ようこそハイスコア狙いの教室へ 作:茶漬生活
“他の者が、汗水流して苦労している時に…
それを高みの見物。あげくに愉快な歌まで歌いだす。
それが、F・O・U
藤田和日郎(1964-)“からくりサーカス”
1年・2年・3年の仁義なき戦い、はーじまーらぬー。
本日14日木曜日。お察しの通り混合合宿に向かうバスの中です。
茶柱先生の説明はほぼ原作通りですね。全員既に知ってますけど。
原作8巻の描写で南雲がこのバス移動中に石倉先輩に2000万ポイントを渡しているとされていることから、間違いなく3年B組は事前にこのルールを知っています。
そして、グループ分けでの協力方針が事前に決まっていなければ橘先輩を狙い撃ちなんて出来るわけがないので3年Cクラス、Dクラスも事前に知っているということ。
桐山副会長や南雲シンパが居る2年の他クラスも同様でしょう。
生徒会経験者で過去の例を知っている上に、生徒会長かどうかに関わらず特別試験委員と繋がりを持っている3年Aクラスも同様。
つまり、このバス移動の間という時間制限付きのルール説明自体が既に茶番ですね。
原作では1年だけが蚊帳の外に置かれていたというわけです。
生徒会とかいう存在自体が公平性の敵はさぁ……
ちなみに龍園副会長の働きかけとパパ柳の尽力により、原作との違い(推測)が一点あります。
なにが違うんだとお思いでしょうが、その説明をする前に原作の状況を理解する必要がある。少し長くなるぞ。
なんて語録を使いましたがいつものアレいきましょう。
ちょっとだけ私の出す問題を真剣に聞いて、答えを考えてみてください。
問い1・混合合宿で原作Aクラス男子は何CP稼いだでしょうか。
男子は1位と2位以外順位未確定なんだしそんなの分かるわけないだろとお思いかもしれませんが、これ実ははっきり分かるんですよ。
葛城が責任者のグループはAクラス14人でCクラスの山内を入れて15人グループ(1.5倍)、2クラス編成(1倍)で一人当たりの獲得ポイントは1.5倍。
葛城達は1位になった兄北と組んだので1位報酬の3CPにこれをかけて4.5CP。
そして、責任者の葛城がAクラスなので四捨五入後に2倍されて1人10CP、それが14人で140CPです。
2倍してから四捨五入じゃないのかとツッコミが入るかもしれませんが、原作茶柱の例示した1位3CP×グループ人数1.5倍×編成3倍×責任者クラス2倍×12人で336ポイントという数字になるためには、原作説明の通り編成3倍の後に四捨五入してから2倍なんです。
ちなみに、この計算方法は、グループ上限が15人と14人の場合では四捨五入の関係で得られるポイントが大きく変わる形になっています。
「15人上限」だと最大効率の1位なら3CP×3×1.5を四捨五入してから倍なので1人28CP、2位でも1人10CP。従って20人クラスが取り得る最高CPは1位12人の336CP、2位8人の80CPで合わせて
「14人上限」だと1位でも1人26CP、2位だと1人8CP。1位が11人で286CP、2位が9人で72CPの
「13人上限」だと1位でも1人24CP、2位だと1人8CP。1位が10人で240CP、2位が10人で80CPの
15人グループを作れる1学年80人揃っているかどうかが非常に重要となる、上手い計算方法だと思います。
時期自体はふざけんなとしか言えませんが。
共通テストどうこう以前の問題として12月に東京に雪が降ったんですが……ジャージで1週間冬山生活とかマジ勘弁。寒いんだよ!
