オラリオ総異端児化計画   作:夜月工房

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前回までのあらすじ:少女は気付けば異世界に居た。それまでの記憶を持ち、それまでとは違う体を持って。現状を把握するより先に巻き込まれる形で事態が進み、その中でこの世界が娯楽作品とよく似たものであると気付く。異世界転生だ、と喜ぶことは無かった。何故なら少女は普段から五感が働き記憶もそれなりに残る様々な状況下で過ごすリアルな夢を見ていたからだ。そうしていつかは覚める夢かも知れないとの思いを抱きつつも、だからこそ全力を出す事を躊躇わず、少女は世界の中心で思い切り爪痕を残した。原作崩壊待ったなし。しかし元より望むところであると走り続けた先に待っていたものとは――
なお、行き当たりばったりが過ぎて未来の話だったはずの第一話に繋がらなくなってしまったので、第一話は破壊されて跡地とされてしまった。合掌。


旧第一話跡地:ちょっと未来、或いは過去のお話――オラリオの割と普通な一日――

「えーこちらは旧第一話跡地となっております。現在は振り返り配信と言う事でネタバレの嵐が吹き荒れているため、お手数ですがご新規の方はブラウザバックするか次の話へとお進み下さい」

 

「開幕どこ向けかわからンようなメタ発言やめーや」

 

 マイクに向かって話し掛けるのは、オラリオに於いて珍獣と呼ばれ親しまれつつも忌み嫌われる存在。名をノーカ・ウントと言った。

 会話の流れでノーカウントを主張していたら、その場にやって来たフェルズにより――タイミングが悪く(今までの行いから)――名前扱いされてしまったと言う不幸な事故を由来に持つが、偽名で過ごしても不便に思う機会は滅多に無いため、訂正する事無く使っている。

 

「あー、一応の警告はしたし、もう良いだろ」

 

「ですねぃ。いやはや、まさかプロットを投げ出して歴史を変えてしまい、話が繋がらなくなってしまうとは。歴史の修正力とやらはどうしてしまったのやら」

 

「そりゃ、テメーのせいで匙投げたンだろ」

 

 珍獣の外見は遊園地のマスコット(イメージキャラ)を思わせる虎の着包み姿であり、素顔は見えない。だが、頭上に光輪を頂き、背中に二対四枚の翼を持つ異形であった。この時点で純粋な人間(ヒューマン)の容姿からは大きく離れて見えるが、幸か不幸かこの世界ではエルフやドワーフ、獣人等と呼ばれる亜人(デミ・ヒューマン)も存在するので特別目立つ訳でも無い。

 どことなく投げ遣りな態度で珍獣に応じている気怠げな少女もまた小人族(パルゥム)と呼ばれる種族であり、背丈こそヒューマンで言う六歳児から七歳児相当ながらも実年齢は満十四歳である。尤も、精神年齢は其の比では無いが。

 

「しかし、なンだな。予想通り異世界ネタは超越存在(デウスデア)の興味関心を引いたわけだ」

 

「そのようで。お陰様で私の種族(モンスター)がバレても処分は保留と言う名の実質許容ですし」

 

 かつてこの世界では、人類とモンスターによる苛烈な生存競争が繰り広げられていた。正確に言えばモンスターによる一方的な虐殺であり、基本的に人類は生存圏を削られる一方だった。

 だが、例外と言う物は何処にでも存在する。人類の中にも傑物が生まれ、定期的にモンスターを押し返して生存圏を奪い返してもいた。多くの場合、その傍らには精霊と呼ばれる神の遣いが居たので、当時から神の介入は有ったと言えるのかも知れないが。

 そんな対立構造が過去から現在に至るまで途切れた事は無く、故にこそソファーに座ってテーブルに肘を乗せて頬杖を突くトラスーツの正体(中身)がモンスターであると言う事は、人類にとっての敵であると言っているに等しい。そしてその横に小人族(パルゥム)の少女が座り、炙ったゲソを咥えてプラプラさせている光景は非常に大きな意味を持つのである。

 

「ンで? 今回のお知らせ内容は何だってェのよ?」

 

