カードファイト!! ヴァンガードG -LUPIN- ヴァン外編 作:D・MAKER
バレンタイン、それは女性が好きな男性にチョコをあげる神聖なイベント。当然、ヴァンガードファイター達も、例外ではない。
「何か、漫才トリオ達がいつも以上にソワソワしてるな」
「あぁ、何やってんだかな漫才トリオは……」
「まぁ、漫才トリオだからね」
「「「だから漫才トリオって言うな!!!」」」
「お前ら、今日は何の日か知ってるだろ?」
「何かありましたっけ?」
漫才トリオのツッコミをスルーして、カムイの話に耳を傾けるアキラ達3人は首を傾げる。
「あぁ、今日はバレンタインですね!」
「あぁ……そうだったな」
「そんな日あったんだ」
「「「「「「え?」」」」」」
アキラの言葉に6人が耳を疑って固まる。
「お前、まさかとは思うけどよ……バレンタインを知らないとか?」
「いや、さすがに無いだろう? アキラはモテるからチョコを沢山貰ってそうだし……」
「無いですし、初めて知りました」
「「「「「「ウソだろ!?!?!?」」」」」」
知らなかった上に、バレンタインにチョコを貰ったことが無いと言うアキラ。6人の声が重なり店内に響く。
「いやいやいや!? 冗談がキツイって!!」
「何故か14日になると、玄関で不振な包みや箱が大量に置かれてて大変だったけどな」
「つ、包みって……」
「名前も無いし、嫌がらせかもって思ってさ……知り合いに処分して貰ってた」
「「「「…………」」」」
「「「ん?」」」
「「「「この男の敵ぃぃぃぃぃ!!!!」」」」
「うるさ……」
アキラの話を聞いたカムイ+漫才トリオは、血の涙を流しながら悲痛な叫びを上げる。
「お前ぇ!! それバレンタインのチョコだろ絶対!!」
「処分ってどんな神経をしてるんですか!?」
「鬼畜……」
「不信に思わんのか?」
「チョコと察しないお前がおかしいわ!!」
「理不尽……」
「あの、そんなに騒ぐと……」
「ミサキさんに怒られ……」
「うるせぇよ!!」
「「「「「「「!?!?!?」」」」」」」
クロノとシオンが言った通り、いつの間にかオーナーであるミサキが居て注意される。
「すみません」
「アキラやクロノ、シオンじゃないから安心しなさい。うるさいのは……」
「「「「すみません……」」」」
「そうだアキラ、コレ……」
「ラッピングされた箱……?」
ミサキの言葉に小さくなる漫才トリオ+カムイ。すると、ミサキがオシャレなピンクのリボンで結ばれた、赤い箱をアキラの前に出す。
「バレンタインのチョコよ、受け取って」
「あ、ありがとうございます」
ミサキがアキラに渡した箱は案の定、バレンタインのチョコだった。
「さっきの話だと人生初のバレンタインチョコが、私が最初ね」
「そ、そうですね……」
「あら、やっぱりこのお店に居たのね」
「鳴海アサカ……!?」
「こんにちはー!」
「アキラ君、見つけたわ」
「レッカさんにスイコさんも来たあああ!!」
「と言うことは……」
「次は……」
「アキラ君!」
「お待たせ!」
「ラミラビも来ましたよ!」
「アキラく~ん」
「リン様が来てやったわよ」
「こっちも……」
アサカを筆頭に『ウルトラレア』のレッカとスイコ、『ラミラビ』のアムとルーナ、更にはクミとリンの2人も袋や箱を持って2号店へとやって来た。
「アキラ、コレ!」
「私達『ラミラビ』からです!」
「ありがとう」
「アキ君、私とスイコのも受け取って!」
「名前の通り、ウルトラレアなチョコよ」
「はい、私の手作りも味わってね」
「ありがとうございます」
「このリン様のも受け取りなさい」
「はい、アキラ君。新導君と綺場君も」
「お、ありがとな」
「どうも、ありがとう」
トコハとエミを除く略奪組がアキラにチョコを渡す。クロノとシオンも、クミにだけ貰い本人にお礼を言う。
「って、ちょっと待った!!」
「僕たちだけ貰ってません!!」
「うんうん」
「アンタらに興味も無いんだから、あるわけ無いでしょ?」
「「「えぇ!?」」」
「すみません、用意する時間が無くて……」
「作るなら、材料を買って来てね~」
「「「理不尽!?」」」
