続航宙軍 3章 建国10年目 エラちゃんの気持ち 026
ここは、帝国軍男子寮の一室です。
「急な呼び出しで悪いね。テオ君に聞きたい事があったんだけど」
とアラン陛下。
でも、緊張しっぱなしのテオ君が
「いえ、自分のような者に、アラン陛下からお声が掛かるなんて、、恐縮です」
と、がちがち状態です。
「そんなに、緊張しなくても、昔のまではいかないけど、あにきと呼ばれていた事もあるんだからね。今日は、君の妹の事だよ」
「えっ、エラが何かしましたか?、アラン様、いえ、陛下になにかご無礼を働いたとか」
「いやいや、そんな事はないよ。むしろ、昔のようにべたべた近づけなくなって、最近ではちょっと距離おかれている感じだよ。時折寂しそうにしているけど、クランの時はアラン様でもよかったけど、テオ君から陛下って呼ばれると、ちょっと寂しいよ」
「えっ、そんな。滅相もないですです。今のお立場からすれば、こんな、下っ端の兵士にお声を掛けてもらえるだけ、こ、光栄なんです」
「そっか。ちょっと嫌だね。肩書って時に重いよ。もっと、皆とフレンドリィで接したいのにな。
それで話を戻すと、エラちゃんの最近の様子はどうなんだい。何か、悩みがあるのかなって」
「た、多分、アラン、陛下の事ですよ。エラは、小さい時に両親を亡くして、むしろアラン陛下と親父の事と重ねていると思います。
エラには親父との思い出がないんです。勿論母親とも、そりぁ自分もいたけど、兄貴って、甘えられる存在じゃないし、、、確かに最近様子を見にいったんです。
いつもみたいに、エラいるかぁ~って部屋にノックもしないで入ったら、いきなり飛び蹴り食らいました。あははは、でも、その時、目に涙貯めてたんです。多分だけど、泣いていたかも」
「そうなんだ、そんな事があったんだ。まぁ、エラちゃんも年頃の女の子だからないきなり入ったら、うちのシャロンなら半殺しになっているな。あははは」
「そ、そんな事があったんですか」
「まぁ、昔な、急に用事を思い出して、シャロンの部屋にノック無しで入ったら、マーシャルアーツの飛び膝蹴りで、肋骨3本、その後、腕を捻られて、脱臼、さらに回し蹴りでノックアウトさせられたぞ、、」
「えっ、それって」
「エラちゃんもシャロンの弟子を名乗ってるから、次回は、気をつけろよ、、」
「は、はい」(もう、二度と、ノック無しで部屋に入らないと心に誓うテオ君でした。)
「まぁ、そうだよな。父親の代わりなんだろうな。分かったよ。エラちゃんと二人でどっか公園とか、ぶらついてみるか。
俺も、親父との思い出って、、、あれ、あんまりないかも、、」
そうです。アラン自身、あまり思い出はないですが、入隊時にお祝いと一緒に酒を飲んだ時が最後かも、そう、18歳の時です。それ以来親父とは会っていません。あれから19年、、自分も親になって、、そして、もう、会えないと思うと、胸が痛くなりました。
そして、二人の話が終わり、帰路に帰ろうとした時です。
なにか、胸騒ぎがして、エラちゃんのいる屋敷まで行くことにしたんです。
◇ ◇ ◇
ここは、エラちゃんの部屋です。
「どうしたんだろう、さっきから変な感じがずっと続いている。そう、あの神機に乗ってからだ。起動まで出来て、降機するまでは、なんともなかったのに、今になって、なんか、吐き気がこみ上げてくる。何なんだろう」
(ナノカちゃん、今、私、変な感じが続いているの、どうしたのかな)
[はい、搭乗後の副作用かもしれません。今、対処していますが。まだ、状況が確認できていません。暫く、お待ちください]
(そう、なんだ。副作用って、、)と気を失いそうです。
[気をしっかり持って下さい。すぐにイーリス様やアテーナ様に連絡します]
その時です。ドアがノックされて、呼ばれています。そう、アラン様です。
「アラン様、、、た、す、けて」とかろうじて声を出せました。
ドアを蹴破る音がしました。そう、鍵が掛けてあったので、声がしたのですぐさま対応したんです。
「エラちゃん、、大丈夫」
「アラン様、、、」と姿を見た途端に倒れこみました。
すかさず、アランが駆け寄り、エラちゃんをしっかり抱き支えました。
『イーリス、、アテーナ、、緊急対応頼む』
『今、エラちゃんのナノムから、神機搭乗時に流し込まれたナノマシンが旧型みたいで、体内で副作用を起こしたみたいです。今、女神の雫のナノムが対応しています。暫くそのまま横に寝かせていてください』
『了解。問題はないんだよね』
『はい、処理が完了すれば、普通に戻ります』
『そう、よかった』
『よく、エラちゃんの具合の悪いのを検知しましたね。我々よりも早いです』
『ああ、なにか、胸騒ぎがしたんだ』
『そうなんですか。それって、アランのナノムとエラちゃんのナノムの量子もつれ現象かも知れませんね』
『いや、言っている意味が分からないけど』
と今後は、イーリスから
『そう、魂の繋がりの影響です。きっとエラちゃんがアランへの思いが強く、その思いが伝わったんです。そう、時間も距離も超えて』
『えっ、それって』
『もう、にぶちんですね』とイーリス
『そうですね』とアテーナ
[はい、朴念仁のアランですから]とナノムからも
『皆して、、、分かりましたよ。エラちゃんと正式に婚約しますよ』
すると、突然、あたりが真っ白になりました。、、久々のご登場です。
『アラン。、やっと決心したのかしら。どれだけ、おなごの心を弄ぶのかしら』
『いえいえ、滅相もないですよ。ルミナス様こそ、、そうだ、エラちゃんを楽にしてあげて下さい』
『まぁ、それよりも、王子様のキスの方が早く目覚めますよ』
『えっ~、、そんなぁ~、、眠り姫ですか!』
[出た、地球の童話ですね]すかさず、ナノムが早いつっこみ。
『なに、私の言葉を疑うのかしら!』
とルミナス様がちょっと、おこ状態。
『えっ、そんな事ないです。はい、直ぐに、キスします』
といって、エラちゃんにそっとおでこにキスしました。、、あらら、不思議、さっきまで真っ青な顔したエラちゃんが赤みを帯びてきました。
「ア、アラン様」とエラちゃんが目を覚ましました。
「気がついたね。良かった。どう、気分は?」
「はい、さっきまで、気持ち悪かったですが、今は平気です」
「そう、良かった」
「どうして、エラの部屋にって、ど、ドアが壊れてる」
「ああ、、ドアごしで、たすけてって声が聞こえたから蹴破った」
「私の声が、聞こえたの?」
「ああ、しっかりとね。それに、胸騒ぎがして、直ぐに駆け付けたんだ」
「う、嬉しい、、アラン様に私の思いが届いたんだ」
「そうだね。今から、はっきり言うね。俺のお嫁さんになって欲しい」
「えっ、ほ、ほんと、、アラン様のお嫁さんになれるの?、、うぅ」と泣き出してしまった。
こうして、エラちゃんが6人目のお嫁さんになりました。めでたし、めでたし、、
いやぁ、まだ、歳がね、エラちゃん只今14歳で婚約です。
帝国では、18歳から結婚できます。(今の日本と一緒です。)