ようこそハイスコア狙いの教室へ   作:茶漬生活

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5月01日(金)前編

天時不如地利 地利不如人和

 天の時は地の利に如かず、地の利は人の和に如かず。

 孟軻(B.C.372?-B.C.289?)


 

 終わる日常はーじまーるよー。

 

 ってかもう始まってるよ。

 はやくも入学から一か月が立ちました。

 つまり成績に反映されないテストもとっくに終わっています。

 

 原作通り最初の水泳の授業で三馬鹿主導の乳較べイベントなども企画されていたようですが、博士とちょっとお話しただけで潰すことが出来ました。女子の好感度ウマウマ。

 微増だし、三馬鹿グループからの好感度は下がりましたが。

 

 ちなみに博士に対して頭冷やしたり脅迫的なことはしていません。

 原作の混合合宿でもそうでしたが外村君は典型的なナードで、理詰めで説明するとちゃんと理解して改める程度には素直なんですよね。普通に説得できました。

 ただその後、妙に懐かれたらしく博士とそのオタ友の伊集院君の通称オタクグループが自然と形成されていました。ルイは友を呼ぶってやつだね。フランス王マドハンド説。ないな。

 

 気付いた点として、この二人に関しては元々ラノベや小説投稿サイトなどで読書量もそこそこあり、そこまで頭が悪いというわけでもなさそうです。

 放っておいても国語は割と取れますし、戦国転生物をいくつか紹介しておいたのでそのうち日本史もそこそこ行けるようになるでしょう。STAR WARSやマーベル劇場版、洋ドラなんかの字幕版を通じて英語も多少慣れてきましたし、既に仲間内以外では博士の語尾も改善されています。

 ……こいつらなんで原作では成績悪い方だったんでしょうか?

 

 まぁ「異世界転生したときに現代知識チートが出来るように備えろ」とかいうガバガバなこじつけで理系科目や体育にもやる気を出したのは流石に引きましたが……

 前言撤回。やっぱこいつらアホですわ。

 

 

 ついでに、この学校の抜け穴をいくつかご紹介します。まずは、持ち込み物品。

 最初に寮に持ち込む物品は無線ルーターや無線機などの通信回線関係を除き自由なので、割と大量にものを持ち込んでおります。おかげで部屋が狭い狭いですが。

 

 次にストリーミングサービス

 クレジットカードを登録して自動で引き落とされるストリーミングサービスなどは学校内から新たに支払いをするわけではないのでプライベートポイントの消費なしにサービスを受けられるというわけです。だから入学前にクレカを作る必要があったんですねえ!

 

 かなり狭い部屋ですが事前に持ち込んでいるプロジェクターで3人だけの上映会をやれば、交友関係の維持も簡単というわけです。

 すごーい!オタクグループはコスパがいいフレンズなんだね!二期を許すな。

 

 ネット関係なんてのは顕著ですね。

 流石に学外との連絡を遮断する目的でネット利用履歴の監視はされているようですが「未来を支えていく若者の育成」を目的に掲げている以上、ネット厳禁にはできないようです。原作でも佐倉なんてブログの更新すらやれていました。あれ大丈夫なんか……ひょっとして原作で前代未聞の0CPにしたのって佐倉のブログ投稿じゃないです?

 しかし違反者には事後に大きな処罰があるとはいっても尋常じゃないコストをつぎ込んだ国立機関の根幹にかかる部分を各生徒のモラルに任せてていいんスかねぇ?未成年に損害賠償請求したところで国(学校側)の過失が大としか見なされない気がします。それにアクセス時間でモールス通信とかデータじゃない部分でアナログな暗号通信されたらどうするんでしょう?

 

 なんだよ…この学校の秘密、ガバガバじゃねえかよ。

 

 次の年から入学前にSシステムの全貌が説明されるようになったのは月城とかホワイトルームの刺客とか関係なしに時代の流れだった気がします。

 

 ……というか構内ではプライベートポイントでアプリやネットサービス用のプリペイドカード・電子マネーも売っており、学校端末でアプリやソフトウェアを買ったり課金したりできるんですよね。たしかに作中でゲームやってる奴らがいました。無言ギルド限定とかでしょうか?こちらも結構な枚数を持ち込んでいるので必要なアプリを既に購入済みです。一部有効期限があるから半年以内に購入しとかなきゃ駄目ですね。

 本の方もクレカから電子書籍購入するよう代理人にお任せしてるので問題ないんですが特典付き限定版買えないのが残念です。

 

 まぁ入学前にクレジットカードを持ってる15歳なんて想定してないでしょうし、こっちも弁護士使ってカード審査をゴリ押しした面があります。ここらへんについては過渡期として学校の不手際と責めるのは酷ですね。

 

 多分高円寺も似たようなことをしているでしょうが。というか彼は既に高円寺コンツェルンに所属しているので福利厚生とか名目で企業所有のアカウントや社内向け独自サービスが使えてもおかしくありません。背景を持ってる人はやっぱ打てる手が多いですね。ある意味社会の真理ですが。

 

 

 

 

 

 ……神崎とか石上?石神?とかも金持ちの息子でしたね。

 

 

 家族カード使われたらどうするんだよ!対策しとけ馬鹿!

