これは二代目火影の卑劣な転生だ   作:駅員A

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マダラvs三代目火影

 三代目は弟子たちに呼びかけた。

 

「サクモ達からは引き離した! 自来也、大蛇丸! 畳みかけてゆくぞ!」

「へっ……おせーんだよ、ジジイ」

「昔を思い出すわね」

 

 瓦礫と共に森の森の外れへと吹っ飛ばされたマダラはスサノオを出したまま、印を組んだ。

 

「火遁・豪火滅却」

 

 それは三代目とて同じ。

 

「火遁・豪炎の術!」

 

 マダラと三代目、お互いの口から炎が出た。

 拮抗する炎がぶつかり合った。

 その時。

 

「火遁・大炎弾!」

「風遁・大突破!」

 

 自来也の炎に大蛇丸の風が加わり、猛烈な炎弾となって三代目の炎を強め、ついにはマダラの豪火滅却を打ち破った。

 その隙に三代目が金剛如意と共にマダラの正面に躍り出て、スサノオごと殴りつけ、砕いた。

 

「スサノオを砕くかっ! 面白い!」

 

 ニィッと笑うマダラに三代目はさらに如意で殴り掛かる。

 とっさに躱したマダラはスサノオからも引き剥がされ、三代目はなおも追撃をかけていく。

 

――あれは金剛如意……猿飛一族は代々、猿候王の系譜と口寄せ契約すると聞いていたが……あれはまさか猿候王そのものか? だとしたら厄介だな。

 

 マダラは三代目の追撃を避けながら冷静に敵を分析した。

 

「うちはマダラともあろうお方が逃げの一手でございますか?! 里への恨み、このワシが全て受け止めますぞ!」

 

 伸縮する如意棒で殴りかかりながら三代目が挑発するも、マダラは乗らなかった。

 

――コイツ、三代目ということは扉間に選ばれた者か……穢土転生体との戦い方も熟知しているようだな。道連れの自爆を警戒し、如意の長さを変えながら攻撃している……猿候王が化けた金剛如意が相手では腕どころか半身はぶち抜かれる。一撃も食らってはいけない。

 

 三代目はサクモと同じく、塵芥が集まる隙も与えずに身体を壊し続ける戦法を取ろうとしていた。

 それが分かっていたマダラはとにかく攻撃を避け続けた。

 これでは印を結ぶ暇なんて全くない。

 

「今の俺はだいぶ劣化しているとは言え、疲れ知らずの転生体。対する貴様は生身。どこまでその元気が続くかな……惜しかったな。あと10は若ければ俺が逃げる隙も与えなかっただろうに。猿飛佐助のせがれも老いたものだ」

 

 軽々と攻撃を避けるマダラはせせら笑ったが、三代目の表情は真剣そのもの。

 

「それだけ木の葉の若き芽が育っているということ! 里の未来を守ることこそ、老いゆくワシの務め!」

「フン……ならば遅かったな。すでに一人死にかけている。生きながらえてもあれはもう舞えん。強さだけなら次期火影にもなれた逸材だったろうに」

 

 マダラが目を向けたのはサクモの方。

 三代目は悔し気に顔を歪め、しかしマダラへの警戒を緩めなかった。

 

「なぜ……なぜ死してなお木の葉を襲う?! それほどに里への恨みが晴れぬか?!」

「ククク……俺が里への恨みだけでこんなことをしていると思っているのか?」

「それはどういう意味じゃ?!」

「三代目火影よ……俺の存在なんて関係なしに忍世界の闇は広がっていく。恐れ、疑い、憎むことは決してやまない……柱間が作り出したこの世界は失敗だ」

 

 マダラの言葉に三代目は顔をしかめた。

 

「恨んでいるのは里ではなく忍世界そのものということか! だとしたら猶更、貴様のやっていることを火影として許すことはできん! 忍の世のためにも!」

「ククク……俺を封じてもこの世界の在り方では意味のないことだ。良い目も育っている……まさか扉間が見越してうちはの子供に転生していたとは思わなかったがな」

「お主ッ! まさか……!」

 

 三代目は悟った。

 

――二代目様がわざとオビトの弟の身体に憑りついたと思っているのか! それに良い目とは……オビトのことだな。トビラとミナトの姿が見えん……おそらく二人はオビトの方へ……ならば、やはりワシはうちはマダラに集中する!

 

 改めて決意を固めた三代目はマダラに食らいつき続けた。

 その時、カエルの合掌が聞こえた。

 

「なんだ?」

 

 首を傾げたマダラの体勢が崩れた。

 ハッとしてすぐさま離れようとしたが、すかさず三代目が如意の一撃をマダラに与えた。

 霧散する塵芥、砕けたマダラの半身。

 

「チッ!」

 

 写輪眼を光らせ幻術を解いたマダラは三代目からの猛撃を避けながらチラリと自来也たちの方を見た。

 そこには老いた蝦蟇夫婦を両肩に乗せ、仙人モードとなった自来也がいた。

 

「蝦蟇の幻術か……だが二度は効かん」

 

 マダラの両目の写輪眼がギロリと自来也へ向いたとき、三代目の持つ如意がマダラへ伸びた。

 

「侍くずれよりは面白味があったが、貴様の動きにも飽きた頃だ」

 

 マダラが軽々と三代目の攻撃をいなそうとした時、如意の先に仕込まれていた起爆札が爆発し、集まりつつあった彼の塵芥、さらには残っていた片足をも吹き飛ばした。

 動く足を失ったマダラはそこに留まるほかなかった。

 

「頼むぞ、猿魔よ!」

「おう!」

 

 猿魔が変化した金剛如意がさらに形を変え、マダラの四方八方を囲む金剛牢壁となった。

 如意をいくつも組み立てた箱状の牢に閉じ込められたマダラ、まだその足に塵は集まっていない。

 

「大蛇丸!」

「分かってますよ」

 

 三代目の呼びかけに答えるように大蛇丸が地面からにゅっと出て来た。

そして、ようやく準備が出来た封印術をマダラに施し始めた。

 

「自来也ちゃん、アイツは一体なんじゃ?!」

「やったのかのう?」

「まだ安心はできません。お二人とも、しばしお付き合いくだされ」

 

 自来也は肩に乗る蝦蟇の老夫婦と共に事態を見守った。

 シュルシュルと大蛇丸の全身から白蛇が現れ、如意の牢を超え中のマダラに絡みつく。

一匹、また一匹とまとわりつく白蛇たちの身体にはそれぞれ封印の札がついていた。

 大蛇丸は冷や汗をかきながらも順調に術を進めていく。

 が。

 

「まずいっ! 大蛇丸! トビラの分身が消えた!」

 

 気づいた自来也が慌ててゼツのいる方へ向かうが、

 

「遅いヨ」

 

 地面に姿を消したゼツ。

 その向かう先はマダラの元。

 当然、予測できた三代目はクナイを構えた。

 

「大蛇丸! お主はこのまま封印術を!」

 

 言いながら三代目は背後に現れたゼツにクナイを刺した。

 

――コイツ、速いナっ……!

 

 ゼツは避ける暇もなく、顔の左側にクナイが刺さる。

 うちは火炎陣で捕らわれていたゼツを見る暇が無かった三代目は気づいていなかった。

 そのゼツの全身が真っ白であることに。

 

「猿飛! 後ろだ!」

 

 金剛牢に変化していた猿魔が叫ぶも遅かった。

 

「うぐっ!」

 

 三代目の背中から胸を突き刺すチャクラ刀。

 それを刺したのは大蛇丸だった。

 チャクラ刀を持つその手は真っ黒に染まっていた。

 

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