話を戻すと、南雲と組んで2位につけた幸村グループは4クラス編成で3倍、10人で1倍なので同様に計算して1人3CPで、責任者倍率はなしで橋本と戸塚の2名なので6CP。そして他のグループは順位が不明ですがAクラスは全て1人ずつです。
つまり0CPの3位・4位が2人、-3CPの5位が1人、-5CPの6位が1人なのでAクラス男子は合計で「
責任者になった葛城とリーダーの的場の功績ですね。
問い2・混合合宿女子の部で原作Aクラス女子が取り得る最低点は何点でしょうか。
これは簡単ですね。マイナス点を取る5位(-3CP)と6位(-5CP)の人数を多くすればいいのですから6位が14人、5位が6人になる-88CPが理論上の最低値です。
ただ、実際は坂柳グループがAクラス9人のグループを組んで、椎名グループにも3人Aクラスが居るので坂柳グループが6位(-5CP)で9人、5位(-3CP)に残りを全て詰め込んで8人、椎名グループが3位か4位の「
ペナルティ扱いの4位以下にはボーナス倍率は適用されませんので普通にやってればどう頑張ってもこれ以下の点は取れません。
……何を言いたいのか察した方もいるのではないでしょうか?
では最後の質問です。
問い3・原作Aクラスは混合合宿で何点を得たでしょうか。
これは明示されていませんが体育祭後の874CPにペーパーシャッフルでの100CPを加えた974CPと、11巻選抜試験後の暫定CP(1119CP)から坂柳クラスが選抜試験で得た130CPを引いた11月頭の1001CPとの差で求められます。
男子の138CPと女子の稼ぎを合わせて「
……つまり坂柳率いる原作Aクラス女子は理論上最低値-69CPを42CPも下回る「
「ありえない」なんて事はありえないってグリードさんも言ってましたね。
原因を探りましょう。
なぜAクラス女子が理論上最低値の底を抜いたのか? 戦犯は誰か?
一人いますよね。明らかにおかしい人間が。
坂柳って『駅伝』『禅』『掃除』をどうクリアしたんです?
介護要員を8人も連れてAクラス9人のグループを形成していましたが、山内に突き飛ばされてから立ち上がるまでの描写からして、彼女が参加していたなら駅伝は全員巻き添えにしてぶっちぎりの最下位確定。
脚が不自由ですから座禅も組めないですし、朝の6時起床から朝7時朝食までの1時間で着替え・洗面・点呼・座禅・清掃がある詰込みスケジュールから考えるに清掃時間は10分から15分程度の超短時間。
時間があるならともかくこの短時間では彼女にやれるのはテーブル拭きぐらい……
調子を落とした橘パイセンなんて目じゃないレベルで坂柳のいる大グループが最下位でしょう。
歩行に杖が必要どころか壁を使わないと立つのも難しいようなら本人のためにも周りのためにも車椅子使った方がいいと思うんですが彼女のプライドなのでしょうか? それとも同情を引くためにワザとモタついた?
原作山内のどんくさい発言は言い方とタイミングに問題がありますが、かなり正論です。
これで退学に追い込むとか原作坂柳は胸や身長だけじゃなく器もちっちぇえな。
キャラとしてはそこがかわいいポイントですし、周りを見ていない山内が10割悪いのは間違いありませんが。
スピーチや道徳筆記試験――後者も原作坂柳が高得点取れるか疑問ですが―――、食事準備などでいくら稼ごうと確実に2年・3年基準で設定されるボーダーラインを下回りますから、坂柳小グループの責任者が退学のはずです。
ですが原作はそうなっていません。
つまり原作坂柳はペナルティとしてCPを支払って自分が駅伝や座禅、清掃に参加しないですむようにしたと推理できます。
話を原作から戻すと有栖ちゃんが所属する真嶋クラスはCPの支払いを認めないでしょうから、責任者を押し付けられるのが確実な有栖ちゃんはボッシュートが確定しています。
そんなワケで2000万PP&400CPを払いたくない連合と、愛娘の確定退学を回避したいパパ柳の利害の一致により、有栖ちゃんは一部の試験(大部分でないとは言っていない)をノーペナルティでパスにしてもらいました。
これで初めて彼女の小グループがボーダーを割らない目が出てきます。
一応、無人島試験や船上試験、体育祭で不参加は報酬を得られないだけという前例がありますしね。龍園副会長は実にいい仕事をしてくれました。
