これは二代目火影の卑劣な転生だ   作:駅員A

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かくれんぼう♪暴れん坊♪バカ野郎♪この野郎♪

 信任投票が目前に迫った日、事件が起きた。

 オビトがまたしても病室から消えていたのだ。

 ちょうどマダラの拠点の調査から里に戻っていたトビラはすぐさま大蛇丸と共に捜索した。

 

 以前は祖母の死を看取るために抜け出し、家に行っていた。

 もしかしたらまた家に帰っているのかもしれないと思い、トビラはうちは地区へと向かった。

 すると、ちょうどよくシスイとイタチがいる。

 

「シスイ、イタチ。少し良いか」

「トビラさん。お久しぶりです」

「二人ともおばあ様の葬儀の際は色々と世話になったな」

「いえ、いいんです。それよりも、あの…………まだ帰って来ないんですか?」

 

 トビラが尋ねるより先にシスイが言葉を濁しながら尋ねた。

 主語が無いものの、彼が指すのはオビトだ。

 つまり、抜け出したオビトはこの二人には会っていない。

 質問するより前に求めていた答えを得られたトビラはどう誤魔化そうか考え、そして懐に入れたままのものを思い出した。

 

「まだその時ではない。それよりも二人に渡すものがある。これだ」

「なんですか、これ? 当たり?」

「この当たり棒を持って行けば店でアイスと交換してくれるらしい。二人で分けるタイプのものだから貴様らで食え」

 

 突然のことに驚いていたシスイだったが、受け取った後にイタチを振り返った。

 

「お前は甘いもの好きだから良かったな、イタチ。後で貰いに行こうぜ」

「ああ」

 

 ずっと静かだったイタチが少々浮かれている。

 

(意外と子供らしいところもあるのだな)

 

 思い付きで渡したものではあったが、存外に喜んでもらえたようだ。

 シスイの口角も上がっている。

 ふと、浮足立っていたイタチがトビラに尋ねた。

 

「ここ最近、うちは地区にあなたの姿がないことを両親が気にしていました。里の外での任務が入っているのですか?」

「そんなところだが……フガクが俺に何か用か?」

「いえ、父よりも母の方が心配していました。おばあ様を亡くしたあなたのことを」

「なるほど。心配には及ばん」

 

 シスイが唐突に呟いた。

 

「オビトがよく言ってました。弟は見えないところで無茶をするから心配だって」

「兄さんがそんなことを?」

「俺は兄も弟もいないからよく分からないけど、あなたが思っている以上にオビトはトビラさんを見ていますよ」

「…………」

「兄って生き物にとって弟はそれだけ大切なんでしょうね。だからもしオビトの為に弟が無茶しているとしたら、オビト本人はすごく嫌がりますよ」

 

 シスイは黙り込むトビラに一礼した。

 

「さっそくアイスをもらってきます。トビラさん、ご馳走様です」

「では、失礼します」

 

 子供二人が走り去った後、トビラも動き出した。

 

(あんな子供らに気を遣われるほど俺は切羽詰まって見えているのか? だが、外道魔像にマダラの悪意が入り込んでいないと確信できない限り、魔像で作られた柱間細胞で生かされた兄さんの安全性も担保できん。多少の無茶は承知の上だ)

 

 次にトビラが向かった先は火影岩がよく見える演習場だ。

 幼いころからよくオビトと来たその場所には先客がいた。

 

「カカシ、リン。ちょうど良かった」

「トビラ。お前の方がここに来るなんて珍しいな」

「兄さんを探している。見ていないか?」

 

 カカシもリンも首を振った。

 

「アイツ、もう里を歩いてよくなったの?」

「まだダメだ。だからこそ俺が探している。もしも見かけたら病室に戻るよう言ってくれ」

「俺も一緒に探す」

「私も。シズネに相談されたんだけど最近のオビト、なにか考え事をしている感じがして心配なの」

「兄さんが? 本当か?」

 

 頷くリン。

カカシがぼそりと言った。

 

「アイツけっこう見栄っ張りだから意地でもトビラに気取らせなかったんだな」

「手分けしてオビトを探そう。ミナト先生はこのこと知ってるの?」

「いや、ミナトにも会っていない。俺も綱手に言われて探し始めたばかりだ」

「じゃあ、ミナト先生を見つけたら伝えておくよ」

 

 トビラはカカシとリンと別れ、次なる場所を考えた。

 

(もし兄さんが知っている年寄りの家なんかに行かれていたら面倒だ。この里中の家を片っ端から見て行かなければならないのだから)

 

 その時、何かの気配を感知した。

 振り返ると何もいない。

 それでも嫌な感じがする。

 

「っ! 貴様! マダラの手先の人造体か!」

「ハロ~~~! オビトは里の外に隠れているヨ~~! 探してみヨ~~!!」

 

 半身はオビトの柱間細胞部分のように真っ白で、もう半分は黒いそいつが地面から生え、そして再び引っ込んだ。

 すんでのところで触れることが出来なかったトビラは感知したものの、土の中に潜んでいる様子ではない。

 

「どこに消えた?!」

「こっちだヨ~!」

 

 少し離れたところにニョキっと頭だけ生やしたソイツにクナイを投げるも、またしても消えてしまう。

 

「モグラのような奴だ。あの変なの、俺を兄さんがいる場所に連れ出す気か?」

「大正解~! ちなみに僕は変なのじゃなくてゼツだヨ~~~」

「ならばゼツとやら。こんなまどろっこしいことをせずにさっさと俺を案内しろ」

「ええ~~~もうちょい楽しもうヨ~~~」

 

 次にトビラが投げたクナイには起爆札がついていた。

 ごっそりと周辺の地面が抉られたが、土に潜んでいたはずのゼツの姿はない。

 

「ほらこっちこっち! オビトは里の外にいるヨ!」

「貴様が兄さんを連れ出したのか?」

「僕は頼まれただけだヨ」

「誰にだ?」

「それはこの後に会えるから直接本人に聞けばいいヨ」

 

 ゼツが案内したのは里からだいぶ離れた、大蛇丸の秘密の研究室が近くにある場所だった。

 

(まさか大蛇丸が? いや、あやつは俺と別れた後にサルのところへ行ったはずだ)

 

 考えを巡らすトビラに話しかけた者がいた。

 

「相変わらず狂った姿をしているな、扉間」

 

 堂々と姿を現した人物、それはうちはマダラだった。

 

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