもそれだけでは飽き足らず、あまりの衝撃の強さに全身にヒビが生じていた。

 

「さらばだ、愛なき者よ。二度とその機体に乗るな」

 

 クジョウ・キョウヤは、苛立ちも隠さずそう言い放つ。機体を突き飛ばし、爆発するのを見届けた。

 

────────────────────

 

 アンチドートを散布したわたしは、まっすぐネオジオングの方まで向かう。

 向かってみるとそこは、目を疑うような惨状だった。あちこちには残骸が残り、ネオジオングから伸びているワイヤーでたくさんのガンプラが操られていた。

 

『……貴様か、俺の最高傑作を無効化したのは』

「許せないから。ガンプラと、みんなを苦しめるそのやり方が」

『御託はいい、死ね』

 

 スタルが操る大量の機体が押し寄せる。ビームの弾幕を避け、防ぎながら撃ち落としていくが、流石に数が多すぎる。

 

「ッ……!」

 

 後ろからの攻撃に対応し切れず、被弾を覚悟した瞬間、その機体が撃破された。センサーを確認すると、そこにいたのはカスミのビビッドガンダム・ゼロ。それだけじゃなくて、後ろからたくさんの機体が増援に駆け付けていた。

 

「あの嬢ちゃんに助けられたんだって? だったら恩返しするしかねぇよなぁ!」

「その極上のエモノをやるってんだ! 不味い戦いしたら承知しねぇぞッ!!」

「みんな〜! 行っくわよ〜!」

「こ、これ……」

「あぁ、チャンピオンがやってくれた」

 

 カスミ曰く、キョウヤがみんなにアンチドートのことを伝えたらしい。その結果、これだけの人数が助けに来てくれた。

 数々の機体がわたしの前に出て、マスダイバーの機体や操られている機体をどんどん倒していく。きっとみんな、わたしよりもずっと強い。なのに、それなのにわたしを助けるために戦ってくれる。

 

「これが、ネクサスの意味……なんだね」

「さっさと行け! 間に合わなくなっても知らんぞ!」

「うん、わかった!」

 

 わたしも進む。

 みんなが戦っている間をすり抜けて、ネオジオングに近づいていく。

 

『貴様らァ……! まとめて薙ぎ払ってくれる!!』

「ッッ!!」

 

 6本の腕から発射される強力なビームを避ける。横に、後ろに、あらゆる方向から飛んでくるビームを、回避する。きっとシールドじゃ防げないし、諸に喰らったらひとたまりもない。

 だから当たれない。だけど、全部避けるにはわたしの技量が足りない。反応した段階で目の前にビームが来ていて、咄嗟にシールドを前に出す。

 攻撃を受ける前に、横から飛んできたビームで拡散された。

 

「えっ!?」

「あ、当たったのです!?」

 

 コネコが駆け付けてきてくれていた。手にはビームキャノンを持っていて、多分偶然当たったんだと思う。

 続けて、ビームを撃ち続けている腕をあるビームが狙撃する。弾かれたものの、腕はその射線の方向に向かって撃ち始めた。

 

「ハイハイ、ヘイトはこっち!」

「カグラ!」

「ぶちかますのです、ビリーヴ先輩!」

「うん、任せて!」

 

 カグラも助けに来てくれた。これは、是が非でも負けられない。

 2人の前を通って、まっすぐスタルの方に近付いていく。それに気付いたスタルがライフルで狙い撃ちにしてくるので、その一撃をシールドで防ぐ。

 

「来たよ、スタル」

『ELダイバーが…………!』

「……諦めて。誰かを否定してでも、自分の意見を通したいのはわかるけど、やりすぎだよ。こんなやり方、自分だって傷付けかねない」

『黙れ!! 貴様にはわからないんだ……GPDの尊さが、己を顧みずとも追いかけたくなるようなあの光を!! だから俺は、この偽物の世界を破壊するッ!!』

「…………そっか。でも、わたしはこの世界を信じ続けるよ。知らないこと、いっぱいだから。まだ、ガンプラバトルの楽しさ知れてないから」

 

 ネクサスの背後に緑色のゲートが発生する。その中から、18基のガンビットが飛び出てくる。

 

『あれは、まさか…………!』

「……行くよ。力を貸して、シルヴィー!」

 

 コンソールに表示される、シルヴィーツヴァイのガンビット。わたしのネクサスとレイメイのシルヴィーツヴァイは、パーメットの通信で常にお互いの状況がわかるし、お互いのガンビットを貸し借りすることが出来る。

 危機を感じたスタルは、すぐに攻撃を再開する。ライフルはすぐに防がれ、続いて発射したバズーカも着弾前に爆発。巨大な腕からのビームも、ネクサスとシルヴィーのガンビットによる二重の防御なら、防ぎ切れる。

 

『奴のガンビットをオーバーライドし、手中に収めたというのか…………この俺にしたように!!』

「あなたからは、行き過ぎた力を”奪った”。でもこれは違う。シルヴィーから、レイメイから”託された”力だよ」

 

 シルヴィーのガンビットがネクサスへと接続されていく。やがて18基全てを接続したネクサスから、光の翼が展開される。

 同時にサテライトシステムも起動。背中の翼が展開し、マイクロウェーブを受信する。ライフルのグリップを引き出し、ネクサスのガンビットを全てライフルへと接続、ガンビットライフルにする。

