ダンジョンで料理人が有名なのは間違っていますか? 作:混沌の魔法使い
メニュー21 アストレアファミリアへの差し入れ
カワサキさんの炊き出しを食べる為にダイダロス通りに来た私はダイダロス通りから響いて来る歓声に首を傾げた。
「あれ? なんか何時もより騒がしいような……」
炊き出しが貰えると言う話は冒険者や、一般通りに住んでいる人にも広がっていて、一般市民もダイダロス通りにやって来て炊き出しを貰っているけど……そうだとしても騒がしすぎる気がする。何かあったのかもしれないと早足でダイダロス通りに踏み込んだ私は信じられない光景に言葉を失った。
「ほい、これで4回目。どうする? まだ続けるか?」
オッタルがカワサキさんの足元で大の字で転がっていたのだ。闇派閥の台頭の原因であるフレイヤファミリアには思う事はあるが……その中でもオッタルは積極的に闇派閥との戦いにも協力してくれているので少しは好意的に受けいれる事が出来る相手だ。それにダンジョンであったりすると道具とかも分けてくれるし、フレイヤファミリアの名誉挽回の立役者であり、レベル7の冒険者であるオッタルがカワサキさんに一蹴されていた……。
「当たり前だッ!」
立ち上がり拳を突き出すオッタルだが、カワサキさんは手を当てるだけでその拳を逸らし、懐にもぐり込み伸ばされた腕を掴むとオッタルを腰の上に乗せるように回転して腰を跳ね上げオッタルを投げ飛ばした。
「うっがあッ!?」
「おいおい、ちゃんと受身くらい取れよ」
オッタルが呻き声を上げながら石畳の上を跳ね、カワサキさんが地面を蹴って一気にオッタルとの距離を詰めると私の目でも辛うじて見えるほど速いパンチがオッタルの顔を左右に弾く。
「がっが!? くううっ!」
「上手い!」
ガードを固めて守りを固めるオッタルを見て周りから上手いという声が上がるが、カワサキさんは肩を竦めた。
「達磨みたいに守りを固めても無駄だぜ」
「なっ!? ごばっ!?」
寸分たがわずオッタルのガードの中心を撃ち抜き、それが3発叩き込まれ僅かにガードが開いた所に下からのカワサキさんの拳がオッタルの顎を打ち抜き、オッタルが地面から引っこ抜かれた。
「え? あ……うそッ!?」
カワサキさんは冒険者ではないので恩恵はないのに、オッタルを投げ飛ばした光景にも、恐ろしく早いその拳の連打にも思わず私は目を見開いた。
「やるな、カワサキさん。めちゃくちゃ強いじゃねえか」
「あちこち旅してたから腕に覚えはあるって言ってたけど……普通に冒険者でもやれるんじゃない?」
「か、カワサキさん達は何をしてるの?」
「なんか組手だとさ。なんでもカワサキさんはザルドとマキシムの事を知ってるらしいんだ」
「ええッ!? 嘘ッ!?」
ザルドとマキシムってあのゼウスファミリアの冒険者だ。そのザルドとマキシムをカワサキさんが知ってるって事には流石の私も驚いた。
「前から思っていたんだが、冒険者っつうのは随分と力任せだな?」
「なぜ……片手で……止められるッ!? 俺は全力だぞ……ッ」
オッタルの右拳を片手で平然と止めているカワサキさんにオッタルがそう問いかけるとカワサキさんは肩をすくめた。
「ほれ、脇閉めろ。左手を外に出すな、内に畳め、それと前傾すぎ、もっと正面向いて、ほれ、打って来い」
カワサキさんが手を広げて打って来いと言うと、オッタルは2~3回拳を繰り出す動きを繰り返してから短い気合と共に拳を突き出した。
「ほら、動いた」
「……何故だ?」
「体重移動と力の入れ方がへたくそなんだよ、お前ら冒険者つうのはさ。恩恵で力があるから細かい体重移動とかがへたくそなんだよ。だからインパクトの瞬間に軸がぶれるから力が分散するし、こうやって」
カワサキさんはそう言うとオッタルの腕を軽く払い、バランスを崩したオッタルの後ろに回って片手を背中においた。なんでもないようにしか見えないその動きでオッタルは完全に動きを封じ込まれていた。
