続航宙軍 1章 コリント領その後 結婚ラッシュ 015
それからの1か月が、そらぁ大変でした。
まずは、シャイニングスター の最初の100名達と、移民の中での女の子との合コンを各班ごと開催。その反響は大きく、あのシャイニングスター というだけで、めちゃモテまくったそうです。移民も合計で2万人を超えてますからね。そりゃ、女の子もその半数というわけでないけど、かなりの数がいましたので、特に若い女性たちからは、、、あははは。まぁ、問題も色々増えましたけど、、
「最近、ブルーノさん、元気なかったですけど、、どうしたんですかね」とデニーというサテライトの班長から
声がかかった。
そうブルーノさんってあの牢獄から助けられた、エルナさんがいた班の元近衛騎士の副班長だった人です。
暫くは、体力回復のため、他の兵士とは別メニューで訓練に参加していたのですが、流石に数か月のブランクがあるので、元いたメンバーよりは、技術の習得が遅れていました。
それ以上にショックだったのが自分を助けてくれた、シャロン様に淡い恋心を抱いてしまったため、さらに追い打ちをかけたアラン様との婚約発表で、すっかりやる気を失っているようです。
例え『精霊の雫』を服用していても、本人がやる気がなければ、技術は上達しません。
特に、前まではエルナよりも十分強かったのが、今では子供と大人の差ほど違ってしまい。エルナとの模擬戦では、それ以来、一度も勝てなくなっていました。
「ブルーノ、どうしたの、以前のあなたなら、このくらいの訓練に楽々ついて来られたのに、確かに帝国式訓練は、アラン様が初めて披露してくれた訓練で、最初は誰も付いてこれら無かったの。でも今では大半のメンバーがこなせるようになってきたわ。でも、ブルーノは、あの牢獄以降、一時期は物凄い訓練でも値を上げずについて来たのに、最近はまったくダメになっているじゃない。もうすぐ、スターヴェーク奪回作戦が行われるのに、そんなんじゃ、戦場で死ぬわよ」
「あぁ、もう俺なんかにかまうな、戦場にでたら、さっさと死ねばいいんだろう」
って言った矢先、エルナに思い切り顔をひっぱたたかれました。
「あなたは、何のために近衛兵になったの、アロイス王国にどれだけ、同胞が殺されたと思うの。あなたの家族も殺されたんじゃなかったの」
「あぁ、そんなの分かってる。分かっているけど、もう、俺なんかじゃだめなんだよ」
そういって、その場から、走り出してしまいました。
自分でも、分かっていた。シャロン様は、アラン様の元部下といっていた。帝国式格闘術では一番強かったと言われていた。それだけに、憧れた、強さと美貌とやさしさに、でも、今は、、
そうして、暫く酒場で飲んだくれて、酔っぱらっていた時だった。後ろから、肩をたたかれて声をかけられた。振り向くとそこには、あの【使徒】アラン様がいらっしゃった。
「横に座ってもいいか?」
「はっ、はい」と慌てて、その場で跪きました。
「ブルーノくんだったかな。投獄されていたんだよな」とアラン様が話しかけてきたので、
「あぁ、はい」と、うなだれたまま返事をしました。
「まぁ、そんな恰好じゃ話づらいから、横に座らないかい」
そう言われたので、ちょっと離れて椅子に腰かけました。
「そうか、よかったよ。助けられて。昔、自分は、同じ戦場で助けられなっかた仲間が居たんだ。それ以来、どんなことになっても、仲間は見捨てないと誓ったんだ。
今でもその時の悔しさを忘れた事がない。暫くしたあとで、その場所に戻ったときには、その仲間は手足をばらばらにされて、無残に殺された姿だった。
これから戦う【大いなる災い】の敵、バグスは、人を捕食し、その能力を奪い取りさらに人を襲ってくるまさに悪魔なんだよ。正直、そんな戦いに出来れば皆を巻き込みたくないんだ。無理なら、兵士を止めていいんだよ。 むしろ、普通に暮らしていって貰いたい。
だけど、その悪魔を誰かが倒さないと、この星の全ての人類が滅ぼされるんだ。あのシャロンの母親は、多くのバグスに囲まれて、手足を食われながら、最後、船ごと自爆し、数万のバグスを倒した英雄の娘なんだ。
死ぬ間際に、その映像をながしながら、シャロン達の幸せを願って笑顔で爆死したんだよ。俺は、そんな英雄に物凄く憧れた。だからこそ、そんな場には、出来れば愛する者を連れていきたくないんだ。出来るなら、一人で戦って皆を守りたいんだ。
