これは二代目火影の卑劣な転生だ   作:駅員A

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ほのぼのしたいのに

 オビトたちと別行動をとるトビラはある場所の地下深くにいた。

 

「なんのご用ですか。こんなところまで」

「まだ話の途中だったからな」

 

 ダンゾウは振り返り、トビラと向き合った。

 日の光の当たらない暗い場所だ。

 自嘲気味に笑いながらダンゾウが尋ねた。

 

「あなたのお兄さんへの処遇がご不満だと?」

「いや、俺が貴様の立場なら同じことを検討していただろう。それよりも決めることがある」

「これからの里のことならば三代目たちと四代目が決めるでしょう。元々、私は表の運営にはそこまで関わっていないから……」

「そうじゃなくて、俺の処遇についてだ」

「あなたの?」

 

 虚を突かれたダンゾウへ畳みかけるようにトビラは淡々と話を進めた。

 

「言っただろう。責任は俺が取ると。ダンゾウ、かつて俺を根に勧誘したことがあったな。その誘いを受けるとしよう」

「今さら何を言うのです。そもそも三代目火影がああ言った以上、私の活動も控え、根も解体せねばならん」

「一度蒔いた種をそのままにしておくとどう伸びるか分からないぞ。根のことは貴様にしかどうすることもできないのだからな」

「代わりにあなたが根を引き継ぎたいということですか?」

「あくまで俺は根に入ると言っている。今回の騒動で人員に不足が出るんじゃないか? ノノウとか言う忍、あれは根の者だろう」

 

 トビラの問いにダンゾウはとぼけた。

 

「はて、あの者は確か医療部隊長であったかと」

「ノノウから得たマダラ復活の情報をサルたちにも伝えたのはお前だろう。マダラに使ったあの封印術、あれはすぐに用意できるものではない。サルたちがマダラを抑えている間にお前は封印の手はずを進めていたのではないか? あの短時間であれほど穢土転生にうってつけな封印を開発したのだから大したものだ」

「それよりも前から用意していたのですよ。本当はあなたに使うつもりだったのですがね」

 

 ダンゾウの恨みがましい視線がトビラに向く。

 

「うちはオビトを連れ帰ってからのあなたはかなり禍々しいチャクラを放つようになりましたから、てっきりマダラが乗り移ったのかと思いましたよ」

「写輪眼の力が強まったからそう見えたのか。この身体はマダラの子孫、うちはとしての力が強くなればなるほどマダラに近づくだろうな」

 

 思いもよらない指摘にトビラは分析しながらも驚いた。

 

「結局乗り移っていたのは二代目のようですが安心はできませんな。そのうちはの身体にいつお心を蝕まれるやら……」

「貴様の言う通り、怒りに飲まれる感覚があるのは事実だ。特に生き延びていたマダラと対峙した時は自制が効かなかった自覚はある」

「では今のあなたは二代目でありマダラであるということですか」

「そういうことだ」

 

 厄介者を見る目をするダンゾウ。

 

「なぜそれを今ここで私に話した? まさかあなたがマダラに成り代わったら私に殺せと言いに来たのですか? ヒルゼンにはできないからこの私に」

「確かにサルに俺は殺せないだろうな。だが、俺とてみすみす殺されに来たわけではない。マダラ自身は封印されたが、奴の企みはまだ明らかになっていない。それを探す人間が必要だ」

「あなたがそれを?」

「そうだ。兄さんがマダラを蘇らせた以上、火の国以外にもその影響は出る。俺はその後始末をするとともに、マダラの企みを阻止せねばならん」

「それがあなたの責任の取り方だと言いたいのですか」

「ああ。マダラは用心深い男だからな。きっと痕跡は闇に隠されている。それを探るには火影だけでは手が回らん。この忍界の闇を知る者も必要だ。貴様のような忍がな」

 

 トビラはさらに続けた。

 

「ノノウは今回のことであまりに目立ちすぎた。これでは他国への潜入も困難だろう。俺はノノウの代わりはできんが、組織の穴を埋めることはできる。この世界にばらまかれたマダラの企みを追う根の一員としてな」

「どうやら乗っ取るのはその身体だけではないようですな。私が作った根も結局はあなたの手に……」

「根は木ノ葉を裏より支える組織だと聞いている。違うか?」

「……ええ、もちろん。すべては里のため忍の世のため……。いいだろう。うちはトビラ、本日よりお前を根の一員に加える」

 

