続航宙軍 2章 作戦行動と法王の暴挙 011
アラム聖国の各所にドローン70機にて、一斉にペテロ大司教のお姿と演説の映像を流しました。
『私、ペテロ・ケファが、アラム全国民に告げる。第一聖典黙示録第13章 13節に記載されている
【見よ【大いなる災い】の時、天より【使徒】が降臨する】
という聖句の記載とおりに、今まさに、【使徒】様が降臨した。先の闘いにて我ら30万の兵士もその奇跡を目撃しています。ここに宣言する。今、悔い改めなければその命失うであろう。我ら、【使徒】降臨なさった都、ポラリスを目指せ!』
さらに、続けて現状の堕落した聖職者達の映像を流す。
『悔い改めよ。今の我がアラムの上層部は堕落し、多くの大罪を犯している。奴隷だけでなく聖徒の女子も汚されている。その欲望に満ちた行いの一部を見せよう』
と、そうした女子らに暴行しているさまも映像に流し、法王、大司教、司教、、全ての聖職者の罪を映像を通して訴えている。
そう、各所に打ち込んだ、ビットにその映像を撮影させました。当然、女子の顔はぼかしていますよ。他もモザイクしてます。でも行っている方々の顔はドアップしてますけど。
こうして、至る所で、繰り返し、映像を流し続けています。
まぁ、大混乱してますよ。
「「「「「なんだ、あの映像は、、」」」」」と多くの群衆が驚き、憤怒し、罵声を今いる聖職者たちに罵声を上げている。
「ええい、たぶらかされてはならぬ。あれは偽りの映像じゃ」
と焦って弁明している聖職者たち
「あれは、本当じゃ、うちの娘も、、、」
と被害者の親やその関係者も一斉に教会に抗議の暴動を起こしている。
「これが、まやかしだと、どうすれば、あんな事が出来るんだ。まさに神の御業ではないのか」
その中で一番焦って、怒鳴り散らしている方が一人います。そう、現職の法王ユダさんです。
「あの映像をなんとかせい!、直ちに対処しろ、、!!」
「しかし、どのような仕組みであの映像を起こしているか、その本体すら分かりませぬ。我らでは打つ手もございません。多くの魔術師に魔法で映像を撃っても、一向に消える気配すらありません」
「それを何とかせい、もし、出来ないなら、我が神機にて全て打ち消せてみせるわ」
「お待ちください。もし、そうすれば、この都にも被害が及びますぞ」
「うるさい、そんなのは関係ない。烏合の民など、何万人死のうが関係ないわ」
「法王様、、そこをなんとか」
「ええい、うるさい、そちらが出来ぬなら我が行うまでじゃ」
もう、この法王は後先関係なく、神機を使おうとしています。それが、どんな危険なものかも知らずに、そして、何名かの護衛をつれてアララテ山に向かいました。
◇ ◇ ◇
ここは、レジスタンス達の集まるアジトです。
「ルター様、このように多くの聖職者の罪が暴露されています。ルター様の上司の大司教様もありました」
「ああ、残念だけど、普段から、そのような行為を慎むようにお諫めしていたのだが、聞く耳持たれなかった。むしろ、自分は、今がまさにチャンスだと思ってる。先日、ペテロ大司教様が投獄される前に、私宛に密書を寄越してくださった。その内容はアロイス国要請での出兵時にルミナス様と使徒様が顕現なさったという内容だった。心あるものは人類銀河帝国という使徒様が建国した国があるので、そこへ向かいなさいという内容だった。
そして、今まさにその警告をペテロ大司教様が使徒様のお力を借りて我らに示しておられるのだ。
本来なら、聖典の中の『第二正典』と言われている予言書を我らには開示してもらえなかった。その内容は、法王と大司教様のみが閲覧できるとされているんだよ。でも、ペテロ大司教様は、本来なら全ての聖徒にも読む権利があると、ただ一人主張されておられました。その中の一文に【裁きの槍】の部分があり、アラム聖国最強防具の【聖なる盾】がその槍で灰にされたと記載されてました。まさに天罰だったんです」
「そのような事が記載されているんですか」
「ああ、本当だよ、自分もその箇所の文面を見せて貰った事があるからね。出来ればペテロ大司教様の配下でありたかったよ。うちの家は代々、アウグスティヌス大司教の元で司祭を務めた家系だからな。自分からは大司教を選べないんだよ」
「今は、まさに改革の時、これを機に多くのレジスタンス仲間を集め、法王を拉致しようと思う。警備も混乱しているからな」
「承知いたしました。メンバーを集合させます」
「すぐに仲間を集合させよ。法王は、アララテ山に向かっているそうだ。その前に拉致する。アララテ山の聖域の入り口に集合させよ。早馬なら彼らよりも先に着く。いいな」
「はっ、直ぐに支度します」
こうして、レジスタンスのメンバー約120名は、アララテ山の聖域の前で襲撃することになりました。
◇ ◇ ◇
さて、法王達一行は、馬車でアララテ山に向かっています。護衛も6名だけです。途中、聖域を守護する警備の検問所を通らないとアララテ山へ向かう道には出られません。
「この、エンブレムが目に入らぬか、法王聖下様のエンブレムであるぞ。そこの馬車止めを外し、早々に門を開けよ」
と、護衛の聖騎士のリーダーが叫んでします。
「この先の聖域には、大司教様全員の印が必要でございまする。その証文はお持ちでしょうか?」
そうです。この聖域には、あの神機があるので、おいそれと使用されぬよう専属の守護隊が何千年もの間受け継がれているのです。それは、過去の大惨事があったので、それ以降そうならぬようにこの守護隊が、別組織として配備されていました。
その言動を聞いた法王馬車から降りて、守護兵のリーダーに近づくと
「これが、証文じゃ」
というと、袖口から短剣を取り出し、その守護兵の心臓へと突き刺しました。
「うっ、ぐっ、な、なにをすーー」
と言いかけて、殺されてしまいました。
「この法王たる、我が命が聞けぬ不届き者を成敗せよ」
「「「はっ」」」
と、聖騎士達に命じて、その場にいた守護兵を皆殺しにしました。
「さぁ、聖都の一大事に、守護の規則なぞ、無効だ。馬車止めを外し、アララテに向かうぞ」
と言われ、馬車に乗り込みその場を通過していきました。
暫くして、早馬で駆け付けたレジスタンスのメンバーが
「ルター様、あ、あれを、守護兵が皆殺しされています」
と叫んでいました。
「まずい、兎に角先に急ごう。何名か残して、この者達を弔ってくれ」
「はっ、畏まりました」
こうして、数名のメンバーを残して、先を急ぎました。