ちょっと不幸なイッセーくん   作:高町廻ル

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誤魔化せていないよイッセーくん

「分かりました」

「へっ」

 

 何のためらいもなく繰り出されるオーケーの返事。それに対してリアスは一瞬固まってしまう。

 

「なにをぼーっとしてるんですか。早くベッドに座りましょうよ。アーシアが来ます」

 

 イッセーはそう言いながらも学生服の上着を脱ぎ始める。

 

「え、ええ…意外だわ…あなたはもっと困惑しそうというか…もしかして非童貞だったり…?」

「童貞です。でもこのシチュエーションは俺が想定した284通りのパターンの一つに入ってましたから焦りはありません」

 

 リアスの質問に対してそこそこ気持ち悪い返事をするイッセー。

 魔方陣から女性が乗り込んで来て「処女を貰ってくれ」と頼まれることが想定済みで、美少女が家にホームステイしてくることは想定外であるあたり自己評価がよく分からない男だった。

 

「分かったわ」

 

 彼女は言われたままにベッドに腰掛けて上着を脱ぎ始める。

 上着をそしてスカートを二人はお互いに脱いでいき、残すは下着だけとなる。

 

「きゃっ!」

 

 イッセーはリアスの肩を強引に掴んでベッドに背中を付けさせ押さえつける。

 見事な裸体だった。撫でまわしたくなる太ももと脚線美、そしてブラから解放されたリアスの胸がおっぱじける。

 

(どっ、どこから触ればっ…!おっぱいか!?揉むのか?吸うのか?どうすりゃいいんだドライグ!?)

『知るか』

 

 一見冷静そうに振舞っていたが内心はバクバクしていた。

 不味いことしてないよなとか、どこから触ればいいのかとか、自身の知識と経験(アダルトなビデオ)から何とか絞りだしていく。

 実際のところAVは基本台本と演技の世界な為、真似しても実技ではあまり役に立たない。あれは実写だがフィクションだ。

 口と口が触れ合う直前になって、それまで胸や足ばかり見ていたイッセーはリアスの顔をここになってしっかりと見た。

 彼の目に映るリアスの瞳はその場の勢いに任せる自暴自棄なそれだった。イッセーの事などまるで見ていない、ただ機械的に事を運んでその後の事などどうでもいい。

 

 それはかつて親を失って自暴自棄になってふさぎ込んでいた過去のイッセーのようだった。

 

「あー…やめますか?」

「えっ」

 

 押し倒すのを止めてベッドに腰掛ける。足元にある脱ぎ捨てていた服を着始める。

 

「イッセー…?」

 

 リアスは上体を上げて問いかける。

 彼はこの寸前になって何故やめたのか、何が冷めてしまった原因なのかと問いかける。

 

「別に…結婚前にエッチしちゃダメとか…愛し合わないととか、そこまで貞操感にごちゃごちゃ言う気はありません…けど今の部長は辛そうで…しかも抱かれて辛いのを誤魔化したいわけでもなさそうというか……その…今の部長とはそういうことは出来ません…」

 

 自分でも思っている事を上手くまとめられたわけでは無い。

 エッチがしたのかしたくないのかで言えばしたいと間違いなく即答できる。することで傷つくと分かりきって行為に挑むのはどうしても出来ない。

 イッセーは呆然としているリアスにベッドの上にある毛布を被せた。

 

「解決できるか分からないですけど…話を聞くくらいなら俺でもできます」

 

 毛布越しに相手の肩に手を掛けて軽くだが抱きしめる。

 リアスはそうされて肩を振るわせる。

 

「あー…昔、幼馴染の女の子が励ます為にこうやってくれたんです。子供っぽいですかね」

 

 男に抱きしめられて恐怖的なものを感じたのかも思いイッセーはそう言って肩を抱くのやめようとする。

 

「いえ、ありがとう。私が子供過ぎたわ、ごめんなさい」

 

 イッセーの手を添える様に自身の手を重ねるリアス。

 俯いて表情は誰にも見えなかった。だが先ほどよりも落ち着いている様に見えるとイッセーは思った。

 

「今日は帰るわ。突然押しかけてごめんなさい」

「分かりました」

 

 リアスは服を着て魔方陣を使って帰っていった。

 

「………………………………」

 

 相手が帰ってから少し考える。

 部長は何があってあんな性急な行動を取ったのか、自分は真摯に振る舞うあれが正しかったのか。

 沢山のことを考えた結果、一つの答えに辿り着く。

 

