これは二代目火影の卑劣な転生だ   作:駅員A

42 / 88
ドキドキおうち訪問

 

 自来也も険しい顔に戻って尋ねた。

 

「綱手……そういやこのガキ、何者だ?」

「猿飛先生に聞け。私からは言えないことだ」

「それほどの機密がそこのガキに詰まってるってことか……おい、オビトと言ったか? 今のお前の主治医は綱手だ。なら、言うことはきちんと聞くんだな」

「なんでだよ? 大蛇丸さんが知ってんなら聞いたっていいだろ! 俺はもっと強くなりてーんだよ!」

「ふざけたことを言い続けるなら黙らせるぞ!」

 

 振り上げた拳がオビトに当たる前にトビラが声を張り上げた。

 

「兄さん! 綱手の言うことを聞け!」

 

 睨みつけて来る弟にオビトはうっと怯んだ。

 だが、なおもオビトは言った。

 

「でもよぉ、トビラ。知ってる人に聞いた方が……」

「黙れ! そもそもそんな身体で聞きに行けるわけがないだろう! 少しは大人しくしろ!」

 

 怒鳴るトビラにとうとうオビトは撃沈した。

 そんな様子を見た自来也は心の中で思った。

 

――そこの小僧、綱手のような貫禄があるのぉ……くわばら、くわばら……

 

 一連の流れを震えながら見守っていたシズネは撃沈するオビトを慰めていた。

 トビラは腕を組んだままそんなオビトに言った。

 

「兄さん、そろそろ俺は行く。再三言うが、綱手の言うことをきちんと聞くように。いいな?」

「わぁったよ……ったく、相変わらずトビラはこえーんだから……あ! そうだ!」

 

 顔を上げたオビトは必死の形相で言った。

 

「祖母ちゃんは? なあトビラ! 祖母ちゃんは元気か?」

「おばあ様か……ああ。シスイと仲良くやっている」

「シスイと? ……へへ、そうか……。なあ、俺が帰って来たって祖母ちゃんに伝えてくれよ」

「ダメだ。兄さんのことは極秘扱いだ。おばあ様と言えど伝えることはできない」

「でもっ……!」

「それに、俺からの伝言じゃ信じないだろう。早く元気になって顔を見せに行け。それが一番喜ぶ」

 

 弟の言葉にオビトは奮起した。

 

「よぉし! ならさっさと、綱手のおばちゃんに引きちぎられた腕を元に戻さねーとな! シズネ! これ、くっつけて固定してくれよ!」

「あひぃっ! さ、触って大丈夫ですか? これ?」

「大丈夫に決まってんだろ! 俺の身体にくっついてたんだぞ!」

 

 たちまち元気になって騒ぎ出す子供らに笑みを浮かべ、自来也も動き出した。

 

「んじゃあ、ワシもそろそろ行くとするか。綱手、結界の張り直しはワシがする。勿論、大蛇丸も知らんやり方でな」

「ああ。悪いな、自来也」

「任せとけ」

 

 部屋を出たトビラと自来也はそのまま別れるかと思いきや、

 

「ちょいと待った!」

 

 トビラは自来也に肩を掴まれてしまった。

 

「お前さん、大蛇丸のところへ行くつもりだな?」

「弟子が師に会うだけだ。不自然なことではない」

「やめとけ、やめとけ。お前さんの兄貴の身体……ありゃあどう見ても訳アリだ。ガキが興味本位で首を突っ込んでいいもんじゃあない」

「…………」

 

 トビラの無言の圧に自来也はため息を吐いた。

 

「大蛇丸の言っていたことが気になるならワシが直接聞きに行く。それでいいだろう?」

「貴様は聞いても何も分かっていないだろう」

「首を突っ込んじまった以上、三代目のジジイから聞き出すしかあるまい。大蛇丸のあの様子……ちと妙だった」

「……兄さんに危険のないようにしてくれ」

「分かっておる。このワシを誰と心得る。異仙忍者の……」

「では俺はそろそろ行く。俺の班員が病院にいるから見舞いに行かねばならん」

「あ! このガキ!」

 

 見得の途中で姿をくらませたトビラに自来也は怒鳴ったが、もう彼はいなかった。

 

「ったく……兄弟そろって面白味のない奴らめ……」

 

 自来也はぼやきながらも火影室へと急いだ。

 一方、トビラは大蛇丸のところへ向かっていた。

 

 とは言っても、トビラは大蛇丸がどこに住んでいるのかを知らず、試しにチャクラ感知を試みるも、見つからない。

 仕方なく、大蛇丸班で任務へ行くときに使っていた集合場所へ行ってみた。

 

「フフフ……あなたなら来ると思っていたわよ……トビラ君」

「兄さんの身体のこと、どこで知った?」

 

 にゅるりと姿を現した大蛇丸にトビラは尋ねた。

 沈みつつある夕日の影を歩く大蛇丸は笑いながら言った。

 

「それはあなたのお兄さんがあんな身体になったこと? それとも柱間細胞そのもののこと?」

「両方だ」

「欲張りねぇ、トビラ君。いいことよ」

 

 人目を避けるように歩む大蛇丸が案内したのは一本の木。

 里からだいぶ離れていた。

 

「ここは?」

「私の研究室よ」

 

 おもむろに木に手をかけ、ガコッと開けた。

 それは木に見せかけた入り口だった。

 地下へと続く階段を下りながら大蛇丸は言った。

 

「トビラ君、あなたは研究者の素質がある……兄思いの君ならオビト君にちょっかいをかければ必ず私の下へ来ると思っていたのよ……」

「綱手の結界を破ってまで入り込んだのは俺を誘い込むためか? なぜ今更?」

「あら。オビト君はオビト君で興味があったわよ……綱手には勿体ない素材だから」

「貴様……」

「あら、気に障った? 綱手だって押し付けられて迷惑していると思ったから引き取りに行っただけよ……まさかあれだけやる気を見せるとはねぇ……」

 

 たどり着いた地下は洞窟のような空間だったが、机と実験機材が並べられたまさに研究室と言えるような場所だった。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。