「そうですね。やはり一段落したので今までの振り返りと今後の展望でしょうか。後は神に対する慰労の意味を込めて情報爆弾を幾つか」

 

「あー、まァ、そうな。情報の整理は大事だよな、うン。爆弾投げ込む予告がセットだが。そンで慰労……ねェ。言われてみりゃ確かに大神ウラノスの『祈祷』やら『神の恩恵(ファルナ)』やらが無かったらリヴィラの街並にオラリオが滅んでは興っての一進一退を繰り返してて安定した暮らしは望めなかっただろうし、そうなればアタシも産まれなかった……のか?」

 

「さぁ? 今度シミュレーションしてみましょうか。シムダンまち神降臨禁止縛り」

 

「なンとなく一部で現状(いま)より良い結果を出しそうで怖いから止めて差し上げろ」

 

 そう、この世界には神が存在する。超越存在(デウスデア)とも呼ばれる彼等彼女等は、永遠を不変のまま存在し続ける全知全能であり、天界にて悠久の時を暮らしていた。

 具体的にはン億歳らしいが、恐らく発生当時は暦が開発されておらず、正確な年齢は不明だと思われる。鯖を読むには余りにも高齢だが、指摘すると全女神を敵に回す可能性が非常に高く、推奨されない行為である。

 そんな神々は、ある時(約千年前)を境に下界へ降臨し始めた。尤も、各地に精霊や人知を超えた不可思議な能力を持った天の授物(アーティファクト)の逸話が残されている事から、それまでも全くの不干渉と言う訳でも無かったが。そもそも人類の間では、自分達人類を創造したのは神であると信じられているそうだ。

 多くを語らない神々だが、人々に問われて答えた理由は救界(マキア)なのだと言う。後に多くの神々にとって一番の理由は暇潰しだったと暴露されたのだが。永遠を生きる者の行き着く果ては慣れによる退屈らしい。其の様に俗物的な存在が上に立つ世界なので、割と色々な部分でガバガバだったりする。

 

「えー、でも『神の恩恵(ファルナ)』って可能性の具現化で時計の針を早回ししてるだけですよ? 可能性自体を拡げてくれるわけじゃないならぶっちゃけ楽を求めて水よりも低いに流れる人類には成長を阻害する枷にしかならないと思うんですがねぃ」

 

ゴブリン(最弱モンスター)相手にも苦戦できる雑魚生物なンだから仕方ない(しゃーねー)ンだわ。元より武器やら防具やらって知恵の結晶(どうぐ)に頼るのが人類なンだし、他所から入って来た優れた道具を使うの自体はアリだろ。その道具を解析改良しねェ辺り怠惰極まってて見捨てたくなるがなァ」

 

「あら辛辣。ですがそんなラジルカさんは試したので? 別段成果を発表した記録は無いご様子」

 

「ぶっちゃけサンプルの種類が集まらンのよ。改宗(コンバージョン)ができる以上、共通規格で動いてンのは間違いねェ。が、見える範囲は主神のエンブレムと【神聖文字(ヒエログリフ)】だけだし、真似して書こうにも神血(イコル)だって量は集まらンしな」

 

 しかしながら、そんな神々の齎した物は人類にとって絶大な効果を持っていた。其れこそが『神の恩恵(ファルナ)』である。

 『神の恩恵(ファルナ)』とは、神が神血(イコル)を用いて刻む眷族の証だ。そして珍獣及びラジルカと呼ばれた少女の言葉通り、人類の可能性を引き出して強化する一種の装備でもある。正しく子供にも大人以上の能力を与える其れは、人類の躍進に大きな役割を果たしている。

 一方で、鍛えた人間であれば『神の恩恵(ファルナ)』を用いずともモンスターを倒せる実力を備える事が可能だ。但し其の境地へと至る為の道程は長く、そして険しいのも事実。

 その様な理由があるため、強くなるための期間を短縮できる『神の恩恵(便利な道具)』と、其れを齎す事の出来る神が持て囃されるのも道理であった。

 

「さてはて、そんなわけでオカン事ダンジョンの意思と久々にお話しをした所ですね、何でもダンジョンの一部仕様について変更を検討しているとの事でして」

 