「うわあああぁぁ!!勿体ねぇぇぇ!!!!」

「イッセーさんどうかしましたか!?」

 

 風呂から上がったアーシアは浴室が空いたことを伝えにきたが室内から発される奇声に驚いた。

 夜中に大声を出したら周囲に迷惑かけちゃうからダメだよ。

 

 

 放課後、イッセーとアーシアは旧校舎の部室に向かう途中で木場と合流して向かっていた。

 

「部長の悩みとかに心当たりあるか?」

 

 イッセーは何となく思った事を口にする。

 昨日の一件が中々忘れられなかったのだ。いきなりやってきて抱いてくれなど普通の精神状態とは思えないし、そもそもそんな刹那的な思考の持ち主であるとも思っていない。

 

「突然だね」

「最近ぼーっとしてたりするだろ」

 

 心配そうにする素振りとは裏腹にイッセーの脳内にはリアスの裸体が刻まれている。せっかくならおっぱいくらい揉んどけばよかったなー程度の事しか考えていない。

 そんな相手の事など察しようもない木場はすっかり主思いになったのだと得心する。

 

「そうだね。懐刀の朱乃さんなら知っているかもしれない」

「ま、そうだよな」

 

 悩みの種類や大きさが分からないためむやみやたらに聞くわけにも、話すはずもない。

 

「ん…?」

 

 イッセーはここになって大きな気配を察知して立ち止まる。それを見たアーシアと木場は不審そうにする。

 

「木場、なんかいないか」

 

 考えにくいが敵だとしたら多くの一般人が巻き込まれてしまう。そもそも悪魔の本拠地に乗り込まれた時点で大事件だ。

 ここになって木場も気が付いたようで。

 

「え…まさか…」

「敵か?」

「違うよ。グレモリー家の方だ」

 

 グレモリー家の使いと言いながらも彼は顔を少しこわばらせていた。

 イッセーはそれを少し不審に思う。そんなに怖い相手なのかと。

 

 

 三人は部室の扉を開く。そこにはリアス、朱乃、小猫、そして銀髪のメイド服の人がいた。

 イッセーは銀髪メイドさんが気配の正体だと分かった。そして種族は悪魔、ここに招き入れている時点で敵対していないと判断する。

 ただリアスは分かりやすく不機嫌に、朱乃はいつも通りを装っているがどこか剣呑なオーラをまとう、小猫は無表情だが意識を他三人に向けないように努めているのが分かる。

 

「彼女はグレイフィア、グレモリー家に使えるメイド長よ」

 

 リアスの説明にグレイフィアという女性は会釈する。

 

「あなたが赤龍帝…」

 

 相手はイッセーに対して警戒心を一段上げて見つめる。

 そう言われて左腕に「赤龍帝の籠手」を装着する。いつもの擬装用のそれではなく隠す気もなく見せつける。

 それを見た相手はより一層警戒を深めてくる。

 

「そうですが」

 

 このような視線を受けるなど想定の範囲内。

 昔遭遇した堕天使や天使たちのように最初から牙を剥かれるよりはまだましに思えた。

 まるで荒野で向かい合うガンマンのようないつでも己の武器を抜ける均衡状態になる。その空気の重さは周り感じ取りその場で硬直する。我関せずを決めるつもりだった小猫も体を強張らせる。

 

「二人とも睨み合うのは止めて頂戴。ここはリアス・グレモリーの本拠地よ」

「「…………」」

 

 リアスは立ち上がり二人の間に割り込む。

 その言葉でグレイフィアは肩の力を僅かに抜く。イッセーも「すみません」と言いながら籠手をしまう。

 

「部活の前に皆に話す事が有るの」

「お嬢様、私がお話しましょうか?」

 

 グレイフィアからの提案にリアスは手で構わないとジェスチャーを送る。

 そこで部屋の中が光り輝く。原因は魔方陣、この場所に直接転移できるという事はグレモリー家とそれなりの関わりのある相手という事だ。

 

「フェニックス」

 

 木場はポツリと呟く。

 魔方陣から炎が巻き起こり室内を熱気が包み込む。火の粉が辺りに吹き荒れる。

 わざわざ炎の粉を撒き散らすところにウザったさを感じるが黙って相手を見る。

 炎の中にたたずむシルエット。相手が腕を薙ぐと周りに拡散していた炎が振り払われる。

 

「ふぅ…人間界は久しぶりだ」

 

