カードファイト!! ヴァンガードG -LUPIN- ヴァン外編 作:D・MAKER
これは、本来ならば出会うことのない……
――――
「さて、今日もショップでファイトしようかな」
晴天の下……今日もファイトをしようと、『カードキャピタル2号店』へと向かうアキラ。
「うわあぁぁ!?」
「……ん?」
そこに、聞き慣れない女の子の声が聞こえた。
「周りには女の子は見えないんだけどなぁ……? 」
「そこの人~! どいてどいて~!!」
「……え? グギュッ!?」
アキラは辺りを見回すと、上から帽子を被った赤髪の少女が降って来た。
「イタタ……君、大丈夫? 」
「俺は大丈夫だけど……何で空から? 」
「えっとね、
「えっと、ジャマー……? 」
少女の言うジャマーと言う言葉に、アキラは首を傾げる。
「ジャマーって言うのはね、惑星クレイのユニットが地球の人間の誰かに化けて歴史を変えてるの! 」
「……本当に? 」
「あれ? 信じてくれるの? 」
(一応、ユニットと会ったりはしてるからなぁ……)
アキラにとって、惑星クレイやユニットが実在することは既に知ってることなので今更な話だった。
「ねぇ、何処かにヴァンガードに関係したお店って無い? 」
「今から、その店に行くんだけど……」
「じゃあじゃあ! 私も連れてって! 」
「分かったから、肩を掴んで揺らさないで……ところで名前は? 」
「シュカだよ! 」
「シュカちゃんね、俺はアキラ。海導アキラ……」
「じゃあ行こうよ、アキラ君! 」
「うん……」
シュカと名乗る少女に引っ張られ、カードキャピタル2号店へと向かうアキラであった。
――――
「……え? 」
「ねぇ、此処がアキラ君の言ってたお店なの? どう見ても……」
「何で……
アキラがいつも通っている『カードキャピタル2号店』。だが、看板に記されていたのは『鍋キャピタル2号店』となっていたからだ。
「まさか、コレがジャマーとか言う奴の異変?」
「かもしれないよ。でも、誰がジャマーかはこれから調べないと」
「特徴は?」
「どこかにピンク色で『じ』って文字が付いてる筈だよ」
「ピンク色の『じ』ね……」
「あ、シュカちゃん! 」
「此処に居たのね」
「ったく、ウロウロするなよ」
そこにシュカを呼ぶ少女と大人の女性、福原高校の制服を来た男がやって来た。
「あれ、エミさん?スイコさんと伊吹さんも……」
「あ、誰だお前?」
「冗談言ってる場合では無いんですけど。それに、何で二十歳にもなる人が福原高校の制服を着てるんですけ?」
「俺はまだ17だ! 」
「ギャグやってる場合ではないですよ。それにエミさんとスイコさんもご一緒とは……」
「え? 何で私のことを知ってるの? 」
「そうね、私達は貴方と会うのは初めてよ?」
「……んん?」
エミとスイコの言葉にアキラは戸惑う。ふとアキラは、いつものエミとスイコに違和感を感じた。エミに至ってはいつもより背が小さい気がするからだ。
「貴方の言う伊吹が二十歳って、もしかしたら……」
「あ、そう言うことですねスイコさん! 」
「ん? 」
「あのね、アキラ君。コッチのエミちゃん達はこの世界側の……アキラ君が知ってるエミちゃん達じゃ無いの」
「この世界側の……? 」
「えっとね……」
「パラレルワールドとか、タイムパラドックスと言うこと? 」
「そう! アキラ君の言う通りだよ! 」
「役に立たない伊吹より、飲み込みが早くて助かるわ」
「うるせぇよ」
「別世界の伊吹さん、コッチよりもギャグキャラだ」
「誰がギャグキャラだ!?」
「オジさんでしょ? 」
「オジさんじゃねぇよ!?」
アキラは別世界のエミ達の話を聞き、簡単に納得した。伊吹の扱いがアキラの知ってる伊吹とは異なるが、ギャグキャラであることに変わりは無いようだ。
「それはそうと、店に入らないと」
「え、あの鍋のお店のこと? 」
「元々はカードショップみたいだったそうだけど……」
「だったら、ジャマーはあの中ってことか」
「行ってみましょう」
こうしてアキラは、シュカ達も連れて『鍋キャピタル2号店』へ向かう。
