厄災の封印が解かれた時、気が付いたのは博麗の巫女、月の賢者、後戸の国の神、花の妖怪、冥界の管理者に天人だった。
妖怪の賢者は式鬼に命じ、厄災の気配に気が付いた者に連絡し、稗田邸に集まってもらうように伝えて貰った。
数時間後、稗田邸に全員集まった。
「今夜はお集まり頂きありがとう御座います。集まって頂いた理由として…」
「そんな建前は良いから早く要件をいって頂戴、暇するのに忙しいんだから。」
「幻想郷の厄災の封印が解かれた」
八雲の式鬼が簡潔に、そして分かりやすく要点を伝えた。
「…嘘、ではないようね」
花の妖怪が目を細める。
「嘘な訳がないだろう。こちらは冗談でもそんなことは言いたくない。むしろ大変なのはこちら側だ」
八雲の式鬼は溜め息を吐く。
「あいつにリベンジするために力を蓄えていたのよ?嘘だったら半殺しならぬ全殺しにしてたわ。」
その言葉に震え上がる八雲の式鬼。
「あいつが復活したのなら前のお返しをしなきゃよねぇ?」
冥界の管理者は微笑を浮かべた。
「だってあの子のお陰でうちの妖忌が旅に出てしまったんだもの…ねぇ?紫?」
「そうね…」
「その感情は押し殺せ、西行寺。その感情はヤツの大好物だ、その感情で前に殺されたのを忘れるな」
後戸の国の神が冥界の管理者を諭す。
「その厄災を倒せたら私が研究材料にしても良いかしら?」
月の賢者がヤツを研究材料にしたいと言い出した。
「それなら私が痛め付けてあげたいわ」
「私が反魂蝶で殺してやりたいのだけど?」
「私が後戸の闇に落としてやりたいのだが?」
それにつられて皆それぞれ意見を出していく。
「いいや、それらは駄目だ。アレの恐ろしさは皆知っているだろう。アレを個人に渡してしまっては幻想郷が崩壊する。西行寺殿に反魂蝶で殺して頂き比那名居天子殿と風見幽香殿に肉片を消滅して頂きたい。」
八雲の式鬼は姿勢を正し、頭を下げた。
「この事は絶対に内密でお願いしたい。山の長には伝えてあります。被害を最小限に抑えたいのです。稗田の御阿礼の子とここ、人里の半獣には伝えてあります。我等が
その日はその会議でお開きになった。
そして八雲邸では…
「ねぇ…藍?」
妖怪の賢者が式鬼に問いかける。
「本当にあの子を殺してしまうの?」
「紫様…」
「あの子は本当は優しい子で…心の奥底で助けを求めてるのよ…!だから…!」
「紫様!」
妖怪の賢者の言葉の先を遮る。
「アレはもう手遅れなんです…!確かに私も同僚が出来ると喜んでいました!楽しみでした!ですが…アレは出来損ないなんです!もう…あいつは…」
泣きながら、彼女は伝えた。
「…そう…なの…ね…」
妖怪の賢者は言葉の端々に悲哀の感情を浮かべ、納得した意思を伝えた。