「またここに来ることになるなんてなぁ…」
イッセーの口から洩れたのはそんなセリフ。
場所は旧校舎の玄関前、一見すれば誰も使っていないくたびれた施設。
だがよく目を凝らしてみると校舎の隅はキチンと拭かれた跡があり、周りはうっそうとした木々はあるものの雑草が生え放題というわけでもない、また玄関周りの床も泥が飛び散ったり荒れている様子もない。
それは定期的に誰かの手が加わって維持されているという証拠。
この学校はほとんど使われなくなっている旧校舎の手入れに対し、別段生徒の当番制になっているという話は無い。
「ここに部長がいるんだよ」
彼が校舎を物色していると傍にいた木場祐斗はそう言った。
◎
『……………………』
イッセーと堕天使二人が睨み合う一触即発の状況。何かが切っ掛けで血みどろの争いが起きる。
だがそこで紅色の光が辺り一帯を埋め尽くす。
「何だっ!」
イッセーは脳内が戦闘一色になっていた影響からかやや荒っぽい口調になる。
そんな落ち着きを欠如させた相手を静かに嗜めるのはドライグだった。
『落ち着けイッセー。これは魔力で作られた陣だな』
「魔力……」
魔力と言われて思いつくのは駒王学園に住み着く存在の事。
そして何よりこの紅色に見覚えがあった。とても身に覚えがあった、つい数刻前に見た異世界の象徴の一つだったからだ。
「ごきげんよう、堕ちた天使さん達?」
光が弾けるとそこには紅色の髪を備えた絶世の美女。駒王学園三年生リアス・グレモリー。
これがただの人間であれば混乱に陥ってしまうだろうが、イッセーは違った。
目の前に現れたのが学園でも屈指の人気を誇る美女ではない事を知っている。正体がただの人間では無い事を知っている。
「…………悪魔」
「あら?」
リアスは彼の口から出た「悪魔」という単語を聞いて少しだけ驚いたが、目の前の相手が知っていてもおかしくないという前提はあらかじめ想定していたため軽めのリアクションに留める。
彼女はイッセーから意識を外して堕天使の方へと視線を向ける。その視線を受けたドーナシークと呼ばれた季節にそぐわない厚手のコートを着込んでいる堕天使は反応を示す。
「…その紅い髪…グレモリー家の者か……」
忌々しそうな視線を送る。
イッセーはドライグから聞いた知識でしか知らないが悪魔と堕天使は種族として戦争を行って来た歴史と、互いに夜の時間を縄張りにするという関係性上商売敵になるため仲は良くない。
よって堕天使のリアクションはおかしなものでは無い。
「ええ、ここは私リアス・グレモリーの管轄よ。勝手しようものならお相手をするわ」
「なるほど…グレモリーの管轄とは失礼した」
リアスのそのセリフに対してドーナシークはそんな事などまるっきり思ってい無さそうな雰囲気でそう話す。だがこの場でムキになる事はなくあっさりと引く。
「そいつは悪魔では無さそうだがそちらの関係者か?」
「そんなところよ。彼とその家族に手を出すことはこの街、ひいてはグレモリーを敵に回すと解釈してくれて構わないわ」
リアスはあっさりと嘘をついた、ただし半分だけ。
実際今さっき異能力を持った人間である事を知ったのだが、嘘をついた時に出る動揺を一切出すことなく話し切る。これは人の欲望を見抜き、それを糧にして交渉事を進める悪魔だからこそ、冷静を保つことに慣れていたのかもしれない。
「引くぞレイナーレ。奴を生かしていたとして我々の目的に支障はあるまい」
「ええ…分かったわ…」
仲間からの提案にレイナーレは納得こそしていなかったが、ここで悪魔と一戦交えるのは得策ではないと頭では理解出来ていたため渋々引く。
ここで神器保有者を仕留められないのは心残りではあるのだが、それ以上に悪魔の貴族と敵対する方が自分たちにとって害になるのは分かっていた。
「じゃあねイッセー君!今度会ったら殺し合おうね!」
