続航宙軍 1章 新たなる拠点 008
ガンツの北門には、総勢約3000人もの群衆で溢れかえっています。
「さぁ、出発します」とアラン様がお声をかけられました。
【魔の大樹海】に向けて、数十台の馬車の一行が移動し始めました。始めのうちは以前の開拓者が作っていた道ですが、数百m進んだところで、途中から分岐した道がありました。
「アラン様、この黒色の道は、なんですか?」と馬車の御者台にいるカリナさんが質問してきました。
「昨日には、このような立派な道がなかったですが、一夜で、道が出来たのですか?」
「まぁ、途中までは作って有って、アーティファクトで隠蔽していたんです。明日にはガンツまでこの黒い道が繋がりますよ」
「凄いです。馬車が3台並んでも余裕で通行出来ますし、この平坦さが尋常ではないです」
「そうですね。これも、アーティファクトで舗装しています。まだまだ、驚くのは早いですよ」
「おぉ、こりゃ凄いな。この技術だけで、一財産稼げるぜ」
と後ろの席にいるサイラスさんは、もう、商売の話をしていますよ。
「サイラスさん、もっと稼がせますよ。昨日の話ではなかったのですが、カリナさんをコリント領の商業ギルド長として採用する話の件は、いいですか?」
「いいも、くそもあるかよ。カリナ自信が、アラン卿のためならどんな事もするって息巻いていたぞ。あははは」
「そうですか。良かったです」
横眼で、ちらっとカリナさんの顔をみたら、頬を染めてニマニマしていました。ん?、なんだろう?まぁ喜んでいるならいいか!
[アランは、もっと女性心理を勉強したほうがいいです]
ってナノムが突っ込んできましたよ。
えっ、あはははと笑ってごまかすアランでした。
まぁ、確かにこの手の扱いは、苦手です。でも、クレリアや、セリーナ、シャロンからの想いも、ナノムから聞いていました。正直、戸惑っているんです。でも、先日のルミナス様の神託には、他の人には言っていない内容があったんです。そう、66年後って、その時自分は、90歳を超えてますからね。そう、次世代を育てて対応しなくてはなりません。そのため、ルミナス様は、多くの子を作りなさいって、、それってねぇ、、あははは。
こうして、一行は、約10時間かけて、新たなコリント領の入り口に差し掛かりました。食事は各人が馬車の中で適当に軽食で済ませています。
『イーリス、隠蔽解除をお願いする』とイーリスの回線につなげた。
それまで、数十メートルの崖の景色が、一変して巨大な城壁と、特殊合金で出来た開閉扉が目の前に現れた。3Dプロジェクターで投影し隠蔽していました。
「「「「「おぉー。なんだ、あの巨大な城壁と見慣れない、銀色に輝く門が現れたぞ」」」」」
と一斉に歓声が上がりました。
アラン様が『開門!!』と叫ばれると、「ゴーーーーー」という金属が擦れる音がなり、ゆっくりと門が横にスライドしていきました。城壁の高さは30m、門の幅は、約50mの中央から割れて、ゆっくり横に広がっています。
「す、凄い」とクレリアさんが驚いています。
昨日にナノム玉を服用したものは、あらかじめ、内部の位置関係や、ゴーレム(汎用ボット)を知らせてありましたので、さほど驚いていないようですが、間近に見るのとでは迫力が違いますからね。
「アラン卿、あの門の横の巨人は、なんですか?」とおそるおそるサイラスさんが聞いてきましたよ。
「あれは、このコリント領を守護するアーティファクトのゴーレムです。一体で、数万の兵士に匹敵する強さですよ。表面はあらゆる攻撃をはじき、重量物を運搬できる腕力と、胸には裁きの光で魔物などを殲滅出来ます。また、様々な工作作業が出来、ここの拠点の建物などを作成していました」
「こ、こんなものがこの世に存在していたのか」
「まだ、まだ、他にもありますから。驚くのは早いですよ」
