ルール設定が本当に難しいので後々改訂するかもです。
行き当たりばったりですみません...。
※4月23日、ルール変更により展開一部修正
「私、咲宮入華です!歳は16、好きなものはごはんとジェットバトルです!」
「は、はぁ...。」
いきなり自己紹介が始まってしまった。
ジェットバトル課の一室でバッタリ遭遇したのも束の間、手間が省けると呟いた監督が自己紹介を促してきた。
「ちょ、ちょっと待って下さい。私はまだ受けるなんて...。」
「クールに、クールに...。こほん。都条みちる、17歳です。ポジションはアタッカーガンナー。趣味は映画鑑賞、好きなものは焼き魚です。」
「焼き魚おいしいですよね!」
聞いてないし。
というか、さっきからご飯だの焼き魚だの。
範囲が広すぎる。
焼いたら何でもいいのか。
色々あるだろう、鯵とか柳葉魚とか。
でも私はやっぱり鮭が好き。
「じゃなくて!」
「彼女は地咲輪。年齢は26歳、元プロのロードレーサーだ。趣味はツーリングとFPSゲーム、好きな食べ物は玉子焼きだそうだ。」
「玉子焼き、おいしいですよね!」
「入華、反応するのはそっちじゃないと思うの。」
「勝手に他己紹介しないでください...。」
そんなの履歴書に書いた覚えないのに...。
「ロードレーサー...。」
「彼女が今日からお前たちのコーチだ。」
「コーチ!?すごい偶然です!これからよろしくお願いしますね、コーチ!」
「いや、まだコーチになるって決まったわけじゃ...。」
ダメだ、断れない空気になってる。
というかされてる。
「まあ、そういうわけだ。現状把握と交流を兼ねて練習場に行ってこい。都条、案内は任せたぞ。」
「は、はい。」
「ちょ、監督!私は...!」
「地咲。...余計なことは言うなよ?」
「...ひゃい。」
怖っ...。
―――――――――――――――――――――――――――――
◼️□霧島練習場◼️□
『私達は着替えてきますので、コーチはここで待っていてください。』
「ふむ...。なかなか壮観だな。」
霧島の水上練習場。
ほぼスタジアムみたいだ。
観客席もあるし、水もどうやら海水を使用しているらしい。
人は私以外いないが。
しかしどうしたものか。
経験がないスポーツのコーチ。
それ自体は元より承知の上だが、新人を、しかも三ヶ月で優勝させろとは。
無茶振りにも程がある。
その上勝てなきゃ撤退なんて...。
何をどうしたら私にそんな期待を寄せられるのだろうか。
一念発起して受けた仕事だったが、こんな無理難題とは聞いてない。
何とかして断らなくては。
「たのも~~!!!」
「わっ...!」
な、何だ?
気付けば私以外の見学者が二人も増えている。
咲宮さんと都条さんじゃない。
先ほどのバカデカい声はあの小さい子か。
ピンク髪に活発そうな褐色の肌、着ているのはツナギ?にしては少々変わっている。
もう一人は大人だ。同い年くらいに見える。
少し若い気がするが、親子だろうか。
「たのも~!ちょっと~!誰もいないわけ~!?」
「お、お嬢...勝手に入っちゃまずいですよぉ~...。」
何だか無許可で入り込んでしまったような雰囲気だ。
話を聞くべきだろうか。
出来れば関わりたくないが、ここにいるのは私一人。
咲宮さんたちが来るのを待つのも手だが、未成年二人に任せては社会人の名が泣く。
意を決して二人に近づく。
「あの...。」
「あ!いるじゃないKIRISHIMA!ここで会ったが万年目!覚悟しなさーい!!」
「お嬢、それを言うなら百年目じゃ...。」
「勝負よKIRISHIMA!積年のウラみ、晴らしてやるんだから!」
「あ、お上手ですねお嬢。浦見だけに、ぷぷっ。」
「...すみません、部外者の方ですか?」
何やら子どもがごねているが、意味はよく分からない。
私の言葉に大人の方がびくついた。
「あぁ!?ち、違うんです!私達怪しい者じゃなくて...!こ、こういう者ですっ!」
女性が慣れた手付きで名刺を差し出す。
「浦見製鉄所...山葉由芽さん...。」
「はい、山葉と申します。」
「ああ、すみません。私こちらに来たばかりでまだ名刺が...。」
「ああ、いえ。お構いなく。」
柔らかく笑顔を返してくれる。