レイナーレは口調だけは無邪気な猫撫声で、だがその内容はとても物騒で声色の殺意マシマシ。
そう言い放つと堕天使二人は魔法陣を展開してその場から撤退する。
『……………………』
そして残されたのはイッセーとリアス。
二人の間に微妙な雰囲気が残る。同じ学園の先輩後輩の関係とはいえ別段関りがあるわけでは無い。最悪の場合この場で戦闘になる事すらあり得る。
イッセーは神器を解除し、少しだけ硬かった構えを解く。
「…ありがとうございます」
イッセーはその場の口約束かもしれないが、貴族としての立ち位置を使って堕天使たちをその場から引かせて彼の家族の安全も保障してくれた事実に感謝を述べる。
それは彼の持っている手札では選べなかった選択肢だった。自分の無力さに歯噛みながらも感謝は忘れない。
相手からのそんなセリフにリアスは少しだけ緊張が解けた表情で微笑む。少なくともこの場で一触即発の雰囲気が流れない事に安心する。
「礼には及ばないわ。領地の治安を守るのも私の責務だもの」
◎
「……おはよ」
「おう、おはよう」
「おはよう、イッセー」
食卓で家族全員が顔を会わせて挨拶をして朝食をとる。
それはごく普通の当たり前のやり取り。だがそのやり取りに彼の心は安心感と満たされる感覚を覚える。
『父さん!母さん!』
イッセーは家の玄関扉を破壊しかねない勢いで押し開けて駆け込んでいく。
既に家の中に人がいる気配は感じ取っており、無事であることは分かっていても目で見なければ安心感を得ることが出来ない。
悪魔のリアス・グレモリーと別れてから慌てて自分の家に戻り両親の無事を確認する。
『声を荒立たせてどうしたの?夕飯出来てるわよ』
『遅くなるならキチンと連絡しなさい。待ってたんだからな』
リビングにある食卓には息子と一緒に食事を摂るためにずっと待っており、お預けを食らったせいか若干だが父の方は声に殺気がかっているような感じ。
『…………よかった』
『『?』』
息子の心の底から絞り出されるそんなセリフを理解出来ない兵藤夫妻だった。
「イッセーどうした?朝から元気ないな、また女の子にエッチな事でもして嫌われたか?」
「…………」
昨日起きた一触即発の事態の事など知りようもない父は朝から軽く下世話な話する。
イッセーはいつも通りのやり取りの安心感と同時に少し重い雰囲気をまとっているのだから察して欲しいなという複雑な感情を覚えた。
◎
「…………」
イッセーは自分に割り当てられたホームルール教室で机に座り考え事をしていた。
『明日の放課後、あなたの教室に私の使いを送るわ。そこで今後の事について話し合いましょう?』
リアス・グレモリーはあの後そう言って帰って行った。堕天使たちの動向を調べたいからイッセーの処遇については明日(今日)に回すとの事だ。
口調こそ尋ねる形だったが、実のところ強制的に出頭しろと言っているようなものだった。
「おいイッセー!」
「うおっ」
昨日一日で激変してしまった自分の立ち位置について考えを巡らせていると近くから叫び声が。
声の方へ視線を向けるとそこには松田と元浜が、声を張り上げたのは松田のようだった。
「…朝から何だよ…」
「聞いてくれ!女子更衣室ののぞき穴が塞がれてたんだ!」
「…………」
松田の叫びに元浜の深刻そうな表情。
いつもの彼であれば一緒に深刻そうにしていたかもしれないが、流石に今はそのようなテンションでは無かった。
性欲の権化と呼ばれる事もしばしばあるが、いつでもどこでも発情するというわけでは無かった。
今の彼は正直それどころでは無かったが、いつも通り平常運転な友人二人を見ているとどこか気持ちが楽になるのを感じていた。
「まー…なんつーか…どんまい」
既にのぞき穴を堪能した彼は適当にそう返した。
◎
「じゃあこれで授業終わり」