――――
「さて、中は……って、凄い湯気」
「本当だね……」
「肉なのか、魚なのか……色んな匂いも混じってるな」
扉を開けて早々、視界が湯気と良い香りに包まれる。
「多度! アンタ野菜も食べなさいよ! 」
「ヒィッ!? 」
「あの声、トコハか? 」
「知り合いか? 」
「彼女です」
「え!? アキラ君って彼女居るの!?」
「うん」
「って、そんな話してる場合かよ……」
「アキラ、そこで何してるの?」
「あ、トコハ」
隠れてる5人は小さく話してるが、トコハに見つかってしまう。
「遅いじゃない! 今日は鍋のセミナーだって言ってたでしょ? 」
「セミナーって……」
「早く来なさい! そこの人達も! 」
「俺達も巻き込まれてるのか……」
「仕方ないですよ」
「エミちゃんの言う通り、何処かにジャマーが居る筈だもん」
「そうね」
トコハの言う鍋セミナーの場所に向かうアキラ達。中では……
「アチッ! 」
「クロノ! まだ豆腐は早い! 」
「細けぇよ! 」
「シオン、水菜は最後に入れるって言ってるでしょ! 」
「ご、ごめん」
「あの2人もか……」
先ほどのツネトだけでなく、クロノとシオンもトコハによって扱かれてるようだ。
「ねぇ、貴方の彼女っていつもあんな感じなの?」
「いえ、鍋奉行なのは知ってますが……ここまで暴走することは無いです……」
「まさか……」
「ちょっと、早く席に付きなさいよ! 」
「トコハ、何でカードショップが鍋のセミナーになってるんだ?」
「何言ってるの? 今日のアキラ、何か変よ?」
「いやいや……」
「えい…! 」
「キャッ!?」
「シュカちゃん!?」
この瞬間に、シュカがトコハの後ろに回り込んで服を上に捲る。すると……
「あ!?」
「アレは!?」
「ピンクで『じ』の文字……!?」
「ま、まさか……」
トコハの腹部に、『じ』の文字がしっかりとあった。そう……先程のシュカの話と同じ物だ。
「コイツがジャマーか! 」
「ジャママママ、バレたなら仕方ないわね! 」
バリィィンッ!!
「あ、窓ガラスを割って逃げた! 」
「待て!!」
店内の窓ガラスを体当たりして割ったトコハ(ジャマー)は、見事な着地をして逃亡。
――――
「あ、居た! 」
「ジャママ、もう来たのね……」
「正体を見せなさい、ジャマー! 」
「うふふふ、ジャママママママ!!」
「!?」
逃亡したトコハに追い付いたアキラ達。しかし、トコハは笑い声と共に黒い光に包まれた。
「ジャママママ! 」
「アレは……」
「ラナンキュラスの花乙女 アーシャ! 」
「本当にユニットだった……」
「だったら今度こそ、ヴァンガードで……」
「ジャマー! 」
「ギャアアアッ!?」
正体を現したアーシャを相手にデッキを出す伊吹。しかし、あっけなく吹き飛ばされる。
「全く、何度言ったら分かるのかしら?」
「カードファイトで解決出来ないって、何度も言ってるのに! 」
(危うく出すところだった……)
「エミちゃん! 」
「うん! 」
「???」
突如、エミとシュカが手を出し合うと光に包まれて姿を変える。
「私達、ブラスターペア!!」
「はい?……変身?」
変身したエミとシュカは『ブラスターペア』と名乗り、白い衣装のエミと黒い衣装のシュカが杖と本を持ってポーズを決める。
「エレメンタルコーリング! 」
「リアライズ! お願い、ブラスター・ブレード!」
「えぇ!? 」
シュカが持っていた本からカードをエミに向けて飛ばし、杖から光が放ったと思えばブラスター・ブレードが現れたことに、流石のアキラも驚く。
「ブラスター・ブレードって、アイチさんの分身の……でも、何で? 」
「アキラ君、此処は危ないわ! 」
「あ、はい……」
アキラが考えてると、スイコに手を引っ張られ近くの壁に隠れることに。
「ジャママママ!!」
「!!」
「他にもユニットが出て来た。『開花の乙女 ケラ』に『萌芽の乙女 ディアン』…『メイデン・オブ・グラジオラス』と。アーシャのクランは『ネオネクタール』だけに、もっと増えそうだ」