先ほどの慌てようはどこに行ったのか、すっかり社会人同士の会話である。
「ちょっと!何敵と仲良くしてるのよー!」
「い、いや挨拶はちゃんとしないと...。」
「あ、そっか。こほん!聞きなさいKIRISHIMA!私こそ世界に誇る浦見製鉄所のホープ!天才浦見かな様とはあたしのことよ!!」
相変わらず声がデカい。
浦見製鉄所か。聞いたことがない会社だな。
「一応、KIRISHIMAの専属コーチになりかけてます。地咲輪と言います。」
「地咲さんですね、宜しくお願い致します。」
ぺこり。
二人して綺麗なお辞儀をしてくれる。
ふむ。意外にいい子なのかもしれない。
「ってKIRISHIMAのコーチなの!?じゃあやっぱりあんたKIRISHIMAね!勝負!勝負しなさい!」
「勝負...?」
「すみません、お嬢が言ってるのは...。」
「コーチ~!」
着替えを終えたKIRISHIMAの二人がこちらに走って来る。
あれがKIRISHIMAのユニフォームか。
お腹が露出したウェットスーツみたいだ。
確か試合の時はほぼビキニだった気がする。
たゆん、たゆん。
...どうでもいいが、二人共アスリートにしては大分大きい。
育ち盛りだからだろうか。
羨ましいような、そうでもないような。
「お待たせしましたコーチ。...あれ、あなたたちは確か...。」
「出たわねKIRISHIMA!勝負よ!」
「可愛い~!この子、みちるセンパイの知り合いですか?」
「子ども扱いするなー!」
咲宮さんは完全に親戚の子どもに会ったテンションである。
何やら都条さんは事情を知っていそうな雰囲気だ。
「知り合いなの?」
「知り合いというか...私が入ったばかりの頃まではよく来ていたんです。彼女たちは浦見製鉄所の工場長の娘さんと、事務員さんで...。」
―――――――――――――――――――――――――――――
「なるほど、事情は分かったよ。」
つまり浦見製鉄所はKIRISHIMAに遺恨がある。
KIRISHIMAのジェットバトル全盛期の頃には主にパーツ提供を浦見に依頼していたらしく、言ってしまえばジェットバトル業におけるパートナーのような関係だったそうだ。
それがKIRISHIMAのジェットバトル成績悪化からの、事業縮小が結果として浦見との喧嘩別れを生み出したということらしい。
それを根に持っているかなちゃんは、自社パーツの有用性を知らしめる為にも、ジェットバトルの勝負を定期的にKIRISHIMAに挑んで来ている。
ちょっと前までは陽南監督の娘さんとそのパートナーが軽くいなしていたらしいが...。
「えぇ!?杏里いないの!?」
「え、ええ。だから試合はちょっと...。」
「ですよね...。お嬢、やっぱり今日は帰り」
「何でですか?私とみちるセンパイがいるじゃないですか。」
主力の不在にこれ幸いと帰社しようとしていた山葉さんの言葉は、咲宮さんの不思議そうな二言に邪魔された。
「あんた誰よ?」
「私、咲宮入華!今日からKIRISHIMAのライダーになったの!」
「今日から?つまりド素人ってことじゃない。ザコがこのかな様に勝てると思ってるの?」
「雑魚じゃないよ?ちゃんと練習してきたから。やろうよ、ジェットバトル!」
咲宮さんの動じない態度が気に入らないのか、かなちゃんが眉根をひそめる。
「そんなにボコボコにして欲しいならやってあげるわよ。由芽!準備!」
「えぇ...やっぱりやるんですかぁ...?」
「いいから準備しなさい!」
「うぅ、私ただの事務員なのに...。」
...どうやら、練習試合が決まったらしい。
「入華ったら...。いきなり練習試合なんて。」
「大丈夫です!私とみちるセンパイならきっと勝てます!」
その自信はどこから来るのだろうか。
「それに、コーチも!」
「私?」
「ジェットバトル、生で見たことないんですよね?」
「う、うん。今日ワダツミに来たばかりだし...。」
「じゃあ、見ていてください!私たちの、ジェットバトルを!」
―――――――――――――――――――――――――――――
マシンのエンジン音が響く。
「あれが、UMIマシン...。」
咲宮さん、都条さんが乗っているのがKIRISHIMAの主力マシンである『エクシール』だ。