お留守番させた方がよかったんじゃないかって考えもありますが、参加者が80人を割ると女子が「14人上限」になり報酬が100CP近く減ってしまうのと、旧坂柳派閥にはやってもらいたいことがあるので参加してもらうことにしました。
そして、折角なのでここで、もう少し原作Aクラスの分析を続けましょう。
以前述べた原作坂柳の実力に疑義を呈する根拠で最大のものになります。
原作第1巻。生活態度減点&中間テスト。
以前考察した通り、推定坂柳のおかげで4月は60CPに抑えられ、その後の5・6月も試験と中間試験で最低100CP入ることを考えれば、追加報酬との差し引きで-36CPで抑えきっています。
3月減点結果の一之瀬クラスとの比較からしてほぼ間違いなく事前に知っていたからだと思いますが、これは相当大きな坂柳の成果ですね。
原作第3巻。無人島試験。
綾小路と龍園にリーダーがバレる、龍園に契約で嵌められてDクラスのリーダーを外すという失態を犯して120CPで全クラス中3位。
更に龍園との契約で200CP相当のPP支払いがあるため、実質-80CP分のマイナスで終わっています。これが葛城の失態としてカウントされていますね。
一方で、坂柳は不参加で-30CPのペナルティを与えた上、配下を使って龍園にリーダー戸塚を漏らして-50CP、合計-80CPの損害を与えています。
つまり、坂柳が下手なことをせず普通に参加していれば、合計200CPで終わっており、龍園との契約を差し引いても実質0CPで終われていたわけですね。
坂柳がやり過ぎだとは思いますが、これでも成果としては微妙であることは間違いありません。
この時点では葛城より龍園や綾小路・一之瀬が一段上だったということですね。
他クラスに対抗するには葛城じゃ力不足と思われても仕方ないでしょう。
原作第4巻。船上試験。
ご存じの通り龍園に3グループ全ての優待者を当てられ、葛城派の町田か坂柳派の森重による回答ミスを合わせて-200CPの大敗北。
この試験における原作で坂柳の関与は不明ですが、ほぼ葛城の敗北と考えていいでしょう。
150CPは純粋に龍園に、50CPは綾小路にしてやられたので相手が悪すぎたという意味で彼の失態と言うのはかわいそうな気がしますが、リーダー交代は仕方ないでしょうね。
原作第5巻。リーダー交代後の体育祭。
坂柳は欠席で葛城に全てを任せた結果Aクラスは学年3位。赤組自体は勝利したためそちらのペナルティはありませんでしたが差し引きで-50CPという結果に終わりました。
4位のDクラスは自壊したようなものなので実質ビリと言ってもいい形ですね。
しかしこれは葛城だけの失態でしょうか?
坂柳の欠席により個人競技・全員参加の団体競技の頭数が少なくなっているというハンデを負っている上、坂柳は描写を見る限り、綾小路にちょっかいをかけているだけで何もしていません。
当日参加できないからこそ、事前の情報収集などで働くことはできたでしょうに……
全て葛城に任せたというのがブラフで、実は裏で動いた上でこの結果ならもっと不味いですが。
原作第6巻。ペーパーシャッフル。
坂柳はここで働かないと完全に置物になってしまうため、間違いなく坂柳がリーダーシップを取って問題作成などを行ったはずですが、原作7巻の一之瀬と坂柳の発言によればAクラスとBクラスは総合点で「あと2点差」。超僅差で結果が分かれています。
5月頭にAクラスはBクラスより優秀だと説明を受けたAクラスから見れば、恐ろしいほど詰め寄られていますね。
Aクラスの生徒からすれば学力が下がった、あるいは作成した問題の難易度がBクラスに及ばなかったと受け取ったことでしょう。
つまり坂柳の失策をクラス全員でカバーした辛勝ですね。
そして原作第8巻。混合合宿。
葛城が責任者、的場がリーダーとなった男子は140CP。
橋本も戸塚の指摘に対して「あれは的場の方針だ」と答えていますし的場の功績ですね。
そして船上試験竜グループを見て分かる通り的場は元葛城派の人間です。
一方で、坂柳がリーダーとなった女子は-111CP。
橋本の台詞が嘘で的場の成果が坂柳の指示によるものであったとしても、女子の成果が男子の上げた功績を台無しにしています。
……何が言いたいか分かりますよね。
この通り、実は坂柳体制になっても結果を出せていないどころか、坂柳は大きく足を引っ張っており、成果で旧葛城派に大きく劣っています。
