ダンジョンで料理人が有名なのは間違っていますか? 作:混沌の魔法使い
メニュー17 パンを焼こう
「よう! カワサキ! おはよう!」
「今日も良い天気ね」
炊き出しを始めて2日も経てばダイダロス通りの住民も俺を受け入れてくれていて、朝顔を見合わせれば笑顔で挨拶をかわしてくれるくらいには馴染む事が出来ていた。
(そろそろ作戦実行する頃合かね)
ダイダロス通りの住民が俺のアリバイを証言してくれるくらいには打ち解ける事が出来たと思うし、フェルズにゼウスの爺さんとヘラの手紙を渡した事によるリアクションもそろそろある筈だろうと思いながら、俺は昨日買って来た石のブロックを積み上げていた。
「んで、あんたは朝っぱらからなにやってんだい?」
「おはよう、婆さん。見て分かるだろ?」
「見て分からないから聞いてるんだよ……」
呆れたと言う感じのペニアに俺は首を傾げた。俺の作ってる物はオラリオの住人だって見たことのある物のはずだ。
「パンを焼くための窯だぞ」
「なんで窯を作ってるのかってあたしは聞いてるんだよ」
ああ、なんだ。そっちか、窯を知らないのかと一瞬驚いてしまった。
「昨日な、市場のおっさんと話をしたんだ」
カインに持ち運びのコンロのついての商談をして、その足で食材の仕入れをする為に市場に行って、市場の責任者のおっさんと話をする機会があったのだとペニアに説明する。
「それと窯に何の関係があるんだい?」
「売り物があるなら市場で売っても良いらしくてな、それでパンでも焼いて売ろうと思ってな。小銭稼ぎにもなるし、ダイダロス通りのガキ共も手に職が付くだろ?」
「……あんた、まさか……孤児の連中にパンの焼き方を教えるつもりかい?」
「そうだぞ? 売る場所は確保した。材料だけなら安いから集めやすい、自分達でパンを焼いて、それを売って金を稼いで、腹が減れば自分達で食う。完璧だろ?」
俺もいつまでもオラリオに居れるわけではないので、俺がいなくなった後の事も考えての事だ。パンの作り方を教えれば後は皆で何とかできるはずだ。
「あんた、見た目によらず良く考えてるね、あたしゃ良い考えだと思うよ」
「だろ? 良し、出来た」
見た目はあれだが、まぁパンが焼ければ何の問題もない。桶に汲んでいた水で手を洗い、薪を入れて火をつける。
「しかしまぁ、あんたも馬鹿だね」
「何が?」
「昨日のだよ、昨日の」
昨日とペニアに言われて首を少し傾げる。昨日何かあったか……昨日……。
「ミートボールはもっと甘い方が良かったか? 子供向けだから味付けに関しては我慢して欲しいところなんだが」
昨日の炊き出しのミートボールを食べて何とも言えない表情をしていたのを思い出しそう言うとペニアは頭を大きく振った。
「違うよッ!? 冒険者の連中と揉めてただろう!?」
「ああ、あれか。別に問題ないだろ? 何処にでもああいう手合いの馬鹿はいるもんだ」
俺の炊き出しを偽善だの、こんな所じゃなくて闇派閥と戦う冒険者の為に作れだの、こんな役立たずに飯を食わせてどうするとかぎゃあぎゃあ喚いていた馬鹿共なんて気にすること無いと言うとペニアは違うとまた叫んだ。
「んだよ、冒険者と揉めたのが問題か?」
「その冒険者を全員倒したのが問題なんだよ!」
「だって弱かったぞあいつら。殆どワンパンだったし」
ワンパンで地面をのた打ち回る馬鹿に何を考慮しろと言うんだ? と言うとペニアは深く深く溜め息を吐いた。
「冒険者は面子商売だ。ファミリアまで出張ってくるよ」
まぁ確かに面子商売っていうのは分かるが、俺には俺の考えがあるわけだし、ああいう馬鹿共は図に乗るのは俺の経験上分かっている。
「分かった。今度は暫く動けないように手足をへし曲げておく。どうせ喧嘩するなら動けないようにしろって事だろ?」
「違うよ!? あんた料理人の癖になんでそんなに野蛮な思考なんだい!?」
