これは二代目火影の卑劣な転生だ   作:駅員A

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おめでとう!

 任務帰りのトビラが家に入った途端、

 

「トビラーーー!!」

 

 兄の熱烈な歓迎を受けた。

 抱き着くオビトを引きはがしながら家に上がったトビラは問いかけた。

 

「どうした兄さん……ああ、卒業試験に受かったのか」

「そうなんだよ! これで俺も忍者だぜ!」

「よくやったな。おめでとう、兄さん」

 

 廊下から祖母も出て来た。

 

「今日はめでたいから赤飯を炊いたぞよ。トビラ、お風呂に入っておいで」

「ああ。ありがとう、おばあ様」

 

 その日のオビトはかなり上機嫌だった。

 トビラが卒業祝いを渡すとさらに機嫌を良くした。

 

「トビラーーー! プレゼント用意してくれてたのかよぉ! ありがとなぁ! お! これって口寄せの巻物?」

「ああ。クナイを口寄せできる。時空間忍術は何かと便利だから兄さんも慣れておくといいと思ってな。あとで使い方を教える」

「大事に使うからな!」

「出し惜しみせず使ってくれ。消耗品だ」

 

 弟の忠告なんて聞かず、オビトは巻物に頬ずりをして喜んだ。

 

「兄さん、誰とのスリーマンセルかは決まったのか?」

「いや。卒業式のあとに発表されるからまだ分からねーや。まあ、俺はリンと一緒ならなんだっていいけどな! なあトビラ! この巻物の使い方、いま教えてくれよ!」

「外は暗いから却下だ。明るい場所でやらないと巻物が読めないだろう」

「じゃあここで……」

「家を壊す気か? 兄さん」

「うっ……じゃ、じゃあ明日はどうだ? 任務は?」

「悪い。朝から入っている」

「そっか……」

 

 残念そうにする兄にトビラは微笑んだ。

 

「兄さん、焦るな。卒業式の日までには時間ができるはずだ」

「まー、トビラはもうバリバリ任務こなしているからしょうがねーよな。お前、あんま無理すんなよ」

「ああ。自分の限界は弁えている」

「そっか! ならいーけどよ!」

 

 ニカっと笑ったオビトはまた巻物に目を戻し、お気に入りのゴーグルを磨き、とせわしなく動いた。

 トビラはそんな兄に目じりを下げ、担当上忍や班員が誰になるかという兄の予想話に付き合った。

 

 

 

 

 

 数日かかった任務終わり、トビラが家に入った途端、

 

「トビラーーー!!」

 

 兄の熱烈な歓迎を受けた。(イザナミではない)

 

「今度はどうした、兄さん」

「俺のスリーマンセルのメンバーにさ! カカシがいた! あのカカシが!」

「ほぉ。良かったな。もう一人は?」

「リン! え、というか反応薄くねーか? カカシだぜ! あいつ中忍なのに!」

 

 興奮冷めやらぬオビトをいなしながら夕食を済ませたトビラは再び彼の話を聞いた。

 

「んでさぁ、カカシの奴、相変わらずなんだぜ! 掟を守れ、ルール守れって。前よりもうるさくなったぐらいだな」

 

 トビラは眉をひそめた。

 

――やはりサクモの件が尾を引いているか。

 

 オビトと共に将棋を学ぶことで落ち着きを見せたカカシではあったが、里の忍たちとの軋轢は解消されなかった。

 むしろ、サクモなりの事情があって任務を放棄したにもかかわらず、それを考慮せず騒ぐ忍たちに憎しみすら抱き始め、当てつけるように掟優先の姿勢を固持した。

 

「掟を徹底的に守れば気が済むんだろ。それならあいつらを見殺しにしてでも任務を優先すればいいんだ。自分が死ぬってなった時に後悔すればいい」

 

 ある時、漏らした息子の言葉にサクモは珍しく険しい顔をして言った。

 

「そんな感情的に任務をするのならカカシ、お前は忍をやめなさい」

 

 父に憧れ忍となったカカシにとってこれほど屈辱的で見放された気持ちになる言葉は無かった。

 

「どうして父さんを責める奴らじゃなくて俺にやめろって言うの?!」

「お前や仲間の命にかかわるからだ」

「仲間? 父さんを責め続ける奴らを仲間だってまだ思ってるの?」

「…………任務を放棄したことは悪いことだと思っている。けどな、俺は自分がしたことを後悔していない」

 

 息子の目線に合わせしゃがむサクモの目は忍のもので揺ぎ無い。

 カカシはぐちゃぐちゃな感情のまま吐き出した。

 忍たちに何を言われても言い返さない父をいっそ怒らせたかった。

 

「そもそも、父さんがあんな奴らを助けなければ今ごろ英雄になれたのに! あんな心も力も弱い奴らでも、死ねば里の役に立ったのに!」

「っ……! …………カカシ。お前は父さんの子供だからいろいろと言われているんだろう。ごめんな」

 

 サクモは怒らず、悲し気に微笑むだけだった。

 その途端、カカシの幼い顔は迷子になったかのように不安げになった。

 タイミング悪くサクモは任務に呼ばれてしまい、カカシは一人っきりの部屋で呟いた。

 

「俺、父さんに謝ってほしいわけじゃなかったのに…………」

 

 その後、カカシは意地でも忍を止めようとしなかったが、依然として父をけなす里の忍たちへの反発は止めなかった。

 そのころ、任地で殉職した加藤ダン、戦線離脱した綱手の穴を埋めるためサクモは里を長く離れることとなった。

 親子はギクシャクしたままカカシだけが里に残されていた。

 

 トビラははたけ親子の間に起きたことは知らないが、カカシの目に迷いがあることは分かっていた。

 だが、手をこまねいていた。

 

 なぜならカカシは感情を抑え、掟を忠実に守り、任務を必ず達成していたからだ。

 トビラは任務を完ぺきにこなす忍に語る言を持たない。

 そのため、今回の編入はトビラにとっても期待を持てるものだった。

 

 オビトとリンは当時アカデミー生だったこともありサクモの任務放棄について知らず、カカシが編入した事情も推察できていない。

 だが、二人ともカカシがスリーマンセルに加わったことを喜んでいるのがトビラも伺い知れた。

 




ダンが死んだのは第二次忍界大戦じゃないの?
って思う方がいるかもしれませんが(私も長らくそう思っていた)、
ダンの享年が27歳らしいところから
第二次忍界大戦と第三次忍界大戦の間くらいかな~ってことでここに入れました。

そもそもナルトの時系列ってちょっとわかりづらいというか、矛盾しているというか、
まあ、あの、複雑なんでそこんとこは独自設定ってことでよろしく。
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