漫才トリオは自分達のチョコが無かった事がショックで落ち込む。
「気を落とすなって、俺だってまだ貰って無いんだぜ?」
「まぁ、カムイさんはナッちゃんが居ますからね」
「そうそう、ナギサさんが……」
「あ! そうだった!」
「カムイさんにも居たの忘れてました!!」
「裏切者……」
「違うっての!! つーかナギサの名前を出すんじゃねぇ!!」
「こんにちは~!」
「え、エミさん!?」
カムイがナギサとの関係を否定してると、入口を開けてエミが現れた。
「はい、義理だけど皆のチョコ持って来たよ!」
「エミさんのチョコ……あ、ありがとうございます!!」
「「「あざます!!!」」」
「「ありがとうございます」」
エミから義理チョコを受け取った6人。カムイは嬉し泣きしながら舞い上がっている。そしてアキラの分はと言うと……
「あ、アキラ君! はいコレ! 私の形をした本命チョコだよ!!」
「ドギャアアアッ!?」
折角の嬉しい気分が一気に絶望へと変わったカムイは、おでこから床へ倒れた。無理も無い……自分の想い人から貰った義理チョコと、恋敵であるアキラが本命を貰うのを見ればショックだ。
「ありがとうございます」
「可愛いでしょ?」
「ええ、それにしてもどうやって食べれば……」
「私だと思って食べてね」
「あ、あはは……」
アキラも貰ったエミの形をしたチョコを、どうやって食べるか悩んでいる。
「ああああああ!! アキラぁぁぁぁぁ!! 食わないって言うなら俺に寄越せぇぇぇぇぇぇぇ!!」
血の涙を流しながらカムイが、アキラ目掛けて猛突進して来た。
「うるさい!」
「グフォッ!?」
「あ……」
しかし・・…エミがカムイを蹴り飛ばし、カムイは店内の自動販売機にぶつかって気絶する。
「はぁ……電話するか。……もしもしナッちゃん? カムイさんがナッちゃんの愛の欲しさに倒れたんだけど……うん、お願い」
アキラはナギサに連絡をして、気絶したカムイを引き取って貰おうと頼んだ。
「カムイちゃ~ん!! アキラちゃん、カムイちゃんはどこ!?」
「そこで倒れてるから頼むよ」
「分かったわ! さぁカムイちゃん、私と結婚して目覚めて!」
「……は!? な、何でナギサが!?」
「そんなの良いから!」
「離せ、離せナギサあぁぁぁぁぁぁぁ!!」
こうしてカムイは、ナギサに連行されて幸せになりましたとさ。←
「それでアキ君、あの娘とはいつ別れるの?」
「はい?」
「レッカ、別れさせなくても奪えば良いのよ?」
「あら、それなら私が頂くわ」
「え~、私とですよ!」
「えと……」
略奪組がいつもの如く、アキラとくっ付こうと口論が始まる。
「見つけたわよ」
「コーリンさん!? ジリアンさんとシャーリーンさんも……」
「彼女が待ってるわよ」
「出発~!」
「え、あの……」
「あ~! コーリンがアキ君を連れてった~!」
「追うわよ!」
――――
一方のアキラは、コーリンとチェン姉妹によって公園まで連行された。
「着いたわよ」
「あ、はい……」
「本当、彼女が居るのに何をやってるのやら……」
「すみません……」
「じゃあ私達も義理チョコをあげるから、後は頑張ってね~!」
シャーリーンがそう言うと、3人は公園から去って行った。
「やっと来た……」
「トコハ」
入れ替わりでトコハがアキラに歩み寄る。
「どうせ略奪組から貰ったんでしょ?」
「まあ……うん。ところでコーリンさん達は何故に……?」
「私が頼んだのよ。3人は略奪組じゃ無かったし」
「そっか」
どうやらトコハが3人に協力を求めたようだ。トコハにしては、今回は回り道の様に作戦を練っていたみたいだ。
「はい、バレンタインチョコ!」
「本命?」
「アキラ以外に本命は有り得ないから! それと……」
「ん……」
トコハが本命チョコを渡した途端、アキラの唇を奪う。
「どう?」
「大胆で……」
「見つけたわよ!」
「あ~、トコハちゃんだけキスしてる~!」
「私もアキラ君としたい!」
「何で居るのよ!?」
キス直後に、当然ながら略奪組も乱入してヴァンガードファイトに至ったのは言うまでも無かった。
FIN
此処まで読んでいただいて、ありがとうございました!