ようこそハイスコア狙いの教室へ 作:茶漬生活
“Jeunes gens, souvenez-vous bien que chaque heure du temps perdu est une chance de malheur pour l'avenir.”
若者よ、覚えておけ。無駄にした毎時間が将来の不運の入口である。
Napoléon Bonaparte(1769-1821)
ストーカーだらけの学校生活はーじまーるよー。
日曜にクソみてェな学校の事情を暴露したことによって、AクラスDクラスのやる気スイッチがオンになりました。日曜晩からは勉強会の熱気が違いましたねぇ。この時点で赤点はまず回避できるでしょう。
ほんといきなり世界史Aの教科書配られたときはどうしようかと思いましたがうまいこと大幅な士気上昇につなげることができました。ガバからのリカバリーマジ重要。被害は来月から英輔君の自由時間がほとんどなくなることぐらいです。
死ぬ死ぬ死んじゃう。過労死しない未来が見えねえ。勢いで動くもんじゃないですね。
こんなに震えたのは前世で論文追い込みかけてた時以来ですよ。ノーモア超眠打破。
なんで教授って「
閑話休題
さて、GW明け二日目の8日金曜日。
原作の描写からすると今日あたり試験範囲の変更があるはずなんですが……SHRで茶柱先生からは特になんの説明もなかったですねぇ……ほっといてもAクラスから共有されて即バレするのわかってるでしょうに。
問題ないと言えば問題ないんですが……どうして?(現場猫感)
学校の方針なんでしょうか?結果として連合視点で学校と彼女の信頼は三番底です。
Aクラスからある程度信頼を得ている星之宮先生も、英輔君に学校の被害者って暴露されたのは同じはずなんですが評判は天地。
Aクラス担任とDクラス担任、どうして差がついたのか……慢心、環境の違い。まさか素で忘れてた?いやそれは流石に……ありえないと言い切れないのが茶柱クオリティ。
今日の夕食は試験的に買い出しの指揮からユキちゃんさつきちゃんにお任せしたんですが……うん、クリームシチューはアリですね。グラタンで教えたホワイトソースをうまく使っているようです。
みんなの反応を見て、二人がハイタッチしてますね。池や沖谷、市橋ちゃんや浜口、渡辺、南方、網倉ちゃんも続きます。笑顔がまぶしい。いいゾ~これ。給食委員の絆レベル上がってますねえ。
ですがそろそろガッツリ食べたいって人も出てくるでしょうし、チートデイみたいな日を作るか考えてみましょう。無料商品鶏肉大杉問題。
夜の日課になりかけているロビーでの張り込み兼読書を続けていると綾小路君が降りて来ました。バタフライエフェクトなんてなかったね……運命があるということでしょう。知ってた。
彼が自販機でジュースを買っている間、席を立って呼び出しボタンを押し続けてあげましょう。エレベーターが開きっぱなしになります。当然彼も気付くのでさっさと戻ってきます。
「悪かったな。そこまでしなくていいんだぞ。」
「気にするな。気まぐれだ。」
彼をのせたエレベーターは何事もなく4階で停まりました。
ミッション・コンプリーーーッッツ!!
エレベーターが1階で停まっているので7階でエレベーターを待っている誰かさんは待ちぼうけ。エレベーターにそのまま乗った綾小路は4階で降りて部屋に向かう。その後エレベーターが7階で止まったと気付いてもモニターがあるのはロビーだけ。
完璧な三段論法です。
さてモニターによると7階で彼女がちゃんと乗ってきたようですし、後は原作綾小路の動きをトレースしましょう。壁に隠れて……シャドウハイチュウ
「鈴音、ここまで追ってくるとはな。」
「もう、兄さんの知っている頃のダメな私とは違います。追いつくために来ました。」
「追いつく、か。」
寮の裏手でアドルフ先輩のイベント発生です。片手を高らかにあげてイーッ!っとか言いたくなりますが我慢です。KOOLになれ英輔。
「Dクラスになったと聞いたが……Aクラスと同盟を組んだようだな。正直、大したものだ。入学初日で勝負を決めたのは歴代初と言っていいだろう―――だが、お前は何かしたのか?3年前と何も変わらない。ただ俺の背中を見ているだけでお前は今もまだ自分の欠点に気付いていない。鬼塚のおかげで何人かAクラスに上がれるかもしれんが、お前は選ばれない。それどころかDクラスからも排斥されるだろう。この学校はお前が考えているほど甘いところではない。」
「それは……っ、十分思い知ったつもりです。私は自分の価値を認めさせて……Aクラスに入って見せます。」
「無理だと言っただろう。本当に聞き分けのない妹だ――――どんなにお前を避けたところで俺の妹であることに変わりはない。お前のことが周囲に知られれば恥をかくことになるのはこの俺だ。今すぐこの学校を去れ。」
今、下手に覗き込むわけにはいかないので声だけしか聞こえませんが、無抵抗な妹の手首を掴んで壁に押し付けているところでしょう。
どう考えても事案です。ドキがムネムネしてきました。橘先輩に見せてあげたいこの光景。
しかし兄北も妹を大分見抜けてないですね。堀北妹は兄と同じ時代遅れのツンデレさんです。
原作ではこの頃、三馬鹿を切り捨てたと言ってますが本心は違うはずです。
根拠は寮の構造ですね。原作2巻によると寮の上の階層が女子エリアとされており、堀北の部屋が13階、櫛田の部屋が9階で分かる通り女子エリアは最低でも5階層分あります。そして、寮は学年毎に一棟かつ学年は男子80人、女子80人で同数なので当然9階より下に男子も同じだけの階層を占めているわけです。
1階はロビー・エントランスなので部屋がないというのを踏まえると、男女は何層ずつ占めているでしょうか?