「ほォ?」

 

「具体的には転移装置(ワープポータル)の設定ですね。安全階層(セーフティポイント)同士を繋いで、移動時間の短縮を比較的安全に行える様にする事で冒険者の【ランクアップ】を促そうと言う話ですね」

 

 この世界に於いて、ダンジョンと呼ばれる場所は一箇所しかない。太古の昔よりモンスターが湧き出して来る大穴として語られて来た其処は、未だに人類が踏破出来ていない秘境でもあった。

 人類がモンスターによって絶滅寸前まで追い詰められていた以上、原因である大穴を塞ごうとする試みも当然有った。そして道が切り拓かれ、大穴を塞ぐ様に街が築かれた。此れが現在も続くオラリオの始まりと言われている。

 そんなダンジョンだが、端的に言えば非常識な地下空間である。地上で見かける同種よりも強力なモンスターが壁や天井から産まれて来たり、階層を下る程に空間が横方向に広がって行くばかりか、環境すらも洞窟、森、水辺……と大きく変化する。当然ながらモンスターの強さも階層に比例して強く、そして多様化する傾向にある。

 そのため、探索には単純な強さばかりではなく水や食料、予備の武器防具に環境対策や休憩に用いる道具等々の物資に関する問題が付き纏う。其れ等の複合的な要因が絡まるダンジョンの攻略難易度は、神が降臨して『神の恩恵(ファルナ)』を得てから千年が経過した現在に至るまで人類が踏破出来ていない事実からも理解出来る様に、非常に高いと言わざるを得ない。

 特に移動時間はそのまま人類の寿命に直結する要素であり、水や食料の問題とも密接に関わっている。此れが緩和される可能性が示唆された事実は、余りにも大きい。

 

「第一級冒険者は大歓喜だろうな」

 

「ま、此れも世界をゲームと見た場合のプレイヤーを神から人に挿げ替える策なんですけどね」

 

「えげつねェ……移動可能な範囲に制限は?」

 

「個人の到達階層とかを記録するのがめんどいんで調整中です。個人的には制限なしにして下級冒険者でも深層の空気を味わえる様にしても良いと思うんですけど、心が折れるとの意見がギルドや一部の団長から出てるんですよねぃ。折角の機会ですし、ギルドと提携して到達階層を記録する標識(タグ)でも作ろうかと」

 

「なる。地上とは直接転移でき……るわけねェか」

 

「ですね。18階層までは今まで通りになります。初心者救済的な意味も込めて人通りは多い方が良いですし」

 

 『神の恩恵(ファルナ)』にはRPG的な【ステイタス】や階位(レベル)の概念が存在しており、第一級冒険者とは、Lv.5以上の者を指す言葉である。其れ等を上げるためには、主にモンスターと戦い【経験値(エクセリア)】を稼ぎ、更には偉業の達成――主に強敵と戦い勝利す(自分の限界を超え)る事――が必須とされている。そして大方の予想する通り、階位(レベル)が上がる程に必要となる偉業の程度も上がる。

 つまり、より高みを目指す場合はダンジョンの深部へ進む必要が出て来る。そのためには戦闘要員だけではなく物資や運搬要員が必要となり、何かと大掛かりな話に成りがちだ。その点で見ても、ワープポータルの実装が齎す恩恵は計り知れない。勿論、実現後も未到達階層を目指す場合は大規模な遠征が必要になるのだが。

 

「そういやリヴィラの街の前身はギルドの計画だったか。その辺はギルドで介入せンのか?」

 

「職員が不足してますし、委託するにも戦力だって不足してますからね。そもそもダンジョン内は治外法権ですし」

 

「あー、それもそうか。もっと下の安全階層(セーフティポイント)に街を作るにも戦力が不足してて作れンしな」

 

 此処で残酷な事に、獲得出来る――又は力や敏捷と言った基本アビリティを上げたりスキル、魔法を発現させるために必要な――【経験値(エクセリア)】の値には、明らかな個人差が存在する。つまり同じ集団で同じ様に日々を過ごしても格差が、そして脱落者が生まれる。