蛮族って酷い言われようだなと思いながら窯の中に薪を入れる。
「ガキ共に手を出されたら困るからな。叩いておく必要があったんだ。ああ、それと焼きを入れてる間に着替えてくるとするかね。悪いけど少し見ててくれ」
「あいよ、ついでにガキ共を集めておくよ。あと1度ちゃんとギルドの長と話をしておきな。ああいう自分達が正しいって考えの馬鹿共は厄介だからね」
「分かった。フェルズに会ったら頼んどく、じゃあ窯は頼むわ」
ペニアに窯の様子を見るのを頼み、1度汗を流して服を着替えて窯の元へ戻ると、ペニアが呼び集めたであろう孤児と隻眼や隻腕の冒険者を引退したであろう若者達の姿もあった。
「結構集まったよ」
「みたいだな、良し! 皆でパンを焼くぞ! こっちに来て手を洗うんだ」
「「「はーい!」」」
元気良く返事をし、駆け寄ってくる孤児達とその後でひょこひょこと歩いてくる冒険者達は俺に向かって小さく頭を下げてきた。
「すいません、カワサキさん。ご迷惑を掛けます」
「片目しかないけど、少しはお手伝いは出来ると思います」
「迷惑なんて思ってないさ、ほれ。あんた達も手を洗って準備をしてくれ」
孤児もそうだが、今すれ違った冒険者達も傷だらけだ。それだけ闇派閥の攻撃が激しいと言う証拠であると同時に、ロキとフレイヤが抑止力になっていないという証明でもあると思うと、ロキとフレイヤへの怒りが込み上げてくる。だが今やるべき事はロキとフレイヤの怒りと不満を口にする事ではなく、集まってくれた皆にパンの作り方を教えることである。
「手を洗ったな? 良し、今からパンの作り方を教えるから、皆良く聞くんだぞ」
集まってくれた皆と共に俺はパンを焼く準備を始めるのだった……。
カワサキがオラリオに来てから2日の間私はギルドの地下の祈祷場に缶詰だった。骨の姿と人間の姿を使い分ける事が出来るとは言えウラノスは私のことを酷使しすぎだと思う。
(ゼウスとヘラが乗り込んでくるくらいならば、カワサキの案を飲むべきだからな)
カワサキが作れると言う人格を変えることが出来る料理で邪神、悪神を襲撃、団員ごと性格を変える。そして冒険者には男は禿げたと、女は太ったと錯覚する菓子を無理矢理食べさせて、経験値を稼がせる……正直に言えばやりすぎと言えなくもないが、認識阻害のアイテムを装備した暴喰や、静寂、女帝達が乗り込んで来る事を考えれば……いや、これも結局を言えば引き延ばしであり、どれほどの長さがあるのか分からない爆弾の火種をカワサキが持ち、いつ導火線に火をつけられるかという状況だ。だがそれも7年間の間に全く成長が見られないロキファミリアの存在が大きい。
「なんでこんな事で悩まなきゃならんのだ」
やりたくもないギルド長なんてやっているからファミリアの事ばかりを考えていることに気付き、深い溜息を吐きながらダイダロス通りへと足を踏み入れ、そこに広がっている信じられない光景に私は目を見開いた。
「こう?」
「もうちょっと力を込めて、こういう風だ」
「こう?」
「そう、上手だ。グッグッと力を込めて捏ねるんだぞ?」
「「「はーい!!」」」
ダイダロス通りの孤児達が集められ、カワサキに教えられて顔や手足を白く染めながらパンを捏ねている。
「発酵っていうのはこんな感じですかね?」
「もうちょいだな。後少し寝かせておこう」
「分かりました」
闇派閥の襲撃やダンジョンでの怪我で冒険者を続けられなくなった者が窯の中に鍋を入れ、パン生地を観察しているし、その近くでは腸詰を焼いている者の姿もある。
「これは……?」
「ん? なんだい、ギルド長じゃないか?」
私に気付いたペニアがにやにやと笑いながら声を掛けてくる。
「ペニア、何をしているんだこれは?」
「適切な労働をして適切な糧を得る仕事さ。なんかカワサキが市場の責任者に話を付けてパンを売るんだとさ」