5階層ずつであれば2~6階が男子、7~12階が女子で堀北の部屋がおかしくなる、8階層ずつであれば櫛田の9階がおかしくなる。したがって男女ともに6か7階層ずつ占めていると分かります。
何が言いたいのかって?
つまりどちらのパターンでも堀北がエレベーターに乗り込んだ7階は
大喧嘩して三馬鹿を切捨てたはずのツンデレちゃんは何をしに男子階に来ていたのか……流石にわかりますよね。三馬鹿の部屋の前まで来て謝るかどうか決心がつかずうろうろしている間に兄北を見つけてしまったというのが原作の流れだと推測できます。
兄北や綾小路君が言うまでもなく堀北は歩み寄りの一歩を踏み出そうとしていましたが、最悪のタイミングで現れてぶち壊したのがこのシスコンということです。きっと実家でもこんな感じで妹の成長フラグを自分が導く形に改変して妹を依存させていったんでしょう。
ちなみにこの世界で寮は最上階が共有スペースの14階建てでした。建築基準法ギリギリの15階だと予想していたんですが、大分部屋の防音などを高めにしているようです。
こっちでは三馬鹿との関係は破綻まで行っていないので7階にいたのは普通に勉強を教えていたんでしょうね。感心感心。
「で、できません……っ。私は絶対にAクラスに入って見せます……!」
「愚かだな、本当に、昔のように痛い目を見ておくか?」
今です。
「兄さん――私は――」
「お前には上を目指す力も資格もない。それを知れ。」
「ひっ…」
コンクリの地面に堀北ちゃんが叩きつけられました。痛そうですねえ。分かりにくいですが一応加減はしたようで堀北ちゃん自体は痛み以外にケガはないんじゃないかな?
「――何だお前は?――そうか鬼塚か。」
まぁ、目の前で女の子が投げ飛ばされても気にせず●RECしている男がいればそうも言いたくなるでしょう。
「部活動紹介を除けば2年ちょっとぶりですかね。『総統閣下の歪んだ愛情!DV家庭の闇に迫る』――ってコピー考えてみたんですが、いまいちピンとこないんですよね。なんかいいアイデア無いです?ほら推敲の故事とかあるじゃないですか?」
「盗撮とは感心しないな。」
意識が加速する――――
案の定、殴りかかってきました。今の投げを見るに兄北は空手・合気道にプラスしてやはり柔道も出来るようになってるようですね。実力はともかく5段とか4段とかは流石にフカシだと思いますが。年齢制限的に考えて。
合気道って基本極めながらの投げなので投げてる最中の腕を掴んだりすれば折れますし、宙に浮くような技は体捌きでの投げなので妹ちゃんが襲い掛かって来なければ使えないですからね。柔道は前世の中高でかじったぐらいな英輔君の完全上位互換です。ビルドかぶってんよー。
しかし、このパターンも十分想定済みです。狙いはやはり顔のようですね。左手は……膝にしっかり備えてますね。詰めてきたのは足技の警戒もあるんでしょう。うーん手札を知られてるってやりにくい。中学の大会出ない方がよかったですかね?