 事実として、現在のオラリオに居る冒険者の半分以上がLv.1のままであり、神ですら認める偉業のハードルが如何に高いのかを表している。一般的に才能のある冒険者が最初の【ランクアップ】を経験するまでに必要な期間は三年だとされており、最短記録ですら一年程度とされているのだから気が遠くなる話だ。当然、才能が無いとされる者は十年だろうと二十年だろうと【ランクアップ】には届かない。

 その分だけ【ステイタス】の数値が意味する内容に個人差はなく、階位(レベル)の差は絶対的な能力差として現れるのだが、ある意味では余計に報われない。考えて作り出した神々の性格が伺い知れる仕様である。尤も、恩恵なしでは人類が存続出来ていたかも危うい話であり、今までと比較して明らかに強くなれる手段なのだから乗るしか無かった面も有るのだが。

 

「そこで出て来るのが『異端児(ゼノス)』ですよ」

 

待て待て待て(うぇいウェイwait)、オラリオ的には初耳になるンじゃねェのか『異端児(それ)』はよ」

 

「それが何か?」

 

「何かって……」

 

「人が人を判断する要素は外見と振る舞いの視覚情報ほぼ十割ですが、外見に関して言えばブスは三日で慣れるし美人は三日で飽きますの。要はアレアレ、見た目がモンスターでもギルド職員の制服着せて腕章着けてれば馬鹿でも理解出来ますって。希望的観測ではありますが」

 

 『異端児(ゼノス)』とは、名前の通りに異端の存在である。彼等彼女等は、モンスターでありながら理知を備えており、人類へ無差別に襲い掛かる通常のモンスターとは一線を画する。尚、人類に対する姿勢は友好的、若しくは敵対的で二分している。

 

「割と通じ無さそうな脳筋が多いんだよなァ上級冒険者」

 

 一方で、人類からすればモンスターの時点で相容れない敵との認識である。其処には人類が積み重ねて来た歴史とモンスターに対する理解とが在るのだが、例外の存在を知った所で先手を取られたら殺される存在を相手に確認する余裕は無いので、態度を改めろと言われても難しいだろう。皮肉な話ではあるが、同種族で頻繁に争う点ではモンスター以下な人類ならば尚更とも言える。

 そんなモンスターに理知まで備えられてしまった場合、最早人類の上位互換と言っても相違なく、魔石と言う破壊されたら即死する弱点がなければ完全上位互換扱いされても良い程である。尤も、理知を備えたからこそ意見や信念の相違から命を奪うまで同士討ちしてしまう危険性も高まっているのだが。

 

「その辺は不意討ちでも倒せない位の強さになるまで『異端児(ゼノス)』の皆さんを鍛えれば問題ありませんよ。むしろパートナーシステムを適用させて私より強く(蘇生も可能に)する予定ですし」

 

「ならいっか。知らンけど」

 

 珍獣の言うパートナーシステムは、()ミル・()ロニクル・()ンラインというMMORPG由来のシステムであり、此の(ダンまち)世界には無かった物である。故に、放送を聞いている神や人は首を傾げていた。或いは結婚をイメージしている神も少なくなかった。

 そんな内容を口にした珍獣は、俗に言う転生者の様な物である。厳密に言えばオンラインゲームのサービス終了と同時にゲームのアバター姿でダンジョンに居たと言う変則的な転移に近い認識なのだが、ECOはフルダイブ型のVR等では無かったので経緯には少しばかり謎が残る。身体は間違いなくダンジョン産まれのモンスターの筈だが、体内に魔石は存在しない。記憶や精神は前述の通りゲームのプレイヤー、即ち平成を生きる一般現代日本人でしかない。能力や影響を加味すれば、或いは稀人と称するのが適当かも知れぬ存在であった。

 対するラジルカはオーソドックスな転生者であり、こちらは原作キャラ(リリルカ・アーデ)家族(実姉)と言う有りがちな立場を得て、魂の在り方から微妙なチート能力をスキルの形で発現させた以外は一般的な小人族(パルゥム)の範疇に収まっていた。紆余曲折を経て魔改造された結果、今では立派なチート転生者(神比肩する存在)と成り果てたが。