 赤いスーツを着こなした男性。ネクタイを付けず胸元を開く着崩したスタイルのせいかホストっぽい雰囲気を出している。実年齢は不明だが外見年齢は二十代前半。

 

(ヤンキーっぽい)

 

 イッセーの第一印象はそんな感じだった。

 木場のような爽やかさ全開のそれとは違い、チョイ悪といった感じか。どちらも容姿は良いだけに彼からすればちょっと鼻につく。世間知らずのお嬢様を騙して金をせびってそう。

 

「愛しのリアス。会いに来たぜ。さっそくだが式場を見に行こう。日取りも決まっているんだ」

 

 そう言いながら男はリアスの手を掴む。

 

「…放して頂戴、ライザー」

 

 彼女はそう言って手を不快そうに振りほどく。

 イッセーはそのやり取りを見て隣にいる木場に質問をする。

 

「おい木場、あれ誰だ?」

 

 聞こえるような大きな声で発言したわけでは無いが、その質問に目ざとく気が付いたライザーは発言者であるイッセーを視界に入れて苦笑いを浮かべる。

 

「…あら?…リアス、俺の事を下僕に話していないのか?つーか、俺を知らない奴がいるか?転生者か?それにしたってよ…」

 

 ライザーという男は自身が有名人であると思っていたのか、イッセーの発言に少しだけ引いていた。

 

「話す必要が無かっただけよ」

「ハハハ…手厳しいねぇ…」

 

 目元を引きつらせながらそう言うが、苛立ちが少し滲んでいる。

 

「兵藤一誠さま」

「はい」

 

 グレイフィアは現状をよく分かってい無さそうなイッセーに話しかける。

 

「この方はライザー・フェニックスさま。純血の上級悪魔であり、古い家柄を持つフェニックス家の三男であられます」

 

 フェニックスと言われて思いつくのは不死鳥。目の前の男とはあまり特徴が一致しない。

 強いてあげるなら炎を使うくらいだが、イッセーもドラゴンの力を持っている為、炎を吹くくらいならなんとか出来る。

 

「そしてグレモリー家時期当主の婿殿でもあらせられます」

「んん?」

「リアスお嬢様と婚約をされておられます」

「はぁー…」

 

 ヤンキー悪魔は婚約者だそう。

 

 

 先程と比べれれば大分落ち着いたが、リアスが醸し出す不機嫌オーラが場の雰囲気を悪くし続けている。

 リアスとライザーが同じソファーに隣り合って座っている。ライザーはリアスの肩や髪を軽々しく触れる。それを何度も振り払うが構わず何度も触る。

 朱乃は明らかに不愉快そうに給仕をしていた。エロで有名なイッセーに対しても笑顔で優しげだったのに、今はただ作業的に給仕をしているだけ。

 

「いい加減にしてちょうだい!」

 

 ここに来てリアスは初めて声を荒げた。

 

「あなたとは結婚しないわ!」

「ああ、以前にも聞いたよ」

 

 二人は口論を始める。というよりも口論にすらなっていなかった。

 リアスが結婚を拒んでも、貴族かつ次期当主であるなら他の純血の貴族悪魔と結婚(婿取り)しなければいけない事。

 上級悪魔同士で血を絶やさないように動くのは貴族として生まれた者の義務である事、それ自体はリアスも理解は出来ている。

 結婚後の生活は殆ど束縛は無く、眷属をどうしようが進路についてもライザーやフェニックス家から干渉はしない事。

 何よりライザーは貴族社会としても、フェニックス家の看板を背負ってここにいると誇らしげに語った。実際誇らしい事なのだろう、孤児で平民のイッセーには分からなかったが。

 一方のリアスはまだ結婚はしたくない、婿養子は自分で選びたいの一点張り。

 そして何よりリアスとライザーのやり取りはまるで脚本があらかじめ用意されているかのようにスラスラと進んでいた。恐らくだがこの手のやり取りは腐るほど行ってきたのだろう。

 

 イッセーは貴族の看板を背負うプレッシャーというのを感じた事が無いため理解するのは難しかった。親から結婚相手を紹介された事は無いし、進路を指示された事とか習い事を強要された事もない。

 上の人間を納得させる代案も提示できないので、我儘を言うリアス姫を極力優しく説教をするライザーという情けない図だった。嫌な人と結婚したくない、強要されたくないという言い分には一定の理解を示せるのだが。

 

