続航宙軍 2章 救出 009
ここは、アラム聖国の投獄の中です。そう、ペテロ大司教が捕らえられたところです。
「ルミナス様、私の命などいりません、どうか、シモンをお守りください」
と祈られていました。
そんな、祈りを上げていると、心に染入るような声が聞こえました。
『我が愛しき篤信なるペテロよ。我がルミナスより神託を授ける。一時したら、我が【使徒】アランがそなたのいるこの牢獄に訪れるであろう。そして、ともに帝都ポラリスにいかれよ。家族も皆、後から救出されるので心配せぬよう。心して待つが良い』
と、ルミナス様からの御声が聞こえました。
「あぁ~、ルミナズざま~」と、その場でうずくまり泣き出していました。
◇ ◇ ◇
ここからは、法王とペテロ大司教のやり取りの場面に戻ります。
「法王聖下様、ペテロです。呼ばれましたので参上いたしました」
といって、法王の執務室に入っていかれました。
「ペテロよ。アロイス国への出兵にて、何故、恥もなく舞戻ったのじゃ」
「はい、その報告書に記載してあるように、ルミナス様とその使徒様が顕現なされ、全ての武器を破壊されました。兵士も皆、戦う気力も無くし、彼らと共に戻らざるを得なかったと」
「はぁ、何を世迷言を申す。全ての武器を捨てて戻って来ただけでないのか?」
「我が、一命に掛けて、嘘偽りはありません」
「余の命令に背いた挙句に、世を惑わす暴言。直ちに審問会を開き其方を罰する。この者をひっ捕らえ牢にいれよ」
と近くにいた神殿騎士達に命じました。
「ええい、忌々しい。本来なら即座に極刑にしたいが、大司教は、直ぐには罰せられない規則があるからな。やっかいじゃ。そのうち、それら規則も全て変えてやるわ」
と法王が言ってはいますが、独断では出来ない柵があるようです。
元は、大司教になる家系には、その先祖に聖人認定された人物がおり、その家系が代々引き継いでいます。ペテロ大司教の祖父や数十代前の大司教と二人の聖人を輩出している家系なので、おいそれと取り潰したり、罰することが出来ないのです。そんなことをすれば信頼を失い失脚してしまうからです。但し、審問会では、法王に甘い汁を貰っている大司教が残念ながら半数以上いるため、ほぼ刑が執行されてしまいますが。
◇ ◇ ◇
再び、ペテロ大司教の牢獄です。
この場所は、本来なら決して近づく事すら出来ないところで、大きな湖の中央にある島の高さ500mの崖の上にある脱出不可能と言われている牢獄です。
しかし、大司教がルミナス様の神託が終わるや否や部屋の一角が光の粒が集まり、一瞬光ったと思ったら、そこには【使徒】アラン様のお姿がありました。ドローンのステルスモードでこの牢獄の上に行き、【完全隠蔽】状態で、【フライ】の魔法で近づき、壁抜けしてきました。
「あぁ、【使徒】様」
とペテロ大司教が跪いて泣いていました。
「さぁ、あまり時間もないし、シモンさんが心配してますから、ここを出ましょうかね」
「はい゛、ずいまぜん」
うわぁっ、ペテロ大司教の顔が鼻水と涙で、大変な事になってますよ。
「少し、後ろに下がっていてください」
「はい゛」
ちょっと、考えた末、派手に壊すと近くの監視所の兵に見つかるので、壁を壊すのに音の出ない方法を思いつきました。
【ホーリーアロー、直径2mに収束】
と壁に向けて魔法を行使しました。
ん?聞いたことのない、魔法名ですが、そう、どっかの分解魔法で壁に穴をあけるのを、ちょっと真似てみました。
(えっ、魔法〇高校のあの魔法?、てへ)
狭い部屋だと、派手に壊すと中にいる人に破片が飛ぶしね、今回は抜け出したのが知られるのを、少しでも遅らせたいので。
「さぁ、ペテロさん行きますよ」と声をかけ、ステルスモードで待機していたD1にペテロさんを連れて脱出しました。もう、本人はちょっとパニくってましたけど。
こうして、無事にペテロさんを救出しました。
また、セリーナ、シャロン、クレリアは、ペテロ大司教の家族の奥さんと子供2人の救出に向かい、ほぼ、同時刻に無事に保護しました。
まぁ、最初は、セリーナとシャロンだけでも良かったんですが、今回は、クレリアも参加したいと言ってきたので、一人でのドローンの指示を覚えたいっていうのもあったみたいで、まぁ今後はそういう機会もあるでしょうし、いいかなって許可しましたよ。
少しづつだけど、イザーク様からドローンという機械というのは分かってきているようです。でも、乗り降りする度にドローンにお礼を言ってお辞儀してますけど、、あははは。
ここは、帝都ポラリスの迎賓館の宿泊施設です。
「ペテロ大司教ざま~、ごぶじで、よがったでず~」
とシオンさん、再び号泣モードです。
「ジオン、おまえもぶじで、よがっだ~」
と同じくペテロさん、、いやぁ~どっちも泣き上戸?
まぁ、そんなこんなで、これまでの経緯を話して漸く落ち着いています。
「ペテロさん、シオンさん、今夜はゆっくりお休みください。また、明日以降今後の事で相談しましょう」
「「はい゛、わがりましだ」」、、、まぁ、暫くはこんな感じかな、、あははは。