私が彼女と…莉乃と話している時だった。
「もう良い白狼天狗…私が相手をする」
天魔様が唾を吐き、私の前に立つ。
「お主はいい。私がこやつを殺す」
「ですが天魔様…!」
「黙れ!」
天魔様が怒鳴る。
「お主は用済みだ。どうせここに残るのなら私の盾になれ…嫌とは言わせぬぞ?」
「…わかり…ました…」
どのみちここで殺される。ならば天魔様の役に立った方が良いだろう。
『…』
そして天魔様が動いた。
「っえ!?」
私を片手で持ち上げ、まるで本当に盾のように…。
『…』
莉乃は私に攻撃が当たらないようにしているのか、ただ攻撃を避けるだけだった。
「ふん!やはり椛を盾にすれば攻撃せぬか…!それが命取りだ!」
『…出来た』
「…なんだと?…っな!」
彼女はただ逃げ回っていたわけではなかった。
『爆』
「っがはっ…!」
天魔様が血を吐き吹き飛ばされる。
天狗は風を操り速く飛ぶ。
だが、操れる風は自然に吹いた風と自分の術で発生させた風。
莉乃は知っていたのだ。
天狗は敵の術の風も操れるが爆風は操れないと。
「…天…魔…様…?」
天魔様も、文さんも肉塊となってしまった。
『…』
次は…私…か…
『…貴女は殺さないよ…』
「…ぇ?」
『この人たちが生きていたことを、この人達の最後を見ていたのは貴女だけ。
「…片腕の…無い?」
まさか……!まさか…!
彼女は指を指す
私の後方へ
「も…みじ…」
「にとり!」
『彼女も…死なせたくなかった。だけど…
『彼女の分まで生きて。そして、ボクを殺して欲しい。』
そして、彼女は去っていった。
私とにとりは八雲紫によって保護された。
迷い家に泊めさせて貰い、後日コトの経緯を話すことになった
「文さんは彼女を知っていたようです。彼女を好きだったと言っていました。」
「文が厄災のコトを知っているはずがないだろう」
「彼女は文さんと天魔様を殺しました。ですが、彼女自身はやりたくなかったことだと言っていました。」
「…そんな馬鹿なことがあるか!ヤツの言葉を信じられるか!」
藍さんは何かを隠している。
そう思ったのは私だけではなく、にとりもそう思っただろう。
「彼女は『ボクは私を止められなかった』『ボクを殺して欲しい』と言って去っていきました。紫さんはどう思いますか?」
紫さんが辛そうな顔をしていたのでそう聞いてみた。
「…藍、やはりあの子は…」
「紫様、騙されてはいけません。ただの世迷言を聞き入れないで下さい。白狼天狗も我が主を惑わすような事を言うな」
「全部本当の事です!」
「黙れ!」
「…あのさ」
そこでずっと黙っていたにとりが口を開いた。
「推測なんだけど…文は記憶が戻ったんじゃないか?」
「ッ!?」
「何を馬鹿なことを!まず、それは大前提として誰かに記憶を封印されていなければ…!」
「だから、幻想郷の住民全員封印されてるんじゃないかな?…いや、全員じゃないね」
「
「…」
「…そんな馬鹿なことがあるわけが…」
「まぁ、推測でしかないからね。それに」
「幻想郷の厄災からも
「…今日はもういい。帰れ」
「まだ終わってないよ」
「いいから帰れ」
「いいや、まだ聞きたいことが…」
「帰れ、私を怒らせる前に帰るんだ」
「…」
「…」
にとりが溜め息を着いて「帰ろうか、椛」と、言ってきた。
「…でもっ!」
「今日は一度帰ろう。」
「…はい」
そして、迷い家から出て私の家に帰った。