葛城の失態を見て転向した旧葛城派はともかく、無人島試験での裏工作を知っている旧坂柳派からしたら「葛城体制の方がマシだったんじゃないか?」と思い始めた頃でしょう。
感情的なものもあったんでしょうが、実は戸塚が一番正しい状況判断をしていたというオチですね。
次に大敗北があれば坂柳体制は崩壊必死な状況です。
目端の利く橋本などは混合合宿の結果が出る前から、龍園や綾小路と言った新たな強者を探り始めていますね。
原作第9巻。
2月7日(月)に山内を呼び出し、その後、
ついでに言えば、以前語った通り、2月10日(木)25時過ぎに綾小路が
2年生編4.5巻で星之宮が「結構前に一度学校で見かけた気がする」と言っているので別の日にも来ていたかもしれませんね。
そして、七瀬が高育に入学することになったのは首を括った栄一郎を発見した
そうでなければ七瀬の代わりに誰かが通知済みの合格を取り消されたことになりますからね。
更に、石上はパパ柳体制に戻った2年目の体育祭でも2年寮で引き籠っている綾小路・坂柳のところに特別警備を潜り抜けて乗り込んできています。
綾小路と坂柳以外は体育祭に出ているはずなので2年生の誰かに入れてもらうということも不可能ですから、パパ柳と石上は明白に繋がっています。
話を風説流布に戻すと、坂柳本人の言によれば山内誘惑は綾小路を勝負に引っ張り出したくてやった行動であったとされており、月城が着任する前の話なので、この行動はクラス内投票を見据えたものではありません。*1
坂柳自身も「次の特別試験の順位で勝負する」という約束をしているので、クラス内投票や選抜試験の内容を読んでいたわけではなく、綾小路との場を整え、あわよくば山内を退学に追い込むために使う予定だったんでしょう。
父親と同様に人を操り嵌める才能には溢れている子ですね。
しかし、この行動は坂柳クラスの生徒、特に坂柳派からはどう見えたでしょうか?
客観的に評価すれば、これは立場が揺らいでいた坂柳自身の立場を固めるためにBクラスとDクラスを攻めた行動と映ったことでしょう。
坂柳には綾小路と山内に首ったけでその二人しか見えていませんが……地頭は良いのに視野の狭さがとことん残念な子です。
結果として一之瀬クラスの調子を下げ、学年末試験の成績を落とし、綾小路との勝負の約束を取り付けることに成功しましたが、
この件をきっかけにして坂柳は「善人がいる」ということを認識し、2年生編2巻で一之瀬クラスと協力体制を組むなど成長のきっかけになっているので、坂柳本人にとってはいい影響があったのだと思います。
ですがこの結果はクラスメイトにはどう映っていたでしょうか?
学年中のヘイトを買ったことと引き換えで得たものは学年末試験で一之瀬クラスが調子を落としただけ。
この試験でクラスポイントは増えないので、他クラスを落とす暇があれば自クラスで勉強会を開いてほしかったところでしょう。
もっと言えば、一之瀬がお人好しっぷりを発揮したためお咎めなしで終わりましたが、訴えを起こされていればAクラスはペナルティを受け、坂柳体制は完全崩壊していたでしょうね。地雷原や薄氷の上でタップダンスを踊っています。
そして、原作第10巻。クラス内投票。
3月2日(火)にクラス内投票が捻じ込まれたことを通知されルール説明を受けます。
そしてその翌日、3月3日(水)の16時10分頃。1階の玄関前で綾小路は坂柳に捕まり、「先日父の停職が決まった」という事実と、クラス内投票は綾小路を退学させるためではないかという推測を聞かされ、「特別試験での勝負」は延期になります。
クーデターの結果にしては随分急な話ですよね。
3月6日(土)クラス内投票の後、坂柳と月城が話し込んでいるところに月城が現れ「
11巻の冒頭で「2月某日」つまり2月の時点で理事長代行として着任しており職員室で真嶋たちとクラス内投票の制度について話し合っていますからこれは月城の「嘘」ですね。
原作0巻や2年生編で明かされるパパ小路の狙いや、パパ柳・月城の意図からして、綾小路を退学させるつもりが一切ないにも関わらず行われたこの試験。
そして、担任達の反対を受けて、綾小路を退学させるつもりがあったなら絶対に譲ってはいけないルール変更を受け入れて導入されたプロテクトポイント。
月城はパパ小路の部下としては一貫性のない実に不思議な動きをしていますね?