「ええ……なんであんなこと出来るの?」
「信じられない」
仮にもレベル7の冒険者が恩恵もない料理人に片手で押さえ込まれている。その信じられない光景に目を擦るが、目の前の光景は変わらず目の前の光景が真実だと思い知らされた。
「……ぐ、ぐぐぐ……」
オッタルの後ろに回り、片手でオッタルを押さえているカワサキさん。その姿には力が入っているようには見えないのに、完全にオッタルを押さえ込んでいた。
「無理に動くなよ? 腕の骨が折れるぜ、降参か?」
「ぐぐぐ……こ、降参だ」
オッタルが降参と言うとカワサキさんは腕を放し、オッタルから距離を取った。
「力で言えば俺はお前の足元にも及ばんさ。だが戦いようによってはこうやってお前にも勝てるわけだ」
「……技術か」
「そう体術だ。お前ら冒険者はモンスターとの戦いには慣れてるが、それを前提にしすぎて人間との戦いや、技を磨くっていうのが甘いんだよな。特に恩恵で力が強いから、それに頼りがちになる。だから俺はそれを利用するんだ」
「理屈は分かるが……そんなに出来る物なのか?」
「合気道という相手の力を利用する武術だ。俺は達人って訳じゃないが、それでも力任せに攻撃してくるお前なら簡単に抑えれる。自分の流れが崩れた事でその流れを無理矢理戻そうと足掻けば当然隙だらけだからこうやって簡単にパンチを捻じ込める」
「なるほどな……勉強になる。もう1回良いか?」
「かまわんよ、後で手伝ってもらう事があるし、納得するまで付き合ってやるよ」
「感謝するッ!!」
カワサキさんとオッタルがまた組手を始めてしまって、とても近づける雰囲気ではなかった。
「え、今日炊き出し無しですか?」
「いや、あるよ。サンドイッチが用意されてるから好きに持って行けば良い」
「あ。そうですか……じゃあ私とお姉ちゃんの分貰っていきますね」
ペニアに好きな分だけ貰っていけば良いと言われて私とお姉ちゃんの分のサンドイッチを手に私はガネーシャファミリアへと戻った。
「どうしたの? アーディ。なんか元気ないようだけど」
「え、そうかなあ……あ、でも炊き出しは貰って来たから一緒に食べよう。お姉ちゃん」
お姉ちゃんに元気がないと言われても自覚症状は無く、私は机の上に貰ってきたサンドイッチを並べるのだが……。
(言われて見るとなんか元気が出ないような……?)
体調は万全の筈なのに、なんか元気が出ないのを自覚して。なんでだろうと首を傾げながら私はサンドイッチを頬張るのだった……。
(まさかアーディのこの反応はもしや……カワサキだったか、1度見ておく必要があるかも知れないな)
そして姉であるシャクティはアーディの反応を見て、カワサキに1度会いに行くことを決めていたりする……。
オッタルとの組手は正直組手とも言えない物だった。恩恵任せで技術も何もない力任せの攻撃は当たりさえすれば厄介だが、当たらなければどうということはないって奴だった。
(モンスター対策ってなるとそうなるのかねぇ)
モンスター相手ならば細かい一撃よりも大振りで重い一撃でモンスターを倒すっていうのは道理だとは思うが、対人戦闘や小柄なモンスターと戦うのはかなり厳しいのではないかと思う。
(ザルドとマキシムもそうだけどセラス達もそうだったしなあ……)
ある程度は戦えるだろうが……喧嘩殺法にある程度の護身術を修めている俺からすると稚拙で、対処しやすい攻撃になる。オラリオの情勢を考えるとモンスター向けの戦闘技術は確立しているが、人間相手の戦闘はそこまでで、武術とかも発達しなかったかもしれない。
「カワサキ、俺はいつまでこれを混ぜていれば良い?」
「俺が良いって言うまで」
「……分かった」
