これは二代目火影の卑劣な転生だ   作:駅員A

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何かがいる!

 新生ミナト班は数回の任務を共にした後、霧隠れとの戦場へ行くことになった。

 一度は撤退したと見えた霧隠れがまたしても暴れ始めたからだ。

 ミナトは前線で戦うため先に出発し、カカシたちは補給物資の準備等を行ってからの出発となった。

 

「俺たちの任務は後衛部隊の援護だ。各々、補給物資を忘れるな。カカシ班と合同で移動する」

「トビラ班も怪我人は俺の班員のリンに申し出ること」

 

 トビラとカカシはそれぞれ中忍で構成された小隊を率い、リンはカカシ班の一員だった。

二小隊は同時にすぐさま出発した。

 移動する最中、トビラはカカシとリンに話しかけた。

 

「カカシ、リン。霧隠れの忍刀七人衆が壊滅したのは知っているな?」

「うん」

「向こうの戦力はかなり減ったと見ていいよね」

 

 カカシの言葉にトビラは首を振った。

 

「本来ならその時点で終わるはずなのに連中はまた何か策を練り始めている。窮鼠猫を噛むと言うが、追い詰められた人間ほど何をするか分からない。まだ奥の手が残っていると見た方がいいだろう」

 

 カカシたちの表情はさらに引き締まった。

 後衛部隊がいる拠点は木ノ葉からそう遠くなく、すぐに着いた。

 

 岩で出来た天然の要塞には怪我人たちがいるため、リンは治療を、他の班員たちは支援物資の補給と見張りの交代を申し出た。

 トビラは見張り任務につく前に、部隊の責任者へミナトが前線へ向かったことを話した。

 

「そうか! 黄色い閃光が前線へ! 防衛ラインが突破されそうだったからアイツが行ってくれるなら死守できる。ありがたい」

「霧隠れがここへ襲撃したことはあるか?」

「いや。この場所は戦略的に見て旨みの無い場所だ。だから陣を張っている。とは言っても油断はしないでくれよ」

「分かっている……時に、ここには日向一族の者はいないか?」

「いや。別の部隊にならいるが……何か奴に伝言でも?」

「ただ聞いただけだ。では俺は見張りにつく」

 

 先に見張り番をしているカカシの下へ向かったトビラは眉を寄せたまま言った。

 

「カカシ。俺は少し写輪眼でこの周囲を見回る。だからここをしばらく任せていいか?」

「いいけど……敵か?」

「さっき、本当に一瞬だけ感知したチャクラに違和感があった。だから、写輪眼でチャクラ感知を試みる」

 

 カカシが頷いたのでトビラは写輪眼に切り替え、周囲を見て回った。

 写輪眼を使えばチャクラを色で見分けられるが、誰かが隠れているようには見えない。

 

――白眼があればより正確に探知できるのだが……やはり写輪眼では見つからないな。この身体ではチャクラ感知の精度が以前ほど高くない……戦場での違和感を気のせいで片付けると命に関わるというのに。

 

 煮え切らないまま確認を終えたトビラは首を振ってカカシにスカだったことを教えた。

  

「リンの手伝いをしている班員たちも見張りに回すか?」

「いや、見回りついでに罠を仕掛けておいた。敵が来ればすぐ分かる」

 

 これ以上の捜索も出来ないため、トビラも大人しく見張りに加わることにした。

 ピリピリしながら見張りをしていたカカシたちだったが、後衛部隊の責任者が言う通り、敵の狙いにならない場所だからか敵の気配はない。

 そうこうしているうちに半日が経ち、治療に区切りがついたリンがやって来た。

 トビラは押し黙ったままなのでカカシが話しかけた。

 

「リン、治療は?」

「今できることは一通り終わったよ。あとは病院じゃないとどうにも……後衛部隊の隊長さんがトビラとこれからの対応について相談したいって。見張りは私が交代するから行ってきて」

「見張りは俺一人でいいからリンは少し休んだ方が……」

 

 カカシの言葉は陣の外から聞こえた爆発音でかき消された。

 

「俺が敷いた罠が発動した。つまり敵襲だ。ここは俺に任せろ。カカシ、リンを連れ、陣に戻りそのまま守れ!」

 

 トビラはリンの背を押し、カカシへ指示を出した。

 カカシとリンは重症人たちがいる陣営へ撤退し、代わりに動ける忍たちが爆発に応じて出て来た。

 

「北より敵襲! この要塞を囲むように罠を敷いているため、目印より奥へ出るな!」

「了解!」

 

 トビラはすぐさま仲間たちに知らせ、罠をかいくぐって来た霧隠れの忍と応戦した。

 

「その面……霧の暗部か」

「ガキが……小賢しい罠なんて仕掛けやがって!」

「こんな辺鄙な場所に何の用だ?」

「どけ!」

 

 トビラは戦っていく中で、敵の狙いが陣営にあることに気づいた。

 前線に配置してもおかしくない手練れたちが沸いては出て来て陣営へ向かおうとしているからだ。

 

――なぜ陣営を? 敵を捕まえて目的を吐かせる時間もないな……

 

「影分身の術!」

 

 トビラの分身がリンとカカシがいる陣へ飛んだ。

 リンたちはいきなり現れたトビラに驚いた。

 

「トビラ?!」

「飛雷神で飛んできた。さっきリンの背中にマーキングを付けたからな」

「お前……ミナト先生の飛雷神を使えたのかよ」

「今はそんな話をしている暇はない。敵の狙いはこの陣営にある。カカシ、援護する」

「助かるよ」

 

 カカシがそう返事している間も、霧隠れの暗部が攻めて来た。

 さらに別方向からも来たので、トビラの分身がリンを背に庇った。

 

「火遁・豪火球の術!」

「水遁・水龍弾の術!」

 

 トビラの分身体が放った火球を霧隠れの忍が打ち消した。

 蒸気がリンたちの周りを包み、

 

「キャーッ!」

 

 悲鳴にカカシは振り向いた。

 

「リン!」

「木ノ葉の女を捕まえたぞ! 俺たちは行くからお前らは足止めしろ!」

 

 霧隠れの暗部たち数人が気を失ったリンを抱え、いなくなった。

 

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