続航宙軍 1章 秘密の共有 007
さて、ここからの話は、まだガンツに到着する前日の内容です。
『明日には、ガンツに着くけど、リアさんや、他の方々には、新しい拠点の汎用ボットなど、どう説明するの』とセリーナが、秘匿回線にて聞いて来た。
『その件だが、大々的に、女神ルミナスの【使徒】として使命を説明し、女神ルミナス様を目の前に顕現して、来るべき【大いなる災い】(バグス襲撃)に備えて、大陸を統一するという流れで説明する。その後、リアにはイーリスとのリンクなど一段階向上させて、徐々に知識を教えていく形にしようと思う』
『そうね。それがいいわ。まさか、本物のルミナス様が現れたなんて私たちも、知らなかったんだし』
『そうだな、【使徒】として、新たな力も授かった。今後、王都の教会にも出向き、早々にベルタ国王を新拠点に来てもらう。その方が、下手にちょっかいをかけてくる宰相達から、とやかく言われなくていいからな。明日の秘匿公開後、王都に出向き、【使徒】顕現を披露するつもりだよ。女神様の力を見せつけるよ。「この紋所が目に入らぬか!」っていう地球のホロ活劇みたいにね』
『えっ、何それって、私たちは知らないわよ』
『私は知ってますよ』ってイーリスが得意げに語り掛けてきた。
『アラン艦長の料理や、思考の一端として、かなり地球での出来事が関わっていますので、コリント流剣術もその一環ですから』
『そ、そうなんですか。大尉。是非そのあたりのデータの転送をお願い致します』
『了解よ。まぁ参考までにね』
と、何やら口元が笑っているように感じたけど、、まぁいいか。
◇ ◇ ◇
「今日、この場に集まってもらったのは、明日コリント領に向かうので、その前に、今まで秘匿してきた内容を説明する」
とアランの第一声に、セリーナ、シャロン以外は、少し動揺していた。
「これから向かうコリント領は、まだ、正式な名前はないが。いつか、この大陸の統一国の首都となるであろう。まず、自分の本当の出生場所というか、説明しずらいが、女神ルミナス様より使命をもって、この惑星アレスに他の星からやって来た者だ。そして【使徒】として召命された者だ。今から、その【使徒】としての証を示す」
【女神顕現】と唱えると、この部屋全体が光の中に満たされた。そして周りが真っ白な空間に変わった。
『我が愛しき、信者たちよ。我がルミナスの名、ここにいるアラン・コリントを我が【使徒】と認定した。以後、【大いなる災い】に抗うべき事を起こしなさい』
と、心の中に染入るような御声が聞こえ、体の底から湧きがる感動に、ここにいる全ての人間が滂沱の涙を流しています。
語り終わると、徐々に明るさが元の状態に戻りました。目の前には、涙を流しながら跪いている、クレリア、エルナ、ダルシム、ロベルトと、セリーナとシャロンも同じように跪いていた。
「おぉ~、何という幸運なのだ。生きている間に、ルミナス様の御姿とお声を拝聴でぎましだ。うぅ~、やはり、アラン様は【使徒】様であらせられだのですね」
とロベルトが涙と鼻水で顔がぐちゃぐちゃになっています。
「アラン様、先ほどルミナス様がおっしゃっていた【大いなる災い】とはなんでしょうか?」
とダルシムも涙流しながら聞いてきました。
「はい、今から66年後に人類を滅ぼす恐ろしい敵、名をバグスというものが、天から訪れ、人類を滅亡させんとする者たちです。それに立ち向かうためのこの星の全ての人類が一つとなり、その大いなる敵と戦う準備をしなさいということです。
そのために、女神様より神機【聖なる翼】と【竜の瞳】を授かりました。さらに、数週間後には6頭の黒竜が新しい拠点に現れます。私はそれまでに、王都に出向き、【使徒】顕現の権利をもって、アトラス教会を通して全世界に【使徒】降臨の事実を大々的に公表します。
まずは、その前に、『精霊の雫』をエルナ、ダルシム、ロベルトに下賜する。その後、シャイニングスターメンバー全てに『精霊の雫』を下賜するが、その効果の一端を、リア、見せてあげて欲しい」
「はい、アラン様より、精霊の加護を授かり、手足をグレイハウンドに引きちぎられたあと、こうして、元通りになりました。さらには、その後、体調不良になったことがなく、例えば、このように、指先をナイフで切っても、直ちに血が流れなくなり、傷が無くなっていきます」
と言ながら、ナイフで指先を切るが、瞬く間に元に戻った。
「おぉ~まさしく、精霊のご加護の証~うぅ~」とロベルトが、また涙ぐんでいます。
「た、確かにこの目でしかと見させてもらいました」
とダルシム、ロベルト、エルナが、一斉にアランの前に跪いています。
「勿論、これだけでなく、使徒イザークも、私の命にて行動を共にする。さらに、明日向かう新しい領土には、アーティファクトの約3mの巨人のゴーレムが領土作りと守護を行っている。
その後、皆が修練を積み、既定の基準に達したものには、精霊の加護の恩恵を一段階上げて、ルミナス様配下の知神イーリス様からの知恵と、さらにはグローリアとの会話も出来るようになる。
さらに訓練が必要だが、運動能力が飛躍的に上がり、魔石からの魔素供給が可能になる。そう、以前、我々だけが使用出来た探査魔法も使えるようになるであろう」
「おぉ~、す、凄いですぞ。ごれならば、我ら最強の軍勢にて、ぐずっ、姫殿下の悲願が早々に成就ずるでしょう」
「ロベルトよ、スターヴェーク奪還はあくまでも最終目標ではない。さらなる大いなる目標があることを努々忘れないでいて欲しい」
「はっ、このダルシム、この命、ルミナス様とアラン様にささげる事を御身前にお誓い致します」
「この老体であるロベルトも、命続かん限り忠誠をルミナス様、使徒アラン様にお誓い致します」
「私、エルナもルミナス様、アラン様に忠誠をお誓い致します」
「では、先んじて、この【精霊の雫】(ナノム玉)をダルシムとロベルト、エルナに下賜する。明日朝には、精霊の加護の一端を垣間見るであろう」
そういって、3人にナノム玉を与えた。
また、クレリアには、知神イーリス様との直接回線を繋げてもらう。以下、明日の朝には、全く違う自分になっていると思う。
こうして、今までの秘匿事項を、【使徒】降臨にともなう、ルミナス様の奇跡として伝えていった。