「孤児達が作ったパンを売るのか?」
「そうさ。パンを売れば市場で盗みを働く必要もない、腹が減れば自分達で焼いて食えば良い。火はもう冒険者として活動出来ない連中が見てやればいい。カワサキは何でギルドとかがこういう事をしないんだ? って不思議がってたよ」
「……耳が痛いな」
闇派閥とファミリア同士の諍いばかりに気を取られて、それ以外の対応が甘くなっていたのは認めるが、たった2日でパンを売る場所の確保、パンを焼く窯の準備、そしてパンの作り方の伝授と精力的に動いているカワサキには言葉が出無かった。
「よーし、じゃあパンを焼くか。焼きあがったらみんなで食べるぞ!」
「え? た、食べて良いの?」
「売り物じゃ?」
「何言ってるんだ。食べて美味くなきゃ誰も買ってくれないだろ? だからまず自分達で食べて美味いか確かめるんだ。これも大事な仕事だぞ? なんせあの腸詰を挟んで食べるんだ。パンがうまくなきゃ大失敗だ。だからまずは味見をするのが大事なんだよ」
カワサキの言葉に孤児達に笑顔が広がっていく、あの荒んだ顔をしていた孤児達とは思えないほどの笑顔だ。
「本人は柄じゃないっていうけどカワサキはあれだね、人の上に立てる人間だよ」
「私もそう思う」
生きる為に必要不可欠な食、そこから初めて小さな輪を何倍にも大きくしてしまう。カワサキの人柄があってこそだが、カワサキには人を変える力があると思う。
「後、あんたカワサキと知り合いなんだろ? あの馬鹿に言っておいてくれ。冒険者ともめるなって」
ペニアに何があったのかと聞こうとするとカワサキが私に気付いたのか顔を上げて手を振ってきた。
「ん? よう、フェルズ。パンの香りにつられて来たか?」
「そんな所だ、それとお前の言っていた件だが、全面的に任せる。だがやりすぎるなよ?」
私の言葉にカワサキはにやりと笑い、思い出したようにポケットから何かを取り出して投げてきたので、それを反射的に掴むそれは宝石が嵌められた鮮やかな指輪だった。
「指輪?」
「維持する指輪(リング・オブ・サステナンス)つうもんだ。飲食や睡眠が不要になるが、1週間くらいつけてないと駄目なんだが……そこまでしなくても2時間ほどの睡眠で体力が回復するし、つけている間は疲労しにくくなる。疲れてそうだから持ってけ」
「ありがとう。それと冒険者ともめたらしいな、何があった?」
「ああ。別に大したことはない、俺のやってる事が偽善だの、もっと人の役に立つところでやれとかうるさいもんでな、叩きのめしただけだ」
なにやってるんだこいつと思わず天を仰いだ。ペニアが怒るのも納得だった。ローブの下から私のサインの入ったギルドのエンブレムを取り出す。
「これを掲げておけ、ギルド公認の証だ。何か問題があったらギルドナイトに通報しろ。自分で解決しようとするなよ」
維持する指輪の礼としては弱いが、カワサキの立ち位置を確立させるくらいには役立つ筈だとエンブレムをカワサキに無理矢理渡す。
「分かった分かった」
本当に分かっているのかと問いただしたかったが、いつまでもギルドを空けて行く訳には行かないのでペニアに何か問題があったら教えてくれと言って広場を出ようとすると孤児達が私に駆け寄ってきた。
「はい、どうぞー」
紙袋に入っているのは恐らく今焼きあがったばかりのパンだろう。
「私にくれるのか? お前達の分ではないのか?」
食べている孤児もいるのだから、お前達の分ではないのか? と尋ねると孤児達はにぱっと笑った。
「あるからだいじょーぶ!」
「あい! あげりゅ!」
自分達の分はあるから大丈夫だと笑う孤児達の姿にカワサキがどれだけ改革を始めているのかと衝撃を受けた。
「ありがとう。大事に食べるよ」
笑顔で手を振る孤児の頭を撫でて紙袋を手にギルドの執務室へと戻り、紙袋からパンを取り出して椅子に腰を下ろす。
「これをあの子達が……」