原作読んでた頃はスパルタにーちゃんもまぁ嫌いじゃなかったですし、空手の大会で何度か話した時にはそこまで悪感情なかったんですが……自分がやられる側だと完全に別問題だわ。
襲ってくる奴は逝ってヨシ。
顔に向かってくる右手の小指を殴って撃墜し、続いて飛んで来た左手を肘で捌きながら顎に右で勢いのままカウンターを入れてあげます。アドレナリンかなにかで脳が加速してると牙斬ってリアルにやれるんですねー。グローブついてると流石に不可能でしょうが。
ちなみにここがカメラの死角なのは把握してます。鈴音ちゃん誘いだされてんよー。
これは割と原作からも推定できるんですよね。根拠はこの舞台です。ここって「深夜の1年寮の裏手」なんですよね。兄北が来る必然性が全くありません。堀北ニキは一体何をしに来ていたのか……流石にわかりますよね。
妹の様子が気になって近くに来たけれど自分からは話しかけられず、見つけてほしくて深夜まで寮の付近をうろうろと徘徊を続け、やっと妹に見つかったのが今日ということです。血は争えませんね。
この暴力を振るうことも想定しているわけですから当然人目に付かないところを選びますし、2年生編1巻で宝泉が人目に付かない場所として1年寮(現3年寮)の裏手を選んだことからも1年寮も同じだと推察できます。原作で綾小路に目撃された時はカッコつけていましたが内心相当パニクッていたでしょうね。
このまま鈴音ちゃんが気付かないようなら英輔君がストーカーとして通報するところでした。
それはさておき顎に罅か歯が折れたかもしれませんね。痛そうですが試合じゃなく仕掛けてきた以上知ったこっちゃないです。砕いてないだけ加減はちゃんとしました。メガネはどっかに飛んでいきましたが。
腕を置き去りして思いっきり仰け反っていますからついでに……そこっ!踏み込んでブレザーの胸ポケット目掛けて全力で中高一本拳をお見舞いしましょう。ガードは下げちゃいけないってはっきりわかんだね。
オタク的には鉄菱も捨てがたかったんですが、あれリアルにやると親指が折れそうなのでパスです。どっちにせよ英輔君の中指がピンチですが。折れたかな?
「兄さん!!!」
どちらの堀北も頭がぐわんぐわん揺れてるでしょう。特に兄の方は……
さて、堀北ちゃんの方にいきましょう。
「鬼塚君!あなた、なんてことを!」
苦しそうにしながらこちらを睨む妹ちゃん。うん、今度はファイヤー先生を超えてますね。あの人取り柄がほんとになにもなくなっちゃいましたねえ………。
さてっと……こっちは気が進まないんですが。
ポクッとな
鈴音ちゃんは左肩関節脱臼!ってとこですね。ラテックス手袋も用意して準備は万全です。かなり痛いだろうがすまんね。必要やったねん。
おにーさんは呆然としてますね。やっぱり堀北ニキはいざって時の対応力が低いです。そこらへんもやっぱり兄妹ってことでしょうか。
あっ、鈴音ちゃんが吐きましたね。痛みというより精神性のものでしょうね。突然肩外されて混乱してるはずですし。
「聞こえてますかねアドルフ先輩?いやーひどい人ですね。妹さんをコンクリに叩きつけて肩を外させるなんて。こんなこと常習的にやってたって堀北家はどうなってるんです?注意喚起のためにも事前会話を含めてこの動画をぜひとも公開しなきゃダメじゃないですかね?」
堀北妹のライフを生贄に捧げ、堀北兄を墓地に送る特殊効果の発動を宣言します。
証拠が残らない場所を選んで一方的に証拠を握られたうぬの不明を恨むがよい。
「……ひゃってふれ、ひゃ、やってくれたな。足技だけじゃなかったとは……ほれとも、それとも手技は隠していたのか?」
健全な大会だからこんなチート使いたくなかっただけだ。体格差はほとんど埋まったが手技はまだまだお前の方が上……クソッ、思考が荒む。落ち着け。
ニキはふらふらと立ち上がりながら虚勢を張っていますが、うまく喋れてませんね。それに頭揺れてる影響なのか、状況が理解できてないようです。
「妹さん吐いてるじゃないですか。
やっと顔色が変わりましたか。流石にここまで言えば通じましたね。
そう、こっちは追加ライフを支払うことも可能なんですよ。原作龍園・宝泉のちょっとした応用ですね。
この状況で大事な妹が
目元がピクピク動いてますね。脳をフル回転させて打開策を探しているようですがどうなりますかね。考えてる時点で勝ってるようなもんですが。
寮の裏手でこちら側に窓はないですし、本来ここにいたであろう綾小路も全力で排除しました。万が一、隠れてついてきていたら既に介入してるでしょうしね。
録音できそうな携帯も壊させてもらいましたし、今のところ他に録音マイクを起動した様子もありません。隠し持って最初っから起動していたらこちらの負けですが必死で考えている様子からしてそれもないでしょう。
