オラリオ総異端児化計画   作:夜月工房

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前回のあらすじ:『なんでもクエストカウンターオラリオ支部』におけるアルマ達のアイドルデビューに向けたレッスンは熾烈を極めた。基礎的な体力を付けるための運動と食事。最早これは呪いなのではと疑われる一部アルマの抱える音痴と運動音痴の克服。不特定多数の大勢から視線を向けられたり失敗をしたりでも動きを止めないためのメンタルトレーニング。思った以上に山盛りな課題を前に黄昏れる敏腕プロデューサー(ラジルカ・アーデ)(笑)は起死回生の一手として『ナザリック地下大墳墓オラリオ支店』の面々に助力を乞い、その結果まずは効果の程を自分の身で以て体感するべしと奇抜さの欠片もないガチなトレーニングを受けさせられた。時間の流れが異なると言えどオラリオ基準で一週間の時を経て帰還したラジルカは、頭の天辺からつま先――髪の毛の一本に至るまで完全に痛々しいぶりっ子系アイドルに成り果てていた……。
なお、アルマ側は自主的に話し合い、まずは自分達が楽しめる事を目標にしてメニューを組み上げて、和気藹々と過ごしながらも着実に歌と踊りの腕前を上げていた。そしてそれに混じっていたリリルカが徐々に人間離れしていったのだが、魔改造されて戻って来たラジルカは素直に称賛するだけで、ツッコミを入れたり嘆いたりする事が出来なかった。


第三十八話:ジュースで乾杯――お酒は二千歳になってから――

 オラリオに激震が走って数日。闇派閥(イヴィルス)の活性化が確認されないまま、警戒しつつも人々が日常へと順応していく中、当の脱走犯(ノーカ)が何をしているかと言えば……

 

「原作ヒロイン候補の敵対する率高過ぎワロタ」

 

「台詞の割に草生えてませんよ」

 

「しっかりしろ農家、役目だろ」

 

 酒場(バー)で愚痴を溢していた。

 

 アイズによる襲撃の後、【ガネーシャ・ファミリア】の取り調べをしっかり受けてから解放されたノーカは、予防線(天界製)を潜り抜けて襲撃してきたダンジョン的にも重要なヒロイン(アイズ・ヴァレンシュタイン)との敵対ルートに入ったっぽい事を割と深刻に悩み『ナザリック地下大墳墓オラリオ支店』へと駆け込んだ。

 そこで受けた助言……というかブレインストーミングにより、一度行方を眩まして諸国を巡ったり闇派閥(イヴィルス)側にテコ入れしたりといった根回しに注力する事を決めたのであった。そして一度外出してギルド長への書き置きを残してから再度来店し、今に至る。

 

「でもこの時点だと正直リューさんもアイズも単なるガイジだからしゃーない」

 

「ベルくんの漂白効果でようやく人間味を取り戻すのが彼女らですもんね」

 

「もう大丈夫って安心して逝った神を尻目に復讐の鬼と成り果てた自虐誘い受け系正義マンがなんだって?」

 

「正義を口にする奴って大体は立場が低くて物が見えてないよな。もしくは狂信者あるいは詐欺師」

 

「そりゃ、現代だと空っぽの頭に詰め込むための思想(もの)ですからねぃ、正義」

 

「つまり夢か」

 

「人の夢と書いて儚い……アグリアスは俺の嫁」

 

「残念ですが彼女は兄の騎士(もの)です」

 

「ちくしょう本物を知る者(アルマ・ベオルブ)がいたわ!」

 

「小難しい話はわからないけど、どうせ始まりはギリシャの哲学者(無職)共でしょ?」

 

「ソクラテス、プラトン、アリストテレス。私でも知ってるぞ……名前だけならな!」

 

「十分でしょう。それでは名前の挙がった世界三大哲学者(穀潰し)に乾杯!」

 

「「「「「「かんぱーい!」」」」」」

 

