これは二代目火影の卑劣な転生だ   作:駅員A

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ギャルおじさん

 

 オビトに呼び止められた自来也は面倒くさそうに振り返った。

 

「なんだぁ? ワシに礼の一つでも言いたいのか? いい、いい。こういうのはな、礼を受け取らずに去るのができる男の仕草ってもんよ」

「はあ? なんで俺がアンタにお礼を言わなきゃいけねーんだ? そうじゃなくて! おっさんって自来也ってことは伝説の三忍の一人だろ? そこのおばさんと大蛇丸さんの仲間の! なんでおっさんたち、大蛇丸さんと仲が悪いんだ? それにトビラも! 何があったんだよ!」

 

 オビトの反応にムッとしたあと、ふむと探るような顔つきになった自来也。

 ツカツカとベッドへ近づき、双子の顔を見比べた。

 

「そういえば、大蛇丸が弟子を取ったと聞いたな。サクモさんのせがれとうちはの子供を……お前さんら、兄弟か?」

「双子だ! 俺はうちはオビト! こっちのトビラの兄ちゃんだぜ!」

「ほぉ……んで、そっちのお嬢ちゃんが綱手の弟子のシズネか。いつの間にか大きくなったもんだ」

「お久しぶりです、自来也さま」

「いや、そこまで大きくはなってねーかの……?」

 

 主にシズネの胸部をガン見して首を傾げる自来也に見られている方は目を吊り上げた。

 

「どこ見てるんですか! 前に自来也さまと会った時よりは大きくなってますよ! 少しは!」

「そうかのぉ……」

 

 なおもまじまじとシズネを見る自来也にトビラはため息を吐いた。

 

――大蛇丸が術ならこやつは助平なところをサルから引き継いだか。

 

 そんなトビラに今度は自来也がカッと目を吊り上げた。

 

「そこのお前! 何を一丁前にため息なんてついてやがる!」

「ったく……ため息も出るもんだろう、お前のバカさ加減を見たら」

 

 壁を殴るほどの怒りは収まったのか、綱手もそう言いながらベッドのそばに佇んだ。

 オビトもトビラそっくりの顔でジトーっと自来也を見ている。

 

「大蛇丸さんは嫌味な奴だし、シズネの師匠は口が悪いし、そんでおっさんはスケベかよ。伝説の三忍って英雄だと思ってたのにロクデナシしかいねーじゃねーか」

「なんだと?! このガキゃ、言わせておけば! これを見てもロクデナシって言えるか?!」

 

 素早い印さばきの末、親指を噛む自来也。

 

「口寄せの術!」

 

 ボフンっと煙が立ち込め、呼び寄せられたのは人が乗る大きさのカエル。

 その手際の良さにはトビラも唸った。

 

――さすがサルの弟子なだけはある……!

 

 その上で自来也は堂々と見得を切った。

 

「妙木山の蝦蟇仙人たぁこの自来也のことよ! 泣く子も黙る色男! ワシぐらいになりゃぁ己の色香で女もはしゃぐ!」

「はあ? シズネも綱手のおばさんもはしゃいでねーぞ。何言ってんだ、おっさん」

 

 しかし、困惑するオビトの心には何一つ響かなかった。

 その言葉の鋭さはトビラですら自来也に同情してしまうほど。

 

「うぐっ……ガキにはまだワシの色香が理解できねーってわけか……いや、まだまだぁ! ヒヨッコ共! その小さい目ぇかっぽじってよぉく……ぐぁ!」

 

 自来也が口寄せしたカエルはそれなりの大きさ。

 そのため、カエルが身じろぎしたために自来也は天井に思いっきり頭をぶつけ、転げ落ちた。

 

「コラー! ガマケンさんよぉ! まだ見得の途中だろうがぁ!」

「自分、不器用なもんで……」

 

 自来也に怒鳴られ身を縮めるガマケンさん。

 綱手もトビラも呆れてため息を吐く中、シズネとオビトは慌てた。

 

「おい、おっさん! 大丈夫か?」

「怪我を……」

「おっと。シズネ、こんくれぇどうってことねぇよ」

 

 駆け寄るシズネの治療を断り、立ち上がる自来也。

 呼び出されたものの、戦闘の気配がないことを察知したガマケンさんはほどなくしてボフン、と帰って行った。

 格好がつかない自来也は気まずい顔をしながらオビトに言った。

 

「お前さん、ここは口寄せの術に目を輝かせるところだろうが! ったく。バカっぽい顔しとるくせに面白くない奴よのぉ」

「口寄せの術はカカシだってできるぞ! 俺だってそのうちカカシよりもっとすっげー口寄せ動物と契約するんだ!」

「フン! お前さんみたいなガキ、出来るわきゃぁない! サクモさんのせがれと一緒にすんな!」

「なんだとぉ?! やっぱ三忍ってロクデナシばっかりだな!」

「ワシの見得を見てまだ言うか!」

「それにおっさんよりもミナト先生の方が100倍強そうだし!」

「馬鹿者ぉ! そのミナトの師匠はこのワシだぁ!」

「えっ?! あ、そ、そういやそうだったかも…………でも本当にそうなのか? なんかミナト先生と全然違うというか……」

 

 訝し気なオビトに自来也はガクッと下を向いた。

 

「ミナトはこんな察しの悪い部下を持っているのか……ったく、あやつめ……ワシの凄さをもっと若いもんに教えるよう言わねーとのぉ……」

 

 そんな自来也にオビトは口を尖らせながらぼやいた。

 

「俺、三忍ってサクモさんみたいな英雄だと思ってたのに……全然イメージと違うじゃねーか……」

 

 これには自来也も綱手も顔をしかめた。

 

「おいおい、サクモさんと比べられちゃあこっちが困るってもんよ」

「あいつ一人で三忍の名が霞むんだからな」

 

 この反応をトビラは意外に思った。

 

「貴様ら、やけにサクモに好意的だな」

「あいつには若いころ世話になった。そういや自来也、お前はやけに懐いていたなぁ」

「サクモさんはワシが認めた木の葉の天才忍者よ。ま、ワシの方が男前だがな」

「大蛇丸はサクモを天才と認めていなかったが」

 

 トビラの言葉に自来也があちゃーっと顔をしかめた。

 

「ったく大蛇丸め……あやつはサクモさんから刀の扱いを習った恩もあるってのに……」

「強さは認めるが忍の才は認めないらしい」

「フン……あいつらしい屁理屈だのぉ。お前さんは大蛇丸の弟子だろう? あいつとは上手くいってないのか?」

「俺は奴を注意深くとらえているだけだ。大蛇丸の危険性、貴様らとて分かっているのだろう」

「っ!! …………ガッハッハッハッハ! 弟子にまでんなことぉ言われっとはな! 大蛇丸も良い弟子を持ったじゃねぇの!」

 自来也は大笑い。

 だが、大蛇丸のことをよく分かっていないオビトは眉をひそめている。

 

「大蛇丸さんって確かに嫌味で変な奴だけど、俺の身体のことが分かるって言ってたよな。なら俺、あの人に聞きに行きてーんだけど」

「っバカ野郎! お前はここから出るんじゃない!」

 

 綱手の拳からミシッと音がした。

 




自来也のセリフは「ぁ」とか「ぃ」とかを多用するから段々ギャルに見えてきちゃった。
ちなみに大蛇丸は「……」が多いからわいは密かに呟き野郎って呼んでる。
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