裏方先生の裏方業務 課外授業『テーマ:宝探し』 作:虎神 圭
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「頼んだ、コータス」
「気張ってこう、ルガルガン!」
せきたんポケモン、コータス。対するは、オオカミポケモン、まひるのすがたのルガルガン。セルクルコートにて2匹が
コータスは背の甲羅から、鼻先から
日差しが強い。ネモは太陽を手で遮る。
炎タイプのコータス。岩タイプのルガルガン。タイプ相性ではルガルガンに軍配が上がる。
「1匹目はひでりコータス。晴れパーティなのかな。それとも別の狙いが???んんんんんーーー、ワクワクが止まらない!!!さいっこう♡」
情報を制す者は戦いを制す。
パルデア地方と遠く離れた東方の地、戦乱に明け暮れる時代にいたとされる、かの偉人、軍事思想家
曰く、"
名君、
ルガルガンと対峙してから今に至るまで得られた情報と言えば、まよなかのすがた、でも、たそがれのすがた、でもなく、ネモの手持ちルガルガンは、まひるのすがたのルガルガンであること。対してコータスの特性「ひでり」は早々にネモへ露見している。この差が今後の戦いを大きく左右しないことを今は願う他なかった。
「ルガルガン、ステルスロック」
先に動いたのは、ネモのルガルガンだった。
ルガルガンの咆哮は、無数の鋭利に尖った岩の破片を浮かび上げると、コータスの周りに散りばめた。
厄介な技を、、、。
ステルスロックは交代で場に出てきたポケモンにダメージを与える岩タイプ変化技。岩タイプ弱点の手持ちポケモンには、場に出るだけで致命傷になりかねない。余程のことがなければ、当該ポケモンへの交代は難しい。
ポケモンバトルだけでなく、多くの勝負事で戦いを大きく左右するもう一つの要素が読み合いを制すことだ。読み合いは論理立てて説明することが難しく、かつ相手が人間である以上絶対的な解答が存在しない。
ある人には通用した「読み」も、対戦相手が変わればまるで通用しないということは日常茶飯事だ。
ステルスロックによってネモは私の選択肢を狭めることで、次の行動を読みやすく、それに合わせた行動をしやすくなった。試合はネモ優位に進む。この悪き流れを断ち切る必要がある。幸いにもコータスには、その力があった。
「コータス、ソーラービーム」
特性「ひでり」で強まった日差しの光を急速に吸収し、膨れ上がった光の束を間髪入れずに放つ。眩い光の束はネモの指示を遅らせた。ルガルガンはソーラービームを一身に浴びる。効果は抜群だ。光線が通り過ぎた後に倒れ込んだルガルガンの姿が見えた。
ルガルガン!!!主人の呼びかけで飛んでいた意識を覚ますと、ボロボロの体に鞭を打って立ち上がるルガルガン。前足に巻かれたタスキと主人に対する忠誠心が彼の体を突き動かす。
初手のステルスロックで布石を打ち、"きあいのタスキ"で、どんな手痛い一撃が来ようとも耐え凌ぎ、次の一手にてコータスに一矢報いる、あわよくば突破をすることを彼女は一人
流石はパルデア地方最年少のチャンピオンランク保持者。
バトル慣れしていることが見て伺えた。
「ルガルガン!ストーンエッジ」
「コータス!とっしん」
最後の力を振り絞ってルガルガンは、
砂煙が立ち込める中、突如眩い緑の光が煙の中から漏れ出た。続け様にガラスの割れる音が聞こえたかと思えば、直後ルガルガンの身体が宙を舞った。
「、、、え!?」
予想外の事態に驚きの声が漏れるネモ。
立ち込めていた砂煙が時間が経過すると共に霧散して晴れていくと、頭上に向日葵を咲かせて光り輝くコータスがその姿を現した。