この試験において坂柳は、葛城と龍園を退学させて契約破棄、実質150CP増で完全に体制を固めるチャンスを得ました。
葛城を退学させるという坂柳の方針にも後ろめたさはありつつもクラスは従うでしょう。
結果として戸塚の方を退学させましたが、坂柳はプロテクトポイントを獲得し、Aクラスは息を吹き返しそうになっている最後の葛城派である戸塚を粛清することができました。
クラスメイトも葛城を切るよりは戸塚を切ることになって一安心、しかし龍園との契約が残って残念の二律背反といった所でしょうか?
クラスメイト達も裏切った後ろめたさから再度、葛城につくことは簡単ではないでしょう。
正直、坂柳はともかく坂柳クラスとして、戸塚は一番切っちゃいけない生徒だった気がしますが……2年生編で葛城がいなくなっちゃいましたし。
ちなみに、月城の肩書は2月某日時点(11巻)で理事長代行、3月6日の初登場時点(10巻)で理事代行、選抜試験(11巻)で理事長代行、2年生編から理事長代理と激しく変遷していますが、おそらく表記ゆれで理事長代理でしょう――――ところで不思議だと思いませんか?
本人の意思に関係なく成立する「代理」・「代行」ってなによ?
11巻で月城が語っている通り高育は「国立」なので設置法が存在しており、「代理」や「代行」は民間企業でたまに見かける「課長代理」「課長代行」のような役職と違って法律上の用語通りです。
「理事長代理」は「理事長」から委任を受けて「代理」の判断で意思決定を含めた業務を行う者、「理事長代行」は「理事長」の決定に従って「代行」自身の意思決定なしに業務を行う者のことなので「月城理事長代理」は明確に「坂柳理事長」の意を受けた存在ですね。
そして「国立機関」は「国の機関」ではありません。
つまり独立行政法人(国立研究開発法人)や国立大学法人のような「国立法人」の形ですね。
国とは別の法人の人事を政府が好き勝手にできるわけねーだろ!
ロシアや中国・北朝鮮・旧東ドイツですら不可能だったのに……
ある意味一番厳しい形になっている国営放送が国の言いなりに見えますかね?
あれも両院の同意を得て総理大臣が経営委員を任命するだけで、委員長は委員の互選です。
国立機関の長が「理事長」になっているのは高専機構のように主に独法・研発ですが、国立法人の
真嶋に「着任間もない」と言われた
そして理事長や理事に掛かる人事の「承認」だけは所管大臣*2のお仕事ですが、「理事」や「あらかじめ定められた役員」の指名は「理事長」の権限です。これは国立大学法人の「学長」や「副学長」の人事も同様ですね。
0巻の内容からして承認自体も特命担当大臣案件の気はしましたが、どうやら文科大臣案件のようです。
月城がパパ柳の意思に反して理事長代理になるためには『パパ柳の不正発覚→理事長代理がパパ柳の解任・新理事長選定・月城を筆頭理事に選んで申請→大臣が承認→新理事長が業務を遂行できなくなる→月城が理事長代理に着任』というプロセスが必要で、月城からパパ柳に戻るときも同じように、『月城か新理事長が新理事長の解任・パパ柳を理事長に再選定し大臣に申請→大臣が承認』というプロセスが必要です。
元から任命権者の大臣や元々の筆頭理事がパパ小路に懐柔されていなければあり得ないですし、その場合復職があり得ませんね。
実際、パパ柳は解任でなく停職で済んでいますし、生まれも能も職もないパパ小路にそんな権力はありません。というか―――
―――となるような力関係があったなら息子を25歳で総理にするなんて頭の悪いトリップをキメるまでもなくパパ小路は既に国のトップです。
つまりパパ柳が停職になる前に、
11巻での真嶋の発言によれば月城は突然外部から着任した人間なんですが、なんでそんな部外者がいきなり重用されたんでしょうねぇ?