教員のそんなセリフを口にし教室から出て行くと、それを見たクラスメイト達から緩い雰囲気が流れ出す。
やっとのことで授業という拘束から解放され、各自部活なり放課後をエンジョイしようと活気づき始める。
「おいイッセー、ところでこんないいものを手に入れたんだが?」
松田はエロ眼鏡こと元浜を引き連れて鞄片手にイッセーの座っている机までやって来る。そして鞄に手を突っ込んでその中身を開陳する。
「うおっ」
彼の机の上にどさりと置かれたのは大人向けのアレなDVDだった。
その光景を目にしたクラスメイト達は男女関係なく引いていた。共学の校舎内で多くの人間の目の前に晒すものでは無いだろう。
「オラオラ!引いてんじゃねえぞ!これは大人向けの教科書なんだ!純情ぶってんじゃねえぞっ!」
「発言が最低だぜ松田君」
人としてもうどうしようもないほどネジが外れてしまっている友人に対して軽く注意をするイッセー。
するとその光景を不審に思った元浜は問いかける。
「おいおいどうしたイッセー?いつものお前なら『おおっ!何だこの秘宝は!?』って飛びつくところだろう?体調でも悪いのか?」
「…ん…まぁ…今日はちょっとな…」
「そういや朝からなんかテンション低いよな」
イッセーの歯切れの悪そうな対応に松田もさすがに心配そうにする。
「マジか…性欲の権化であるお前ですらエロへの執着が薄れるとは…重症だな…」
「…まーな」
元浜の割とヒドめな人物評に対し少しムッとするのだが、客観的に見て間違っていない評価の為渋々認めるイッセー。
何よりもエロにこだわりのある彼だが、今現在自分が抱えている問題の事で精一杯で他の事に手が付かないのだ。
「そういう時はこれ!『僕と痴漢と時々うどん』はどうだ!これ一発で精力復活だ!早速俺の家で観賞会と洒落込もうぜ!」
松田は嬉々としてDVDを掲げて誘う。
だが問題の相手はとーっても悔しそうにする。
「いや…今日は先約があってさ…残念だがそれは二人で楽しんでくれ…」
『なっ……』
その一言に悪友二人は驚愕しか表現のしようがない表情で肺の中の空気を漏らす。
「イッセーがエロDVDよりも優先する事があるだと…」
「バカな…次元が崩壊するぞ…」
「失礼だな!お前らは!」
松田と元浜の口から飛び出す人物評。それを聞いた本人はやや大声でツッコむ。
そんな風に騒いでいるとクラスメイト達が突然ざわつき始める。それはエロ三人組に対してでる嫌悪ではなくどこか色めきだったものだ。
学園トップクラスの人気、男子に限れば一番の知名度を誇るであろう木場祐斗がイッセーの教室に入って来たのだ。
女子たちの色めきだった視線をそれとなく受け流しながら教室内を見回す。そして目的の人物を見つけてそこに向かって歩いて行く。
「や。どうも」
「おう」
木場はイケメンかつ透き通った心が前面に出たスマイルでイッセーに対して挨拶をする。
一方の相手は少しだけ胡散臭そうな表情で返す。若干だが不快そうな成分も含まれている。モテる男が気に入らないのか、悪魔という種族に不信感があるのか。
お互いに正体は勘図いている。それは悪魔と神器所有者という表面上の情報だけだが。
「お前が?」
「うん、リアス・グレモリー先輩の使いで来たんだ」
椅子に座ったままの応対だったがそれに対して特段不快そうなリアクションは無い。
表情を表に出さない鍛え上げられた表情筋の持ち主なのか、そもそも不快と感じないのか。
「そうか、分かった行こう」
「じゃあ付いてきて欲しい」
そんなやり取りを見ているクラスメイト達は突然色めき立ち始める。キャーとかイヤーとか様々な声が響き渡る。
その内容は否定的なものではなくどこか受け入れるようなもの、「カップリング」や「組み合わせ」などの単語が耳に入ってくるのはきっと彼の気のせいだろう。
気のせいに決まっている。