オッタルが泡たて器を手に何とも言えない表情を浮かべているが、組手にあれだけ付き合ってやったんだからちゃんと生クリームを泡立てて貰いたい物だ。恩恵のお蔭で休む事無く混ぜてくれているので、下手なハンドミキサーよりも凄いなと思いながらその間に生地の準備を始める。
(迷惑掛けてるしなぁ)
クックマンの姿で暴れている俺を警戒してアリーゼ達が昨日パトロールをしていたと聞いて申し訳無い事をしたと言う気持ちがあるので、アストレアファミリアに俺は差し入れする事を決めた。アストレアファミリアは女性ばかりらしいので、差し入れはスイーツが最適だと思った。丁度竃もあるし、その気になればこれである程度の菓子を作れる筈だ。
「よっと」
薄力粉をふるって、そこにバターと牛乳、そして水を加えてよく混ぜ合わせる。
「良し」
加熱しておいた竃の外れの方に入れて遠火で温め、1分ほど温めたら取り出して薄力粉を加えて再び混ぜ合わせるが、今度は練る感じで混ぜ、溶いておいた卵を少しずつ入れてよく混ぜたら絞り袋の中に入れる。
「良し、今度はこっちな」
「……まだ混ぜるのか?」
「悪いな、こっちも頼む」
少し嫌そうな顔をするオッタルに新しいボウルを渡して混ぜるように頼み、絞り袋に入れた生地をどんどん搾り出し、フォークを塗らして生地の上を軽く押さえる。
(上手く膨らんでくれると良いが……)
俺が今作ろうとしてるのはシュークリームなのだが、上手く膨らんでくれるかは正直ちょっと自信が無い。
「……行ける……か」
竃の中に手を入れて十分に温まっているのを確認してから俺は生地を竃の中へ入れる。
「良し、オッタルもう良いぞ」
「そうか……それで何を作ってるんだ?」
「甘い菓子だよ。多めに作るからお前も持って帰るか?」
「……良いのか?」
「ああ、手伝ってくれたからな。お礼としてこんなもんしか出せんが、持って行ってくれ」
オッタルが生クリームを混ぜてくれていたので俺も大分楽だった。お駄賃代りとして持って行ってくれと言うとオッタルは小さく頷いた。
「良い勉強になった。また今度組手を頼んでも良いだろうか?」
「別に構わんけど、俺はいつまでもオラリオにいるわけじゃないぞ?」
「そうなのか?」
「1ヶ月か、2ヶ月はいるつもりだが、ガキ共に教えてやりたい事もあるし、いつも付き合えるわけじゃないが、それでも良かったら尋ねて来てくれ。都合が合えば組手に付き合うさ」
ボロボロでもザルドとマキシムに挑んだオッタルは見込みがある。この組手の間でも恐ろしいほどに成長をしていたし……。
(ザルド達が気にするのも納得だ)
今のオラリオで唯一のレベル7で、本人も強くなることに貪欲と見込みがある男だ。少し肩入れしても良いかなって思えるくらいには好感が持てる相手だった。
「おっと、いかんいかんっと」
あんまり焼いてしまうと焦げてしまうので竃の中から生地を取り出すとしっかりと生地は膨らんでいた。
「よーしよし、上手く行った」
綺麗に焼きあがったシュー生地の中に生クリームと売り物のクリームパンを作るのに使ったカスタードクリームを詰めれば……。
「シュークリームの完成だ」
荒削りな部分はあるがちゃんとシュークリームは完成した、いくつかをお土産としてオッタルに持たせ、アリーゼ達に差し入れするシュークリームをバスケットの中に入れ、残った生クリームとカスタードクリームを1度片付けて出掛ける準備をする。
「お前達の分は帰ったら焼いてやるからな、良い子でお留守番してるんだぞ」
「「「はーい!」」」
キラキラとした目で俺を見ていた子供達が元気よく返事を返す声を聞いて、子供がいるのはこんな気持ちなのかねと思いながら俺はアストレアファミリアへ向かって歩き出すのだった……。
ここ数日夜の間に現れるモンスターについてアストレア様から信じられない言葉を告げられた。
「モンスターでは……ない? どういう事ですか、アストレア様」
モンスターではないと断言したアストレア様に私だけではなく、アリーゼや輝夜達もどういうことなのかと尋ねる。