 

「あなたから奪ったもの。あなたが奪ったもの。どれもこれもきっと、誰かにとって大切なもの。わたしは、あなたがあなたを含めた全ての人から”何か”を奪っていくことを許さない!!」

『民意の代表を気取るか、バグがァ!!!』

 

 ネオジオングから、1つの巨大なビームが放たれる。それと同時に、わたし達も全力の必殺技を撃ち放つ。

 

「ガンビット・GNサテライトキャノン!!!」

 

 スタルとわたしの必殺技が同時に放たれ、正面からぶつかり合う。勢いは互角、でも、互角じゃ勝てない。

 後ろには、みんながいる。絶対に、絶対に勝たなきゃいけない。

 

『ウオオオォォォッ!!!』

「いッ、ッッ……!!」

 

 ネオジオングが威力を上げる。わずかにできた差が、ゆっくりとわたしのビームを押し出していく。

 このままじゃ、負ける。

 嫌だ、負けたくない! 絶対、絶対、絶対絶対勝って、勝ちたい!!

 

──行って!

──行くのです!

──行け!

──行けぇ!

────行け。

 

(ッ……!)

 

聞こえる。

 レイメイの声が。みんなの声が。

 コネコの、カスミの、カグラの、アノマロカリスの、ビルドリバイバルの声が、聞こえてくる。

 

「ッ、やあああああぁぁぁッッ!!!!」

『何ィッ!!?』

 

 威力が上がる。際限なく、どこまでも、競り勝つまで、無限にその力が上がっていく。

 ネクサスの、意味。みんなと繋がって、強くなる。

 

 それが、わたしとレイメイの込めた想い。

 

『──ッ、負けるかァァァッッ!!!!』

 

ネオジオングも、その威力を上げる。

 

「やあああああぁぁぁぁッッッ!!!!!」

 

 それでも、勝つ。その思いが、無限の力をもたらす。

 

『ッ────!!!』

 

 どんどん、押し出して、ついにネオジオングに到達する。ネオジオングを強い光が照らし、焼き尽くし、ここまで衝撃波が来るほどの爆発を上げる。

 ライフルの砲身は、完全に焼き切れている。かろうじてガンビットは無事だけど、ライフルがこれではもう使えない。

 

「………………おつかれさま」

 

 レイメイが作ってくれたライフルを手放す。ボロボロのライフルは中を舞い、やがて光の粒子となって消滅した。

 

 ………………勝った。

 

『まだだァッ!!!』

「え……!?」

 

 煙の中から、黒いシナンジュが飛び出してくる。とてつもない速さで接近し、ビームアックスを振り下ろしてくる。わたしは咄嗟にシールドを形成して防御した。

 

「なんで、さっきのでもう…………!」

『これで終わりだと思うなァ!! 俺はァ、まだァァッ!!!』

 

 シールドごと弾き出される。シルヴィーのガンビットを使って反撃するも、とても考えられないような挙動で避けられる。

 もう一度向かってくる。今度はビームサーベルを取り出して対抗。でも、出力差で押し負ける。

 

「うわあっ!!」

『死ねッ、バグ野郎ッッ!!!』

 

 何度も何度も切り付けられる。シールドやサーベルでなんとか対応できるけど、いつやられるかわからない。

 ソードビットの刺突攻撃を仕掛けるが、容易に避けられた。その軌道を利用した背後からのビームも避けられ、逆に接近される。

 

『まだ終われるか、終わらない! 俺は、俺は最強のチャンピオンだッ!!!』

「っ……!」

 

 ガンビットが出力に耐え切れず、ビットオンシールドが分解する。

 シルヴィーのガンビットは間に合わない。完全に、無防備。

 

『これで、終わりだァァッ!!』

 

 もうダメかと思った。

 ヒカリと、約束をしていた。一緒にガンプラバトルをしようと、ただ、それだけの。

 果たしたかった。こんな、悲しい形でのものじゃない、楽しいガンプラバトルを、やりたかった

 だから、凄く悔しかった。

 

 でも。

 

『ッッ…………!?』

 

 シナンジュの腕を貫く光を見たとき、わたしはすぐに理解した。

 

「……レイメイ」

 

 シルヴィーのガンビットが勝手に動き始める。18基全てがフルで稼働して、シナンジュの関節部を執拗に狙う。わたしよりもずっと正確な射撃は見事にシナンジュの関節に撃ち込まれ、その四肢がバラバラになって崩れていく。

 

『なん、だとォ…………!!?』

 

 ビームサーベルを構え、シナンジュの頭上に向かって振り下ろす。

 

「……やあああぁぁぁッッ!!!」

 

 バックパックも破壊されていたシナンジュ……スタルは身動きが取れず、そのまま頭から真っ二つに切断される。

 

『馬鹿な、馬鹿な…………!』

「スタル、あなたはきっと、自分も他人も信じられてない。ただ一点を、見つめすぎた。わたしはわたしとみんなを信じた。だから、この勝負はわたしの勝ち」

『…………ッ、ビリィィーヴゥゥゥゥゥッ!!!!』

 

 シナンジュは、今度こそ破壊され、消滅した。

 

 わたし達は、スタルに、マスダイバーに、勝利した。

 あとは、彼女と決着をつけるだけだ。

 




次回、ついにこの戦いに終止符が打たれる!
あと2話で終わります。多分
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