 基本的に暇を持て余している転生者一同は自由時間の多さから互いに娯楽を融通し合っており、ダンまちに関しても原作に触れてある程度の知識を得ている。外伝であるソード・オラトリアやアストレア・レコード(ダンメモのプレイ動画)に関しても履修済であるため、敵対的な二者(リューとアイズ)の現時点における性格や生い立ちといった情報も持っている。

 そのため、上位者の視点(管理運営の立場)から得られる情報を元に実現可能な範囲を割り出した上で感情を排した取捨選択をするノーカと、下っ端という立場と若さとが合わさったが故の無知及び視野の狭さに加え毛嫌いしている筈のエルフらしさ(傲慢さ)から来るある種の全能感により正義(感情論)を掲げるリューとの相性は最悪だと理解も納得も出来てしまえた。

 

「アイズなんてこの時点じゃまだ七歳だったかだしな。小学一年生か二年生って考えたら自分で考えて選べるだけ凄いけど、復讐一色で生き物ガンガン殺せるの今となってはキモいわ。それを許す周りの大人はもっとキモい」

 

「神からしたらどう言い繕っても所詮は愛玩動物(ペット)感覚だからな。放し飼いの犬とか猫って考えたら小さい内から狩り出来るのはむしろ立派だって思ってるんでない?」

 

「まー、その辺はお国事情ならぬ世界事情って奴でしょう。私らだってスラムのガキとか園児レベルが盗み殺し(ガチ犯罪)するのを見てるわけですし」

 

「だねー。それ以前に従った方が得だと思わせるだけの価値を示せないなら説得なんて無理っしょ」

 

「黒竜の首を土産に……したら神から総スカン食らうか?」

 

「大丈夫じゃない? 別にあいつらゼウスたちの時も見学してないんでしょ?」

 

「あー、その辺のイベントは基本的にこの世界の人に手を汚させます。正直、妬みで排除する流れを作られる可能性も低くないですし、英雄なんてのは本物であるほど馬鹿を見るのが相場ですからねぃ」

 

「ノーカが挑む場合は事前にバフ盛って挑んだのに開幕出来心モンスターテイミングが通って終了する未来しか見えないんだよなぁ」

 

「ボス属性<よし、通れ!」

 

「仕事しろwwww」

 

「竜はドミドラで間に合ってますから……黒竜様におかれましては今後のご活躍を心よりお祈り申し上げます」

 

「ぐわぁぁぁぁぁ!」

 

「トラウマ発症してやがる」

 

「祈りに弱い……アンデッドですか?」

 

「ここは仕切り直しですね。はい、かんぱーい!」

 

「「「「「「かんぱーい!!」」」」」」

 

 アイズに関しても、モンスター憎しの(真っ黒い)感情だけで突き進み自らも省みない頑迷さは並大抵の物ではないと知っている。何年もの時を経て憎悪以外の感情に意識が割り振られる様になり、伸び悩んでいる所に現れた自分以上の速度で強くなった興味深い存在であるベルの純粋無垢で(白くて)熱意のある(紅い)性格に触れて徐々に解れていき、異端児編を経て漸く自分の頭で考える様になるのだから。

 少なくともモンスターへの憎しみに関しては、アイズの好奇心を満たす相手を見付けていない以上は現時点での修正は不可能と考えられ、異形(ノーカ)をモンスターから除外する可能性も低いだろうと言うのが有識(転生)者達の意見だ。

 

「んー、しかしあの二人、要は熱を通して無毒化される鰻の血みたいなもんです?」

 

「正義やモンスターで毒を取り戻す辺り、かなり近いな」

 

「辛辣ゥ!」

 

「残当」

 

「擁護できる点が未熟だからオンリーなんだけど、眷族の時点で重機を運転してるようなもんだからそんなんじゃ許されないんDA☆」

 

「これもみんな大した試験もなしに免許ポンポン発行する神が悪い」

 

「マジかよ神の奴ら最低だな扇風機のファン辞めます」

 

「風が…やんだじゃねえか…」

 

「はいはい、乾杯しますよー。チンチン!」

 