「間違いなくモンスターではなく亜人らしいわ。これはウラノスが断言しているから間違いないわね」
「亜人……獣人ということですか?」
「違うわ、本当の意味の亜人。亜人はかつて人間と共にここオラリオで暮していた種族。貴重な魔道具や、魔法を使いこなすモンスターに似ているけどモンスターではない、人の知性と理性を持つモンスターの姿をした種族。それが本当の意味での亜人らしいわ」
モンスターに似ているがモンスターではなく、人として暮していた種族と聞いて私達は言葉を失った。
「ですが、亜人なんて見たことが無いですが」
「うん。そんな種族がいたのなら今もオラリオで暮しているんじゃないですか?」
私とライラの問いかけにアストレア様は悲しそうに目を伏せ、私達が信じたくない言葉を口にした。
「当時の神々は亜人をモンスターと決めつけ虐殺を行なったわ。そして亜人は絶滅し、亜人が集めていた道具を全て神々は奪い取ったらしいわ、私はその時の事を知らないけど……戦うつもりもなく、交渉を求めてた亜人を皆殺しにしたらしいわ」
「ではあの黄色い亜人は……」
「恐らく1000年前の虐殺から逃げ延びた生き残りの可能性が極めて高いとの事よ、ギルドからは可能ならば殺害ではなく捕獲を求めると、捕獲成功すれば報奨金が出るらしいけど……アリーゼ捕まえれそう?」
闇派閥や邪神に対する攻撃は苛烈だが、一般人に攻撃は加えていない。捕獲というのは分からなくもないですが……。
「無理じゃないかなと……」
「かなり厳しいかな」
「普通に無理だと思います」
「私も無理だと思います。恐ろしいほどに俊敏ですし」
中華鍋やお玉を駆使して滑ったり跳んだりするその動きは凄まじく、夜で視界が悪い事もあって捕獲はかなり難しいと思う、勿論捕獲だけではなく討伐も難しいと思う。それだけあの亜人は強敵である。
「そもそも逃げを打って戦うつもりが無いですし」
「うん、それに追い詰めても煙幕とかを使うし……」
「討伐も捕獲も難しいですね」
かつての神の罪の証……それを聞いてしまうと心情的にかなりやりにくくなってしまった。どうしたものかと悩んでいると扉が開く音がし、そちらに視線を向ける。
「誰だ!」
見たことのない黒髪の男がファミリアに侵入しているのを見て思わず席を立った。
「リュー待って! カワサキさん、どうしたんですか」
「よー!アリーゼ。差し入れ持って来たって言ったら門番が通してくれてな。昨日見回りで大変だったらしいじゃないか、これお菓子を作ってきたから食べてくれ」
机の上に袋を置くと踵を返して男は帰ってしまった。
「えっとアリーゼ。あれがそのダイダロス通りで炊き出しをしてるって言う……?」
「そう。カワサキさんよ、シチューとかサンドイッチとか色々と持たしてくれてる良い人よ。ね、ライラ」
「ああ、良い奴だよ。それに料理も美味いからきっとお菓子も美味いぞ」
ライラとアリーゼは袋からお菓子を取り出したのだが……。
「パンですかね?」
「見た目はパンだけど、ちょっと柔らかいわね。アストレア様もどうぞ」
「アリーゼ!?」
「大丈夫よ。あの人は毒とか入れるわけないし、リューも食べなさいよ」
「いえ、私は結構です」
「またこれだ、ポンコツエルフが。人の善意をどうして受け取ろうとしないんだ?」
輝夜にそう言われてもどうしても嫌悪感を感じてしまって口へ運ぶ事が出来ない。
「リューが食べたくないなら良いけど」
「いただきまーす!」
アリーゼとライラがカワサキが持って来たお菓子に齧りつくとその目が輝いた。
「甘ッ! んー美味しい♪」
「バベルの高級菓子より美味しいんじゃないかこれ……本当カワサキは何者だ?」
美味しい、甘いと笑う2人に思わず肩がぴくりと動いた。
「確かに甘くて美味しいけど……ちょっと馴染めないわね」
「余り輝夜はこっちの甘味に馴染みが無いからじゃないかしら? でも美味しいわね」