……壊さないでもよかったんじゃないかと思いますが、このシスコンストーカーの事ですから長らく会えなかった妹を動画に収めようとしていてもおかしくありません。リスクは極力排除します。
「………………要求を聞かせてほしい。」
ようやく詰みを悟ったようです。勝算はありましたが賭けだったことには間違いないので一安心です。
「要求は三つ……いや四つですかね。一つはとりあえず手持ちのプライベートポイント全て。歴代最高と言われる生徒会長なら1000万ぐらい持っているでしょう?ああ、携帯は俺が壊しましたから後日でいいですよ。」
要求の多さに目を剥いていましたが、一つ目を伝えるといきなり表情が曇りましたね。
「ふま、すまないが俺の手持ちは800万ほどしかない。」
「仕方ない……800万ポッキリでいいですよ。契約書は……わかってるみたいですね。信用しましょう。あと鈴音は動くな、筋を痛めるだけだぞ。では二つ目。1年の状況はご存じでしょう?手に入る限りで歴代の過去問をください。」
入学2カ月目の英輔君ですら現在600万近く持ってますし、不自然に多い部活の予算配分が終わってまだ一月ちょっと経ったばかりなので本当はもう少し持ってる気がしますが目標額は達成したので飲みましょう。
事後に容態が急変してとかあるあるですし、妹がこっちの手の内とわかっていれば反故にもしないでしょう……もっと少なかったら3-Aから集めろと言う必要がありましたが。
おや?譲歩したのを与し易しと見たのか、目に力が戻ってきましたね。
「……過去問は6年分ある。携帯を交換次第ポイントと合わせて送ろう。今日が範囲変更の日だったな。早速気付いたのか。」
「いえ、初日から知ってましたよ。ポイントがもったいないのでカモを待っていただけです。
ネギが少なくてガッカリってところですね。あとDクラスに範囲変更はまだ通達されてませんね。これ学校の方針です?」
「……言ってくれる。変更の通達がされてないというのは俺たちの代ではなかった。去年もなかったはずだ。」
なるほど。確かにDクラスだけ通知されてないのは不自然すぎますし、Dクラスだけ不利な状況だと知っていれば流石に原作でもこのシスコンがヒント与えていたでしょうしね……茶柱が通知しなかった理由がイマイチわからないですね。
七馬鹿が詰みかけてるのは明らかなわけで、いくらレベルが低い授業だと言っても試験範囲トラップまで仕掛けたら終わる可能性が高すぎます。綾小路と堀北を発奮させたかったとしても、後々の描写からして茶柱は綾小路のことを詳しく知らないはずですから高確率でDクラスから7人欠けるわけで、船上試験やペーパーシャッフル、体育祭、混合合宿のようなイベントで圧倒的に不利ですし……やっぱりうっかりでしょうかね。茶柱ェ……
「なるほどありがとうございます。茶柱先生の嫌がらせかうっかりミスでしょうね。では三つ目。この契約書三通に署名をお願いします。そのうち一つは星之宮先生の立ち合いでお願いします。このライトを使ってください。」
「一つ目は――――コロンブスの卵だな。Sシステムを壊すつもりか?お前が裏切った場合の罰則も書いてあるなら同意を取ることも不可能ではないだろう。」
「大分頭の回転が戻ってきたようですね。ちなみに今の伝統とやらはどっちにせよ来年崩れますよ。俺みたいに事前にSシステムを知って入学してきた例が出てますし。では会長、二つ目はこれです。」
「――――これは。察するにこれが立ち合いを求めるものだろうが流石に不可能だ。それにこれでは意味がな……待て。」
「そう言われると思ったので、これが三つ目ですよ先輩。計画書と言った方が正しいかもしれませんが。」
引っ手繰っていきましたね。これ舐められてるんでしょうか?
「――――お前……、狙いはこちらか!」
「ええ。はっきり言って邪魔なんですよ。ただこれを俺に使わせない道も残してますよ?あなたが全敗しなければ問題ない話です。」
「………………俺達次第ということか……わかった。どちらも飲もう。最後はなんだ。」
苦々しい顔ですねえ。自信ないんでしょうか?
まぁ英輔君としてはそっちの方がありがたいですが。そのためにPP毟ったわけですし。
「最後は簡単ですよ。そこのブラコンの肩を嵌めて病院でちゃんと話し合えシスコン。コミュ障具合までそっくりだぞ。」
兄が子ども扱いしてるのに第二反抗期が来てないとかどう見ても正常に発達してません。ストレスがモロに外部に向かってますし、明らかにコミュニケーション不足です。ちゃんとポンコツニキな部分をしっかり晒してください。
英輔君は肩外せるだけで嵌められないから柔道やってるみたいで助かりました。
翌朝、高円寺に殴られる未来をこの時の英輔君は知らない。
みなさまのおかげで日間ランキングに載ることが出来ました。
拙作に多くのご評価・ご感想をいただきお礼申し上げます。
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