続航宙軍 1章 ガンツに到着 006
漸く、約3ヵ月かかっての王都からの帰還だった。
シャイニングスターのメンバーは、ガンツのホームに行き、王都と旧スターヴェークからの移民たちは、用意された広場にキャンプを張っていた。
先行して、カトル達が大魔境用の拠点に運ぶ資材をあらかじめ、ガンツで手配していたので、それらも追加の馬車に積み込んでいた。
明日は、いよいよ、新しい拠点に向かって移動する。
その前に、アランは、ガンツのサイラスさんに呼ばれていたので、迎えの馬車にクレリア、エルナ、セリーナ、シャロンでカリナさんの案内で向かっていた。
「アラン様、この度、男爵叙任おめでとうございます」
と、アリスタさんが、玄関へ出迎えにきて挨拶をうけた。
「アリスタさん、そんなに畏まらなくても、いいですよ。今まで通りの対応でお願いします」
「いえいえ、貴族となられたからには、それなりの対応を要求されます。むしろ、どこぞに陰口をたたく輩も多いので、お気を付けください」
「そうですか、ご忠告、痛み入ります。そうですね。ちゃんと対応されてないとサイラスさん達に迷惑がかかりますね」
「今、晩餐の準備をしていますので、暫しお待ちください」
とカリナさんが声をかけて、応接室まで案内されました。
「アラン卿、これからも宜しくお願いいたします」
とナタリーさんも声をかけています。
暫くして、晩餐会の準備が整ったので、カリナさんが応接室に迎えに来ました。
「アラン卿、クレシア様、エルナ様、セリーナ様、シャロン様 どうぞ、こちらにおかけください」
そういって、各人が指示された席に勧められた。
前回は、サイラスさんは、後から見えましたが、今回は、事前に部屋にいらしていました。
「アラン卿、この度は、男爵叙任おめでとうございます」
とボウアンドスクレイプという作法で挨拶を受けました。
さすが、大商人として、一通りの作法を心得ているようです。
「こちらこそ、サイラスさんの多大なるご支援の賜物です。今後とも宜しくお願いいたします」
と挨拶をかわし、着席しました。今後は、自分の方が先に着席しないと相手が着席出来ません。
こうして、晩餐が始まりましたが、サイラスさんが、開口一番に
「随分と、王都では、盗賊退治で名をあげたそうですな。それも護国卿にもなられたとか、、その盗賊達の裏では、ずいぶんと他の貴族たちにも目を付けられたようですぞ」
「まぁ、分かっていたことです。とくに、ガンツ伯には、これからは敵対すると思います。どうしますか、サイラスさんも敵になりますか」
と短答直入に聞きました。
「と、とんでもないですよ。アラン卿は、アリスタの命の恩人だ。アラン卿に盾突くつもりどころか、アラン卿をこれからも支援するというか、むしろ、ガンツを離れてコリント領に移ることも厭わないつもりだ」
「えっ、サイラスさん。このガンツの地位も名誉も捨てる覚悟なんですか」
「いや、違うな。むしろ、アラン卿なら、一国を立ち上げるかも知れないと、俺の感が疼いているんだよ。大きな事をやらかすというか、むしろ、今にないほどの財力と地位が手に入りそうだと」
「そうですか、良かったです。むしろ、協力者になってくれるなら本当に助かります」
「ところでだ、大樹海での新たなコリント領の事だが、冒険者たちに調査を依頼したが、そんな痕跡すら無かったって言っているんだ。さらに、建設するための物資なども、ここガンツを通さない限り出来ないんだ。せめて、道とかも作らないと出来ないはずなんだが、いったい、どこに作っているんだ。いや、失敬、作られておられるのでしょうか?」
「まぁ、この場は、無礼講として今まで通りの口調で良いですよ」
「ありがてい、どうもこういうのは、慣れないんでな、すまない。助かるよ」
「そういう疑問は当然ですよ。実は、この領土作りには、自分がこの大陸に来たときに持参したアーティファクトで、建築物資も樹海内部からその場で加工し建設していました。さらに他から覗けないようにアーティファクトで隠蔽しています。明日、我らと一緒にご同行出来れば案内しますよ」
「やっぱ、そうか、以前、大樹海で異変があるっていう調査依頼があったが、そのあたりが関わっていたんだろうな」
「さすが、サイラスさんですね。その通りです。まぁ、まずは、拠点を見てもらって、移動するか否かを決めてもいいのではないですか」
「そ、そうだな。明日、カリナと一緒に俺もコリント領に行ってみて判断するよ」
「分かりました。明日、朝6時に北門でお待ちしています。馬車で約10時間程度で到着しますよ」
こうして、晩餐会を終えて、ガンツのホームに戻りました。
「ねえ、アラン。さっきの話だけど、まだ、私たちは詳しい話を聞かされていないわ」
とクレリアがアランに尋ねてきました。
「これから、ホームに着いたら、ダルシム達とリアやエルナに、今まで秘匿してきた内容を説明するよ」
「わかったわ」
ここは、ガンツのホームです。四階の執務室にクレリア、エルナ、ダルシム、ロベルトとセリーナ、シャロンが集まりました。
そう、今から、今まで秘匿にしてきた内容を打ち明けます。