「とにかくあなたとは結婚しないわ、ライザー。私は私が良いと思った者と結婚する。古い家柄の悪魔にだってそれくらいの権利はあるわ」

 

 リアスの意見はそれの一点張りだった。

 その発言を聞いてライザーはこれまで抑えていた紳士的な面が剥がれた。分かりやすく苛立ちを顔に塗り、舌打ちも隠さない。

 

「…俺もなリアス。フェニックス家の看板を背負った悪魔なんだよ。看板に泥をかけられるわけにもいかないんだ。こんな狭くてぼろい人間界の建物になんか来たくなかったしな。人間界があまり好きじゃない。この世界の炎と風は汚い、耐えがたいんだよ!」

 

 来たくない場所に癇癪や我儘ばかりの相手をさせられたら怒るのも仕方のない事かもしれない。ここでとうとう爆発してしまう。

 ライザーの周辺を炎が駆け巡る、フェニックスの力だ。

 

「俺は君の下僕を全部燃やし尽くしてでも君を冥界に連れ帰るぞ」

 

 殺意と敵意を部屋内に撒き散らす。

 イッセーは上級悪魔の殺意というのを初めてみた。彼は平気だったが隣で立っていたアーシアは震えてしがみついている。ライザーが大木ならレイナーレやフリードは爪楊枝がいい所だろう、彼女がそのプレッシャーに耐えるのは難しい。

 他の眷属達は震えることは無く、いつでも戦えるように臨戦態勢を整えている。

 リアスもまた全身から紅色のオーラを放出している。

 

「お嬢様、ライザー様、落ち着いてください。これ以上やるのでしたら私も黙ってみているわけにもいかなくなります」

 

 だが張り詰めた空気に割り込むものが一人いた。殺気は無い、威圧した口調でもない淡々と言っただけだった。だがその一言で対峙する2人は魔力の放出を止めた。

 

「最強の『女王』と称されるあなたにそんな事を言われたら俺だって怖いよ」

 

 ライザーはバツが悪そうにそう言った。リアスもまたオーラを抑え落ち着きを取り戻す。

 グレイフィアは両者が落ち着くと口を開く。

 

「こうなる事はグレモリー、フェニックス家の両方が想定しておりました。今回が最後の話し合いの場だったのです。よって最終手段を取る事になりました」

 

 リアスは嫌な予感がしていた。欲の深い悪魔のそれも上級の貴族が娘の要望をそう簡単に通すだろうか。

 

「最終手段?」

「ライザー様と『レーティングゲーム』にて決着を着けるのはいかがでしょうか?」

「ッ!?」

 

 レーティングゲームと聞いてリアスは分かりやすく動揺した。

 イッセーは転生悪魔が出世する方法の一つとして教えてもらったなと思い出していた。要は試合形式で眷属同士が戦って勝敗を決める。そこで力を証明すれば中級、上級と出世の道が開けると聞いていた。

 

「公式のレーティングゲームには成熟した悪魔しか参加できません、が」

「身内同士のいがみ合いの非公式であれば許可される」

 

 リアスは意図を察知して怒りをあらわにする。

 

「つまりゲームによって婚約を決めようってハラね。どこまで私の生き方を弄れば気が済むのかしら…っ!」

 

 拳を握り体を震わせる、彼女は全身で怒りを体現していた。殺意もみなぎっている。

 

「良いわ受けましょう。決着をつけましょう、ライザー」

「へー、受けちゃうのか」

 

 リアスは覚悟を決めて凄んで見せた。

 だがライザーからすれば小娘が背伸びをして必死に強がっている、そう見えるのか余裕そうな態度を崩さない。

 

「俺は公式のゲームをもう何度かやっている。今のところ勝ち星の方が多い、それでもやるのか?」

「やるわライザー。貴方を消し飛ばしてあげる!」

 

 両者強烈なガンを飛ばしあう。

 

「了承致しました。ご両家の立会人として私がこのゲームの指揮を取らせてもらいます」

 

 誰も後戻りのできない戦いがここに決まった。

 

「リアス、君のその強気の源はその奥にいる赤龍帝か?」

 

 相手にそう言われてリアスは肩を少しだけはねさせた。

 ライザーはこれまでごねる事しかしなかったリアスが今回強気なのを見て少しだけ不審に思った。

 普通に考えてこのレーティングゲームを受けるのは結婚を受け入れますと代弁するのと同義だからだ。頭に血が上っていたとしても簡単に首を縦に振れるものでは無い、勝率を計算できないほどリアス・グレモリーはバカではない。