イッセーは自分の鞄を持つと立ち上がる。
「ってわけだから今日は付き合えねぇわ」
そう言って木場について行く形で教室から出て行く。
ポカンとした悪友二人の表情が印象的だった。
◎
「ここに部長がいるんだよ」
旧校舎の玄関口の前、木場祐斗はそう言った。
「部長ってリアス先輩の事だよな?」
「うん、そうだよ」
そんなやり取りをしながら木造建ての旧校舎に足を踏み入れる。
使われなくなって久しいはずの校舎なのだが、外見そのままに廊下や窓などには汚れやひびが入っておらず、常日頃から誰かの手によって細かな手入れが入っているのが見て分かる。
「綺麗に手入れされてんだな」
「うん、僕達が当番制で放課後毎日掃除しているんだ」
「僕達…ね」
これから悪魔たちと邂逅する。その事実に対して少しだけ緊張感が。
例え相手が自分よりも実力面で格下だとしても力尽くでの解決を図れば自分の正体を多くの存在に見破られ、逃亡生活を余儀なくされる。それだけで済めばいいのだが、周りの人達そして彼にとって大切だと思える人達にも被害が及ぶ可能性もある。
それだけは避けなくてはいけない。だが彼は自分だけで望む結果を得られるほど知識も権力も持っていない。
『いつでも禁手を使えるように準備はしてある…が使えば後には引けなくなる…本当に奥の手にしておけ』
(分かってる。あんな力に頼りたくないしな)
『あんな…とは言ってくれる。それはお前が力を上手く扱えないだけだ。こっちに非がある様な言い方はやめろ』
(それはそうだけどさ……)
イッセーが自分の身の振り方悩んでいる中、相方であるドライグはそんな助言を送る。
結局のところ相手であるリアス・グレモリーの考え一つで、もしかしたら堕天使を相手にするよりも悲惨で苦しい決断を迫られるかもしれない。
二人は二階建ての建物の階段を上がる。
「ん?」
そこでイッセーは二階に上がってすぐそばにあるやたら厳重に施錠された扉を見つける。
彼は詳しい異能力の知識を身に着けているわけでは無かったが、何やら強力な力を感じる錠に鎖、そして不気味さがあるお札。
そして何より中から全くと言っていいほど気配を感じないのだ。
その事に言いようのない不安を感じる。
「こっちだよ」
「おう」
木場は相手の好奇心と疑心を逸らすためか声をかける。
イッセーもその意図を感じてすぐに意識を切り替える。突っ込まれたくない気持ちは十分に理解できている。
何よりも相手の感じが知られたら不都合なことを誤魔化そうとしているのではなく、それに関してはそっとして欲しいという雰囲気であったのも突っ込まないと決めた理由だが。
『オカルト研究部』
扉にかけられたそこそこ怪しいネームプレート。
今回の目的地である部屋。
そしてこの学園を裏で牛耳っている悪魔たち一行の根城。
「部長、連れてきました」
木場は扉の前からハキハキとした声で確認を取る。
その立ち振る舞いは
「ええ、入って頂戴」
その声に対して部屋の中から女性の声で返事が返ってくる。だが声はくぐもっていた、扉越しだからだけ以上に聞き取りづらかった、だが相手がリアス・グレモリーであるのはイッセーも分かっていた。。
木場は了承の声を聞くと扉を開いて中へと入る。そしてその後ろを黙ってついて行くイッセー。
通された部屋は初見で言うなら薄暗く妖しいという表現がピタリと当てはまった。
壁には何やら不思議な文字、ゲームやらアニメやらに精通している人であればルーンと表現しそうなそんな神秘さがある。
そして部屋の中央の床には何やら円状の模様が刻まれていた。魔法陣というやつだろう。
そして大人数で使う大テーブルに一人用のデスクにソファーと椅子が数点。明らかにゴテゴテした高価感は無いのだが、どこか品のある高級そうなオーラをまとっている。
基本的に金銭感覚が一般人なイッセーはそう感じる。