「「「「「「チンチン!」」」」」」

 

 環境や経験といった要因を知っているため、気持ちは分かる部分もあるのだが、転生者は前世込みで考えると最も若い者でも三十代に届いてしまう程度には生きており、その中でそれなりの苦労をしている。有能なばかりに管理職経験を持つ者が殆どで、故に風紀を乱す下っ端に過ぎない二者(リューとアイズ)への現時点における評価はそこそこに低い。無能な上司枠(主神や幹部)に至っては底辺である。

 

「でも、そうかぁ……ヒロインが鰻の血……ベルくんは珍味好きな吸血鬼だった……?」

 

「種族変更アイテムならありますよ」

 

「引っ込め世界の可能性」

 

「嫌じゃ! わしは鰻の血など吸いとうない!」

 

「吸血と妊娠の間にある関係を求め、我々調査隊はアマゾンの奥地へと旅立った」

 

「新説来たな」

 

「学会が大騒ぎするぜ」

 

「ただの蚊じゃん」

 

「草」

 

「よし、話を戻すためにも一旦乾杯すっか! プロースト!」

 

「「「「「「うぇーい!!(ガシャーン)」」」」」」

 

 こんな感じに過ごして沈んだ気持ちを回復させていったノーカは、ついでに原作小説を読んで知識を得るように推奨されたのだが、知ってしまうと変な気の使い方をしそうなので断った。

 

 

 

 そして次の日。オラリオを離れた(事になっている)ノーカはアクロニア開拓地にやって来ていた。アーデ姉妹を連れて。

 

「テーマパークに来たみたいだぜ……テンションは駄々下がりだがなぁ」

 

「お姉ちゃんはどうしてそんなに疲れてるのですか?」

 

 疲れているというよりはもはや体調不良(状態異常)の域に達しているラジルカとは反対に、リリルカは平然としていた。この違いはこれから始まる地獄(訓練)を認識しているかどうかであり、同時に新しく紹介される面子(ベル親子)との関係構築に対する不安でもあった。

 

「リリルカさん、あなたのお姉さんは今日という日が楽しみ過ぎて昨夜はよく眠れなかったんですよ」

 

「なるほど……でも、意外です。お姉ちゃんは年齢の割に大人びていると言われますのに」

 

「ふふ、年齢相応の可愛いところが見られてラッキーですね」

 

「はい! お姉ちゃんの新しい一面を知れてリリは大満足です!」

 

「ぐぬぬ……」

 

 ラジルカの内心を知ってか知らずか(知ってて無視して)地獄への案内人(ノーカ)はぬけぬけとリリルカに嘘を語って聞かせている。一度は騙されて姉の迷惑になった経験から慎重さを身に付けたリリルカではあるが、自分たちを闇派閥(どんぞこ)から掬い上げた相手まで警戒する段階には至っておらず、こっそり抱いている願望もあって、姉の年齢相応な部分(ノーカのからかい)を肯定、受容してしまった。

 その花咲く笑顔を散らすわけにもいかず、ラジルカは意外に子供らしい一面を持つというレッテルを否定する事が出来ないまま唸る事しか出来なかった。

 

 

 

「そんなわけで期待の新人一号二号です」

 

「ほう、前に言っていたパルゥムの姉妹か」

 

 アーデ姉妹の案内された先は、長閑な農村ではあった。が、見た事の無い動植物が闊歩する魔境染みた場所でもあった。と、言うのも

 

「取り巻きは減らし過ぎるとでかいのに呼び出されるぞ! 個別に引き離して釘付けにしておけ!」

 

「近くに長くいると寒さで動きが鈍る! 前衛はこまめに交替しろ!」

 

 到着時は運がいいのか悪いのか、ECOの浸食が進んだらしく最近になってDDでなくともポップするようになった階層主相当なMOB(フィールドボス)との戦闘中であり、水色の体毛を持った熊の群れとそれを率いる何故かマフラーと手袋を装着した巨大な白熊である白熊くんが武装した人間の集団と争っていた。