 

「まぁ、未だ検討の段階なので今後どうなるかは不透明なんですけどね。選んだ階層よりも深い階層に飛ばしてからポータルが一斉に故障して使えなくなる事故とか起こしたいですし」

 

「何ナチュラルに石の中並の殺傷力高ェ罠仕掛ける宣言してやがンだテメー」

 

「いやだって安全階層(セーフティポイント)に集落を作るにも『異端児(ゼノス)』の頭数が足りないんですよ。もっとダンジョン内で人に死んで(材料を提供して)頂きませんと」

 

「……おっふ」

 

「おや、眠ってしまわれましたね。無理をさせましたもんねぃ」

 

 さて、珍獣はゲームのアバターが再現されている事は先に述べたが、その関連なのかECO内の設定が当世界の法則へ食い込んで侵食している節が随所に見受けられた。他ならぬ珍獣の知識にも影響が現れており、『異端児(ゼノス)』に関連要素として魂を取り扱う技術を理解していた。

 これはECOの憑依と呼ばれるシステムが関係しており、ECO内の人物は気合を入れると魂がすっぽ抜けて器物に憑依出来る様になる。又、その憑依に対して働き掛けるスキルも存在しており、結果としてノーカは魂に関する知識や技術は天界で人間の転生に携わる此の世界の神々に匹敵、或いは上回ってさえいたのだ。

 そして詳細は伏せるが、ノーカは【イケロス・ファミリア】の捕獲、又は殺害した『異端児(ゼノス)』の実物を見聞(検分)して、発生の仕組み(メカニズム)についてとある仮説を立てた。その結果、モンスターに人間(死者)の魂を打ち込めば良いとの結論に達したのである。因みに、ダンジョンの意思は(三年前)に説得済みだ。

 かつてアルマ――ECOにおける人の姿を得(擬人化され)たモンスターの存在に強く心を動かされたダンジョンの意思は、飛び切りの異常事態(イレギュラー)であるノーカからECO内で実装されている全モンスターに対するアルマを実装せんとする『ECO総アルマ化計画』の存在を聞かされて、同様に(真似をして)ダンジョン内の全モンスターをアルマに変えようと試みるもリソース不足で泣いた過去を持つ。そして妥協してダンジョン内のモンスターを『異端児(ゼノス)』にする『オラリオ総異端児(ゼノス)計画』(プロジェクト)を実行する決意を固めていたのである。オラリオではなくダンまちなのではとのツッコミは、残念ながら届く事は無かった。

 悲しいかな、ダンジョンの意思も30代の隠れオタクなOLだった前世を持つ転生者であった。物語の根幹から破綻してしまっている此の事実を知る者は、現状では限りなく少ない。

 

「そんなわけで今後もダンジョンは変わらず子供を殺され魔石や自然物を奪われる悲劇や体内に潜り込まれ蹂躙される苦痛をある程度まで許容する代わりに侵入者の排除を諦めない方針ですので、人類の発展に寄与する冒険者の皆様はどんどんダンジョンに挑んで殺し殺されの血生臭い生活をお送り下さい。人類の生き残りを望むなら黒竜討伐もしてもらわないとですし、個人的にも応援しておりますので。そしてラジルカさんもお休みしちゃいましたので、そろそろ今回はお開きにします。詳細が固まったらまた後日お知らせしますので、質問や意見は簡単便利でも危険でお馴染みギルドのすぐ殺る課までどしどしお寄せ下さい。それでは皆さん良い一日を、アデュー!」

 

 そうして珍獣は放送を終えた。視聴していたオラリオの住人達は、情報の爆弾に胃や脳を破壊されながらも、等しく一つの疑問を抱いた。

 

「「「……振り返りの要素どこ?」」」

 

 此の様な回収されなかったり投げっぱなしだったりは珍獣の絡む案件に限れば日常なのだが、未だにオラリオの人々は慣れないのであった。




2023/05/14:全体的に修正。
2024/04/12:もっと全体的に修正。
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