「この先には、この大樹海で取れた、魔物や食材を保管する倉庫街と、手前には、兵士たちの宿舎があり、さらに、別区域には、農業用用地があり、通常なら育つまで1年かかる麦もひと月で早育できる新しい品種もつくりました、職人や一般市民が住める居住区もすでに一万人くらいは住める場所がありますよ、これから、色々回って案内しますね」
「お、驚きすぎて、声にもならないぜ」
「アラン様は、これをわずか1年で、、凄いです。まさに神の御業」
とカリナさんも驚いてますね。
後続で門を通り抜けて来た人々(スターヴェークからの移民や王都からの移民)は、もうお祭り騒ぎです。
予め、班分けしていたメンバーが振り分け表を見ながら、住居の案内を始めました。
「サイラスさん、この先にある、倉庫街に行きましょう。この大樹海で採取した各種鉱石や、素材をご覧にいれますよ」
「おぉ、わかった、兎に角、トンデモないな。ガンツと比べても比較にならない。凄すぎて、、あははは、俺の感も捨てたもんじゃないな、、もう、ガンツなんてどうでもいいぞ、俺は、ここで世界一になる」
ってまるで子供のようにはしゃいでいます。
「そうですね。この大樹海の総面積に比べたら、この都市の大きさは4%にも満たないんですよ。まだまだ大きくしていきますから」
こうして、まだ、一部だが膨大な資源と、それを管理する仕事をサイラスさんとクランのカトル達に任せる事にしました。むしろ、人員としては、足りないくらいです。
到着の翌日、拠点の大広場では、到着祝いと、盛大な式典が行われる準備をしています。まずは、一泊して各住居の使い方など説明し、お祝いの準備をしています。
「マリー、昨夜、泊った部屋、、見た?」
と孤児のユーミが同じ孤児仲間に声をかけていました。
「凄すぎて、ベットは新品で、洗面台も、赤の栓を捻るとお湯と青い栓を捻ると水が出るし、トイレが、使用後に、水で洗い流れて、そのあと、お湯でお尻を洗われたわ、びっくりして、立ち上がったから、周りがびしょびしょになっちゃったよ」
「ちゃんと、説明うけなかったの、何度も注意されていたでしょうに」
「分かっていたけど、寝ぼけていたので、、慌てちゃった」
「わかる~、こんなところに住めるなんて、、天国だよ」
こんな会話があちこちで聞こえて来ます。トイレだけではないですが、これから大広場で宴会と式典があるので、孤児の仲間達は、用意された新しい服を着て、椅子を運んだり、食事の用の食器を並べたり手伝いをしています。
大きな、舞台とテーブルは、巨人のゴーレムがあっという間に運んで設置していました。
突然、大きな音で、声が聞こえました。
「ようこそ、我がコリント領へ、長い旅路本当にご苦労様でした。まずは、お手元の飲み物を手に取って下さい。それでは、これより、入居祝いの式典を始めます。まずは、食事をご堪能下さい。では、乾杯!!」
と拡声器を使用した挨拶があり、各自思い思いに、食事を楽しんでもらいました。こうして、数時間がたったの後、再び、アラン様が壇上に登られ、お声をかけられました。
「食事をご堪能していていただけたでしょうか?、まぁ、朝と遅い昼が一緒になりましたけど、夕食は、各食堂にて各人、ご家族と別々に10か所ある食堂を自由にご利用下さい。個別で、おかずを選んで、各々の部屋で食べるもよし、気楽にご利用下さい。まだ先にはなりますが、今後コリント領で仕事をした際には、相応の報酬を用意します。その後、その報酬から、支払う形になりますが、今は、無料でご利用できます。追ってコリント領での生活ルールを送ります。また、18歳未満の方々には、身分問わず、学校に通って貰います。詳細は追ってお知らせします」
これから、拠点での新しい生活が始まりました。
まずは、本日は、ここまでにします。いやぁ投稿ってチョー大変だって改めて実感しましたよ!