続航宙軍 3章 3年目の春 022
惑星アレスでの人類銀河帝国建国が、早3年目です。
スターヴェーク王都もルドヴィーク領もすっかり整備され、帝都ポラリス同様に近代化が進んでいます。以前、領地を追われた人々も、年老いた家族を残してポラリスに移住していたものは、徐々に元の領土に移る方々も増えてきています。
むしろ、まだ、開発が未定の場所からは、新しい都市に移ろうとしている人々が沢山訪れるようになっています。
そんな中、新たな命が生まれました。そう、アラン皇帝の第2子の誕生です。
以下 王妃の名前とお子らの名前です。
ほぼ、同じ月内でご懐妊されました。流石、最新技術で男女の判定が分かります。
2子目
カリナ 4男 シン シュメール神話 月の神
クレリア 5男 アラル ヒッタイト神話 天を収める最高神
セリーナ 3女 レア ギリシャ神話 大地の女神
シャロン 6男 オグマ ケルト神話 戦い・言語・霊感の神
エルナ 7男 ルフタ ケルト神話 技術・鍛冶の神
帝都ポラリスでは、お祭り騒ぎです。各地で祝典が行われています。
特に喜んでいるのがエルナ王妃の父、ノリアン卿でした。
「エルナよ。でかした。よくぞ、男の子を、、おお、こんなめでたい事はないぞ」
とまた、酒癖の悪いのが、さらにパワーアップしています。
「父上、この世界では、女子(おなご)の方が良いのですよ。女神様の世界なんですからねでも、男でも、女でもどちらも嬉しいです。子を肖るとは、こんなにも嬉しいものなのですね。女性しか味わえない歓びです」
命を肖るとは、言い難い幸福感なんです。それも、愛する者の子ですからね。それだけに
その命の尊さを感じるんです。猶更、ルミナス様も同じ気持ちだと、、その同じ人間同士が争い、命を奪い合っていることが、どれほどお辛いか、、
◇ ◇ ◇
ここは、ブルーノ中将の家での出来ことです。
「あなた、今日、検査をしてもらったら、こ、子供が、出来たって、、」
とユーミさんが恥ずかしそうにご主人に報告しています。
「えっ、子が出来た!、そうか、そうか、でかしたぞ。お、俺も父親か」
とユーミさんの手を取って、泣き出しました。
「もう、ほんと、泣き上戸なんだから、、ふふ、でもそんなあなたが大好きです」
「うわぁ~、、、ん」とさらに泣き出してしまいました。
ブルーノさんも同じように、家をはあの戦いの中で失っていました。そう、夫婦ともに親無しだったんです。そして、ユーミもそう、同じ境遇です。(王都で母親が病死しましたから)
「あとで、ベルタ王都のお母さんのお墓に知らせに行きたいです。勿論、あなたのご両親のお墓にもね」
「は゛い゛、、ぐずっ」
と鼻水をすすりながら答えてますよ。
◇ ◇ ◇
暫くして、カーヤ女子近衛兵少尉が祝福にきています。
「よかったね、ユーミ姉さん、、が、お母さんだね」
「そうね。感慨深いわ。そういえば、カーヤはどうなのよ。彼とはうまくいってるの」
「えっ、なに、と、突然、私の事、、」
って焦っています。そう、その彼とはあの孤児仲間で、学校で、しょっぱなテオ君に勝負を挑んで、こてんぱんにのされたリッツという子です。
「お互い、訓練が忙しいから、、中々、時間が取れないんだ」
「そうなんだ。旦那に言って、うまく時間作ってもらおうか?、あの子うちの旦那の隊だよね」
「えっ、わ、わるいよ。流石にブルーノ中将じゃ、、、まだ、あたいら少尉風情が、簡単に声かけられない存在だからね」
「まぁ、そうだけど、それともテオ大尉に相談する?」
「いやいや、もっと、彼なんかに話したら、逆にしごかれて、なおさら時間が無くなるよ。彼って
めっちゃストイックなんだよ。なんたってアラン様と直に話せるんだよ。妹も凄いし、王妃様直轄で、【使徒の従者】だよ、、無理、無理、、」
「そっか~、そうだよな。内の旦那って、そういう意味では、アラン様に迷惑かけた方だからね
結構気にしてたよ」
「あ、ありがとね。自分達のことは、自分たちでなんとかするから。むしろ、店長さんなんだから
何かと忙しいよね」
「まぁ、でも最近は人手も増えたし、前ほど、大変じゃないよ。始めた当初は、毎日が満員御礼状態だったからね。休み時間も無かったよ。旦那も訓練でへとへとになって、、インスタント食品で済めせていたから、碌に料理作ってあげられなかったから。漸く、最近二人の時間が出来たからね、、、ね」
「ご、ご馳走様。さっそく、のろけられちゃったよ」
「あ、そんな意味で言ったんじゃないから、、ね」
と、ちょっと焦ってますよ。
「はい、はい」
「も~、」って言いながら、うれし、恥ずかし、、状態です。
こうした、穏やかな日々が続いています。でも、いつかは訪れる【大いなる災い】に向けて準備している人もいます。
◇ ◇ ◇
ここは、特別訓練場です。シャロン大将自ら指揮を執っています。
「テオ大尉、そこは防御だぞ、今出たら、味方にフォロー出来ないだろう。もっと周りを見て動け」
と檄がとんでいます。
そう、団体戦での戦い方です。テオ大尉はつい一人で突っ走るタイプです。時にして、見方を置き去りにしてしまいます。そう、悪い癖です。過去、それで妹を怪我させているんです。
(あの、場面ですよね。エラちゃんが転んで服を破くシーンです)
「す、すいません。でも、こいつらが遅いから」
って言ったとたんシャロンから思いっきりビンタを食らってます。
「言い訳すんなぁ あぁ。周りの力量も考慮に入れろって散々言ってるのが分かんないのか。そんなんじゃ、見方が死ぬんだぞ。アラン陛下が最も嫌がることなんだぞ」
「・・・・・」
そうです。いくら自分が良くても、見方を犠牲にしてまで勝つことを望んでいません。
こうして、日々の訓練が続いています。来るべき災いに抗う為に。