続航宙軍 3章 建国10年目 子供達その2 025
子供たちの教育は、6歳からの共同訓練を行い、10歳までは母親と一緒に生活、他の子たちとは別にしています。
学校にも行っていません。専属講師を付け、別教育しています。
その理由の一つが、ナノムが違うため、他の子との差が開きすぎるんです。そのための弊害が大きいので、別にしました。また、皇子、皇女という立場は周りに気づかいが生じ、変な確執を生みやすいからです。
日本でも、明治維新での色々な弊害が生じ、本当に貴族とか、家柄とか気にしないでいられるかというと、現在でもそういう風潮が一部残ってますからね。完全に同じ環境はすぐには出来ません。特に、王侯貴族の環境がそうそう、変えられないのです。
今は非常事態の中で、闘いの準備をしなくてはならないので、正直可哀そうな立場です。
今日は、皆を連れて、王妃全員と子供全員で、高速連絡艇で、ザイリンク帝国の聖域に向かっています。そう、神機との適合の確認を行うためです。
アランの手には、あの神器があります。シオン山の麓に到着しました。
あれから、セリーナとシャロンは神機の操縦訓練で度々訪れていましたが、他の殆どは初めてです。
例の岩山の壁に門が現れて、一同があの神機の鎮座されている間に訪れました。
子供たちは、興味深々ですよ。まぁ、中には、高速艇で具合悪くなった子もいますねど、流石、『女神の雫』は、直ぐに体調を整えています。
そして、神機に対して、10機には、まだ、子供たちの反応がありませんでした。
只ひとり、エラちゃんが、1の翼のアビブから語り掛けられて、『搭乗』出来ました。
『まだ、他の子供達には、乗れないみたいですね』
とAIアテーナから通信が入りました。
『1の翼に乗れたということは、他の翼にも乗れます。逆に言えば1の翼に認められないと他は乗れません』
『それって、どういうこと?』
『はい、1の翼だけにはコマンダーとして、他の翼に動作の命令が出来ます。コクピットのコンソールパネルが他の機体と異なります』
『まずは、他の子たちがエラちゃんと同じくらいの力量にならないとだめってことだな』
『そうですね』
と語っていたら、
「「「「「「「「えっ~。エラ様と同じ強さにならないとだめなの」」」」」」」」
と一斉に、うなだれていますよ。あれ?そんなにエラちゃんって凄いの?
「もう、アラン父様、ってエラ様の凄さ知らないんですか?」
と長女のビクトリアが言っています。
「今、大人の近衛兵でもエラ様には勝てないんですよ。セリーナ母様やシャロン母様にはかなわないけど、隊長クラスでも、模擬戦で勝っちゃんですから」
「そ、そうなんだ」と、子供に言われてますよ。あははは
『このセラフィムのAIは、私たちのようにサイヤン帝国の改造がされてませんので、基本操作と操縦補佐しか機能がありませんので、殆ど語り掛けが少ないです。必要最小限の機能だけですから』
『そうなんだ。やはりAI技術はサイヤン帝国が進んでいたんだね』
『確かに、並列処理能力はあるでしょうが、人類銀河帝国のAIイーリスには我々にはない魔素に反応するシプナスが存在しています。初めてAIの領域を超えた魂をもったAIです。
理論的には可能とされてはいましたが、実際に進化したAIでは初めてと思います。そういう意味では我らより優れていると、より人間に近づいています』
『そうなんだ。イーリスがやっぱ凄いんだ』
『あ、はい。そうですね』
とAIアテーナが、なんかちょっと拗ねている感じです。
「今日の所は、このまま帰るしかないな。暫くして、また確認するしかないよな」
「そうですね」とクレリアが頷いています。でも、内心では、《かみさんズ》は残念がっています。
まだ、我が子が神機を扱うには足りないことを、正直、自分もそうですが、ある意味ほっとする部分もあります。この神機に乗るイコール最前線での戦いですからね。複雑な思いです。
それにしても、エラちゃんがそんなに凄くなっていたなんて、気づかなかった。
ただ、最近、自分と目を合わすと、下を向いてしまうんです。何か、言いたげな事は分かるんですが、、
そう、寂しそうな目をして、、こういうのって誰に聞けばいいですかね。、、そうだ、兄貴に聞いてみようか。、、そう思い、帰りの連絡の中に、帰ったらテオ君と話をする段取りを付けました。
[まぁ、いいんですけどね]
っとナノムが呟いてましたけど、、ん?、、