 

「ちょうどいい、混ざってこい」

 

「いやいやいや、そんな子供の遊びみてぇなノリで言っていい内容じゃねぇンだが!?」

 

 『神の恩恵(ファルナ)』を持たない一般人に対して素晴らしい無茶振りをして来た白髪美人(アルフィア)の言葉に、ラジルカは思わず首と手とを横に振って否定する。

 

「何かあればノーカ(そいつ)がどうにかする。黙って逝け」

 

「うおお暴君」

 

 だが撤回されることは無く、出されたのはGOサイン。それを是とする根拠が全力で戯れる奴(ノーカ)によるフォローという、ラジルカからすると不安要素でしかなかいのが忌避感に拍車を掛けている。

 

「お姉ちゃん」

 

 無情な命令に打ちひしがれるラジルカであったが、服の裾を引っ張るリリルカの声に我を取り戻した。そう、姉として妹の身はこの命に代えても守る――

 

「あれくらいなら大丈夫ですよ」

 

「なンて?」

 

 そんな決意を滾らせるラジルカに掛けられたのは、至って平静な妹の声だった。まさか恐怖の余り精神が……と思考を巡らせながら恐る恐る確認するものの、リリルカの瞳からハイライトが消えていたりはしなかった。表情も声と同様に普段通りであり、恐怖は微塵も感じていない様子だった。

 

「リリルカさん、はい武器(これ)

 

「ありがとうございます、ノーカ様」

 

 呆気に取られているラジルカを他所に、リリルカは諸悪の根源(ノーカ)から武器――それはどう見ても二丁の拳銃――を受け取っていた。

 

「ちょっと待てェ!」

 

「?」

 

「お姉ちゃん?」

 

 唐突な登場を果たした科学の結晶(マグナム(2丁)+3)に対してラジルカがツッコミを入れるも、転生(?)者(ノーカ)は疎か現地民(リリルカ)すら首を傾げていた。リリルカは視線をラジルカの方向にやりながらも、両手に持ったそれぞれの大型拳銃で華麗なガンスピンを繰り出してからポーズを決めており、完全に手慣れた様子であった。

 

「いや、だって、(それ)……」

 

「あぁ」

 

 混乱の収まらないラジルカの内心を悟ったのか、ノーカは納得した風に声を上げて、ラジルカに補足の言葉を告げる。

 

「ちゃんとラジルカさんの分もありますよ」

 

「マジか! サンキュ……ってそうじゃなくてだなァ!?」

 

 差し出されて反射的に受け取ったズッシリ重いスナイパーライフル(LV70ライフル)に一瞬テンションが上がって嬉しそうな声を出してしまうも、直ぐ様ラジルカは修正を試みる。だがそんな姉に向けられる妹の視線は微笑ましいものを見守る慈母のそれであり、ラジルカは姉の威厳が音を立てて崩れていく様を幻視した。

 

「ちが、違うンだ。アタシの愛しいリリ……」

 

「どうでもいいからさっさと逝け」

 

「あ、ちょ、待」

 

 必死になって否定しようとしたラジルカであったが、現実はいつだって厳しいものである。自分を無視して始まりそうな三文芝居をキャンセルしようと思ったアルフィアによる命令が、今度は強制力を持って――首根っこを掴んでそのまま現場への投擲という形で下されたのだ。

 

「せめて狙撃(スナイプ)させろよぉぉぉ!」

 

「あー、あれって(クロスボウ)に近い武器なんですよ」

 

「何? それは……失敗したな。だがまぁ、乱戦に持ち込まれた場合の訓練と思えばいいだろう」

 

 空を飛ぶラジルカの叫び声が遠のく中、ノーカは頬を掻きながらアルフィアに簡単な説明を済ませ、アルフィアは逸った自分の過ちに顔をしかめたが深刻な問題ではないと気持ちを切り替えた。

 

「では、リリも参加してきます」

 

