続航宙軍 3章 アランのナノムの呟き 002
アラン様との出会いは、帝国歴2251年航宙軍学校宙兵科に入学時にて航宙軍の兵士として専用ナノムとして投与されて以来約13年の仲になる。この惑星アレスに降り立った時が一番アラン様との交信量が多かった。でも最近は、滅多に交信することが無くなった。
そう、アラン様の中には、別の自分より性能の良いナノマシンがいる。別に仲が悪い訳ではないが、魔法の起動時間も、そして魔素を変換する工程が格段と早く、ほぼ、瞬時に対応しているので、自分が操作することが殆ど無くなった。
自分とアラン様で開発した、魔素での探知魔法も、今ではほとんどが新しいナノムが担当して、その範囲もさらに向上している。
思いおこせば、最初にクレリアさんに自分の仲間のナノムをいれたので、アラン様の命令がクレリアさんのナノムに伝わる。
ということは、クレリアさんが考えたり、行動する内容を本当は全部アランにも伝わるというか、聞く事が出来るのだが、流石、アラン様はそうしたプライベートな感情には、煩く、聞かれないようにしておられました。
うんうん、こういうところが女性に対してスケコマチ要素になるんだろう。
正直、モテモテのアランがちょっと、誇らしい。えっ、ナノムにも性別があるかって?むしろ、投与者の性格には大きく影響されるので、そういう意味では、私は男性よりなのかな。
でも、ナノム同士は、その人のプライベートな内容を全部知っているので、正直、戸惑う事がある。
以前、クレリアさんのナノムからは、強烈なアランへの恋慕の内容が送られてきていた。そうクレリアさんは、ナノムを通して伝えたいみたいな、、まぁ、ナノムとは認識してないけど、クレリアさんの中のナノムは『精霊様』って呼ばれてますよ。
そう、今でもね。まぁ、そういうのは自分たちには、あまり影響ないけど、大事にされているのは伝わるますよ。
普段、アラン様は私たちを”こいつ”とか、”おい”とか、そんな感じで呼ばれてましたからね。
基本ナノムでは、個人のそうしたプライベートな部分には関与しないように設定されていますので安心ですよ。そう、開発当時は相当色々問題を起こしたそうです。
まぁ、人間の感情って本当に複雑です。こうだって理論立てて考察出来ないんですよ。また、過分な欲望にも抑制が出来ないようになってます。そうでないと、個人の性格を変えてしまいますからね。難しい問題です。
それに、その本人の持っている、深層心理というか感情に対しても干渉出来ません。そう、アランの覚悟というか、その心に秘めている決意を、、、
最も重要な事柄は、生死に関わる事が最優先されます。そう、あの事件、致死量の毒薬を飲まされた時です。緊急警報を出し、アラン様の目に直接赤信号を表示させ、口に含んだものを飲み込まないように指示したときは、あと数秒遅れていたら、胃に送られて死に至らしめていた可能性がありました。あの時ほど、焦ったことはありません。
本来は、口に入れる前に指とか皮膚に触れれば検知出来るのですが、この惑星に降下した当時は、手で触れてもらって食用に可能かどうかの判断を行っていましたから、、
そう、「指でグニグニ作戦」って勝手に銘々してました。
まさか、普通の食事に毒が盛られるなんて、それ以降は、アラン様にも、直ぐに飲み込まずに確認してから食するように注意して貰いました。
この惑星の人間の方が、時にはバグスより狡猾で恐ろしい存在が多いと知りましたよ。
ずっと、航宙軍の中にいましたからね。まず、人間同士で殺しあうなんて、考えもなかったんですよ。この惑星に降りて、魔物に襲われて亡くなる人は分かりましたが。盗賊とかで人が人を殺しても平気な世界、、多少の喧嘩はあっても、殺しあうことないですからね。
これからも、アラン様の周りで、そんな事が起きる可能性があると思うと、、しっかりしないといけないです。
そうそう、困ったことランキング1位は、まさかの「ヒール」という魔法です。羽の生えた妖精さんですよ。あれには、流石に、突っ込みを入れたかったです。それはないよねって。でも、本人は至って真剣ですよ。はぁ~いくら付き合い長いからって、、そりぁ~セリーナさんやシャロンさんがそのイメージ貰って、、チョー大変そうでした。
結局、セリーナさんとシャロンさんのナノムは催眠トランス状態にしてもらったって言ってましたよ。そう、ナノム同士でも一応情報交換するんですよ。それで、結構、僕らナノムにセリーナさんやシャロンさんのナノムから文句がきました。もっとわかりやすく情報共有して下さいって。
でも、アラン様ですからね。、、これからも、迷惑かけそうです。
そうそれに新しいナノムさん達からは、アラン様の地球知識というのを送って欲しいとせがまれましたよ。料理の話もさることながら、老子とかの偉人の話とか資料を纏めて送りました。そう、アラン様の人となる部分ですから、行動予想に使用するそうです。
そう、こうしたアラン様の過去の知識って大事なんですよ。勿論、色々な資料をアラン様通して入手したのを保存し、瞬時に返答しないといけないので、出会った人の顔と名前、特徴などもそうです。
他にも、アラン様の秘め事も全て記憶しています。えっ、どんな事って聞かれてもお教えできませんよ。はい、これは、ナノム規定に反するので、、
正直、こんな体験って、他の航宙軍のナノムでは経験できないでしょうね。そういう意味では、楽しいというか。凄くよかったって感じています。ナノム冥利に尽きるってやつですかね。
最近は、偶に他のメンバーの《かみさんズ》の方々とのやり取りでは、ちょくちょくご注意や、お小言を言うようになりました。これも楽しみの一つです。
このナノムさんも、推しメンの一人です。まあ、数は数憶個ですが、その人の中にいる個性は一人です。でも、ちょっと不思議ですけど、原作者様の設定ですから、、