 ダンゾウは心底嫌そうな顔で宣言した。

 自分が作った組織にかつての上司が部下として入るのだからやりづらいことこの上ないのだろう。

 かと言って、トビラの申し出を跳ね除けることもできない。

 マダラの計画を探り、阻止することが里のためになるとダンゾウも分かっていたからだ。

 

「トビラよ、早速だがお前の耳に入れておきたい話がある」

「なんだ?」

「雨隠れで急激に大きくなっている組織について。名は“暁”」

 

 同じころ、オビトの病室にてフガクが尋ねた。

 

「オビト。俺が見た限り、うちはマダラの目は片方にしかなかった。片目の行方を知らないか?」

「そもそもあの片目も拾いもんだって言ってましたよ。だからもし俺が死ぬつもりならこの片目を寄越せって言ってきたし」

「あの片目も拾い物? うちはマダラ本来の写輪眼はどこへ?」

「分からないですけど、ジジイの姿で生き残っていた時から片目だけでしたよ。そういえばトビラもマダラと戦っている時に気にしてました」

「そうだろうな。マダラの写輪眼は永遠の万華鏡写輪眼。もしその目を誰かが持っているとしたらそれだけで厄介だ」

 

 話を聞いていた自来也が加わった。

 

「しかし、木ノ葉以外の忍が写輪眼を持っているなんて噂、聞いたことがないぞ。もしも写輪眼を……しかも両目あるとすれば何かしら噂は漏れるはずだ」

「隠し持っているのかしらね。あまりに強力な力を誰も使いこなせていないのかも。カカシもかなりバテているじゃない」

 

 大蛇丸が言う通り、オビトが使うはずのベッドに今はカカシが横たわっていた。

 ようやく事態が落ち着いたことでどっと疲れが出てしまったからだ。

 そのまま休ませるのが一番、ということでオビトが快くベッドを明け渡したところで始まった会話だった。

 綱手に無理やり連れてこられ、抜け出るタイミングを失ったノノウがふと言葉を漏らした。

 

「紋様が通常の写輪眼と変わって気づかれていない、という可能性はありませんか?」

「紋様? ノノウ、どういうことだ?」

 

 綱手の問いにノノウはオビトとフガクに目をやった。

 

「万華鏡写輪眼とやらは通常の巴が浮かぶ紋様とは違います。しかも個人差があり、オビト君の目とフガクさんの目も違う形をしていました」

「そうなのか? 俺、自分で見えないから気づかなかったな」

 

 そう言いながらオビトは万華鏡写輪眼を出した。

 

「フガクさんと違うってこの目の紋様だろ?」

「やめなさい! 万華鏡写輪眼はそんな気軽に出すものじゃない! これは使えば使うほど失明するものだ!」

 

 怒鳴りつけるフガクにオビトもその場にいた者も驚愕した。

 

「フガク! お前そんな大事なことなんですぐに言わなかった? お前もさっき使っていただろう! すぐに看てやるから来い!」

 

 フガクは首を振った。

 

「綱手様。これは医療忍術でどうにかなるものではありません。それだけの力があるということです。そもそも、使うだけでも消耗するはずなのに……オビト。お前は平気なのか?」

「俺、そんなことに気づきもしなかったです。さっきの戦いで何度か使ったけど視力が落ちた感じもしないし……」

「これも柱間細胞のおかげかしら」

 

 言いながら、大蛇丸の目が爛々と輝いている。

 かなり興味を引かれている様子だ。

 綱手はそんな同志にため息を吐き、フガクとオビト、そしてカカシを見渡した。

 

「なんにせよ、そんなリスクのある代物ならホイホイ使うものではないな。フガク、このことは火影たちにも報告しろ」

「ええ」

 

 頷くフガクはなおもオビトに目が向いていた。

 

「万華鏡写輪眼の失明から逃れるためには永遠の万華鏡写輪眼を得るしか方法はないと思っていたが……まさか、相反する二つとはうちはと千手の力?」

 

 驚きのあまり、フガクの口から洩れる言葉。

 そしてハッと何かに気づいた。

 

「オビト。確か生き残っていたうちはマダラは千手柱間の細胞を埋め込んだと言っていたな?」

「そ、そうです」

「ならばマダラはもしかしたら輪廻眼を開眼したのかもしれん」

「輪廻眼?!」

 

 フガクの言葉に大きく反応を示したのは自来也だった。

 

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