主力として長く会社を支えてきた名マシン。操作性もよくバランスの取れた一台との評。最新の他社のマシンと比べると性能上見劣りする部分があると特集雑誌では言われてしまっているが...。
「ふむ。デザインはなかなか。私なら基本色を赤にして...。」
やっぱりマシンの車体を見るのは楽しい。
エンジンの音に合わせて心臓の音も早くなる高揚感。
バイクじゃなくても、それは同じらしい。
話が逸れた。
対する浦見は汎用マシンを独自にカスタムした『浦見スペシャル』とのこと。
何か形容し難い変わった見た目だ。
乗り物と言うよりデカい工具みたいだ。
「ふむ。悪くない。わりと好き。」
ああいう機械剥き出しな感じのマシンにはロマンを感じる。
UMIマシンはいいな。
他の企業のマシンも見てみたい。
問題はジェットバトルの方。
「確かルールは新人戦と同じシングルルールだったな。」
簡単に要約するとこうだ。
1.スタートの合図と共にフィールドを一周。先に一周した方が先行。
2.先行が決まったと同時に逆方向にターン。
攻守が決まる。
3.そこからはターン制。2分の制限時間内にエネルギー150を上限として銃で攻撃。
4.試合開始前に使用する銃の種類を4種類まで決め、その中から選択して使用する。
5.制限時間が過ぎるか、エネルギーを使い果たすと攻守が交代。ターンして前後を入れ換える。
6.これを繰り返し、シールドエネルギー900を先に削り切った方が勝ち。
7.振り落とされたり、クラッシュすればそれも負け。
だそうだ。
エネルギー残量などは大型モニターにも表示され観客にも分かりやすくなっていると。
「武器種の選択も重要だな。」
選択肢は多いみたいだし。
おさらいしている間に選手たちも準備が出来たらしく、スタート地点に移動している。
「泣いて謝っても遅いんだから!」
「絶対負けません!」
火花を散らす咲宮さんとかなちゃん。
それを応じるようにカウントが鳴り響く。
「「スタンバイ!」」
「「ゴー!」」
掛け声と同時にシグナルが明滅。
勢いよく両者がエンジンを唸らせスタートする。
インコースは浦見チーム。
山葉さんは事務員と聞いたが、結構安定した走りだ。
スピードがありながらお手本のようなハンドリング。
カーブが重要なのはこちらも同じらしく、下手に攻めずにしっかりとコーナリングしていく。
対する咲宮さん。
気合いが入っているのが分かる。
スピード自体はかなり速い。
水上で高速移動する以上、走れば派手に水飛沫が飛ぶわけだが。
「入華!ちょ、近すぎっ...!」
「え?あっ!?」
浦見側とあまりにも近づいてしまった結果、水飛沫が都条さんに直撃。
気にした咲宮さんがスピードを緩めてしまい一気に浦見に離されてしまった。
「二人で走るのには慣れてないのか...。」
ライダーはガンナーを乗せている、ということを念頭に置かなければならない。
それは最初の先行争いでも同じだ。
しかし、思い遣り過ぎも問題ではある。
そのまま追い上げ切れず、浦見が先にゴールに到達。
反転して、ついにバトルたる由縁の射撃戦が始まる。
「入華!早く反転しないとっ!?」
「乱れ撃ちー!」
動揺したのか反転が一瞬遅れる咲宮さん。
そこにすかさずかなちゃんが取り出したのは。
「ガトリングなんてあるんだ...。」
隙だらけのエクシールにエネルギー弾が炸裂。
避けきれず正面から喰らってしまう。
ダメージ計算はどれどれ......1発1エネルギー。
【D/KIRISHIMA:S850】
【A/URAMI:E値100】
「50発も当たったの!?」
ガトリングは当てやすいかつ、1発単位で使用が出来る意外に経済的な武器種らしい
「きゃはは!ざーこざーこ!」
「っ!」
何とか反転し回避行動に移るKIRISHIMA。
かなちゃんが今度はアサルトライフルを取り出し、弾丸をばら蒔くように発射する。
「入華落ち着いて!」
「ご、ごめんなさい!」
ほとんどは避けるが、それでも10発は直撃。
KIRISHIMAのシールド値が削れていく。
火力はあまりないのか、と少し安心したタイミングでモニターに見慣れない表示が出る。
【Skill Successful:Assault Up】
スキル?アップ?
