これは二代目火影の卑劣な転生だ   作:駅員A

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8月になったので連載再開します。
前は急にエタって驚かせたので先に宣言しておきますが、
大してストックないのでまたすぐにエタるし
毎日投稿もできんだかできないんだかって感じです。
それでよければまたお付き合いいただけると幸いです。

ここまでの簡単なあらすじはこの話の一つ前に追加してあるので
参考になるかはともかくそちらをどうぞ。


生き返り

 迅速に上役たちと会議を行った三代目はすぐさまちょうど里にいた自来也を火影室へ呼んだ。

 

「大蛇丸の件か? それともいい加減、オビトのあの面妖な半身について教える気になったか?」

「……自来也、ワシは火影を退任する。それにあたり、お主を次の火影として推薦しようと思っておる」

「はあ?! な、冗談だろうジジイ! どうして急に……まさかアイツが原因か?」

 

 アイツとは勿論、大蛇丸のこと。

 三代目はふっと笑った。

 

「ワシはちとこの席に長居しすぎた。そろそろ次の世代に里を任せる時であろう」

「だからって話が急すぎる!」

「……自来也。時間がない。火影の推薦、受けてくれるか?」

「……次期火影ならサクモさんがいるだろう」

 

 自来也は簡単に頷くことはできなかった。

 

「サクモか。あの者は火影になる気はないようじゃ。そしてワシもその方があやつのためだとも思っておる」

「それならワシはなおさら向いてないの。まだミナトの方が適任だ」

「……上役の間でもミナトの名は出た。しかし若すぎると言う声もあった」

「里の未来を担うのは若いもんだ。ミナトは若くはあるが未熟ではない。本人だってワシやサクモさんと違って火影を志している。俺ぁ柄じゃない」

 

 きっぱりと断った弟子に三代目は眉を下げた。

 

「そうか。では、自来也。お主はミナトを推薦する。それでよいか?」

「ああ。その方が里のためにも良い」

「…………分かった。オビトの身体のことだがの、あの子はちと特殊な体質になっておる」

「それはあの妙な半身を見ればわかる」

「自来也、お主は里にいなかったから知らないだろうがオビトはそもそも殉職した忍だった。じゃが、あの半身を付けた状態で生き永らえておって戻って来たのじゃ」

 

 すかさず自来也が尋ねた。

 

「死んだはずの忍が生きて戻ってくる時は他里のスパイか罠の可能性が高い。あの子供は本物のオビトとやらなのか? 何か妙なものが埋め込まれていて寝返る可能性は?」

「それに関しては心配ない。オビトを見つけて連れ帰ったのはあの子の担当上忍であるミナトだからの」

「ミナトか。そういえばあのガキ、ワシよりミナトの方が強そうだとほざいていたがそういうことか……」

「ハッハッハ! それだけ強い弟子を育てたということだな、お主も」

 

 三代目は嬉しそうに笑ったが自来也は渋い顔。

 

「まあ、ミナトが連れ帰ったのなら問題はないか」

「うむ。ミナトとも協力してあの子の半身については探る必要があるだろう。だが、あれはあまりに異質なもの故、まだ里の者たちに見せるわけにはいかん」

「それで綱手に任せようとしたってわけか。だが、大蛇丸のあの様子からしてあの半身に並々ならぬ興味を持っている。異様なほどに」

「そちらに関しても問題ない。あの子の半身については大蛇丸の協力も得ることとなった」

「……ジジイ。大蛇丸は妙な実験室を作って籠っているみてーじゃねーか。そもそもアイツはあの得体の知れないものについてすでに何か知っている様子だったが…………」

 

 話しながら自来也は思い至った。

 

「三代目、アンタが大蛇丸を見張らないといけないほどに危険な代物なのか? いや、そもそも大蛇丸も何か危険な研究でもしていやがったな?」

「………………」

「やはり大蛇丸か! おい、アンタが……火影が背負うほどのことなのか?! アイツのせいでこんな形で火影を辞めることに……」

「自来也。言ったであろう。ワシはこの席に長居しすぎたと。それが理由じゃ」

 

 やや強い口調で三代目が話を打ち切ったため、自来也は納得していないものの火影室を出ることとなった。

 が、出る直前に振り返った。

 

「三代目。もしも大蛇丸がこの里を裏切るようなら……その時は俺がアイツを殺す。いいよな?」

「…………お主がそう判断した時にはワシも止めはせん」

 

 今度こそ火影室を出た自来也は冷たい表情で里を闊歩した。

 向かう先は探り当てた大蛇丸の研究室。

だが、その途中で悲鳴が聞こえ、仕方なくそちらへ向かった。

 

