続航宙軍   作:ytaki33

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閑話 商人の子 その2

続航宙軍 3章 閑話 商人の子 その2  018

 

 ここは、ガンツの商業ギルドのギルド長室です。

 

「アリスタ様、先ほど、カリナ王妃様より先ぶれの使者が来ました。今日の午後に伺うとのことですが、どういたしますか?」

 

「えっ、カリナが、いえ、カリナ王妃が、わ、分かったわ。勿論、承諾よと返事して貰えますか」

 

「はい、分かりました」と受付の女性が、慌ただしく部屋を出ていきました。

 

 ああ、久ぶりにカリナと会えるわ。でも、突然、どうしたのかしら?何か困ったことでもあったのかしら。兎に角、歓迎の準備をしないとね。

「誰かいる?」

 

「はい、アリスタ様」

 

「すぐに、歓迎会の準備をお願いできますか?」

 

「はい、分かりました。すぐに支度致します」

 

 こうして、ガンツの商業ギルドにて、ささやかな歓迎会の準備をしています。

 

           ◇       ◇       ◇       

 

 ここは、カリナ王妃の執務室にて、カトルさんと打ち合わせをしています。

「ガンツに一緒に行く前に、カトル頭取にお願いがあります」

 

「はい、こんな私で出来ることならなんでも行います」

 

「そう。その言葉を聞いて安心したわ。今日の午後に、ガンツに向かいます。それで、私の付き人として一緒にアリスタ様にお会いしますが、今だアリスタ様が男性恐怖症なので、カトル頭取には女装してもらいます」

 

「えっ、今、なんて言いました。聞き間違いで、女装とか、、聞こえたんですが?」

 

「はい、女装です。あれ、さっき何でもしますって言いましたよね」

 

「あっ、は、はい。で、でも、、じょ、女装ですよね。ばれないですか?、変人に思われないですか?」

 

「大丈夫ですよ。カトルさんって、男性らしくないと言ったら怒られそうですが、体形がほっそりとして、なで方で、きっと、女装が似合いますよ」

 

「いえいえ、そ、そんな、、無理ですよ~~」

と言いつつ、アリスタ様と会うためには仕方がないということで、承諾しました。

 

 数時間後、、そりぁ、見事な女性が、、完成しましたよ。お見せ出来ないのが残念です。

 

 ガンツには、馬車でなく、魔石モーターカーで、約1時間で到着しました。

 

 ガンツの商業ギルドの前です。

 

 「ようこそ、お出で下さいました。カリナ王妃様」

と玄関には、元、同僚のナタリーさんが出迎えてくれました。少し、お腹が膨らんでいます。

 「ナタリー、そんな仰々しくしないで、で、何か月なの?」

 「はい、6か月目です」

 「そう、もう安定しているわね。おめでとう」

と手を取り合って喜んでいます。

 

 「勿体ないですわ。カリナ王妃様」

とナタリーも久々の再会に感動しています。

 

 「もう、やめてよ、私との仲じゃない」

 

 「そうは、いきません。公の場ですから。アラン様にも迷惑が掛かります」

 

 「そ、そうね。ありがとう。私も、同じことをアラン様に言った事があるわ」

 

 「まずは、応接室にご案内致します」

 

 「ええ、宜しくお願いいたします」

と優雅にカーテシーで挨拶しました。カリナさんもこうした公の場も何度も体験して、この手の礼儀作法を心得ています。

 

応接室には、アリスタさんが待ってました。

「この度は、カリナ王妃様のご来訪、誠に感謝致します」

と、優雅に挨拶しています。

「こちらこそ、本当に久々にアリスタ様にお会い出来ました。こうして、今があるのはアリスタ様のおかげです」

 

「いいえ、カリナ様。私というよりは、このガンツがあなたが育てたのよ。私以外にも多くの仲間があなたを支えたの。私は、そんなガンツが好きなのよ。私自身、何の取り柄もなくて、カリナ様には本当にお世話になったのよ。あのドラゴンの競売だって、カリナ様がいたから出来たのよ。でも、もう、私では、このガンツを支えきれないの」

と、突然、涙を流しだしました。

 

「そんな事はありません。アリスタ様も、本当に努力していたのを私はずっと見ていました」

とアリスタさんの手をとって

「そんな、あなたに、紹介したい人がいるの。このガンツを前のように、、ううん、前よりも発展させてくれる人をね」

 

「えっ、そんな人がいるんですか?」

 

「ええ、いるわ。見た目は、ちょっとなよっと、ごめんなさい。一見頼りなさそうな感じだけど、商売に関しては、天才と言える人よ」

 

「そんな方を紹介、、、って男の人ではないですよね。、、私、、あれ以来、男の人が怖くて、アラン様は例外ですけど、、周りが、冒険者のむさくるしい男の人ばっかりだったから、、」

 

「えぇ、知っているわ。でも、この人を見れば、多分、変わると思うの、、その、、なんというか、男ぽくないというか」

 

「あの~、すいません。男っぽくなくて、、」と声がかかった。

 

「えっ?」とアリスタさんが、その声の主の方へ顔を向けたら、、そう、見事に女装した、、

「えっ、も、もしかして、、ぷっ」

と思わず、吹き出しそうになったのを必死にこらえてます。

それも、涙をためた目で、、、横にいたカリナ王妃も、堪えていました。

 

「そんな、ひどいですよ。アリスタ様も、カリナ様も、、」

とすっかり、気落ちしたカトルです。

 

「でも、凄く綺麗ですよ。本当に、カトルさん?」

とアリスタさんが声かけてます。

 

「はい、ガンツには、良いところがいっぱいあります。特に、シャイニングスターの発祥の場所の元クランがあった場所を、旅館というか、以前の使っていたままで、大々的に宣伝して、観光ツアーなんかもしたら、受けると思うんです。他にも、、、」

ってそう、女装したまま、もう、熱弁でした。

 でもその姿にアリスタさんはカトルさんに、、一目惚れしたそうです。

 そして、二か月後には、無事にゴールインしました。、、えっ、カトルの熱意に惚れたの?

それとも、、、それは、乙女の秘密です。

 

 その後のガンツは、有名になっていきました。売り上げもそうですが、、女性ファッションの流行の場所になったとか、、えっ、それって、まさか女装のカトルが、、それも秘密です。

 

 サイラスさんには、相当絡まれましたけど、、あははは。

 

 

 

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