表示と同時にマシンの唸り声が響く。
浦見スペシャルだ。
「よっしゃー!スピードアップよー!」
速度が上がり、逃げかけていたKIRISHIMAに一気に肉薄する。
スピードアップのバフがかかるのか。
「本当にゲームみたいだな...。」
近距離にお誂え向きな銃、ショットガンを構え放つかなちゃん。
急なスピードアップに対応しきれず、見事直撃してしまう。
「きゃぁっ!」
「うぅっ!?」
ショットガンは適正距離かどうかで威力が増減する。
先ほどの一撃は間違いなく適正距離。
エネルギー70消費に補正がかかり、一撃で100のダメージとなった。
1ターンに160ダメージ。かなりの痛手に思えるが、ここからはKIRISHIMAの攻撃だ。
今度はすかさず反転し攻撃体勢に入る。
浦見チームは冷静に反転を終えている。
「追いつかないと...!」
都条さんは二丁拳銃スタイル、両手にハンドガンを構え連射。
躱されながらも何とか4発が着弾。
【D/URAMI:S値860】
【A/KIRISHIMA:E値70】
「うわっ、ダメージしょぼ...。」
ハンドガン使う意味あるのだろうか。
8発撃って半分外しているのも痛い。
距離が離されているのも原因か。
「なら近づくだけです...!」
スピードを一気に上げ、浦見に肉薄する咲宮さん。しかし。
「わわっ!?お、落ちる...!?」
「あぁ!?す、すみません!」
両手がハンドガンで塞がっている都条さんが振り落とされそうになる。
...意外とデリケートだな。
「な、何のこれしき...!」
踏ん張りながらハンドガンをしまい、ショットガンを手に取る都条さん。
すかさず発射し、浦見スペシャルに直撃させる。
【D/URAMI:S値760】
【A/KIRISHIMA:E値0】
「ちょっと!何喰らってんのよ由芽ー!」
「め、面目ございませーん...。」
上手く当てられたことで一気にダメージレースを振り出しに戻せた。
その後、3回ほどお互いにターンを重ね、順当にお互いのシールドを削っていく。
【URAMI:S660】
【KIRISHIMA:S660】
綺麗にシールド残量が並んだ、次の瞬間。
不機嫌そうなかなちゃんの声が練習場に響く。
「ザコのくせに調子に乗って!目にもの見せてやるんだから!由芽!あれやるわよ!」
「あれ?...あれはあんまりオススメは...。」
「いいからやれー!」
「は、はい~!」
山葉さんが何やらパネルを操作している。
「あれは、確か...。」
「まずい!SPスキルが来るわ...!」
SPスキル。それは試合中一度のみ使用出来る、特殊効果を弾丸またはマシンに付与するギミック。
効果はそれぞれ違うと聞くが...。
【D/KIRISHIMA:S値660】
【A/URAMI:E値0】
「エネルギー全消費!?そんなSPスキル知らない!?」
「先輩、来ます...!」
かなちゃんが構えたのは...ロケットランチャー!?
あんなのもあるんだ...。
「ロケランのダメージ200にSPスキルで3倍付与!600ダメージでギタギタにしてやるんだから!くらえー!!」
「3倍!?」
勢いよく飛び上がったかなちゃんがロケットランチャーを放つ。
恐るべき射撃センス。
取り回しの悪いロケットランチャーをエクシールに見事命中させた。
「そんなっ!?」
【D/KIRISHIMA:S値60】
【A/URAMI:E値0】
「見たか!かな様のウルトラスーパー必殺技!」
「危ないですって、お嬢...。」
着地したかなちゃんを山葉さんが嗜める。
「風前の灯火、か...。」
一気に600ダメージ。
残り60、まさに絶体絶命だ。
「これは、もう...。」
都条さんに諦めの色が浮かぶ。
次のターン、ガトリングでもアサルトライフルでも数発当たりさえすれば負けだ。
負けたと思うのが自然だ。
「ごめんなさい、みちる先輩...。」
流石の咲宮さんでももう諦めたか。
そう思った直後。
「私、楽しいです!」
満面の笑顔を浮かべて、エンジンを轟かせた。
「たの、しい!?」
「はい!だって憧れのKIRISHIMAで、憧れのマシンに乗って。尊敬するセンパイと一緒にジェットバトル出来てるんですよ!」
「で、でも負けそうだし...!」
「負けません!こんなギリギリの戦いなのに、ワクワクが止まらないんです!これがジェットバトル。これが、私の憧れ!」
咲宮さんのハンドリングが変わる。
徐々にスピードを上げていき、蛇行しつつ距離を詰めていく。
「入華...。...私だって...!」
再度闘志を燃やした都条さんがツインハンドガンを構え、まったく同じ箇所を狙い撃ち見事命中させる。
シールドに特徴的なアイコンが浮かび上がる。
あれは何だったか。
ルールブックをめくり確認する。
「...見つけた!ハンドガンの特性は...5発連続で当てると、次の一撃がクリティカル!?」
クリティカルはダメージが2倍になるということだ。
通常はかなり低い確率でしかならないはずが、ハンドガンにより確定で発動させることが出来るということだ。
「みちるセンパイ!」
「任せて!」
ショットガンを浦見スペシャルに放つ。
今度も直撃し、200ものダメージを与えた。
【D/URAMI:S値210】
【A/KIRISHIMA:E値30】
「いける!」
都条さん、いい腕してる!