綾小路や坂柳は知識不足で気付いていないようですが、新「理事長」ではなく「理事長代理」という役職からして「月城はパパ柳の腹心」だとこれ以上なく、はっきりと示されています。
そもそも月城の言う通り理事長が政府の言いなりなら、なんで祖父柳・パパ柳と理事長世襲してるんだよと言う話ですし、実態は真逆で政府がパパ柳の言いなりですね。
原作2巻で綾小路が「開校して約10年」と語っていますが0巻、綾小路入学の20年前の時点で「まだ大きな成果を上げていない」という描写があり、直江と鴨川・パパ小路が卒業生の成果を前提として語っているので実際には開校から最低24年は経っています。
ここでは今年で30年目ですね……20年前で若手議員のはずの鬼島がそこから更に10年以上も前―――新人議員の頃に主体となって国立法人の立ち上げなんてデカい法案と東京のド真ん中の土地の買い上げなんて頭の中身か違法薬物使用歴を疑われそうな予算を通せた―――朧気ながら数字が浮かび上がってくるタイプの世襲議員でもこんな強権振るえねーよ!
明らかに鬼島には巨大な背景があったことを示しています。
あるいは常識改変・催眠能力の使い手か――――ないですね。
そんなものがある世界ならホワイトルームの最高傑作程度では1000年かけても総理大臣なんて夢のまた夢――――パパ小路って薬キメてません?
ヤクザの繋がりとか、変なトリップしてたり、貧乏人生活してるのにも説明が行ってしまうのが怖い……
話を戻すとパパ柳と綾小路の電話でも最初パパ柳は「月城は部下だ」という設定で月城を庇う会話をしていますが、会話内容から綾小路が「代理」の意味を理解していないと気付いた瞬間に設定と態度を切り替えています。
綾小路も所詮社会経験0の子供ですし、子供を騙すなんてパパ柳にとっては赤子の手を捻るようなものでしょう。
――――とは言っても知ってる人は高校生でも知ってる程度の基本的な知識ですし、文系にも強い堀北か幸村あたりに相談していたら直ぐに黒幕を教えてもらえたでしょうね。
契約書はちゃんと読む龍園や葛城あたりでも気付いたかもしれません。
現文・現社・政経に弱いのは作中で何度か出てくる綾小路の明確な弱点の一つです。
読書傾向も古典に片足突っ込んでるものに偏ってる割に「車輪の下」では自殺を除外してしまうレベルの読解能力です。
確かに「ハンスがどうして川に落ちたのか知る者は誰もいなかった」と書いてはいますが候補の
「罪と罰」に至っては通り一遍の概要の後に「あれおもしろいんだよな」で締めくくるレベルです。小学校の読書感想文じゃないんだからさぁ……
「罪と罰」読んだならロージャとソーニャの関係に萌えるとか、娘に客とらせた金で自虐しながら酒啜ってるマルメラードフに「呑んどる場合かーーッ!」とツッコミ入れるとか、ポルフィーリィの「勘に頼って証拠ゼロ!」な取り調べとか、ラズミーヒンの陰キャへの気遣いとか、ラスコーリニコフは「信念の割にお前はその様かよ!信念じゃなくて借金で首が回らなくなったクズの自己正当化じゃねーか!」とか、スヴィドリガイロフは「ドゥーニャに色目使ってないでマルファを愛し続けろや!」とか色々あるだろうがよぉ!