形はやや歪だが、しっかりとパンの形をしているし、こんがりと焼かれた腸詰が挟まれていて、見た目と香りで食欲が強く刺激される。
「あむ」
口を開けてパンに齧り付くと、噛み千切った腸詰から小気味良い音と共に肉汁が溢れ出し、その肉汁とパンの旨味が口の中一杯に広がる。
「……美味いな。うん、美味い」
決して贅沢な料理ではない、だが思わずしみじみと呟いてしまう美味さがあった。私に子はいないが、子供が親の為に不器用なりに一生懸命に作ってくれた料理と言うのはこんな味がするのだろうかと思わず考えてしまう。
「ウラノスにも分けるか」
パンは4個入っていたので、2個をウラノスに分けようと思い祈祷場へと向かう。
「愚者よ、カワサキからの返事は……」
「カワサキがダイダロス通りの孤児達に教えて作らせたパンだ。食べると良い、あとカワサキは了解と言っていた」
ウラノスの言葉を遮り紙袋を投げ渡しながら返事を返す。
「これを……孤児達が?」
「ああ。作っているのを見た。味も良い」
ウラノスも孤児達が作ったパンに齧りつき、小さく美味いと呟いた。
「……美味い、美味いな……心が揺さぶられるようだ」
「私もそう思う」
調味料がはみ出していたり、パンが少し破けていたりと、決して綺麗な仕上がりではない、それなのに心を揺さぶる何かがあるそれに私とウラノスは無言で齧り付いた。
「……7年も掛けてまだオラリオの復興は終わっていない」
「ああ、そうだな」
「……必ずオラリオを正常化させる。再び子供達が笑って過ごせるように」
「当たり前だ」
その味は私とウラノスに強い決意を齎す味なのだった……。
市場の前で1人の女性……いや、女神が足を止めた。
「あら? 今日は随分と市場が賑やかね?」
「デメテル様。ホームに早く戻るべきだと思います。フレイヤ様もご心配なされますよ?」
「オッタルは心配性ね。後少し寄り道するくらい良いと思わない?」
デメテルの護衛を勤めていたオッタルはデメテルの言葉に溜息を吐いた。
「俺が護衛を勤めている段階で注目を集めてしまうのです」
「それは分かってるわ。だけど貴方は別でしょう?」
ゼウスとヘラがオラリオを見捨てた原因であるロキとフレイヤに思うことはあるが、フレイヤは友人であり、そして見捨てるのも心苦しく私はまだフレイヤとの繋がりを大事にしていた。オッタルは襲撃事件に関与したが、最後に真っ向勝負を挑んだ事でロキファミリアの三首領より印象が良く、そしてレベルも上がっておりフレイヤファミリアの復興の立役者となっている存在だ。
「……分かりました。ですが少しだけですよ」
「ええ、それでかまわないわ。皆同じ袋を持ってるから気になるのよ」
市場から出てくる住人が皆同じ紙袋を持っている。同じ店で買っているというのは分かるのだが、市場を出てきた住民の殆どが目頭に涙を浮かべているのが気になったのだ。
「1つ20ヴァリスですよー」
「2つかってくれると35ヴァリス、3つで50ヴァリス、4つで60ですー」
市場の中で聞こえて来たのは子供の声、その声に歩く速度を早めると市場の一角、隅のほうでダイダロス通りの孤児達がパンを売っていた。
「2つ、いや3つ貰おうかな」
「まいど、50ヴァリスね」
「はい、どうぞー」
子供達の中に見慣れない黒髪、黒目の男が代金のやり取りをしていて、子供達が商品を渡している。
「見慣れない男ですね……」
「そうね、珍しいんじゃないかしら?」
黒髪はいるが、黒目となると珍しい。そんな事を考えながら私も列へと並ぶ、思ったよりも回転は早くすぐに私とオッタルの番が来た。
「いらっしゃい、何個にする?」
机の上に並べられているのは不恰好なパンに腸詰が挟まれ、調味料はパンからはみ出していたりと決して綺麗ではない、だがその不恰好さが子供が作った物だと暗に教えてくれる。
「これは子供達が?」