 これまでならレーティングゲームもあれこれ暴れて逃げるているところだ。

 

「なるほど、それなりにはやれそうだが…」

 

 ライザーはイッセーを見て値踏みをする。

 あまりいい気分では無かった。男からの視線というのもだが、神器を値踏みされるのはいい気分ではない。

 

『安心しろ。ドラゴンの力は極力封じてある、あの悪魔でもお前の底までは見抜けないさ』

(まぁ、レーティングゲームって俺も強制参加だろうし隠すのも難しいだろうけど…)

 

 ドライグはイッセーの不安要素を解消した。元々十年近く力を隠し通して来た、パッと見ただけで見抜けるほど甘い擬装はしていない。

 

「悪くは無いが俺には敵わない」

 

 ライザーが指を鳴らすと部室内の魔方陣が光出す。そこから次々と人影が現れ出す。

 

「何だ…?」

 

 女性のシルエットが続々と鮮明になる。輝きが収まるとそこには十五人の女性悪魔がいた。

 

「これが俺の可愛い下僕だ」

 

 外見年齢から服装、多種多様だがライザーの眷属悪魔十五人全員が集結していた。

 長身からロリ、おっぱいがでかい人までいたが、イッセーはその光景にこの日一番の衝撃を受けた。

 

「十五人全員女の子だと!?」

 

 そう男の夢ハーレム。目の前のちょいワル悪魔は眷属全員を好みの女で固めるという偉業を成し遂げていたのだ!

 

「ありなのか!下僕全員を女の子にするなんて、いやありなんだ!」

 

 この部屋にいる全員がテンションを爆上げしたイッセーについていけない。

 

「あー上級悪魔めざそー」

『そんな理由で?』

 

 リアスを含めたグレモリー眷属全員がつっこむ。

 

「お、おいリアス。そこの下僕くんやたら興奮してないか?」

「あの子、あなたの下僕たちを見て感動したみたい。悪魔としてやる気を出してくれるのは嬉しいのだけど…」

 

 ライザーは引いて、リアスは呆れていた。

 

「きもーい」「ライザー様この人気持ちわる―い」

 

 イッセーの興奮具合に相手方の眷属達はきもちわるがっていた。ハーレムを見て即興奮は本人もキモイムーブをしているなと思う。

 ライザーはいいことを思いついたとばかりの悪い顔。

 

「そう言ってやるな。上流階級を羨望の眼差しを見るのは下賤な輩の常さ」

 

 ライザーはそう言うと下僕の一人を引き寄せてキスをおっ始める。詳細は省くがこう、くちゅくちゅやり出す。

 

「あぅ、はうぅ…」

 

 アーシアはそれを見て即倒しそうになる。教会出身の彼女には中々刺激が強い。

 イッセーからしても正直ハーレム形成は羨ましい、だがそれを真正面から認めるというのはしゃくだ。

 だから男兵藤一誠、堂々と言ってやるのだ。

 

「うらやましい…いやけしからん!」

「何一つとして誤魔化せていないよイッセーくん」

 

 木場は冷静に突っ込む。言い直すどころか言い切ってしまっている。

 

「ライザーさま。眷属と戯れるのはご勝手ですがここは婚約の話し合いの場です。意義のある話し合いを」

「はいはい」

 

 グレイフィアからの指摘に素直にライザーは従う。

 イッセーは先ほどから銀髪メイドの人が何かを口にするたびに上級悪魔の二人は口を閉じるなと思った。それくらいの実力者なのかと少しだけ構える。

 

「両家からレーティングゲームになった際、日取りは十日後の夜と伝えられております」

「なるほど私に準備期間を与えるという事ね。仮に今すぐにゲームをして結果が出ても言い訳をさせない為に」

 

 リアスは屈辱だったが内心助かったとも思った。

 付き合いの長い朱乃、小猫、木場は兎も角、イッセーとアーシアはどれくらい戦えるのか実力を把握できていないし、悪魔の戦いの知識もないからだ。レーティングゲームは何の備えもなく勝てるほど甘くないのは理解できていた。

 ライザーはその提案に何も反応せずに無言だった。自身の勝利に揺るぎが無いからか。

 

 十日後にリアスの人生をかけたゲームを行う事になった。




原作だとイッセーが考えずに突っ込んでミラに秒殺されてたけど、その時にアーシアの神器の存在がライザーにバレたの割と戦犯ムーブでは
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