これは二代目火影の卑劣な転生だ   作:駅員A

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一方その頃シスイとイタチはアイスを食べていた

 一方そのころ、里の中を捜索していたカカシはリンと合流し、オビトがいたはずの病室に戻った。

 そこではシズネが不安げに待っているだけでオビトの姿はない。

 予想できたことだが、カカシはつい言わずにはいられなかった。

 

「オビトはまだ戻ってきてない、か。ったく人騒がせな奴だ」

「トビラに聞いて私たちもオビトを探しに来たの。でも、目ぼしい場所のどこにもいなかった」

「私はオビト君が自分で戻ってくる可能性を考えてここで待機していたのですが……」

「どうやらそんな感じじゃなさそうだな。口寄せの術!」

 

 カカシは犬のパックンを口寄せした。

 

「パックン、オビトの匂いを辿って探してくれ。そこのベッドはアイツが使っていた奴だ」

「あのうるさい小僧か……よし、こっちだ!」

 

 パックンに続いて出て行こうとするカカシとリンにシズネが声をかけた。

 

「あの! 私も行きます!」

「いいのか? 綱手様が戻ってくるかもしれないのに……」

「いえ! オビト君が戻ってこないのなら、待っていたって仕方ありません」

「それならシズネ! 一緒に行こう! もしもオビトが怪我していたらシズネもいた方がすぐ治療できるもの」

 

 リンの誘いもあり、シズネは簡単な書置きだけ残して共に病室を出た。

 パックンは時折立ち止まりながら里の端へと向かっていく。

 

「あの小僧、変な匂いが混ざっているせいで探しづらいの……」

「柱間細胞とか言う半身のことか。パックン、オビトは里の外にいるのか?」

「恐らくそうであろう」

 

 カカシたちが里の外に出ようとした時、門番が声をかけて来た。

 

「お前らどこ行く気だ? 任務か? ……ん? もしや白い牙のせがれか?」

「そうだけど……」

 

 早く外へ出たいのに邪魔をされ苛立つカカシに門番は言った。

 

「んじゃー親父さんの迎えにでも行くのか」

「ちが……」

「そうなんです! 私たちは白い牙のファンだからカカシと一緒に連れて行ってもらうんです!」

 

 リンがカカシを押し切って言うと、門番は顔をほころばせた。

 

「あの人、また国境で大活躍して来たらしいからな。いやー、さすが木の葉の英雄だよな。あっはっは! お前らも忍らしいから分かってると思うけど、あんまり里から離れすぎるなよ」

 

 門番はサクモを贔屓にしているらしく、引き留めた割にはあっさりとカカシたちを外に出した。

 

「行こう、カカシ!」

「……」

 

 元々カカシはサクモの任務放棄事件以来、父親との間に微妙な距離が生じていた。

 オビトに「仲間を守らない奴はクズ」と言われたことで考え直し、その距離も元に戻りつつあったが、それでも父親の名前を借りるのは抵抗がある。

 だが、今はオビトを追うことが優先だ。

 

「カカシ、まだまだ遠いぞ」

「そのまま進んでくれ、パックン」

 

 里の人の目を気にしなくて良い分、3人の進みは早くなった。

 パックンを追いかけながらリンがカカシに切り出した。

 

「ねえ、カカシ。まだ考え直していないの?」

「俺の写輪眼をオビトに返すべきなのは当たり前だろ。元々、アイツのものなんだから」

 

 実は、カカシはオビトに写輪眼の返却を申し出たことがあった。

 その時、病室にはシズネとリンもいたため、オビトがどう返したかも知っている。

 

「カカシさん、オビト君は望んでいないって言っていたじゃないですか」

「そうだよ、カカシ。写輪眼は両目揃って本来の力を発揮するってオビトも言っていたでしょ? だから、オビトはこれからカカシともっといいコンビネーションを……」

「その理論ならなおさらこの目はオビトの目であるべきだ。俺はアイツの力を半分奪っているようなものだ」

 

 カカシにとってオビトは英雄だ。

 揺らいだ父への尊敬と信頼を取り戻し、己の忍道を確立してくれ、さらには命懸けで守ってくれた。

 一時はオビトの遺志を継いで彼の目となって生きることを誓ったカカシ。

 だが、当人が生きているのならカカシはオビトの目になる必要はないし、むしろそれはオビトの足を引っ張ることになる。

 

「アイツはバカだから分かってないんだ。どれだけ写輪眼が特別なものか……」

「カカシ。オビトはうちは一族なのよ。どれだけ大切なものかなんてオビトが一番分かっている。それでもカカシにその目でいてほしいのは……オビトがカカシをそれほど大切に思っているからよ!」

 

 リンが言い切った時、

 

「ぐぁっ!」

 

 カカシが写輪眼のある方の目を押さえてうずくまった。

 

「カカシ?! どうしたの?!」

「分からない……けど、一瞬だけ何かが見えた……」

「どういうこと?」

「見えたのはトビラと……遠くに里が見えた。もしやこれは……オビトが見た景色か?!」

 

 うずくまったのは一瞬で、カカシはすぐに立ち上がった。

 

「この先にオビトだけじゃなくてトビラもいる! 急ごう!」

「カカシさん、もう動いていいんですか?」

「ああ。それよりも急ぐぞ!」

 

 リンもシズネも気づかわし気な視線をカカシに送りつつも、さらにスピードを出してパックンの後を追った。

 

 

 

 ゼツの案内で里の外にいたトビラはマダラと対峙していた。

 クナイを投げて確かめる間でもない。

 

「なぜその姿を……穢土転生体になっている?!」

「分かり切ったことを……俺を呼び戻した者がいるからだ」

 

 せせら笑うマダラの近くからゼツがにゅっと現れた。

 その様子にトビラは眉を寄せた。

 

「そこのゼツとやらが穢土転生を……俺が貴様を殺す前にあらかじめ身体情報を残していたのか」

「一度俺の死体の始末に失敗したお前なら次は焼き殺すと思ったからな」

「俺の穢土転生をこうも易々と……兄さんはどこだ?!」

「まだオビトの弟のふりをするのか? 弟想いの兄を騙し続け……やはり姑息な奴だお前は」

 

 トビラの目が三つ巴の写輪眼となった。

 写輪眼はチャクラを映す。

 かつてオビトも写輪眼を開眼した際、迷彩隠れの術で姿を消していた敵を見つけ倒した。

 だからこそ、トビラも見つけてしまった。

 

「兄さん……?」

 

 マダラの近くの茂みに隠れていたオビトを。

 オビトに灯る三つ巴の写輪眼は絶望に染まっていた。

 

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