ガンダムビルドダイバーズ:BR   作:レイメイミナ

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ラストバトル、迫力があるかどうかわからない


第66話「最終決戦⑩─いつか、黎明の日を信じて─」feet.R

「………………」

 

 宇宙を照らすあの光を見つめる。

 ガンダムネクサス……そしてビリーヴが、スタルを討伐した。

 そして、敵機の反応は消え去り、もう目の前にいる1人を残すだけとなった。

 

「……もう、あなた1人だけだけど?」

「そうですね……」

「…………、待つ?」

「…………いえ、それじゃあ、面白くない」

「だよね。じゃあ、やろうか!」

 

 地面に突き刺さる太刀が、テイルブレードによって弾かれ、デモニックバルバトスの元に渡る。

 私は右手にビームサーベルを持って、お互いの一閃がぶつかり合う。

 その隙に、ビリーヴが使っていたシルヴィーのガンビットを呼び戻し、宙に転がっているライフルに接続、操って手元に来させる。バスターソードで腹部を貫こうとするが、すぐに反応されて回避される。

 

「マジ、これ避ける!?」

「舐めないで、くださいッ!!」

 

 低姿勢で着地したデモニックがその状態のままシルヴィーに掴みかかる。一瞬、パワーで押し負けるが、全身からGNストームを一瞬引き起こすことで引き剥がす。さっきので充分時間は稼げた。おかげでコンデンサーは満タン!

 引き剥がした腕を掴み、デモニックの全身にこちらが掴みかかる。そして、巴投げの要領でデモニックを投げ飛ばした。

 

「ッ…………!」

 

 デモニックは土煙を上げながら地面を転がる。が、その土煙の中からテイルブレードを射出し、シルヴィーの足元に突き刺さる。危機を感じてそこから離れようとすると、案の定デモニックが土煙の中から飛び出してきた。

 その姿は、まさしく悪魔そのもの。

 

「やあああぁぁッ!!」

「くッ……!」

 

 スラスターを全開にして刀を振り下ろしてくるデモニックの前で、バスターソードを構える。だが、受け止めようとしたところで、これは悪手であることに気付く。

 この体勢は、確かアニメとかで見たことある、『示現流』とか言った剣術のやつだ。一撃必殺、刀で受けても、その刀が折れ敵に届くまで何度も叩き斬る暴力的な戦い方。

 私は横に流れて剣撃を回避した。

 

「……気付きましたか、流石ですね」

「モビルスーツで仕掛けるとか、馬鹿でしょ…………」

「示現流は、初撃を外せばガラ空きになる諸刃の剣。ですが、他の剣術と組み合わせることで至高の技のひとつになります」

 

 どこからか飛んできた太刀をデモニックが掴み取り、2刀を同時に構える。

 

「宮本武蔵相伝、二天一流……」

「知ってる名前出てきた…………」

 

 デモニックが2本の刀を持って突っ込んでくる。バスターソードをもう一本引き寄せてから受け流し、もう一方の刀も正面から受け止める。

 2乗の効率と、2乗の2倍の出力。出力差はこっちに分があるが、受け手ということもあって若干不利。だけど両手が塞がってて、こちらのガンビットもフリーなら、相手はこれ以上手を出せないはず。

 そう、そのはずだ。

 

「うわッッ!!?」

 

 デモニックがさらに近付き、シルヴィーに頭突きをかましてくる。まさかの攻撃に不意を取られた私は諸に喰らい、視界を一瞬奪われる。無論、それが見逃される訳が無い。

 デモニックは体勢を崩した隙に突きの構えを取り、トドメを刺そうとする。この状況なら、確実にコクピットは貫通される。

 なら、何がなんでも避けるしかない。

 

「これで、終わ──なッ!?」

 

 打突を喰らう前に、シルヴィーツヴァイ自身を量子へと分解。そして再構成し、デモニックの腹部にバスターソードを叩きつける。

 今度はデモニックが体勢を崩し、懐がガラ空きに。私はクロービット4基を両足部に接続して、デモニックの脚を掴み、地面に固定。

 

「ぶっ、飛べええェェェェッッ!!!」

 