……いや近代ロシア文学に出てくるロシア人男性って8割がそんな感じのロクデナシですけども。フィクションに見えないミジメさが胸に迫る!……最後のは拳銃自殺したあたり、別の感情も見えますが。
堀北と本について話しても感想合わなかったでしょうね……堀北も堀北で「罪と罰」が高尚だと言わんばかりの発言からして、おもしろいかどうかじゃなくて知識として読んでる気がしますが。中二病あるある……古傷が疼く。
ちなみに「罪と罰」の「罪」は
ミステリーについては椎名と色々話が合ってたみたいですから、文学作品より娯楽作品の方が綾小路の嗜好に合ってるんでしょうね。メイド文化にも適応の速度が異常でしたし……
まぁ、ホワイトルームで一番法律に詳しいはずのパパ小路がパッパラパーで他の人材も鈴懸以外は専門分野から追放された産廃揃いなので綾小路が知らなくても仕方ないです。教わっていないんですから。
専門家を呼んで教育させるなど、パパ小路が要らないことに気付きそうな案件は鴨川が止めたでしょうし……坂柳が気付かない方は擁護できませんが。
よう実の正式タイトルって「停職処分を受けた面の皮9999の理事長、暗殺者の飼い主として権力チートで子供相手に黒幕無双する」でしたっけ……?
パパ小路はハンスの父親のように自分と違って出来のいい息子を鞭打って社会性を剥奪した上で勉強に駆り立てていますが、綾小路はちょっと出来がいいだけの唯の子供です。綾小路ではなくパパ小路こそ「車輪の下」を読むべきでしたね。
パパ柳の方は正直、人間と認めたくねぇな。
話を戻して原作第11巻。学年末特別試験として行われた選抜試験。
綾小路を引っ張り出した坂柳は3勝4敗で負けて-30CPとなりプロテクトポイントも失う所であったものを、月城の介入によって+130CPという大戦果を得て、持ち直しました。
ある意味で坂柳が上げた初の戦果ですね。
「クラス内投票での選択は正しかったのか?」と不安になっていたAクラスのメンバーも胸を撫で下ろしたことでしょう。
まぁ相手がモブ扱いされている綾小路なので、事情を知っているであろう神室や山村、綾小路の真の実力を疑っている橋本以外の目には辛勝に映ったと思いますが。
2年生編第1巻。2年に入ってのペア筆記試験。
3月から生活態度減点が再開されたことと、龍園クラスのCP増に衝撃を受けたでしょうが、OAAはそれまでのテスト結果などを反映するため、直近の試験、つまり学力評価には学年末試験までの結果が反映されます。
「もう何となく分かるだろう。今回の試験、学力の評価が高い生徒から順に売れていく」
ここで坂柳が学年末試験で一之瀬クラスの調子を落としていたことに大きな意味が出てきます。
茶柱の言葉や綾小路の推察通りOAAを参照してペアを探す1年生の判断にもAクラスを選ぶバイアスがかかり、Aクラスは見事1位。50CPを獲得しました。
これを読んで一之瀬の風評を流していたのなら坂柳の予見能力は大したものです。
これだけの実力があるならAクラスも妥当ですね。Aクラス生徒は坂柳を疑うことはなくなったでしょう。すごーい!天才!かわいい!
……南雲が導入したOAAはともかく、ペア筆記試験は月城が導入した初の試みなのであり得ないですが。
もうわかりますよね。
高育の基本、4年サイクル通りのある程度公正な特別試験は実施されている期間中、坂柳は失策を繰り返して失脚寸前に陥り、月城が着任して前例のない特別試験を導入し始めてから
坂柳の立場の導関数を求めたら不連続点が見えそうです。
自分達のクラスに都合のいい試験が続いていることに坂柳や真嶋は気付いてもおかしくないですが、クラス内投票がミスディレクションになっているようですね。
更に言えば、OAAは運動能力皆無の坂柳は学年ワースト2の
月城は政敵のはずのパパ柳の娘にやたら甘いですね。実に分かりやすい対応です。
ちなみに石上も同じく身体能力評価25ですが、ひょっとしてこいつも同じ扱いだったりしますかね?