 そんな一幕があっても動じた様子を見せず、リリルカは前線へと駆けて行った。ここだけ見ればクールな妹だが、内心では姉との共同作業にウキウキであった。仮に原作でベルに近付いたときの様に犬人(シアンスロープ)へ変身していたのならば、その尻尾は勢い良く残像すら残す速度で振られていた筈だ。

 

「あれで『神の恩恵(ファルナ)』を持たないか」

 

 感心したように呟くアルフィアが視線を向ける先では、放り投げられたラジルカに追い付き空中で受け止め着地してからも抱えたまま最前線(白熊くん)へ走って向かう幼女(リリルカ)の姿。ベテラン冒険者(アルフィア)の見立てではLv.4程度の速度を出しており、神のいない時代を生き抜いた古の英雄達を思わせる光景だった。

 

「やはり食事が影響するようでして。ベルくんもすっかり恐ろしいスピードを身に付けたとか?」

 

 そんなアルフィアの呟きを拾ったノーカが、疑問の答えを述べる。

 ノーカが各所に差し入れしてきた料理の数々だが、使われている食材は多くがECO由来であり、ECOのスキルによって生み出された代物だ。それらに何やら特別な効果がある事は確認されており、特にそれらを日常的に摂取しているギルド職員の変化は最早人体改造と呼んでも差し支えない域に達していたのだが、数日前にノーカ視点でロイマンの名前が水色から緑色に変わっていた。

 これはECOにおいてプレイヤーのLVとMOBのLVとの差が正負を問わず5未満に収まっている事を意味しており、ノーカのLVは110である事から、必然的にロイマンのLVが106~114である事を示していた。日々の仕事や趣味の様な活動がクエスト扱いとなったのか、パートナー装備の様に食事そのもので経験値を得たのかは時間不足(アイズ襲撃)により未調査だが、少なくとも『神の恩恵(ファルナ)』とは無関係なECOのLVシステムが適用されている証拠であり、ノーカにとっては棚から牡丹餅であった。ある意味ではECOに侵食されている事になるので、世界の危機なのかもしれないが。

 ECOはLVUPによって得られたボーナスポイントを基本ステータスに割り振る形で強化されるシステムである。そのため、いくらLVが上がっても【ランクアップ】のような急激な変化による感覚のズレが起こらず、日常生活に支障が出なかった事から、ここまで発見が遅れた形だ。

 尚、物は試しとロイマンにステ振りして貰おうとしたのだが、彼の視界内にステータス画面など存在しないため不可能だったという悲しい結果が得られている。また、JOBLVの存在についても確認が出来ていない。

 

「あぁ……最近になって詠唱を聞いてから距離を取っても回避が間に合うようになったよ」

 

「あー、事前に耐久が上がってて良かったとかいう、あの」

 

 どこか遠い目でノーカの言葉を肯定したアルフィアの言葉に、ノーカは上がっていた報告を思い出す。内容としてはベルが音速の壁にぶち当たって重傷を負ったという、笑ってしまいそうになる笑い事じゃない案件であり、鍛錬の成果ではあった。それ以前からアルフィアによるゴスペルの嵐()が連日……というかほぼ毎日開催されていたため、非常に打たれ強い体を手に入れたと報告が上がっており、そのおかげで一命を取り留めたのでは、と推測されている。

 そんなベル・クラネルが現在どうしているかと言えば、取り巻きに一撃入れてヘイトを稼いでからの隔離政策(おにごっこ)に興じていた。速度の緩急や方向転換は見ていてエグいと思える無茶苦茶な軌道を描いており、生身にも関わらずドヒャドヒャと効果音が聞こえるのは幻聴だと思い込みたいノーカなのであった。

 

 因みに、白熊くんは中距離から弾丸を叩き込めるリリルカの加勢で形成が一気に傾き、比較的あっさり倒された。まさかの背負い魔・ブーストがドロップしたため現場は騒然となり、残された石像は放置されてしまって、しばらく寂しげに立っていたという。神魔・ケルベロスも宿った事のある由緒正しい彫像なのに。

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