「大蛇丸さんーー!」

 

 聞こえて来た名に自来也の殺意は増した。

 その名を呼ぶのが綱手の患者だったのだから余計に。

 

「大蛇丸! 貴様、まだオビトを狙っておったか! 三代目のジジイのことと言い、何を考えている!」

 

 戦闘態勢に入った状態で大蛇丸に迫ろうとしたが、目の前の状況に手を止めた。

 

「大蛇丸さん! 死んじゃダメだ! しっかりしろぉ!」

「まさか私がこんなところで…………ごふっ」

「血が……!」

 

 腹から血を流して横たわる大蛇丸を抱え、泣き叫ぶオビト。

 その横でガタガタ震える綱手。

 あんまりなことに自来也も大蛇丸に駆け寄った。

 

「おい、大蛇丸! 何があった?! 誰にやられた?!」

「綱手よ……」

「はあ?! どうして綱手がお前さんをここまで?」

「綱手のおばさん、大蛇丸さんが俺を攫ったって勘違いして思いっきりぶん殴っちまったんだよ! 本当は俺が抜け出しただけだったのに!」

 

 オビトが泣きながら説明した。

 たしかに自来也が綱手の方を見ると、大蛇丸から流れた血でガタガタ震えている。

 自来也は呆れを交えながらも言った。

 

「綱手! しっかりせい!」

 

 言いつつも、綱手に治すのは無理と判断し、大蛇丸を担いでオビトに言った。

 

「オビト! お前さんは綱手を頼む。俺はこの阿呆をシズネのところまで連れていくからの。つーかお前も本当はこんなところにいちゃダメだろうが」

「分かったから早く大蛇丸さんを助けてやってくれ!」

「ったくよぉ……」

 

 自来也は大蛇丸を背負いながら苦い顔をした。

 

――場合によっては大蛇丸を殺す覚悟もせにゃいかんと思っていたのになんでこうなるんだか……

 

 自来也の困惑を嗅ぎ取ったのか、大蛇丸は死にかけながらもその背で笑った。

 

「クク……私を殺すチャンスなのに……いいの? 自来也……猿飛先生に頼まれたんでしょう……」

「何の話だ。殺しを頼まれるようなことでもしたのか」

「次期火影の打診…………来たんでしょう……私のせいで猿飛センセェ、火影を辞めるんだものね」

 

 自来也は動揺から身じろいだ。

 しかし足を止めはしなかった。

 

「あいにく、なんの話も聞いちゃおらん。それよりお前、ほんとに死ぬぞ。死因が綱手のパンチじゃあさすがに締まらんだろ」

「あの怪力娘にも困ったものだわ…………」

「そういやワシもお前さんと同じように死にかけたのォ。綱手のパンチでな。俺もお前さんも綱手姫にはかなわねーってことだ」

「覗きで殴られたアンタと一緒にしないで………………」

 

 朦朧とし始める大蛇丸の意識。

 これは本気でマズいと自来也は焦りながらもシズネがいる病室へと急いだ。

 

「シズネ! 急患だ! 頼む!」

「オビト君になにかあったんですか?! って大蛇丸様?! どうしてこの人がここに?!」

「話はあと! とにかく死にかけているから助けてやってくれ!」

「ですが、この方はオビト君を連れ去って綱手様も追いかけていて……」

「それはただの勘違いでオビトが勝手に抜け出しただけのこと! シズネ、頼むぞ!」

「一体どんな敵と戦ったらこんなことに……!」

 

 泣きながら病室で待っていたシズネはぐいっと涙をぬぐい、大蛇丸に医療忍術をかけ始めた。

 

「まさか綱手の弟子の世話になるなんて……」

「黙ってください! 本当に死にかかっているんですよ!」

 

 自来也はシズネの処置を眺め、嘆息した。

 

――さすがは綱手が連れまわしているだけはある。適切な処置、胆力……綱手とダンの良いところを引き継いでおるな。

 

 処置が進むにつれ、元々悪い大蛇丸の顔色が段々マシになって来た。

 それに対し、シズネの額に脂汗が浮かぶ。

 

「綱手様なら……もっと回復できるけど私だけではもう……」

「ここまででいいわ。後は自分でどうにでもできるからね……」

 

 起き上がった大蛇丸はシズネを振り払い、顔色が悪いままベッドからも降りた。

 

「シズネ、そのうち綱手とオビトが来る。ここで待っていろ」

「自来也さま達は一体どこへ?」

「少し話をするだけだ」

 

 そうして自来也と大蛇丸は病室から出た。

 

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