ついでに月城が来なかった場合、どうなったかを考えてみましょうか。
クラス内投票がないままの選抜試験になりますよね。
これまでクラス内投票をクソゲーと評してきましたが、プロテクトポイントがなければ2名が退学になる選抜試験も相当なクソゲーです。
この世界は年末じゃなく年度末に魔物が住んでいるようです……
選抜試験については、試験自体ではなく、大掛かりな機械を持ち込んだことの方が異例と評されているので、この選抜試験自体は定例通りのものです。
つまりクラス内投票なんてやらなくてもどの道、
そして、坂柳は綾小路と次の特別試験で勝負する約束をしています。
順位で決めると言っていますが、学年末試験は1対1×2組の戦いなので坂柳は堀北クラスを相手に選び、山内を使って綾小路を引っ張り出したでしょう。
そして、
月城が着任しない場合、学年初の退学者は確実に
おそらく龍園が勝つでしょうから退学者は坂柳と一之瀬ですね。
一之瀬の方はクラスメイトが上級生に借金をしてでも2000万PPをかき集めて回避したかもしれませんが、坂柳の方はそれまでの戦歴からして誰も助けないでしょう。
本来、坂柳は山内を誑かしていた時点で退学が確定していました。完全に悪手です。
ちなみにこの試験で堀北クラスが勝利した競技は3つですが、須藤を切り札とした「バスケットボール」、外村の得意種目「タイピング技能」、三宅の得意種目「弓道」は綾小路の作戦ではなく堀北クラスの合議で選んだものになっています。
綾小路が対応したのは捨て試合の数学・英語の筆記テストをどう処理するかの部分であり、坂柳は綾小路ではなく堀北クラス相手に3勝3敗に持ち込まれて7戦目のチェスに雪崩込んでいます。
フラッシュ暗算で高円寺が本気を出しているか、葛城が裏切っていたらリトルガールは綾小路の存在と無関係に完全敗北し、破滅していたことになりますね。
特別試験に限定すれば坂柳クラスは綾小路抜きの堀北クラスより実力が下です。
しかし、実際は「月城の着任」によりクラス内投票が実施されて坂柳と綾小路にプロテクトポイントが付与され、学年末選抜試験でも月城が介入したことにより綾小路がプロテクトポイントを失うだけで済み、坂柳は退学を回避するどころかプロテクトポイントと130CPを獲得しました。
本来学年初の退学者になっていたはずの坂柳が、月城着任によって学年で最も退学から遠い生徒になったわけです。
ここまで言えば、察しがつきますよね?
ミステリーの鉄則は最大の利益を得たものを疑え。
パパ柳が月城を表舞台に上げた目的は「
2年生編では特別試験で得たCPと、時々描写される月頭CP・暫定CPとの差から、生活態度減点など特別試験以外の抜き打ちCP増減があることが分かり、そこからも各クラスのタイプ・素の実力を見ることができます。以下参考。
坂柳 /一之瀬/龍園 /堀北
3月1日~3月31日 -12/- 8/+32/-72(1巻:4月頭CP)
4月1日~4月30日 0/- 3/- 5/- 2(1巻:5月頭CP)
5月1日~8月3日 -13/-11/-14/-12(4.5巻:8月頭CP)
8月4日~10月31日 - 5/- 3/-11/- 6(7巻:暫定CPから逆算)
11月1日~11月30日 - 1/+ 5/- 6/- 6(9巻:12月頭CP)
合計 -31/-20/- 4/-97
堀北 クラス⇒ 素行でやらかすが、特別試験にやたら強いため補えている……ように見える
龍園 クラス⇒ 素行が最も悪いが、特別試験に強く、それ以外の稼ぎと葛城でカバー
一之瀬クラス⇒ 素行が最もよいが、特別試験にやたら弱い。何か稼ぐ手段を見つけた
坂柳 クラス⇒ 素行が平均的だが、特別試験は1年時がボドボド。2年時は……
混合合宿といえばキャラと設定紹介―――ということでしばらく原作キャラ紹介が続きます。(次回は違いますが)
長らく考察回が続きますが意図があってやっていますのでどうか最後まで読んでいただきますようお願いします。
謎解きしながら読むタイプじゃないから読むのが面倒くさいという方は『1月14日(木)問題 Player to ―――――。』まで飛ばしてください。