これならもしかしたら...!
「逃げろ由芽ー!」
「はーい!?」
「しまっ...。」
距離を離されたタイミングでアサルトライフルを放ってしまい、エネルギーを無駄にしてしまった。
「みちる先輩!あれ、やります!」
「え!?でもあれは練習中で、下手したら落ちて...!」
攻守交代の反転をこなしつつ、何やら二人が会話している。
何をするつもりだろう。
気付けば熱中している自分がいる。
咲宮さんのあの楽しそうな顔。
あの表情を、私は知っている。
「ここにも、あるんだ...。」
風を感じながら、マシンと一体化する感覚。ギリギリに挑戦する胸の高鳴り。
「由芽!トドメさすわよ!」
「でもお嬢、さっきのSPスキルのせいでエネルギーが...。」
【D/KIRISHIMA:S値60】
【A/URAMI:E値60】
「何それ!?聞いてないんだけど!?」
「無茶なスキルに設定するとこういうデメリットがあるみたいで...。」
「むー!いいわよ、当てればいいんでしょ!?」
アサルトライフルを構えるかなちゃん。
1発1発丁寧に放つも、絶妙なタイミングでマシンを動かす咲宮さんのテクニックに全て外してしまう。
「生意気よーっ!!」
苛立ったかなちゃんがハンドガンから自棄糞の一発を放つ。
その瞬間。
「練習の成果を...!」
エクシールは浮かび上がり、見事な宙返りを行う。
それはまるで、自由に海を泳ぎ跳ねるイルカのようで。
「調子、上がってきたかも...!!」
逆さになる地点でスナイパーライフルを構える都条さん。
スナイパーライフルのダメージは80。
特性は、クリティカル時の3倍ダメージ。
そして通常、発動させにくいクリティカルを確定させる方法がもう1つある。
ライダーが操作するコントロールパネル。
その一点を狙撃すること。
「ふぇ?」
「あ...。」
都条さんの渾身の一撃は見事、コントロールパネルを撃ち抜き。
シールドが0になった衝撃がガンナーを襲う。
ボチャン!
派手に水飛沫を上げ、かなちゃんが落水する。
【URAMI:S値0】
【WINNER!:KIRISHIMA】
「すごい...。これが、ジェットバトル。」
―――――――――――――――――――――――――――――
「うぅ!くやしいーっ!!」
地団駄を踏むかなちゃん。
涙目になっているのが可愛い。
「やりました!初勝利ですよ、コーチ!」
「うん。二人共すごかったよ。」
「こ、これくらい当然ですよコーチ。」
何となく顔が赤い都条さんはクールに答える。
「相手のエネルギーが尽きると同時にターンが変わるのを利用して、回避と攻撃を両立させる。いい作戦だったよ。都条さんの狙撃と咲宮さんの思い切りがあってこそだね。」
「ふふっ、それほどで...こ、コホン。と、当然ですので。」
「えへへ、いきなり褒められちゃいました!」
見ていただけなのに、まだ胸がドキドキしてる。
こんな感覚は久しぶりだ。
「コーチ、私のことは入華って呼んでください。これから一緒に頑張る仲間なんですから!」
「あ、私も。みちるで大丈夫ですよ、コーチ。」
コーチ。コーチか。
最初は断るつもりだった。
だけど今日の試合を見て、忘れていたワクワクを久しぶりに感じることが出来た。
自信はない。
上手くいかないかもしれない。
しかし、もう少しこの子たちを見ていたい気がする。
どうせ一番の夢はもう果たせない。
ならば、後がどうなろうととりあえずやってみるべきだ。
よし、決めた。
「うん。よろしくね、入華、みちる。」
「はい!末長くよろしくお願いしますね、コーチ!」
「入華、それちょっと意味が違う気がするのだけど...。」
『ジェットバトル』
それは美しきドルフィンたちが、互いを競い合う水上の弾丸ファイト。
これは、少女たちが織り成す水上の熱いバトルと青春の物語、その始まりの瞬間であった。
「思惑通りではある。後は...。」
To be continued.
かなちゃんはかませ...()
次回は日常描写多めでバトル避けていきたいと思います←
入華みちるは誕生日的に公式設定より年1つ下ですよね。修正しました。(5/6)
このキャラがメインの話を見たいって子は誰ですか?
-
入華
-
みちる
-
杏里
-
詩絵
-
颯
-
エレン
-
氷織
-
シュネー
-
桐利
-
見波
-
乙姫
-
夕離
-
紫苑
-
ヘリー
-
セレナ
-
ヴィーナ
-
かな
-
由芽