「ああ、俺が教えたんだ。盗みや人を傷つけたりしないようにな」
ダイダロス通りの孤児が盗みや、集団で老人を襲い物を奪うと言う話は私も聞いて心を痛めていた。だからこの男性の考えはとても素晴らしいと思った。
「それは素晴らしいわ、えっと…ある分だけ欲しいのだけど買占めは良くないわよね?」
「それは当たり前、お1人様4個まで」
「じゃあ4個貰うわ、お釣を頂戴ね?」
私から代金を受け取り、60ヴァリスだけとって私に返す男性に視線を向ける。
「何か?」
「貴方見ない顔だけど……何処から来たの?」
「旅をして、オラリオに店でも構えようかなと思ったんだけどな、まあそうも言ってられないんでね。このガキ共と怪我で冒険者を引退した連中にパンとかの作り方を教えてるのさ」
「パン職人なの?」
「いや、俺は料理人だ。事情があって名はない、カワサキとでも呼んでくれ」
事情があって名が無い……国を追放されたり、もしかしたら罪人……。
「おいおい、兄ちゃん。並んでおいて何も買わないのはマナー違反つうもんだぜ?」
「む、そうか、では1つ貰おう」
「20ヴァリスね。1個包んでくれるか?」
「はーい!」
子供がその指示に従っているのを見ると悪人には思えなかった。子供というのは純粋で人を見抜く眼力に長けているからだ。
「私はデメテルファミリアの主神デメテル」
「ほう、女神様かい? んでなにか?」
神を神とも思っていない、自然体というよりもこれは……。
(興味が無いかしら?)
興味が無いというよりも女神だとか人間だとか気にしない性質のようだ。
「食材とかに困ったら尋ねて来てくれると嬉しいわ」
私のファミリアのエンブレムの付いたカードを渡すとカワサキはそれを懐にしまった。
「なんか困ったら助けてもらうさ、んじゃ、次のお客さんの迷惑になるから掃けてくれ」
「ええ、分かってるわ。ごめんなさいね?」
後ろで待っていた男性に微笑み、オッタルと共に市場を出る前に1つパンを取り出して頬張った。
「……凄く優しい味ね」
「ええ、俺もそう思います」
パンは不恰好で売っているパンと比べれば汚いし、調味料もはみ出していて手で持つと指先が汚れるが……それでもとても温かくて優しい味だ。
「カワサキ……か、良い子がオラリオに来たみたいね」
ダイダロス通りの孤児達の暮らしが変わる切っ掛けになってくれたカワサキに感謝しながら、ホームへ向かって歩き出した。
カワサキが市場の責任者と話を付けて孤児達の働く場所が作られた。それは7年後にも変わらずそこにあり、オラリオの1つの名物となっていた。
「おはようございまーす」
「ん、ベル。今日も手伝いに来てくれた?」
「はい! まだダンジョン1本じゃ厳しいので」
「ダンジョンを諦めて飯を作れよ、ベル。そっちの方が稼ぎが良いぜ」
「ははは。冒険者になりたくてオラリオに来たので、どうするかはもう少し後で考えることにするよ」
そして孤児達の店は駆け出しの冒険者の働き場所も兼ねていて、オラリオに来たばかりのベル・クラネルもまたそこで汗を流しているのだった……。
下拵え 黄色い悪魔現る へ続く
デメテルとつながり、オッタルとエンカウント、孤児達、フェルズと再会と色々とイベントを今回は起してみました。デメテルとオッタルとのつながりは本編でも行きますし、ここでやっておくと後で話が続けやすいので、ここでやる事にしました。次回はクックマンモードのカワサキさんが大暴れするので、次回の更新もどうかよろしくお願いします。
オラリオにアインズ・ウール・ゴウンのメンバーがいるのは
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間違っている
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間違っていない