 その馬力と、遠心力を活かし、デモニックバルバトスを投げ飛ばす。今度はさっきと違って、素直に地面を転がり倒れ附した。

 

「ぐっ、うぅ……。流石、やりますね……」

「はぁ、はぁ……そっちこそ」

 

 互いに認め合い、ぶつかり、研鑽し、再び認め合う。正しいライバルの構図。

 でもそこで、横槍が入る。

 

『ヒカリ! 何を遊んでいる!?』

「……」

『今、デモニックバルバトスにさっきのジャミングに対応したプログラムを送った! 起動すればそのブレイクブーストは通常の何倍にも膨れ上がる! さぁ、使え!!』

「……いいえ、必要ありません」

『何を言っている!!? お前の愛機に俺のブラック・ネオジオング以上の力を与えてやるんだぞ!!?』

 

 スタルの怒号が響き渡る。焦っているのか、オープン回線になっていることに気付いていない。

 

「必要ないって言ってるじゃないですか。私は、今の私とバルでどこまで行けるのか試しているんです」

『そんなもの必要あるか!! ここで勝てなければ、俺達の夢は、GPDは──』

「うるさい!!!」

「ッ!」

 

 スタルの声を遮るようにヒカリが叫んだ。

 さっきまでは考えられないような気迫のある声に少し驚く。

 

「もうGPDとか、GBNとか、そんなのもうどうでもいい!! 私はただ、ガンプラバトルがしたい!!!」

『ヒカ──』

 

 スタルが声を出す間もなく、ヒカリが言葉を続ける。

 

「やっと本当のバルと戦えるんです、こんなに嬉しいことはない……! だから、邪魔しないでください!!」

『……ふざけるな!! お前は──』

「よく言った!!」

 

 スタルが何かを言う前に、上から機体が1機降ってくる。

 青と白を貴重としたカラーリングに、シルヴィーツヴァイを意識した6本のアンテナ。周囲を囲む11基のガンビット。

 ガンダムネクサス…………ビリーヴだ。

 

「来たよ、ヒカリ。始めよう」

「…………はい!」

 

 ここで初めて、デモニックバルバトスとガンダムネクサスが対峙する。だが、ネクサスはさっきの戦いで消耗し切ってるだろうから、少し心配だ。

 

「ビリーヴ、私も……」

「ううん、大丈夫だよ。レイメイ。さっきはみんなのおかげで勝てたから、今回は自分の力だけで、行けるとこまで行ってみたいの」

「……そっか、わかった。やばくなったら助けるからね」

「うん」

 

 その確認を取ってから、私は後方に待機する。ネクサスは振り返り、デモニックの方をじっと見ている。

 

「本当に、自分でガンプラを……」

「うん。わたしのガンプラ、ガンダムネクサスって言うんだ」

「なるほど……、では、手合わせ願います」

『おい待て、まだ俺のはな──』

 

 何かを殴りつけるような音がして、スタルの声が途切れる。

 ネクサスは私のソードビットを操り、バスターソードを両手持ちで構える。あれは一応双剣だけど、ネクサスのような機体が使うには少々重すぎる。

 

「……行きましょう、バル!」

 

 ヒカリの掛け声に呼応するように、デモニックバルバトスのツインアイが赤く光る。そして刀を構え、同時に進撃する。

 

「お、重いっ!!」

 

 デモニックとネクサスは、馬力に大きな差がある。シルヴィーと違ってネクサスは高機動で、パワーはあまりない。だから、こういう時にその弱点が諸に出る。

 デモニックがネクサスを弾き飛ばすが、ネクサスはそれによって空いた空間にガンビットを集中し、質量攻撃でデモニックを攻撃する。

 

「ぐあっ!」

 

 これが有効と見たビリーヴは、バスターソードを投げソードビットだけを分離。取り回しやすいビームサーベルを引き抜き、装甲の隙間の関節部を狙う。

 

「させません!」

「やるからには、絶対に勝つ!」

「上等です!!」

 

 ビームサーベルを太刀で受け止め、正面から打ち勝つ。そしてネクサスの腹部に蹴りを入れ、隙を作る。

 

「がはっ!?」

 