でも、シャロンは、さらにそんな母親の姿をみて、死ぬほどの努力をしたんだよ。手足が擦り切れて、血が流れて痛いのに笑っていたんだよ。シャロンってそんな子なんだ。誰よりも勝気が強くてね。そんな彼女の横に立ちたいと思って自分も、必死になって訓練したんだ。漸く最近、勝てるようになったけど、まだ5回に1回は負けるけどね。だから、さらに強くなりたいって思って訓練しているよ。決して諦めないよ。そうでないと、そのバグスに全て奪われてしまうからね。
『戦士とは、誰のために戦うのかを知った者だ』ってその英雄が語った言葉だ」
そういって、ブルーノさんのそばを離れていきました。
その後には、泣きくずれているブルーノさんが居ました。
何時間がたったのでしょうか。ブルーノさんの横に水の入ったコップが置かれました。このお店で手つだいをしているユーミという女の子です。そう、セリーナとシャロンに、娼館に売られそうになった時助けられた子です。
「シャイニングスターのメンバーの人だよね。あたいは、あのセリーナ様とシャロン様に娼館に売られそうになった時に助けて貰って、さらにこのコリント領に連れてきてもらったんだ。本当なら、今頃、どんな目に遭っていたかと思うと、本当に感謝しているんです」
そう語ると、その場から立ち去ろうとしました。
「えっ、ちょっと、待ってくれ。その話、もっと聞かせてもらってもいいかい?」
そう言って、ユーミを隣に座らせて、その時の話を聞かせてもらいました。
「そうだったんだ、そんな事があったんだね」
「うん、こんな、何にも知らない、読み書きも出来ない孤児を、特にシャロン様が親身なって世話してくれたんだ。今では精霊様のおかげで、読み書きとか、計算とか出来るようになって、今はアラン様が得意な料理を勉強してるんだ」
「そうか、シャロン様は、本当に優しい人だよね」
「う~ん。そうかなぁ~、むしろセリーナ様のほうが優しかったよ。シャロン様は、女は強くなきゃだめだって、体力作りや、運動をめっちゃ厳しく教えられたよ」
「えっ、そんなんだ。それは意外だったよ」
「男は、すぐ甘い言葉かけると、へらへらするって、だから女はうまく男をリードしないといけないって、たまには演技も必要だって言ってました。あっ、いけない、こんなの事、男の人にいっちゃいけなかったんだ。い、今、言った事、内緒でお願いします」
と手を合わせて焦ってます。
と、突然ブルーノさんが、お腹を抱えて、笑いだしました。
「あははは、そう、そうなんだ、わかった、勿論内緒にするよ。で、ご免、君の名前教えてくれるかい?」
「あたいは、ユーミだよ。今年で、17になるんだ」
「そう、ユーミっていうんだ。可愛い名前だね。ありがとう、本当に、ありがとう」
と彼女の手を取って、また、泣き出した。
「大丈夫?、前は、ずっと泣いていたようだし、アラン様とお話していたし、で、突然、笑いだしたり、それで、また泣いたり、忙しい人だね」
「ああ、ごめん、ごめん、迷惑かけちゃったね。もう、お店も終わりだよね。これ、少ないけど、お礼だ、受け取ってくれ。勿論お店のお勘定もお願いします」
「えっ、お勘定は、さっき、アラン様が多めに下さいました。お店に迷惑かけたからって、それに、金貨なんてもらえないよ」
「そ、そうなんだ。ご免、気をわるくしたかな。何でもお金で解決しようとする悪い大人だな、わかった。また、今度、なにかお菓子とか持ってまたくるよ。それなら良いかい?」
「うん!それならいいかな。最近流行の、バース亭のプリンがいいかな!一緒に生活している仲間は5人だよ」
「わかった。5人分もってくるよ」
こうして、ブルーノさんは、このお店に頻繁に通うようになりました。その数か月後、この2人が結婚することになるとは、思ってもみませんでしたけど、、勿論、それからのブルーノさんの成長が、そらぁ凄かったですよ。これって、愛の力?、いや、男の本能です、、、あははは。
それに、シャイニングスターのメンバーの殆どが、結婚したり、恋人が出来たりして、結局、その後ガンツの娼館が鄙びていったということです。
本日の投稿は、ここまでです。次回からスターヴェーク奪回の闘いとこの章の最後までを投稿致します。