 やっぱガバガバじゃねえか。たまげたなぁ。

 

 

 

 閑話休題。

 

 

 

 他の交友関係については、桔梗ちゃんは普通に話しかけてくれていますが、軽井沢グループ、篠原グループとも没交渉でクラス全体からアンタッチャブルな扱いが継続中です。ほも君もオタクグループが結成されたあたりでこちらを気にしなくなったようです。ホモは薄情。

 特に叩き起こし事件に加えて乳較べ阻止が決定打になったのでしょう。三馬鹿グループとは大分険悪で博士と航には申し訳ないがオタクグループごと孤立気味です。

 

 どうして……どうして……

 二人は気にしておらず楽しそうなのが幸いといえば幸いですが。

 

 

 

 さて、英輔君の交友関係は置いておいて、5月1日金曜日。

 朝一で博士と航が相談してきましたが英輔君もポイントが振り込まれてないこと伝え、SHRを待つよう説得しておきました。「俺を信じて待て」とは言いましたが、ある意味今日で二人との関係が決まります。

 

 

 

 

 友人を試す……嫌な人間になったもんだ。

 

 

 

 チャイムが鳴ってポスターの筒を持った茶柱先生がやってきました。

 携帯と電卓を机の上に置いておきましょう。施設説明の時ほどではないですが険しい顔ですね。最近は諦めたように多少マシになってましたが、また一段と険しくなっているようです。アラサー独身なのも納得です。

 

「せんせー、ひょっとして生理でも止まりましたー?」

 

 学級崩壊のせいもあって池君は相変わらず空気を読まない子です。そこが彼の強いところでもあるわけですが今のは最悪です。情熱思想理念頭脳気品優雅さ勤勉さ!そして何よりもォ!デリカシーが足りない!

 

 センター分け君が妙な顔をしていますが内心を知ってると、不安定過ぎるこいつのメンタルが怖くなります。キャラがブレ過ぎてて一体どうなってるんでしょう?

 原作だと茶柱先生の脅迫あたりからどんどんマシーン化していくので、今月からは高円寺君と同じく最重要警戒対象に入れておいた方がいいでしょう。

 

「これより朝のホームルームを始める。が、その前に何か質問はあるか?はぁ。気になることがあるなら今聞いておいた方がいいぞ。」

 

「あの、今朝確認したらポイントが振り込まれてないんですけど、毎月1日に支給されるんじゃなかったんですか?今日ジュース買えなくて焦りましたよ。」

 

「本堂、前に説明しただろ、その通りだ、ポイントは毎月1日に振り込まれる。今月も問題なく振り込まれたことは確認されている。」

 

「え、でも……振り込まれてなかったよな?」

 

 さて名言タイムですかね。

 

「……はぁ。お前たちは本当に愚かな生徒たちだな。」

 

 原作の名シーン頂きましたー!っておや?怒りや悦びというよりは何か諦めのような色がありますねえ。クラスメイトも怪訝な表情をしています。一体何があったんでしょう。

 

「愚か?っすか?」

「座れ、本堂。今から説明する。」

 

「ポイントは振り込まれた。これは間違いない。このクラスだけ忘れられたということもない。わかるか?この意味が。」

 

「つまりDクラスには0ポイントが振り込まれたという意味だね。ティーチャー。」

 

 茶柱先生と本堂君の会話に金髪君が割り込みました。微妙に会話がズレてきてると思ってましたが……はぁ。一度違和感持ったなら高円寺はやっぱり気付きますよねえ。具体的には初日の茶柱遅刻。

 

『それからポイントは毎月1日に自動的に振り込まれることになっている。お前たち全員、平等に10万ポイントが既に支給されているはずだ。』

 

 録音から切り取った音声を再生しましょう。クラスの視線が集まります。

 

「グッドだね。ミスター。今の通りティーチャーは毎月10万ポイントなどと一言も言ってない。そういうことだろう?」

 

 というか、原作8巻での南雲との会話からしてお前最初っから気付いてましたよね?

 

『ポイントの支給額が多いことに驚いたか?この学校は実力で生徒を測る。入学を果たしたお前たちには、それだけの価値と可能性がある。そのことに対する評価みたいなものだ。』

 

 再度、切り取り音声を再生したところ、博士・航・平田・幸村・本堂・南節也・牧田・堀北・桔梗・長谷部・松下・王・西村・東・石倉・市橋・佐倉は真っ青になっています。あと分かりにくいですがおそらく三宅も理解してますね。

 

「半分近くは既に理解したようだな。……録音・編集までしているとは周到なことだ。今の通り入学式の日に直接説明したはずだ。この学校は実力で生徒を測ると。そして現在、お前たちは0という評価を受けている。そういうことだ。これを見れば一目瞭然だろう。」

 

 手にしていた筒から白い厚手の紙を取り出し、広げた。それを黒板に磁石で止める。3名の例外を除きみんな呆然とその紙を眺めています。なんか言えよ。

 

「ははははは、なるほど。そういうことだねミスター。理解できたよ、この謎解きはね。」

 

「これは……各クラスの成績、ということ?」

 

 例外側の高円寺が笑い、呆然側の堀北は呟く。

 

 

 

      Aクラス   940 CP

      Bクラス  1997 CP

      Cクラス   490 CP

      Dクラス     0 CP

 

 

 

『仮にポイントを使う必要が無いと思った者は誰かに譲渡しても構わない。』

 




次回はBクラス視点です。

原作0巻って読んでますか?

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