アーシャが他のユニットを召喚して一気に4体となり、ブラスター・ブレードに襲い掛かる。
「クッ……」
「ブラスター・ブレード!?」
「数ではコッチの方が不利だ……」
「このままだと……」
<呼べ……>
(その声、アルセーヌか……? )
「おい、どうした? 」
壁に隠れて見ることしか出来ないアキラ達。そんな時、アキラの頭に、自身の分身であるアルセーヌの声が響く。
(呼ぶってどうするんだ? )
<あの魔法少女とやらに、我のカードを今だけ渡せ。急げ>
(分かった……! )
「あ、アキラ君!?」
「おい、戻れ! 」
アルセーヌを呼ぶ為にアキラは、スイコと伊吹の静止を聞かずシュカ達の元へ走った。
「エミさん、シュカちゃん! このカードを……!!」
「うん! コレは……!?」
アキラからカードを受け取ったシュカ。そのカードを見て驚いていた。
「エミちゃん、今回のファイナルカード!!」
「リアライズ! 」
エミの杖がカードに向かって放たれる。そして姿を現したのは、黒い翼とスマートな赤いボディを持ち、稲妻の様な赤い目を持つ竜だった。
「な、何だ……あのユニット?」
「初めて見るユニットね……」
<我は『義賊魔竜 アルセーヌ』。こんな形で実体化するとはな……>
「お願い! 力を貸して! 」
<ふん、良かろう……>
アルセーヌはそう言い、ブラスター・ブレード達の元へ飛んで行く。
<ふん……>
「ジャマ!?」
「なんて銃捌き……」
アルセーヌは腕に隠していた片手銃を出し、一瞬でアーシャ以外のユニットを撃ち抜いた。
「ジャママ……! 」
「あ、逃げようとしてる! 」
<逃がすか……! >
「ジャマ……!?」
「今度はワイヤーか……」
<ふんっ>
「ジャマッ!?」
危険を感じて逃げようとしたアーシャだが、アルセーヌは左腕からワイヤーを伸ばして拘束する。そして拘束したアーシャを上空へ投げ飛ばす。
<今だ>
「ブラスター・ブレード!!」
「ハァッ!!」
「ジャママママママ!?」
最後にブラスター・ブレードの剣によってアーシャを撃破。
「アーシャが消えた……」
<まぁ、問題は無いだろう。さて……そこの妖精の小娘>
「わ、私……? 」
<この問題、早いところ解決することだな……>
「……」
<では我はコレで、フハハハハハハハ……! >
アルセーヌは笑い声を上げながら、消えてカードに戻った。
――――
「アキラ君のお陰で助かったね」
「正確に言えば、あのキザったらしいユニットだr……グフッ!?」
「少しは空気を読みなさい……! 」
「高校生の伊吹さん、ギャグキャラ要素が濃いなぁ」
「そうなのよ、デリカシーも無くて困ってるの……」
「オジさんだもん」
「オジさん言うな……」
ジャマーによって、店もいつもの『カードキャピタル2号店』に戻った。そして4人もまた元の世界に戻ろうとしてる。
「さてと、俺達もまた別の所へ行かないとな」
「もしかして、ジャマーって他にも居るんですか? 」
「そうね、根本的な解決をしないと」
「アイチを連れ戻したいもん」
「アイチさんを……? 」
エミの言ったことが気になるアキラだが、敢えて詮索しないでおくことにした。
「ありがとアキラ君! また会えるかな? 」
「会えると思うよ……」
「そっか、じゃあまたね! 約束だよ! 」
「うん」
シュカが笑顔で手を振り、そして4人は元の世界へと帰って行った。
今回の不思議な出来事……アキラにとっては特別なのかもしれない。
――――
翌日……
「う~ん……」
「トコハ? 」
「どうしたんだよ、そんな悩んで」
「えっとね、何か変な夢を見たのよね。何か私が鍋奉行となってさ、アーシャに変身したり……」
「俺も、中学生くらいのエミさんや福原高校の服を着てた伊吹さんとスイコさんに……後はカードの妖精と言うのが」
「アキラもかい? 」
「でもよ、随分と現実そうな夢だよな……」
「うん……」
TO BE NEXT
ご観覧ありがとうございました!
今回は、尊敬している神絵師さんに捧げとしてシュカちゃんを執筆しました。