続航宙軍 2章 南の大陸調査 016
まず、初っ端、チョー揉めました。そうです。ダルシム将軍以下、クレリア王女の近衛兵隊長エルナさん、そうですよね。一国の王女ですよ。そらぁ、何かあったら大変ですよね。
えっ、そうじゃない。俺?
来るべき【大いなる災い】に向けて皇帝陛下が自ら調査など、言語道断だってダルシム将軍がうるさい、うるさい。
でも自分じゃないと、聖域には入れないから、調査出来ないよって言って、さらに神機を探すことが今回の目的なので、そう、直接啓示を受けてるのも俺だし、、ね。
でも、結局、ちゃんと護衛も連れて行かないとダメだってことで、グローリアには、俺、クレリア、セリーナ、シャロン、エルナの5名、ウラノスには、ダルシム、ヴァルター、ケニー、デリー、サーシャの5名 他にドローンを5機も引き連れての調査隊を結成しました。
ドローンには、食料や移動用のテント(シャワーとトイレ完備)これって新たに開発したんですよ。前回のスターヴェーク奪還用の装備として、、ワンタッチで4,5人が泊まれる大きさの雨に濡れても染みない合成繊維で、ベットもエアーで膨張して、テントの骨格はカーボンファイバーと、魔道具でのシャワー、トイレも別に用意しました。
現在、南の大地の黒竜の谷のさらに奥に、ウラノスさん達も入ることが出来ない聖域があるという場所に向かっています。
今までは、近づくだけでめまいがして、まともに飛べなくなる場所だって言ってました。
今回は、ルミナス様の許可を得ているのと、自分がいるから近づく事が出来るそうです。
現在我々は、平均速度約200km程度で、目的地に向けて航行しています。鞍も改造し、透明の強化プラスチック(ポリカボネート)に覆われていて、内部は、温度調節用の魔道具も設置されています。途中何度か休憩を採りつつ、約2日かけてやってきました。
前回、ウラノスさんがやってくるときは、ノンストップのほぼ全速力のスピードで12時間ぶっ通しだったって言ってましたよ。(いやぁ~気の毒でしたよ。来て早々、グローリアのダメ出しもあって、次の日はお披露目と立て続けの行事があったので、流石の竜達もその後宿舎でまる2日寝込んだそうです。)
漸く、目的地の上空に到達しました。周りは鬱蒼とした森の中にひときわ大きな岩山があり、その入り口らしきものが見られません。
そう地球のオーストラリアにあるエアーズロック=ウルルのような大きさです。高さ約500m 横幅5km 縦2kmの直方体の形をしています。
とりあえず、降りられそうな近くの平坦な場所に降り立ちました。
「凄い、大きなそれも自然の岩山ではないわね」
とクレリア姫さんが言ってます。
「そうだね。まさに人工物だよね」
とアランが答えたと同時に頭の中に声が聞こえて来ました。
『聖地テラ・サーンクタの守護AIテラと言います。選ばれし者よ。よくぞ参られた。只今、聖域の扉を開門致します』
と聞こえた途端。前の岩肌にうっすらと光の文様が現れ、中央からぽっかりと長方形の穴が開きました。扉が開くというよりは、まさに穴が瞬間に出来たイメージです。
どうやら、我々人族以外は入れないようです。
「グローリアとウラノス及びドローンたちはここで待機してくれ」
「「「了解です」」」
さあ、10名での聖域に乗り込みます。まず、自分が先に入りました。
その後にダルシム、クレリア、セリーナと続いて10名が中に入り、一応、手にはA18Pレーザーガンを各自構えて、狭い通路では、剣は使えないしね。
装備も帝国軍の専用スーツです。合成繊維と特殊合金で、パルスライフルでも打ち抜けません。各自、ヘルメットも着用しています。今の時点での最強防具です。
内部は、そうこの世界の建屋でなく、自分たちがいた世界のそれも宇宙船工場のドックのような作りです。床は継ぎ目のないタイルというか樹脂のような特別な素材で、滑りにくくなっています。通路の両脇は、特殊合金の壁で、天井と横には細長い照明機器が通路を照らしています。横には、別の開閉扉があり、小部屋になっていそうですが、今は入れないようです。さらに奥に進むと、
「アラン、あの先の部分が光っているわ。それにしても大きな建物ですね」
とリアが問いかけて来てます。
「ああ、そうだね。自分達の世界では、これに似た建屋があって、主にドックと呼ばれる大きな船というか宇宙船を作っている場所に似ているよ。あの先が多分がその組み立て場所のようだね」
「う、宇宙船のドック?、アラン達が別の星から来るために乗ってた船の事?」
「そうだよ。よくそこまで理解したね。そう、星と星の間を行き来する船が宇宙船だよ。バグスの母星を探すのが我らの任務だったんだ」
でも何故、この星に来たのか明確には分かっていないけど、調整者ルミナス様も関係あるっていってたし、その時妨害もあったということは、それなりの文明というか、明らかに人類銀河帝国を敵として認識している存在があるっていうことだけだ。
そう思いつつ、その明かりの先に近づいて巨大な空間を見たアランは、絶句した。
「えっ、そんなばかな!」
それに続いて、セリーナもシャロンも、、口元を抑えて、、
「これって、まさか、私たちの船とそっくり。どうして、、」
と言葉にならないほど驚いています。
『イ、イーリス、聞こえるかい。この自分たちが見ている船って、ナノム通信で映像を見て欲しい』
『はい、確認しました。、、、間違いありません。赤色艦隊スピカ方面軍第238艦隊2番艦の戦艦イーリス・コンラート号とほぼ同じ形状です。只一か所異なるのが艦の側面のマークは、、あのサイアン帝国の紋章です』
その時です。AIアテーナから通信が入りました。そして、イーリス含めここにいる全員に語り掛けています。
『はい、どうして同じ型の戦艦がここにあるかと、今までの全ての経緯を調整者ルミナス様に代わって説明致します』