 テイルブレードのワイヤーを巻き付け、尻尾のようにしならせて地面に叩き付ける。そのまま引き摺り、空中で手放して、もう2本のテイルブレードで両腕を切断した。

 間髪入れず、デモニックは左の太刀を構える。

 

「ビリーヴ!!」

 

 まずい、このままじゃビリーヴがやられる。

 そう考えた私は、ビリーヴのガンビット3基を操り、高速機動で3基ともフレームが剥き出しの左肩に突き刺す。

 

「なっ、ガンビット!?」

「よく頑張ったね、ビリーヴ。ここからは、私に任せて!」

「っ……、うん!」

 

 ビリーヴが快く返事するのを聞いてから、こちらも攻撃に移る。左腕は完全に切断した、これで私が有利!

 こちらのバスターソードと相手の太刀がぶつかり、1度離れる。もう一度、ぶつかる。離れる、これを繰り返していく。

 テイルブレードとガンビットもまた、何度も激突する。何度も何度も、幾重にも刃が交じり合う。

 

「やあああぁぁぁッッ!!!」

「はあああぁぁぁッッ!!!」

 

 どちらも1歩も譲らない、互角の戦い。だが、それも長く続かない。

 大きく斬り返され、その弾みでこちらの左腕が切断される。

 

「ッッ!!」

「もらい、ましたァッ!!」

 

 もう一度突撃され、右手のバスターソードで必死に受け止める。片腕を落とされても尚健在のパワーに圧倒され、大きく弾かれる。死角である背後にテイルブレードが向かったのを一瞬確認して、サブアームを展開して受けようとする。しかし、そのサブアームは背後のビームによって切り落とされた。

 

「ッ……!?」

 

 不味い。この体勢は、不味い。

 右腕のバスターソードは間に合わない、背中の太陽炉はGNフィールドが守ってるからいいけど、今問題なのは正面だ。完全に無防備だ。このままじゃ、本当に、やられる。

 一瞬、負けてもいいという考えが頭を過ぎる。負けてもビリーヴなら、他の人達ならきっと勝てる。だから、私がここでやられても問題は無い。

 

 でも、違う。違うのだ。

 私は、勝ちたい。負けたくない。ここで、諦めたくない!!

 

「…………トランザム」

「え……?」

 

 目の前にトランザムが起動を示すアニメーションが流れる。その直後、シルヴィーは赤く光り始める。

 私は無意識に、トランザムのスピードによって、デモニックバルバトスの攻撃を回避する。しかし泊まることが出来ず、その勢いのままお互い岩石に激突した。

 

「…………ビリーヴ?」

「さっきのお返し、だよ」

「……そっか、ありがとう」

「どういたしまして」

 

 さっきのトランザムは、ビリーヴが起動した。もしかしたら動かしたのも無意識じゃなくて、ビリーヴなのかもしれない。なんにせよ、一命は取り留めた。

 同じく岩石に突撃したデモニックが、ボロボロの状態で立ち上がる。

 

「…………もう、終わりですかね」

「……かな」

「最後に、戦えて、よかったです」

「そっか…………なら、よかった」

「まだ、前に進もうと思えるぐらい、前向きにはなれませんが…………前を向けるよう、これから頑張っていきたい、です」

「うん、頑張ってね」

「では改めて、最後に…………レイメイさん、ビリーヴさん、本当に……ありがとうございました」

 

 その言葉を皮切りにして、お互いの剣を構える。そして、デモニックバルバトスは居合の構えで、私は突きの姿勢で前進。

 突き進み、進み続け、ついに到達する。

 

「…………ッ!」

 

 デモニックバルバトスの太刀は届くことは無く、刀を振り切る前に、ビリーヴがガンビットを操って右腕を切断。そしてその右腕ごと、私のヘラクレスバスターソードがデモニックバルバトスの胴体を刺し貫いた。

 

「…………私の、負けですね」

「………………ガンプラ、嫌いにならないでね」

「…………はい」

 

 バスターソードを引き抜き、デモニックバルバトスの首を大きく掲げる。私には何故か、彼がとても満たされた様子で微笑んでいるように見えた。

 

『Battle ended』

『Winner:Build Revival!!!』

 




次回、ガンダムシルヴィー大勝利! 希望の未来へレディ、ゴー!
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