幻想郷の厄災   作:みかん汁だったライター

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最終被害:紅魔館 星熊勇儀と蓬莱山輝夜の記憶

 

 紅い悪魔の館、紅魔館

 

 そこに、沢山の人妖が集まった。

 

 人里の半妖に蓬莱人二人、河童に白狼天狗、玉兎に鬼二人、さとり妖怪の妹に火車、普通の魔法使いに人形遣い、香霖堂店主、冥界の姫に半人半霊、後戸の国の秘神に二童子、天人に竜宮の使い、太陽の花畑の悪魔妖怪寺の面々。

 

 

 

 呼び出した肝心のスキマ妖怪は居らず、地底の鬼の頭、星熊勇儀はイライラしていた。

 

 「皆さん、お待たせ致しました。貴女方に3つ、お願いしたいこと、伝えたいことがあります」

 

 八雲紫が紅魔館の上空に現れ、大声で皆の注目を集めた。

 

 「まず、貴女方の記憶をお返しします!」

 

 八雲紫が術式を現し、破壊した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 星熊勇儀side

 

 

 

 

 

 

 何故、忘れていたのだろう。

 

 彼女の…莉乃の事を…。

 

 同じ釜の飯を食い、同じ樽の酒を飲んだ。

 

 暇さえあれば私は力比べを挑み、彼女は苦笑いしながらもその挑戦を受け入れてくれた。

 

 『勇義さん…またですか…?』

 

 『あぁ、早く戦ろうぜ』

 

 『まったく…勇義さんはやっぱり勇義さんですね』

 

 『なに当たり前の事言ってんだ。私はいつまでも私さ』

 

 『そうですよね…じゃあ、戦りましょうか』

 

 彼女と戦うのはとても楽しかった。

 

 血沸き肉踊る、激しい戦いだった。

 

 全力を出せる数少ない友人だった。

 

 彼女は基本的に温厚で家族や友人を傷つけられた時に全力でその傷付けた対象を張り倒し反省させ、決して殺したりなどしない良い子であった。

 

 

 何故彼女は知り合いを殺して回っているのだろう。

 

 さとりやお空とはとても仲が良さそうに話していた。さとりは我が子のように、お空は自分の姉のように接していた。

 

 一体、何が理由で彼女は大切なモノを傷付けているのだろう。

 

 

 

 

 

 

 星熊勇儀sideout

 

 

 

 

 

 

 

 蓬莱山輝夜side

 

 

 

 

 

 人間は強欲だ。

 

 強い力を手にしたとき全てを自分の手中に納めたいと言う願望を持ってしまう。

 

 人間は狡賢い。

 

 自分の地位のために他の人間を蹴落とすことができる。

 

 だから月人は地上を捨てた。

 

 人間が…妖怪が…いない世界を望んで。

 

 月人は欲がないなどと言う。

 

 そんなものは嘘っぱちだ。

 

 月人は心が綺麗だ等と言う。

 

 そんなものは嘘だ。

 

 月が地獄の女神達に強襲された時に月人は何をしようとした?

 

 幻想郷を第二の月にしようとした。

 

 自分達は夢の世界に逃げて。

 

 

 

 

 

 

 

 そんな汚い月人の私は…

 

 

 

 幻想郷の住人にとって邪魔なものだ。

 

 永琳のように薬を作るわけでも、うどんげのように人里に行って薬を売るでもない。

 

 ただ、部屋でゆっくりと、菓子を頬張り読書をしているだけだ。

 

 『そんなことはない』

 

 私は幻想郷にとって不必要だ。

 

 『それは違う』

 

 私は…死にたい。

 

 『そんなこと、させない』

 

 莉乃はそうやって何時も慰めてくれるわね…。

 

 『だったら価値があるものになれば良い。価値がないのなら作り出せば良い』

 

 私には…何もないのよ?

 

 『貴女には人やモノを見る目がある。それは、とても良いことだ。貴女の個性と言っても良い』

 

 そんな事を言ってくれる人は…貴女だけね、莉乃。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして私は月の技術の展覧会を開いた。

 

 

 莉乃は当然見に来てくれた。

 

 

 忘れたくても忘れられない。忘れられるわけがない。

 

 

 

 

 

 

 

 『『彼女を生かして助ける』』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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