アストレア様も美味しいと食べて笑みを浮かべ、輝夜も渋い顔をしながらも美味しいと口にしているのを見て、興味が沸いた。
「もう1個貰おう」
「私も貰おうかしら」
「このポンコツエルフが食べないらしいから貰おうかな」
袋が目に見えて小さくなり、その中身がもう殆ど無くなっている。
「本当に良いの~? 甘くて美味しいわよ~」
「うぐ、うぐぐぐ……く、ください」
「はい、どうぞ」
甘い菓子の誘惑と皆の美味しいと言う声と笑顔に我慢出来ず、私はアリーゼが差し出してきたお菓子を受け取ったのだが……。
「あ、ああ……ッ」
持った時に力を入れすぎたのか中身が出て来てしまい、とっさに口で迎えに行った。
「……甘くて美味しい……」
口の中で溶ける白いクリームと黄色の風味の良いクリームの甘さが口の中一杯に広がった。
「……もぐ……美味しいです……」
「でしょー? 今度からリューもカワサキさんの炊き出し貰いなさいよ、あのクソ不味いスープより美味しいわよ?」
「確かに……前のシチューも美味しかったですし、このなんでしょう……この菓子も美味しいですわね、リューも気に入っているようですし……」
生地は甘くないが、白い奴の滑らかな甘さと黄色の風味の良い甘さと一緒に食べると実に丁度良い。
「美味しいです」
「うん、これ美味い。なんだ、あいつ普通にお菓子も作れるんだな……」
「美味しいわね~疲れた体に甘さが染み渡るわ~」
見たこともないお菓子に皆で美味しい、美味しいと舌鼓を打ち、疲れた身体に染み渡る甘さに笑みを浮かべた。
「アリーゼ。今度カワサキをファミリアに連れて来てくれるかしら?」
「ほへ? あむ……んぐんぐ……頼んでみますけど、どうしたんですか? アストレア様」
「ちょっと聞いてみたい事があってね。お願いね、アリーゼ」
やけに険しい顔をしてカワサキを呼んでくれと言うアストレア様になんだろうかと首を傾げながら私はシュークリームを頬張った。
だがカワサキがアストレアファミリアにやってくる前に、私達は衝撃的な光景を目の当たりにする事になる。
「ゆ、ゆるし……」
許してくれと懇願する殺帝ヴァレッタ・グレーデの言葉など聞こえないと言わんばかりにその顔面に拳を叩きつけ、女の命とも言える顔をぐしゃぐしゃにし、ポーションをぶちまけ襟首を掴んでカワサキは右手1本でヴァレッタを持ち上げた。
「許してくれだ? どの口で言ってやがる、このクソアマッ!!」
激昂と共にヴァレッタを地面に叩きつけ、生々しい肉の潰れる音に思わず耳を塞いだ。
「殺しはしねぇ、俺の流儀に反するからな。だが……死にたくなるほどの苦痛をてめえに与えてやる。てめえは俺を怒らせた、生まれた事を後悔しな」
滲み出る怒気と殺意に誰も動く事ができず、一方的に痛めつけられているヴァレッタをただ呆然と見つめる事しかできないのだった……。
下拵え 酒神襲撃 へ続く
ちょっと今後のフラグとして、最後に少しだけおまけしてみました。ヴァレッタがカワサキさんの逆鱗を踏み抜きます。いまだかつてないほどにぶちきれているカワサキさんが出て来る事になり、ここで原作の大きなブレイクの2つ目をやりたいと思います。どう考えてもヴァレッタのやり方はカワサキさんが受け入れる事が出来るものではないですし、孤児をかかわっているカワサキさんだから余計に切れるって感じに持って行こうと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします。
オラリオにアインズ・ウール・ゴウンのメンバーがいるのは
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間違っている
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間違っていない