"テラスタル化"。突如としてポケモン達が全身を結晶化させることで自身のタイプをテラスタイプへと変化させる、パルデア地方特有の現象。テラスタルによって炎タイプから草テラスタイプに変化したコータスには、ルガルガンの放つストーンエッジは効果今ひとつだった。
ほぼ無傷での数的アドバンテージ。
ネモには非常に苦しい状況の筈だが、彼女の顔が曇ることはなく、むしろ笑みが溢れていた。この状況を心の底から楽しんでいるように思えた。
「次はこの子で勝負!行っておいで、パーモット」
てあてポケモン、パーモットは主人の指示を受けて、バトルコートにてコータスと対面した。ルガルガンを撃破して自信をつけたコータスは、より一層濃く長く煙を体中から噴き出した。
「パーモット、冷凍パンチ」
冷気を帯びながら繰り出された拳が、コータスの顔目掛けてクリーンヒットした。
「コータス、じしん!」
コータスが前足を振り下ろすことはなかった。凍りついていたのだ。
「絶対負けたくない!畳み掛けるよ、パーモット!でんこうそうげき!」
「マズイ!コータス、こらえる」
稲光と共に目にも止まらぬ速さでコータスの懐にパーモットは潜り込むと、溜め込んだ全身の電気を拳に乗せて叩き込む。
堪えた。コータスは立っているのが不思議なほどボロボロだ。次は耐えられない。彼にはまだ役目がある筈。ここで倒れてもらうわけにはいかない。私はコータスをボールへと戻した。
「いけ、オリーヴァ」
オリーブポケモン、オリーヴァは出てくるや否や、対となる3つのオリーブの実がついた羽のように大きく広がる両腕を上げてオリーブの冠を彷彿とさせる円を形作るという、独特の戦闘体勢を取った。
ルガルガンが残した置き土産がオリーヴァを襲う。オリーヴァは顔を一瞬歪ませたものの、未だ体力には余裕があった。
「パーモット、冷凍パンチ」
「オリーヴァ、せいちょう」
オリーヴァの胴を完璧に捉えた拳。確かな感触を得たパーモットだった。直後、決まったかに見えたパーモットの拳が押し戻された。慌てて距離を取るパーモット。見るとオリーヴァの体躯が先ほどに比べ、急速に膨張していたのだ。両腕を目一杯広げて、日差しを浴びることで、オリーヴァの体は急速な勢いで大きくなっていく。
不敵な笑みを浮かべるオリーヴァ。
パーモットを包み込むかのように広げた両腕に反射的に後退りをするパーモットをネモの声が彼の闘争心を今一度奮い立たせた。
「冷凍パンチ!」
「せいちょう!」
パーモットの冷凍パンチがオリーヴァを襲う。
オリーヴァに効果抜群な攻撃を物ともせず、彼はケロッとしていた。
「な、なんで!?」
オリーヴァは夢特性(隠れ特性)「しゅうかく」を習得した特殊個体であった。降り注ぐ強い日差しによって、持たせていたオボンの実が、彼自身の体に急速に実り、彼はそれを摂取することで無限の回復力を誇っていた。
ネモが気づく前には、まだ時間がかかる。その前に勝負をつける。
「オリーヴァ、エナジーボール!」
せいちょうを積んで火力を底上げしたオリーヴァのエナジーボールがパーモットを襲う。パーモットはその場に倒れ込んだ。
「まだ諦めない!マスカーニャ!」
ネモ最後の1匹はマジシャンポケモン、マスカーニャ。しかし火力を底上げしたオリーヴァの敵ではなかった。
「そこまで!勝者、裏方先生」
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この回は晴れパでトロピウスを活躍させる予定でした。
しかしルガルガンのステルスロック+パーモットの冷凍パンチをダメージ計算ツールで計算すると、どうやっても耐えられない。コータスとトロピウスの間にポケモンをもう1匹噛ませるのも、出来ればしたくない。
途中まで全てを書き直す気も起きず、妥協案としてトロピウスの代わりにオリーヴァが登板されました。