続航宙軍 1章 ルミナス神からの神託 002
今、目の前に大量の人間の死骸が、そう、あの惑星ミルトンの光景だ。無残に食いちぎられた無数の人間の手足や、飛び出した内臓の部位が、そこら中に散らばっている。思わず、強烈な吐き気を覚えた。
忘れていたというより、戦闘終了後に後遺症として寝られない日々があったので、ナノムによる強制記憶療法を受けて回復した。だけど、また同じ夢を見た。
そうしているうちに、突然、目の前が真っ白な空間に変わった。そして、聞きなれない、囁くような、女性の声が聞こえた。
『再び、このような光景を見せた事を謝ります。私の名は、ルミナス、この惑星アレスに人類に連なるものを連れてきた調整者です。この惑星にあなたを呼び寄せたのも私です。但し、一部妨害が入り、あなたの多くの仲間達を犠牲にしてしまいました。
これから、あなたに私ルミナスの【使徒】しての使命を与えます。それは、来るべき【大いなる災い】に抗うため、ここより南の大陸の黒竜の谷に行き、【聖なる翼】と【竜の瞳】を持ち帰りなさい。
また、そこに住まう黒竜を従えなさい。【竜の瞳】が彼らを従える力をあなたに授けるでしょう。人類の敵バグスが後66年後にこの星に到来します。彼らは、この惑星にしかない魔素の力を欲しているのです。
一刻の猶予もありません。あなた方が持つ科学力と、古代文明の遺産にてこの艱難を乗り切って下さい。私には、直接関与する力がありませんが。そのため、我が名を使う権利と使徒特有の力と権限を与えます。古代遺産は追って随時知らせます』
その後あたりが暗くなり、目が覚めた。全身びっしょりになるくらいの大量の汗をかいていた。
『アラン、、アラン、、聞こえる、、アラン、、』と必死に呼びかけるイーリスの通信が頭に響いた。
『ああ、色々あったが、今は大丈夫だ。心配をかけたね』
『あぁ~、本当によかったわ。このまま目が覚めないんじゃないかって、、艦長に外部より強力な思念波が送られていて、ナノムが警報を出していたの。それで、何があったの』
『ああ、この星の調整者に会ったよ。名前は「ルミナス」、そう、女神だ。後で、詳細を教える。それよりバグスの到来が66年後にこの星にやってくるそうだ。そのための力と権限を授かった。これから、南の大陸にドローンで向かう。そこへ向かう途中で詳細を教える。すぐに、D1を近くの草原にステルスモードで待機させておいてくれ』
『分かったわ、セリーナとシャロンにはどう伝えるの』
『それも、後でARモード通信で、ドローンの中で説明する。兎に角、急がなくてはならない』
『了解よ。但し、無理をしないでね』
『分かった』
そういって、野営していた近くに待機していたD1に乗り込んだ。ガンツまで後、1日の距離である。
ここから、南の大陸まで、ドローンの水素ラムジェットエンジンなら、音速を超える速度で行ける。約1時間の距離だ、さっきのルミナス様からの指定の場所の座標をセットした。
そうしているうちに、ARモード通信で、セリーナ、シャロン、イーリスの通信を開始した。
『昨夜、この星の調停者、名を「ルミナス」というものより、啓示を受けた』
『えっ、ルミナスって女神の』とセリーナが口を挟んだ。
『まずは、一通り、聞いてからにしてくれないかい。時間がないんだ。先を続けるよ。最初に、自分が戦った惑星ミルトンでの悲惨な光景を見せられた。一度は記憶療法で消したはずの記憶だ。兎に角、バグスに襲われた悲惨な光景だ。その後ルミナス様の声が聞こえ、こう予言された。これから66年後にこの惑星にバグスが襲来すると、【大いなる災い】と言われていた。そのため、自分をルミナスの【使徒】としての権限と力を授かった。まだ、具体的にどんな力かは分からないが、今向かっている黒竜の谷にあるアーティファクトを持ち帰り、さらに竜を従えよという啓示を受けた。どんな、アーティファクトか分からないけど、古代遺産だそうだ。そして、我々の科学技術を合わせて対処するようにという内容だ。今、その黒竜の谷に向かっている。終わり次第連絡する。以上』
『了解しました。無事で帰還してくださいね。追って、追加のドローンを送っています』とイーリスからの返事がありました。
『了解です、では(サインアウト)』
こうして、通信を終了し、目指すは、黒竜の谷です。いやぁ~なんかどっかの小説みたいな展開ですよね。ラノベっていったかな、地球というところで流行していたようだ。人類に連なるものの説には第三者の調整者説があったよな。後で、読み返してみよう。
漸く、指定された座標のそばに近づいた。後続のドローンが10機も付いてきているよ。まぁイーリスが心配性だからな。さて、どんなことろでしょうかね。