イッセーはもし壊したらいくらで弁償なんだろう…や悪魔に借金したらとんでもない利子が付きそうだなというしょうもない思考をつい巡らせる。
「ん?」
そこで彼はソファーに一人座っている相手を捉える。塔城小猫という女子生徒がいた。
一年生でロリ顔、小柄な体を備える学園でもトップクラスの人気を持つアイドル的存在、初見では小学生と間違いかねないとか。
男子女子共通の認識は「可愛い」というマスコット的人気を誇っている。
そんな人気者は表情筋を動かすことなく黙々と羊羹を食べている。
「…………」
そこで子猫は部屋に入って来た木場と客人の二人に向けて視線を向ける。
その仕草は来客の存在に驚きや疑問を覚えているという感じではない。そもそも使いを出した時点でこの部室に誰かが来ることは知っていただろう。
「こちら兵藤一誠くん」
「どうも、兵藤です。初めまして」
「…………」
二人の説明と挨拶に対して彼女はぺこりと一度会釈をするとすぐに羊羹を食べるという行為に戻る。
その態度は失礼なのだが木場はそんな反応が日常茶飯事なのか特に何も言わない。
イッセーの方は噂で口数が少ない事や不愛想気味なのは噂の範囲でだが聞いていたため「この子はそんな感じなのね」と納得させる。
そこでシャーという水が流れる音を彼は自分の耳で拾う、それは誰もが知っている生活音だった。つまりシャワーから水が流れる音。
「うん?」
室内の奥の方にシャワーカーテンがあり、おぼろげながらも女性肢体の陰影が見える。
(カーテン一枚越しでシャワーを浴びる女性付きの部室!何て素敵なんだオカルト研究部!)
既に当初の緊張感など理性と一緒に捨ててしまった獣はシルエット越しの情報だけで十分戦っていた。
「いやらしい顔」
ボソリと呟く声。
イッセーはそれを耳で拾うと声のした方向へと視線を向けるが、その先には寡黙な後輩が静かに羊羹を食べているだけ。
(そんな顔してたかぁ…?…まぁいつもエロい事ばっか考えてんもんな…)
言われた言葉を思い出して自分の顔をさするのだが、触診で自分の顔の状態を客観的に見れるはずもない。
「部長これを」
「ありがとう朱乃」
カーテン越しから聞こえる会話。どうやらリアスだけでなくもう一人朱乃という人物もカーテンの先にいるようだ。
(朱乃?ってあの……)
カーテン越しの会話から聞こえてくる固有名詞の一つを拾って自身の記憶を拾う。彼の記憶が正しければこの学園のアイドルの一人。
「ごめんなさい、昨日は色々ごたごたが重なってしまってシャワーを浴びれなくて流させてもらったわ」
カーテンを開いて出てきたのはしっかりと制服を着こんだリアスだった。
そしてその後方にいたのはイッセーも知っているほどの有名人、大和撫子を体現したような優雅なたたずまいに黒髪ポニーテールを備える学園のアイドルの一人の姫島朱乃だった。
駒王学園では男女ともに憧れの的であり、また「二大お姉さま」なんて呼ばれる有名人。
『あの女悪魔二人、中々の実力だ』
(やっぱそうか…)
出て来た二人を見てドライグはそんな感想を漏らす。
これまで学園内から遠目で見ることは何度かあったが実際に間近で見ると滲み出るオーラのようなものを感じたようで、一段警戒心を上げたトーンで話す。
「どうも兵藤一誠です」
「あらあら。初めまして姫島朱乃です。どうぞ以降お見知りおきを」
朱乃はイッセーの挨拶に対しニコニコ笑顔で丁寧な挨拶をする。
兵藤一誠は学園内でも悪い噂の方が通りがちだが、彼女はそれを知ってか知らずかは不明だが不快そうな対応は全くしない。
リアスは客人と部員たちがそこそこ和やかな雰囲気なのを見て満足そうにする。
「じゃあ早速だけど話し合いをしましょうか」
「ええ」
「学校の先輩としても―」
リアスは一拍入れて妖しさをその表情に含んで続ける。
「そして悪魔としても」